Silver History  
1 銀粘土とは? 粘土からアクセサリーが出来るまで   
2 粘土の種類と特性
3 自分で作ってみよう!(資格をとるには?)
 

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1 銀粘土とは・・・

銀粘土アートクレイシルバーとは、粘土状に加工された純銀の素材で 簡単に言えば「銀の粘土」です。
「純銀を微粉末にしたもの」+「水」+「バインダー結合剤」の3つが練り合わされていて、
造形後高い温度で焼くことにより水&バインダーが焼失し、純度の高い純銀となる。*高い温度→650℃〜870℃


  ◆‥ 粘土からアクセサリーが出来るまで ‥◆ 

1.造形  自由に伸ばしたり・丸めたり・切ったりして 好きな形にする。 焼くと収縮するので少し大き目に作りましょう。

2.乾燥  自然乾燥で1日、もしくはドライヤーの熱風で乾かす方法があります。 乾燥すると石膏のように硬くなります。

3.修正  硬くなったアートクレイをヤスリなどで削り形を整える。(彫刻刀やカッターなども使用出来ます)

4.焼成  電気炉やコンロで焼く。 焼いた後真っ白になり、ここで初めて「純銀」と呼びます。

5.仕上げ ステンレスブラシで全体を擦りサウンドペーパーや磨きヘラなどで研磨する。磨く事で純銀の金属の光沢が生まれます


  ◆‥ 作成時の注意点 ‥◆ 

サイズ  焼成時の収縮を考え、リングの場合なら通常3サイズ大きく作ります。
     サイズが大きくなれば収縮する長さも大きくなるので、18号以上の場合は4サイズ大きくする事をお勧めします。
     *太さや厚みのある物の場合も同様に4サイズ大きめに作る。


  ◆‥ 焼成後のサイズ調節 ‥◆ 

★小さかった場合  芯金棒にリングをさし、軽く木槌で叩いて大きくします。 大体2サイズくらいまでは大きく出来ます。
          この時必ず真っ白の状態でなく、必ずステンレスブラシで銀面を出してからしましょう。
          真っ白のままでは強度が弱いので割れるかも!

★大きかった場合  糸のこぎりで1サイズにつき1mm切断し、ペーストまたは油性ペーストでつなぎ再度焼成します。


          ・・・どちらも面倒なので、出来たらこの作業はお勧めしません。


  ◆‥ 道具の説明などを詳しくまとめてみました ‥◆ 

↓それぞれのページへどうぞ。↓


  焼成具  造形&研磨道具



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2 粘土の種類と特性

粘土にはアートクレイシルバーとPMC3という(要は、メーカーの違いなんですが)種類があります。

それぞれの特徴や種類などを分けて書いてみます。

作成する人もですが、どこかで(ネット内にいろいろあるお店)手作りのシルバーアクセサリーを購入される予定の方も
参考になる部分もありますので、是非どんなものなのか読んでみて下さい。


  ◆‥ アートクレイシルバー ‥◆ 

★アートクレイシルバー
   扱いやすく、焼成時の失敗が少ない。 初めての方にお勧めです。
   *焼成後の強度はPMCクイックより若干劣る。

★アートクレイ650スリーズ
   低温焼成可能なので、ガスコンロなどで焼けます。 焼成後の強度が高い。
   *焼成時に内部の水蒸気による破裂があるので乾燥をしっかりしないとヒビ割れの原因となります。

★ベーシックシリーズ
   高温800℃で焼成

★STシリーズ
   普通の粘土と違い耐硫化銀粘土という特殊なもので出来ています。 他の銀を1%しか混ぜてないので、変色しにくいです。
   焼成後純度99.9%以上の純銀になります。(日本では純銀表示になりません)
   *850℃でしっかり30分程焼かないとダメ

★アートクレイ スロードライタイプ
   乾燥しにくいので、薄い・細い作品作りに向いてます。
   (編み込み作品・厚み3mm以内の作品などを作るのに最適)
   手にくっつきにくいので、べたつかず初心者に向いてます。
   *水になじみにくい。 ほんの少し他の粘土より収縮率が大きいので注意!

★アートクレイ ペーストタイプ
   焼成後の作品同士の接着や、造形中の作品の修正に使用。
   *強度は油性タイプより劣ります。 この粘土自体も強度が劣ります。

★アートクレイ 油性ペースト
   修復に最適で補修跡も残りにくい。強度も高い。
   *乾燥しにくいので、しっかり乾燥させましょう。

★アートクレイ ペーパータイプ
   紙感覚で作れます。 軽いのでブローチなどの作品作りに最適です。



  ◆‥ PMC3 ‥◆ 

☆PMC3
   600℃で焼成出来るのでSV925のパーツと組み合わせる事が出来ます。
   強度は銀粘土の中で一番高いです。

☆PMC3 クイック粘土
   800℃〜900℃で焼成。
   構造が陶器と似ているので、香水などを染み込ませたり出来ます。
   焼成時の失敗が少ないので初心者の方にお勧めです。  ◎アートクレイシリーズの粘土より強度が高い。
   *強度は高いが収縮率がほんの少し他のより大きいので仕上がりでサイズが!って事にならないように注意!!!

☆PMC3 ペーストタイプ
   上記のアートクレイとほぼ同じですが、強度が若干弱いです。



  ◆‥ アートクレイカッパー ‥◆ 

アートクレイから新しく発売(2009年)された銅粘土「アートクレイカッパー」
普通、銅って「ブロンズ」とかって呼ばれたりしますが、
ブロンズとは「青銅」で銅と錫(すず)で出来ています。
銅だけで出来ているものは「COPPER カッパー」と呼びます。
アートクレイから出ている粘土は銅含有量が90%なので
「アートクレイカッパー」と名付けられたようです。

1.造形
   アートクレイカッパーは水性粘土です。銀粘土よりすぐ乾燥しちゃいます。
   収縮率は長さで10%以下です。
   *焼成すると表面に酸化膜が出来るので、少し分厚く造形する事をお薦めします。

2.乾燥
   ドライヤーで10分以上。
   銀粘土と違い、表面はすぐ乾燥しますが中はやわいので十分乾燥させないと、
   削る作業やくっつけたりする時に少しの力でデザインが崩れます。

3.焼成
   970℃に昇温させた電気炉に入れ970℃で30分保持し焼成します。
   焼成後すぐに、水に浸け急冷すると酸化膜を除去する事が出来ますが、綺麗に全部は取れない為
   ピックリングコンパウンド(酸洗い用固形酸材)を溶かした液に15〜30分浸けておく。

注1*熱い作品を取り出したまま放置すると、表面の酸化膜が周りに飛び散るので危険です。
   その際はカオウールブランケットを上に被せてください。

注2*銀粘土と違い、酸化膜が台に付着したりするので銀と銅を焼く時に使い分けた方がいいかもしれません…。

注3*厚さが15mmを越える大振りな作品は、直接高温の電気炉に入れるとヒビが入る場合があるので、
   室温から焼成してください。


4.酸洗い
   ぬるま湯(50℃以下)にピックリングコンパウンド(酸洗い用固形酸材)を溶かした液に15〜30分浸け
   表面の酸化膜を取り除く。取りきれない部分はリューターで削る。
   酸洗い後は重曹水を溶かした液に15〜30分浸け酸を中和させ流水で濯ぎ良く水分を取る。

5.仕上げ
   焼成後作品は純銅になっています。
   金属ブラシ・磨きヘラ・リューター・磁気バレル等で研磨することで光沢が得られます。


+*金属アレルギーのある方は、粘土使用上の注意&アクセサリーを着ける際に注意が必要です*+



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3 自分で作ってみよう!(資格をとるには?)


  ◆‥ 一度自分で作ってみたいと思った方 ‥◆ 

・道具が何もなく、とりあえず作ってみたい方は
    → <銀粘土 アートクレイシルバー【はじめてキット】>

・でも、管理人のオススメは値段はお高いですがこっち
    → <銀粘土 アートクレイシルバー【雑貨キット】>

・もっと本格的に作りたいならこっち
    → <銀粘土アートクレイシルバー【スターターセットDX】>


《雑貨キット》か《スターターセットDX》は、
磨きヘラ(鏡面磨き出来る道具)・ヤスリ等が磨き道具がいろいろ入ってます。
最初の1回目はお値段がはりますが何個か作ってみたいと思った時に
きっと「いろいろな道具が必要だ!」となるので、最初に買っておけば余り買い足す必要がないからです。

**ちなみに管理人は、お友達が雑貨キットを購入していたので
一緒に使わせて貰いながら少しずつ必要な道具を揃えました。 
教室に通うようになってからは、先生に注文もしくは近所のホームセンターなどで道具を購入しました。**


  ◆‥ 資格について ‥◆ 

【銀粘土技能認定】 文部科学省許可(財)日本余暇文化振興会
                 ↑ が認めてる資格

色々他にも「銀粘土関連の資格」がいっぱいでてくるかと思いますが、
<文部科学省許可(財)日本余暇文化振興会>の認定あるなしでは結構大きいと思います。
<公的機関認定の資格><任意団体認定の資格>
どちらも資格にはかわりないですが、任意団体は、あくまで「私的な集団」なので、
社会的に通用するか?は、管理人の私には詳しくわかりませんので各自お調べください。


では、次に資格を取るにはどうしたらいいか。
ここは<アートクレイシルバー文部科学省許可(財)日本余暇文化振興会>に限りのお話をさせて頂きます。


流れを簡単に説明すれば、

規定の品13作品を作る→検定の品3作品作る→銀粘土技能認定資格の取得
*しかし、これは最短13作品だけで、
習う教室によれば全ての作品じゃないとダメとか、13作品+○作品等の場合もあります。
13作品はあくまで基本中の基本です。先生になるにはいろいろ体験した方がいいと思います^^


  ◆‥ 13作品 ‥◆ 

課題01:カジュアルリング(ひも状リング石枠付き)
課題02:木の葉のペンダント
課題03:シリンジ透かしペンダント
課題04:コルク粘土の透かしイヤリング
課題05:小枝のブローチ
課題06:シリンジの平リング
課題07:パールリング
課題08:削りだしリング
課題09:天然石のタイタック
課題10:ガラスのブローチ
課題11:金粘土リング
課題12:金箔のペンダント
課題13:スティックブローチ


  ◆‥ 検定作品 3作品は、オリジナルデザイン(規定あり) ‥◆ 

*作成する際の材料は、アートクレイの教材を使うこと。 石等は自由に買ってもよくなりました。


**リング**

条件:1.仕上がりサイズは13号で作ること
   2.リュータもしくはピンバイスで合成石を埋め込むこと
   3.ひも状リング(甲丸でも可)を作ること
   4.削りだしの模様をつけること
   5.いぶすこと
   6.オリジナリティ


**ペンダント**

条件:1.銀リボンで天然石を留めること
   2.差し丸かんか裏付けバチカンを使うこと
   3.鏡面仕上げをすること
   4.金具とチェーンをつけること
   5.オリジナリティ

**ブローチ**

条件:1.粘土タイプとシリンジ粘土を使うこと
   2.ブローチ金具をつける事(普通のでも風車でもどちらでも可)
   3.平らな面を作ること
   4.シリンジで透かし模様を作ること
   5.オリジナリティ


◎課題条件をクリアすればUV樹脂・ガラス等好きに使用してかまいません。



  ◆‥ その他 ‥◆ 

∴スクールリポートを生徒と先生の意見感想を書いた後、提出
∴審査の作品とともに電気炉の保証書を添付する

**何度も言いますが、あくまで最短コースです。 コースは各教室の先生に従ってください。
ちなみに私の通っている教室は、生徒の意思を尊重して下さる先生でしたので、自由でした。
自分に合う教室を探すのも上達への道だと思います**


★検定を受けるには、電気炉の証明が必要です。
オークション等で買う場合証明書がついてるかを確認しないと買い直す必要性が出てきます。
高い買い物ですし、電気炉も消耗品です。(炉の中が壊れてくるって意味での消耗品って事ですが…)
出来たら教室で注文した方が無難かもしれません。



  ◆‥ 資格取得のメリット ‥◆ 

.教材を会員価格で購入することが出来る。
  様々なオリジナル教材を会員価格で購入出来ます。

.会報をはじめとした様々な情報提供を受けられます。
  スキルアップに役立つ情報や、展示会や販売会などのイベント情報もキャッチできます。

.各種セミナーへ参加することができるようになります。
  年数回技術セミナーが開催されいて、資格取得後の基礎技術や知識の再確認を行う「フォローアップセミナー」や
  新たな技法を習得する「技術セミナー」、「作品セミナー」など、
  新たな技法や知識などを習得出来るため、資格取得後も自らのスキルアップを図ることができます。

.ご自分の教室を開講することができるようになります。
  教室では規定のカリキュラムを使用し、技能認定者を育成することができるようになります。
  ご自宅で教室を開いたりカルチャーセンターなどで開講したりと、
  作家活動だけではなく様々な活動が可能です。

.文部科学省許可(財)日本余暇文化振興会より【技能認定】として認定されます。
  講師活動などを行う際、公の施設(公民館、美術館、学校など)での活動がしやすく、
  また社会的信頼性も高くなります。

.その他会員の方によっては自身の作家活動が認められ、本が出版された方もいらっしゃいます。


    << 私が資格を取るまでの様子はこちら♪



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