第３話「愛しすぎは命とり」（９２年４月２５日放送）

「 FUNERAL FOR A DOOR NAIL 」

ビデオ版タイトル「悪徳弁護士を追え」（第９巻第２話・ＣＩＣビクタービデオ）

最愛の妻の訃報を聞いた資産家のロジャー・クレメンスは、絶望のあまり死を望む。
火曜日。ロジャーは金で殺人を請け負う輩に自分の殺人を依頼する。
但し、計画が実行されるのは金曜日以降。
それまでの３日間に身辺の整理を済ませようと考えていたロジャーだったが、 とあるビルの５階の窓から、眼下の道路を歩く妻の姿を目撃する。
確かに自動車事故で死んだと聞かされたものの、妻の遺体は発見されていない。
木曜日の朝。生きる意欲の湧いたロジャーは先に依頼した自分の殺人依頼を取り消すべく、ブルームーン探偵社に助けを求めにやって来る。
ロジャーの代理として請け負い業者への連絡係の女性と接触するマディとデーヴィッド。できるかどうか分からないが、何とか業者に連絡を取ってみるという彼女の言葉を信じ不安な一夜を探偵社で過ごすロジャー、マディ、デーヴィッド。
そして金曜日の朝。１本の電話がロジャーから危機が去ったことを告げる。
計画の中止にホッと安堵する３人。
地下の駐車場までロジャーを送り、笑顔で別れた直後、マディとデーヴィッドの背後でロジャーの乗った車が爆発する。
それは事故なのか？
中止されたはずの計画が実行されたのか？
それとも…。

マディとデーヴィッドがロジャーから受けた依頼は２つ。
１つは計画を中止して彼の命を守ること。そして、もう１つは自動車に乗ったまま断崖から落ちて死んだことになっている彼の妻の行方を捜すこと。
１つ目の依頼を果たせず落ち込むマディは、せめて２つ目の依頼だけでも果たしたいと考える。
土曜日。結局、ロジャーの妻を探し出せなかったマディはロジャーから受け取っていた報酬を返すと言ってデーヴィッドを慌てさせる。デーヴィッドが止めるのも聞かず、報酬の小切手をロジャーの弁護士・マーゴリスに突き付けるマディ。
すっかり険悪な雰囲気になったマディとデーヴィッドの前に、１人の女性が現れる。
「シリア・クレメンスです」と名乗る彼女に驚くマディとデーヴィッド。
ロジャーの最愛の妻・シリアは、彼が言った通り生きていたのである。
自動車事故は、ロジャーの強すぎる愛情に息苦しくなったシリアがロジャーから逃れるために打った芝居だった。
彼女はそれをマーゴリスと相談して決めたという。
また、彼女の話から、ロジャーに親戚はなく、妻である彼女以外に彼の遺産を受け取る人物はいないことが発覚する。
しかも彼女自身は一文も受け取る気がないと分かり、マディとデーヴィッドはロジャーの弁護士・マーゴリスに疑いの目を向ける。
ロジャーの自動車事故は彼の財産を狙ったマーゴリスの仕業だったのである。
真相を暴いたマディとデーヴィッドは格闘の末マーゴリスを追いつめるのだった。