第53話「子守唄」(2003/10/26 放送)
LULLABY

見ている途中でダーラが最終的にそういう決断を取るだろうということは薄々気が付いたのですが、最後はやっぱり泣いてしまいました。ヴァンパイアとしては幸せ過ぎる最期だったと思います。さようなら、ダーラ。
エンジェル、コーデリア、ウェスリー、ガン、フレッド、ホスト、ダーラ、ホルツ、ライラ、ギャビン登場。

エンジェル探偵事務所(NIGHT、以下N)
前回のお話では200年の時を越えてエンジェルとホルツが再会を果たしましたが、今回はその続きからスタート。
聖水を掛けたりして、一応エンジェルがヴァンパイアだと確認するホルツ。一度ヴァンパイアになってしまえば変わりようがないと思うのですが(苦笑)。
それはさておき、あっという間に捕獲されてしまうエンジェル。主役なのに(笑)。

裏通り(N)
苦しそうなダーラ。何だか尋常でない苦しみ方ですね。
ウェスリーたちはなかなか帰って来ないエンジェルをジリジリしながら待っていますが、ここでエンジェルが帰ってきても、あまり役には立たないような…(^^;)。
ダーラを精神的に支えることぐらいはできるでしょうか。
「こうすれば楽になれる」と独特の呼吸法をダーラに伝授しようとするウェスリー。大真面目に呼吸を実演するウェスリーと、それを呆気に取られたように見ているガンやコーデリアたちに笑ってしまったのですが、「私は息してないの! 悪かったわね!」とブチ切れるダーラ様にはもっと笑ってしまいました。ヴァンパイアは死んでいるのだから息してないんですよね。私も一瞬忘れてました(^^;)。
その後、両手両足をバッと大きく広げたダーラ様の格好やら、そのパワーによって吹っ飛ばされたエンジェル・チームがまた笑えました。

1764年 ヨーク(N)
前回のお話では、自分の家族がダーラとアンジェラスの標的になったことを知ったホルツが飛ぶように馬を走らせたものの、時既に遅く、家の中で静かに横たわる妻を見て愕然とする姿が描かれていました。それだけでも残酷なのに、更に続きがあったとは…。
そういえば前回ダーラがホルツの娘サラに「プレゼントをあげる。びっくりするような物よ」と言っていたのを思い出しましたが、本当に贈り物をするとは思いませんでした。
ホルツの奥さんは死んでいるのにサラが生きたまま奥から現れたのを見て、「もしかして…」という予感はあったのですが、ホルツがサラの首筋に牙で噛み付かれた跡を見つけた瞬間、「ああ、やっぱり!」と確信してしまいました。ダーラはサラにヴァンパイアという贈り物を残していったのだと。
ホルツもすぐに気付いたようですね。ずっと子守唄を歌うホルツが哀れでもあり、怖くもありました。

ウルフラム&ハート(N)
ライラだけでなく、ギャビンの旗色も悪くなってきました。
成功すれば自分の手柄、失敗すれば部下の責任。リンウッドはそういうタイプのようですね。こんな上司、絶対お断り(苦笑)。

エンジェル探偵事務所(N)
首が苦しそうですねぇ、エンジェル。
エンジェルと話を続ける内に違和感を覚えるホルツ。そうでしょうとも。でも、悪人が善人になったと分かったところで復讐心が消えるわけではないでしょうし…。ホルツの葛藤が始まりそうですね。

裏通り(N)
G:「もう1回やれ」ってことは、既に1度叩いているわけですね(^^;)。
コーデリアにぺちっと頬を叩かれ、漸く目を覚ますウェスリー。4人の中で最後に気が付いたのがウェスリーだったというのが、何となく彼のキャラクターを表している気がしました。
車に乗り込むときに、4人揃って前に座るエンジェル・チーム。いくら大きな車だからといって、4人で横並びをするにはキツいものがあります。しかし、全員前に座ってしまうと、後ろから突然ダーラに襲われる危険性があるのでは?(笑)
「誰も後部座席に座らないの?」と尋ねたときのダーラがちょっと可愛かったです(^^)。

エンジェル探偵事務所(N)
事務所から2ブロック先では車に乗ったダーラたちが悪魔に囲まれていたので、てっきり本当にダーラが連れて来られたのだと思ったら、入ってきたのはライラでした。
ライラに聖水テストを行うホルツ。会う人全てにやるのでしょうか?(笑)
H:「(エンジェルの)正体を知っているのか?」
L:「ええ、知ってるわ。ヴァンパイア。流浪の民の呪いで魂が宿り、何世紀も罪を償ってるとか。仲間もいるとか何とか」
何世紀も罪の意識に苛まれていたのは確かですが、償い始めたのはごく最近だと思うのですが(^^;)。
「ライラ、伏せろ」と警告してから手榴弾のピンを抜くエンジェル。一応ライラへの気遣いを見せました。フェミニスト?(笑)。
それにしても、爆風でエレベーターまで飛んでそのままドアを壊すなんて、エンジェルならではの荒業ですね(^^;)。あんな近くで手榴弾を爆発させて、よく体が無事だったものです(^^;)。
肝心の預言書はライラの手に渡ってしまいましたが、あの状況では仕方がないでしょう。
そのライラはさり気なく怖いことを言っていました。
L:「(私は)弁護士なだけで、法律なんてどうでもいい」
もっとも、W&Hの弁護士は皆そんなものかもしれませんが(苦笑)。

裏通り(N)
ダーラは何をブツブツ独り言を言っているのでしょうか? ダーラ様混乱中。
車から降りて悪魔と戦うエンジェル・チーム。
こんなときにエンジェルがいてくれたら…と思っていたら、突如切れたらしいダーラが車で悪魔にアターック! そのままどこかへ行ってしまいました。
呆然とダーラを見送る4人の後ろにひょっこり現れるエンジェル。このとききょとっとして「何を見てる?」と言ったエンジェルが可愛くて、私的にはツボでした(^^)。
しかし、あれだけ何ともなさそうにしていると、コーデリアたちにはエンジェルが命からがら逃げてきたなんて分からないでしょうねぇ(苦笑)。
ここでホルツ出現による世界滅亡の序章を語り出すフレッド。夢中になって自分の空想を語るフレッドがおかしかったのですが(笑)、あながちあり得ない内容ではないのかも。

ウルフラム&ハート(N)
ライラのオフィスで例の預言書の解読を試みる翻訳者。随分口数の多い人ですね。ライラが切れるのも時間の問題かも(苦笑)。
ライラは預言書だけでなく、ウェスリーが翻訳したノートも持ち帰ってきたのですね。それを見て対抗心を燃やす翻訳者。それはもうメラメラと。彼は自分が一番だと思われていないと気が済まないようです(笑)。

地下寺院(N)
他に隠し事はないな? と問い掛けるホルツに何もないと答えたサージャンの目が泳いでいたような。恐らくダーラの妊娠を知っているのでしょう。

ビルの屋上(N)
ダーラの様子がおかしかったのは、お腹の子に本物の愛情を感じていたからだったのですね。どうして今頃急に?と思わなくもないですが(^^;)、お腹の中に自分とエンジェルの子供がいる現実を受け入れたことで、今まで漠然としていた感情をはっきり感じ取れるようになったのかもしれません。

「子供に未来はない」
「ダーラ」
「私と共にはね」
「ダーラ」
「エンジェル。私、産めない」
「何だって?」
「私、産めない。産めないわ」
「選択肢は他にもうないんだぞ?」
「分かってる! 子供は生まれたがってる。赤ん坊の準備は出来てる。でも産めない。産めないのよ。だって。私…」
深い眼差しをダーラに向けるエンジェル。
「…愛しているから?」
「ええ。そうよ。心から愛しいの。このお腹の中に宿った命を今までの何よりも愛してる」
「これまで誰かを愛したことはなかった」
「そうよ。400年もあったのにね。初めてよ。どうしたらいいか分からない」
「君に出来ることは一つしかない。産むんだ。産んで、そして…」
エンジェルの言葉にかぶりを振るダーラ。
「何? 育て上げる?」
「そうだ」
「出来ないわ」
「子供が出来たのも奇跡だ。不可能なんてない」
「私が人間の子に何を与えてやれる!? 牙を立てて噛み殺すこと以外に!」
「ダーラ」
「分かってるはずよ」
「分かるのは君が赤ん坊を愛していることだ。俺たちの子だ。君は9ヶ月お腹の子を慈しみ、育ててきた」
「いいえ。慈しんでなんかこなかった! 何も与えてはこなかったの。私は死んでる。私の方が慈しまれた。こんな感情、私が感じるはずないわ。子供からくるのよ」
「それは分からない」
「いいえ、分かるわ。あなたも分かってる。エンジェル、私には魂がない。子供にはある。だから今の私には魂が宿ってるの。でも、もう少ししたら…っ」
「ダーラ…」
「子供を愛せなくなる! きっと子供を愛したことさえ忘れちゃうわ! 覚えていたいのに! 私…っ」
涙で声が続かないダーラを優しく抱き寄せるエンジェル。

「きっと子供を愛したことさえ忘れちゃうわ! 覚えていたいのに!」
というダーラの悲痛な叫びが印象的でした。
確かにダーラの言う通り、ヴァンパイアである彼女が出産後も子供に愛情を持ち続けることは不可能なのでしょう。エンジェルにもそれが分かるから、悲痛な面持ちでダーラを抱き締めていたに違いありません。

カリタス(N)
ホストにしてみれば、カリタスのグランド・オープンに向けて最終段階に入っている今、エンジェルたちのゴタゴタに巻き込まれたくないに違いありません。気持ちは分かります(笑)。

ビルの屋上、カリタス(N)
結局、ダーラに出産場所を提供することを承諾するホスト。良い人です。
そのホストは悪魔および人間がカリタスの中で暴力を振るえないようにする装置を作動させようと奮闘中。…装置? 暴力を振るおうとすると突然現れるバリアは女神様たちの魔法ではなく装置によって発生するのですか? あれ?(^^;)

ウルフラム&ハート(N)
ダーラの出産について
「宣言する。空が裂け天が涙するとき。この世界に生まれ出ものは断じてない。死あるのみ」
だから「子供の誕生はない」と翻訳者は訳していましたが、後になって「実はあれには…」と別の解釈が出てきそうな気がします(笑)。

1764年 ヨーク(DAY、以下D)
ヴァンパイアとなったサラを家の外に連れ出すホルツ。まともに日光を浴びたサラは炎に包まれ消滅してしまいます。
人間としてのサラはヴァンパイアになった時点で既に死んでいて、目の前にいるのはサラの姿をした悪魔だとホルツも頭では分かっていたでしょうが、そう簡単に割り切れるものではないですよね。やはり同じようにヴァンパイアと化した家族を手に掛けたガンも、ずっと苦しんでいるようですし。
サラが日光を避けて部屋の隅に座り込んでいる場面では、映画「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」を思い出しました。

カリタス(N)
実験のためにずっと頭を叩かれ続けるガン。彼も良い人です(笑)。
ダーラから御礼を言われて戸惑うガン。今までが今までですもの。驚きますよね。

地下寺院(N)
カリタスの修理を首になった男は元々スパイとして潜り込んでいたのでしょうか?
録音テープのようにコーデリアとホストの声をそのまま再現してホルツたちに聞かせる悪魔。まさか第51話「子供」でのホストとの会話がこの場面の伏線だったとは(^^;)。

ホストの部屋、カリタス(N)
ダーラの陣痛以外の痛みや出血は赤ちゃんの異状を訴えていたのですね。
W:「ダーラの体は妊娠するようには出来ていない。子供を分娩する能力が備わっているかどうかすら分からない」
それで、「死あるのみ」ですか…。

装置がうまく作動して大喜びのホスト(笑)。これでいいはずなんだけどなぁ…と調整していた機械が何かの拍子にパッとうまくいった瞬間! すっごく嬉しいですよね。よく分かります(^^)。しかし、そんなホストを見てしらーっとするエンジェル・チーム。彼と彼らとでは優先順位が違うってことですね(苦笑)。

ホストの部屋(N)
D:「坊や大人しくなった」
A:「ママに愛されてると気付いたんだな。…坊やか。坊やと呼んだのは初めてだ」
このときのエンジェルとダーラの普通の恋人同士みたいな雰囲気が好きでした。

カリタス(N)
F:「ハッピーエンドというわけにはいかないの?」
そうよね、フレッド! そう思うよね?(涙)

エンジェル・チームはエンジェルからホルツの話を聞いてはいても、その顔は知りません。武装でもしていれば別ですが、ごく普通の格好のホルツが店内に入って来ても、誰も警戒しなかったのは当然といえます。もし、ホルツがサラのために歌った子守唄をここで歌わなければ、ウェスリーたちの命はなかったことでしょう。
ウェスリーたちはホストのお陰で命拾いをしたわけですが、そのホストはグランド・オープンを明日に控えていたカリタスを再び破壊され、もう気の毒としか言いようがありません(涙)。

しかし、ホルツはエンジェルが店内にいないことを確認したにも関わらず、店を爆破するなんて、一体どういう気なのでしょう。
人間であろうとなかろうと、人助けをしていようとなかろうと、エンジェルの味方だというだけで殺す気なのでしょうか。

ホストの部屋(N)
W:「エンジェル! ヴァンパイア・パワーでやってくれ!」
というのが妙におかしかったです(笑)。
またその後本当にヴァンパイア・パワーを発揮して、めきめき壁をぶち壊すエンジェルがおかしくて笑ってしまいました(笑)。

裏通り(N)
外は大雨。ダンボールを傘代わりに雨を避けようとするホスト。さすが伊達男(笑)。

歩けなくなったダーラ。道端で横になる。
「坊やが死んだら私もおかしくなる。正気ではいられないわ。どうなってしまうか分からない」
傍らではフレッドが心配そうにエンジェルとダーラを見守っている。
「エンジェル…。私たちの子が道端で死のうとしてるわ」
「……っ」
「あなたも昔、道端で死んだことが…」
「覚えてる」
「私、あなたに謝りたいの。心から謝りたいのに、出来ないわ。…いいんだって言ってくれないの?」
薄く微笑むダーラ。
「いや…」
「そうよね。エンジェル…私たち一緒にたくさん恐ろしいことをした。物を破壊し、人を傷付けた。この罪は償えない。あなたなら分かるでしょう」
「ああ」
「子供は…私があなたと残す唯一の良い行いだわ」
ダーラの手を取り唇を寄せるエンジェル。
「たった1つの良いこと」
ダーラの手を両手で握り締めたエンジェルは、神に祈るように泣きながらその手を額に押し当てる。
側にあった木切れを手に取るダーラ。
「坊やに伝えると約束して」
木切れを胸に突き刺し、塵と化すダーラ。
道端では赤ん坊が産声を上げている。

「いいんだって言ってくれないの?」の辺りでかなりぐっときました。これでお別れなんだから、嘘でも最後に許しを与えてほしい…。そんなふうに聞こえました。
エンジェルはどの辺りでダーラの決意に気が付いたのでしょう。最後は彼女の手を握り締めて泣いていましたが。
自分にとって運命の相手であるエンジェルに手を取られ、涙ながらに自分を想うエンジェルを最後の瞬間まで感じつつ、愛する子供の命を助けるために自ら消滅したダーラはあるイミ幸せだったのではないでしょうか。少なくとも、バフィーを愛しているエンジェルの姿を目の当たりにした上に、そのバフィーを助けようとしたエンジェルに殺されるよりはずっと幸せな最期だったに違いありません。
一方、エンジェルはダーラが消え道端に突然現われた赤ん坊を見てしばし呆然という感じでしたね。
とても大切なもののように赤ん坊を抱きかかえるエンジェル。これはきっと親バカ決定ですね。赤ちゃんを抱えておろおろするエンジェルの姿が描かれることでしょう(笑)。
そんなエンジェルに石弓を向けるホルツ。結局この場ではエンジェルを見逃しましたが、「奴に慈悲は見せない。決して」と言うからには、今後もエンジェルを付け狙うのでしょう。
第3シーズンの中盤でダーラが消えてしまって、この後はホルツとエンジェルJr.が軸になっていくのでしょうか。
ダーラは「エンジェル」の中で1番好きな女性キャラだったので、消滅してしまって寂しい限りです。過去の回想シーンでの復活を祈ります。
ドラマチックなラストシーン。雨がキラキラ光って綺麗でした。

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