[ 結末まで分かるストーリー紹介
] 「窓に小石を投げて彼女を呼び出そうにも飛行機も取れないんだ。…こんな立場、誰かと替わりたいよ」
「本音は分かってる。窓に彼女が出て来たとき、何て言っていいか心配なんだろ?」
「言うべきことは分かってる」
「そうか。じゃあ何でヤケ酒なんか昼間から煽ってるんだ?」
「理由は…楽だから。ここにへたり込んで、カードの上限まで飲んで、よろめき出て、あと20年ゴミためで暮らす方がさ」
「それで目が覚めて自己嫌悪だ。もう窓に向って石を投げても手遅れだからな」
空港でデーヴィッドに話し掛けてきた男は、「マッドドッグ」の異名を持つ殺人犯、スコット・ハンレーだった。監獄へ護送される途中だった彼は一瞬の隙をついて同行の警官を薬で眠らせると、デーヴィッドの腕に手錠を掛け、まんまと空港から逃げ出してしまう。
一方、デーヴィッドは新手の警官に「マッドドッグ」として捕まり、彼の代わりに監獄に送られるハメに。
必死に人違いであることを訴えるデーヴィッド。しかし、看守たちは全く聞く耳を持たない。看守がダメなら所長に話を…と考えるが、この監獄の所長は部下のシャンク主任の悪行を見て見ぬふりをしているようなヤル気のない人物で、全く頼りになりそうもない。
やむなく監獄暮らしを始めたデーヴィッドだったが、些細なことから食事中に大乱闘を起こし、独房送りになってしまう。
何もない部屋の中で一人きりになったデーヴィッドは、自分のこと、マディのこと、生まれてくる子供のことを静かに考えるのだった。
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