北海道ツーリング(道北・道東編)

7月4日(木)
モシリバ前にて オーナー夫人と  翌日、上陸5日目。朝起きてみたらもう9時前だった。おわっ、寝坊した!昨晩そんなに飲んだつもりぢゃなかったけど、どうやら前日の寝不足がたたったらしい。居間におりたら、もうみんな出発しちゃっていなかった。お別れの挨拶ぐらいしたかったなあ。皆さん良い旅である事を祈ってますよ!
 とりあえず急いで朝食食べて出発の準備。幸い今日は知床観光船乗るだけだから、時間的余裕はあったので助かった。オーナー夫妻にお礼言ってから、いざウトロへ向けて発進。知床分断道路経由でウトロ港へ向かいます。天気はどんよりと曇りがちだったけど、例の如く知床峠を越えるといい天気。ほんとにここは山をはさんで見事に天気が変わりますねえ。途中昨晩一緒だった東京のチャリダーさんを抜く。がんばって峠を自転車で走ってます。手を挙げて挨拶すると、手を振り返してきました。私だと気がついたかな?お元気で!またどっかで遭いましょうね!
 ウトロ港には観光船出航2時間ほど前に到着。乗船申込みして、余った時間でその辺をブラブラ。1年ぶりにオロンコ岩にも登ってみました。ここからの景色はいいですね。今日は天気がいいから余計に気持ちいいです。おや、向こうから船が帰ってくるぞ。観光船が帰ってきたみたいだ。途中で引き返してくる短い方のヤツだな。ということはそろそろ時間か。下へ降りよ〜っと。

エサねだりカモメ  時間が来たので乗船し、デッキ後方に景色を観やすい場所を確保。さあいよいよですね。去年来て先まで行けないと知ってから早1年。行けないとあればせめてどんなとこか観てみたいと思うのが人情。今回のツーリングは新しい宿題増えてばっかしだから、最大目標の一つであった岬めぐりを達成できるだけでも嬉しいもんです。ありがたい事にちゃんと観光案内放送を流してくれてます、さすがは観光船。綺麗な景色を観るだけで十分満足なんだけど、何がみえてるってのがわかるとさらに想い出深いものになりますもんね。出航したら、お約束のカモメが船についてきました。
 港を出てしばらくすると、後ろから「こんにちは。昨日はどうも」って声が。振り返ると、どこかで会ったような会わなかったようなお兄さんが、ニコニコして私のことを見てる。えと、どちら様でしたっけ?「イヤだなあ、昨日カラマツの湯で会ったぢゃないですか」。ああ、あの時の!ごめんなさい、すっかり顔忘れてしまってました。聞いてみると、昨日私がこの船乗ると聞いて、興味がわいたからやってきたとのこと。な〜んだ、私に気があっ・・・もとい、あなたも知床の自然に興味あったんですね。ぢゃあご一緒しましょうか。
 そうこうしてるうちに、観光スポットに近づいてきました。まずプユニ岬に始まり、そして乙女の涙、男の涙と続いていきます。いや〜、綺麗ですねえ。知床でしか見ることのできない自然が、目の前に延々と広がってます。手付かずの自然(一部鮭漁の基地みたいな建物があるけど)なんて、他の場所ではほとんど観ることできないんではないでしょうか。特に海に直接落ちる滝(カシュニの滝など)が印象的でした。これって日本で観れるのここだけなんぢゃ?とにかく乗って良かった。これでもうちょっと岸に近づいてくれたらもっといいんだけどなー。一生懸命目を凝らして陸地観たんだけど、動物らしい影は全く見えず。それは来年以降のネイチャーウオッチングボートに期待ってことで。

プユニ岬   乙女の涙(フレペの滝)
ウンメーン岩(?)  カシュニの滝  知床岬

 出航して約2時間余り、やっと岬に到着です。険しい山並みが急にペッタンコの台地状になり、広い草原のようになってます。そこには無数の獣道が。へえー、先ってこんな感じになってたのか。ちょっと上陸させてもらえないかなあ。聞くところによると、昔はここに連れてって降ろしてくれるツアーなんてのもあったらしい(もちろん自然保護区域の為、違反行為)。まあ人が入ってこないからこれだけの自然が残ってるんでしょうが。この手の夢は夢のまま置いとく方がいいんでしょうね。この大地が後世まで自然の楽園たらんことを!
 さて観光船はここでUターンし、ウトロ港に戻ります。早速船上で今夜の宿泊計画をば。せっかくテント持って来てんだから、どこかキャンプ場に行きたい。重たい思いして持って来たのに、使わずに帰るなんてもったいないし。それに肝心のサイフの中身の方がちょっと(笑)。明日小樽まで戻らないといけないから、そこまでの途中にいいとこないかな。あ、ここなんて良さそう、チミケップ湖キャンプ場。北海道三大秘湖の一つであるチミケップ湖の畔にあって、いかにも綺麗そうだぞ。阿寒湖よりまだ先にあるけど、決して行けない距離ぢゃないだろう。帰りもすぐ上のR39通って旭川まで抜ければ、そこから小樽までは余裕だし。よし、ここに決定!

 予定通りウトロ港に到着して、駐車場のバイクのところへ戻る。そしたらバイクの感じがなんかおかしい。あれ、なんか車高が異様に低くなってるような・・・と思ったら、ゲゲェ、後輪パンクしてんぞぉ!
 急いで荷物の中から修理キット取り出してパンク修理。いったいどこから空気モレてんだ?おかしいなあ、それらしいとこがないぞ、このパンク修理痕以外は・・・。・・・。・・・。どらんわっしゃあ!!こっからモレてんぞぉ!(爆)。確か一度修理した場所はもう直せないんぢゃ?そんなこと言ってる場合ぢゃない、とにかくやるだけのことはやらないと。まずドリルで穴拡げて、ゴム押し込んで・・・。のああ!余計にひどくなったあ!(自爆)。結局、1時間以上悪戦苦闘した挙句、今日は走行不能ってことに。エーン、キャンプがあ!(泣)
 この間、船で一緒だった彼は心配して傍にいてくれたけど、申し訳ないので先に出発してもらいました。彼は「ごめんね」なんて謝りながら旅立っていきました。何言ってんですか、こっちこそ謝らなければ。心配してくれてありがとう。
 もう時間が時間なので、修理はひとまず諦め、今宵の宿を探す。まずあの『ボンズホーム』へ行ったら、「夕食の準備はできないけどいいですか」って。ありがたい、泊めてもらえるだけで十分ですよ。それにしてもこんなことで初めてボンズホームに泊まるなんて。嬉しいハズなのになんとなくブルー(笑)。本日の走行距離、62.1km。

7月5日(金)
 そして翌日。当たり前だが、空気は抜けたまま。なんかこの現実から逃避したい(笑)。とりあえず、ボンズホームで売ってもらった、圧入式の接着修理剤を試してみる。昨日同宿だったみんなが心配して駐車場までやってきてくれた。「直りそう?」。いや〜何とも・・・。バルブのとこからシューっと中に入れて、拡散させるためにセンスタのままエンジンかけて後輪を回す。なんだあ、何かピッピ、ピッピ飛び出してるぞ?穴から接着剤が出てるのね(笑)。全員失笑・・・(爆)。それでも、10分も回してるうちに液体が出なくなってきた。なんとか行けそうか?近くのガススタで足らずの空気圧足して、再度モレを確認。今のところ大丈夫そうだ。よし、これで行けるとこまで行ってみよう。
 出発前にボンズホームでお礼の挨拶。「気をつけてくださいね」。そのマジ顔で心配すんの止めて(爆)。なんとかなるっしょ!(とは言いつつメッチャ不安)。とにもかくにも、小樽へ向けて玉砕ロード敢行!それにしてもこっから小樽まで何キロあるんだ?(笑)。

 まずR334で斜里、東藻琴村、美幌と通ってR39へ合流。北見市内で12時頃となったので、コンビニ入って昼食休憩。タイヤを触って空気圧が大丈夫か確認してみる。まだ抜けてるような気配はなし。でもまだ安心できないぞ。弁当かっ食らいながら、なんでパンクしたのかいろいろ考えてみた。思い当たるところ、カラマツの湯に行くのにダート走ったくらいしかない。なんにせよ、パンク修理したようなタイヤを交換せずに使ってた自分が悪いことは間違いない。とはいえ、よりによってどうしてこんな時に・・・。チェッ、ついてないなあ。
 グチっててもしょうがないので、飯食い終わったら直ちに出発。じっとしてたらまた抜け出すとも限らない。とにかく先に進まなければ。R39をまた走り出し、温根湯の道の駅でトイレ休憩、そしてそれから石北峠越えへ。タイヤに負担のかからないよう、できるだけゆっくり登る。途中、工事をしていて一部ダートだった(汗)。おいおい、何やってくれんだよぉ(笑)。
 恐る恐る区間を通りすぎて峠越えて、層雲峡のガススタで一休み。またしてもタイヤ確認を行う。ほんとこんな状態で走るのは神経によくない。実際気疲れして疲労度がピーク状態。バイクの傍にへたりこんで、しばらくボーッと景色を眺める。そういやここ観光地なんだなあ。温泉とか入りたいなあ。いいや駄目だ、早く小樽へ着いてしまわないと!
 気を取り直して再発進し、上川、愛別を抜けて旭川へ。ホッ、さすがにここまで来ると何かあってもバイク屋呼べるだろう。それにしてもあんなに街を嫌がってたのに、今では街にいることに安心感すら感じる。我ながら何て勝手なヤツ!(爆)

 とにかくここからは高速のって小樽まで一直線だ。走れなくなっても何kmか毎に電話も設置されてるし、少なくとも誰もいないとこで止まって途方に暮れるなんてことはないハズ。時間は3時半頃、うまくいけばまだ陽の高いうちに小樽に着けそうだ。
 鷹栖ICより道央自動車道にのっかって、80km/hで慎重に走行。横を車がブンブン抜いていく。クッソー、こういうステージこそ本来はZZRの真骨頂なのにぃ!いや、イカンイカン、気持ちを押さえるんだ。今の君には無事小樽に辿り着くことが至上命令なのだ!自分を必死に言い聞かせながら淡々と走り続ける。でもやっぱりくやしい(笑)。北海道のドライバー諸君、この仮は来年以降必ず返す!必ずだ!!
 そんなこんなでなんとか小樽に到着。心配した空気圧は、トータルで0.3ほど抜けてました。この程度ならば明日もう一度入れ直して、とりあえず舞鶴まで帰れそうだ。一安心して、去年と同じ小樽サウナへ行って一っ風呂。相当疲れてたのか、あがったらリーソクで寝ちゃいました。ふう〜。本日の走行距離、469.7km。

7月6日(土)〜7日(日)
 翌日、北海道最終日です。今日はフェリーに乗るだけ。朝風呂入ってシャキっと目をさまし、空気圧入れ直して8時半頃ターミナルへ。もうだいぶバイク集まってきてますね。周りのライダーさんと、どこ行ってきたんですか、なんて談笑。もう帰るだけとあってすっかり余裕です(笑)。フェリーに乗ってるうちに空気全部抜けたって、舞鶴にさえ着けばなんとかなる。バイク屋預けて後日取りに行くって方法もとれるし。いやいや、一時はどうなるかと思っちゃいましたよ。
 いろいろ話してるうち、そういや今日はD3青君と再会の日だったということを思い出しました。礼文島で別れてから数日。彼はあの後どの辺走ってきたのかな。愛とロマンの8時間トレッキングのことも聞かせてもらいたいし。あれ、姿が見えないぞ、どうしちゃったんだろ。もうすぐ乗船始まっちゃうぞ。
 いよいよ乗船開始って時になって、やっと滑りこむように見覚えあるD3青が登場。おお、無事だったか。心配したぢゃないですか。何でも今朝3時頃道東の知り合いの家からすっ飛ばして走ってきたそうです。あんたもよくやるねえ(笑)。
 出航後はD3青君と情報交換しながら、眠たくなったら寝るの繰り返し。フェリーで帰ってくるのって、こうやって旅の疲れを取りながら帰郷できていいですね。

無事帰ってきたZZR  そして最終日、今日はとうとう自宅に帰る日。でもまだまだ海の上です。うがー、長いな。そういや去年は夜小樽出航の船だったから間1日だけだったけど、この船は丸2日船上にいないといけないんですねえ。昨日はまだしも、1日経つと体の方も元気になってじっとしてるのが苦痛。早く港に着かないかな。それにZZRの事も心配。空気抜けてないだろうか。できたらバイク見に行きたいけど、航行中は行っちゃ駄目なんだよねえ。
 夕方頃になって、やっと陸地が見えてきた。おっ、もうすぐだな。早々に荷物片付けて、デッキにあがって景色を眺める。やっぱり海がバッチイな。こんなの観て帰ってきたって実感するなんて、嫌気がさすよなあ。ああ、今からも1回北海道へ行きたい。あ、タイヤ交換しなきゃ危険か。どっちにしろもう金が残ってないよ(笑)。
 接岸して、荷物かかえてバイクのところへ。さあて、大丈夫かなー。恐る恐る近づいて、タイヤ触ってみる。やった、ちゃんとあるぢゃないの!良かったー!!これで一緒に家まで帰れそうです。下船して、D3青君に別れを告げる。またどっかで遭いましょうね!(実はこの年の8耐で彼に偶然再会した。ほんと世間って狭いよね!)
 お金の関係でオール下道通って自宅まで。何事もなく、無事帰還いたしました。今年もいろいろ楽しかったなあ。宿題もいっぱいできたし、早速来年の計画でも建てようかな!待っててくれよ、北海道!

追記:シンザン号のご冥福を心からお祈り申し上げます・・・。

おわり


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