99年6月2日 椎子
(6月10日一部改稿)

 

「詐欺師変われば時の人」について… [あらすじ]はこちら)

「ウーピー・ゴールドバーグが出ていた話」といえば、「そんなのあったかも」と思い出される方もいらっしゃるのではないでしょうか?
タイトルになっている「詐欺師」(ビデオ版の方はもっと顕著に「女詐欺師カミール」)役を演じていたのが、この回のゲスト、ウーピー・ゴールドバーグでした。
(注)ウーピー・ゴールドバーグは映画「ゴースト」では霊媒師、「天使にラブ・ソングを」ではヒロインの歌うシスターを演じていた黒人女優です。

私的に彼女がメジャーになったのは「ゴースト」なのですが、世間一般的にはきっともっと前からメジャーだったのでしょう(笑)
だって「ブルームーン」のこの回にゲスト出演したのは「ゴースト」出演より前ですが、結構「スペシャル・ゲスト」って感じですもん。でも、最後のオチはゲストをコケにしてますけどねー(^^;)

キャー! 主役が絶対絶命! 殺される!ってときに、いきなりひょいっとスタッフが悪役のピストルを取り上げて「はーい。時間切れ」「セット片付けさせてもらう
よ」なんて言いながらわらわら出てきて本当にセットを片付ける…ってそんなのあり!?(笑)
でも、撮影は終わっても(終わったことになっても)、マディはマディなんですよ。
シビル・シェパードに戻るわけじゃない。それは他の登場人物も同じ。
で、いきなりの展開になっておろおろするカミールにマディが「この後、あなたは光を見て良い人になる」と説明すると、デーヴィッドの方は悪い刑事に「刑務所に入って、そこで書いた本が大当り。後にその話は(ロバート)デ・ニーロが主役で映画になるんだ」と説明。「デ・ニーロが主役…」に気を良くした彼はカミールと肩を組んで「お疲れー」と去って行くものの、最後にカミール共々ちらっとマディとデーヴィッドを一瞥して…「何コレ!?」(笑)
副音声に切替えると原作では無言のまま一瞥するだけなんですけど、いかにも
「何コレ!?」と言ってるような憮然とした表情してるんですよねぇ(笑)
斬新な演出だなぁ(^^;)

セットの撤収現場なんて普段お目に掛かれないので、「あ! あれはああやって動かすのかー」などなど発見があっておもしろかったです。

ところで、この回ではデーヴィッドの日常を垣間見ることができます。
カミールを探偵社に迎え入れるために、自分のオフィスを彼女に明け渡したデーヴィッドは、他の職員たちと同じフロアにデスクを置いたわけですが、「この10日間、あそこに座ってポルノ読んだり、飲み屋に電話したり、ラジオのヒットチャート聞くだけじゃないの!」とマディに絞られます。それってきっと自分のオフィスじゃ毎日やってたことなんだよ…(^^;)
だっていつもマディは「仕事が来ない」って頭抱えてるもの。仕事なくて仕事する気もなくて、暇を持て余してる上に自室があったら…ねぇ?(笑)

この後、仕事をしないカミールのことで「(カミールは)月給泥棒だわ!」とマディに噛み付かれたデーヴィッドは、咄嗟に何か言い返そうとして…言えなくて、また何か言い掛けて…やっぱり言えなくて(図星だから何も言い返せない)、最後に漸く「話し合ってみるよ」と言いながら、それまで手にしていたポルノをさり気なくマディに没収されるというか、自ら差し出しちゃうのが好き(笑)。
妙におかしくて笑えます。

悪徳刑事に脅されてカミールが探偵社の金庫からお金を盗むのですが、まず探偵社の入っているビルに「ガス漏れ」と誤報を流し、避難のために探偵社から社員が出て行った後、マディのオフィスに入ってお金を盗る、という計画でした。
探偵社の社員が廊下でエレベーターが来るのを待っていると、ポーンと開いた中からオレンジのアイスキャンディーを持ったデーヴィッドが現れます(笑)
これだけでも笑えますが、マディから「ガス漏れ」の話を聞いたデーヴィッドはカミールが避難していないことを知って、トピストさんにアイスキャンディーを渡して探偵社に向います。この時にですねー、日本語では「持ってて」となってるんですけど、英語では「ボーナス」と言ってるんですよ(笑)。
ちなみにこの日は給料日という設定になっていて、給料日にアイスキャンディーがボーナス!(笑)
しかも、それを真顔で言う辺りが…ニヤッて感じで笑えます(笑)

あらすじに「1.Here Comes The Bride(花嫁登場)」などとあったように、この回は全体を8つに分けて、それぞれにタイトル画面が付けられていました。
最初の内は頻繁にタイトルが出てきて、私はあまりストーリーに集中できなかったのですが、後半の7、8辺りはたっぷり時間配分があって、落ち着いて見ることができました。

1では「刑事に追われて逃げるカミール」という話と、「命を狙われる上院議員」という話が別の場所で同時進行しつつ、最後に2つの話が絡み合うという演出がおもしろいと思いました。
後ろを気にしながら走っていたカミールは前方不注意で男の人にぶつかってしまうのですが、何とその男は上院議員を狙って今まさに引き金を引かんとするところだった! という…。

この回はアメリカ放送時、第2シーズンの最終回だったので、それに引っ掛けて最後は「明日からバカンス(休暇)」という話が出てきます。
明日からバカンスで会えないわね。じゃ、またね。
という感じでマディとデーヴィッドが別れるのですが、その別れ方っていうか、
「じゃあね。バイバイ」って仕草が良いのです!
マディが人差し指でピッとデーヴィッドを指差すトコとか、デーヴィッドが広げた手のひら(指はぴったりくっ付いてる)を自分の身体の内側から外側へ向かって車のワイパーのようにぐるっと手首を返して「さようならー」みたいなポーズがカッコ良い!!
「指差し」でマディに負けたっと思ったけど、最後の最後はハンドワイパーでデーヴィッドの勝利!って感じ(笑)

 


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