第47話「旧き仲間たち」(2003/9/14 放送)
THAT OLD GANG OF MINE

今回は、昔の仲間とエンジェル・チームとの間で悩むガンのお話です。
ところで、アメリカで「エンジェル」を放送しているワーナーブラザーズの公式サイトに掲載されているリストでは、今回の「
THAT OLD GANG OF MINE」と、前回の「THAT VISION THING」の順番が逆になっているのは何故でしょうか?
エンジェル、コーデリア、ウェスリー、ガン、フレッド、ホスト登場。

カリタス(NIGHT、以下N)
エンジェルは一体誰に向かって話しているのだろう? と思ったらマールでした。
私的にはちょっと意外な感じ。予想できませんでした。
マールとエンジェルの仲を何とか取り持とうとするエンジェル・チームですが、この場合、二人の仲が悪いのは一方的にエンジェルに非があると思われます(^^;)。
どうしてエンジェルはマール相手だとあんなにも礼儀知らずになるのでしょう?
今回も「マールちゃん」などと小馬鹿にした態度で挑発していたし(苦笑)。
エンジェルに逆さにつられたせいで入院3ヶ月…。
マールが怒るのも無理はありません。
「詫びの代わりに殴らせてやる」みたいなことを言われたマールが酒瓶でエンジェルを殴ろうとした途端、バリアに跳ね返される始末。
エンジェルは「忘れてた」なんて言っていましたが、確信犯に違いありません(苦笑)。
いいようにあしらわれているマールが本当に気の毒でした。
かといって「友達だろう?」というマールの意見には賛成できかねますが(^^;)。
ただ、「誰が友達だ。マール。お互いのことを知りもしないで」と返したエンジェルに、「あんたが知ろうとしないからだろう? 違うか?」と応えたマールの意見には一理ある気がしました。
ところで、「カリタスでは悪魔は暴力を振るえない」というのは単にそういうルールが存在しているだけではなく、実際に暴力が振るえないような仕組みになっているのですね。

路上(N)
「あんたも帰り道は気を付けて…」とマールが話し掛けているのに、無視してさっさと行ってしまうガン。
可哀相なマール…。

マールの部屋(N)
突然、襲われるマール。
凄い脅えようですが、一体何を見たのでしょうか?
それにしても酷い血飛沫…。

ガンの部屋(DAY、以下D)
ガンの部屋が出て来たのは初めてでしょうか? ちらっと映っただけですが、殺風景な感じでした。
ヴァンパイアにされてしまった妹のアローナをガンが自ら滅ぼした話は第1シーズン第20話「戦場」で描かれました。
今も夢に見るほど苦しんでいるのですね…。

マールの部屋(D)
カリタスでの態度を反省して、ドーナツ持参でマールに謝りに行ったらしいエンジェル。
折角、自発的に謝罪をする気になって訪ねてみれば、そこには無残な姿に変わり果てたマールが…。
マールを殺した犯人を見つけ出そうとするエンジェルとウェスリーに異を唱えるガン。
「マールは悪だ」と言い放ったガンは、マールにあまり良い印象を抱いていなかったのかも。それに対してエンジェルは「それはどういう意味だ?」と鋭く詰め寄ります。
どうやらエンジェルは多少なりともマールの死に思うところがあった模様。
「俺が間違ってた。奴を知ろうともしなかった。…努力する」
後悔先に立たず。

自警団の隠れ家(D)
新規加入のジオが何だか嫌な感じです。

エンジェル探偵事務所(D)
「マールの敵リスト」のトップに自分の名前を発見したエンジェル。
A:「どうして俺の名前が一番上にあるんだ!?」
C:「あー…。「A」だから」
コーデリア、ナイス・フォロー(笑)。
A:「俺は奴の敵じゃない」
しかし実際、マールにとって一番の脅威はエンジェルだったことでしょう(苦笑)。
「殺すつもりなのにドーナツなんか持って行くか?」と訴えていたエンジェルが可愛かったです(笑)。

自警団の隠れ家周辺(D)
町を歩くガンとロンデル。
アローナが死んでから変わったとロンデルに言われたガン。
G:「妹を守ってやれない男がお前らに何をしてやれる?」
R:「やれるさ。やってくれただろ。お前がいたから今まで生き残れたんだ」
G:「そうじゃねぇ。お前と俺がいたからだ」
R:「…ああ。その通り」
二人は今でも親友同士。でも、ガンの表情は寂しそうでした。

サミュエルの部屋(N)
マールのときと同じく、壁には激しい血飛沫が…。
悪魔の血は緑色が主流なのでしょうか?
ところで、ウェスリーが懐から取り出したのは、第45話「鼓動」で「早くこれで悪魔を倒したいっ」と言っていたマーシャン王朝時代の短剣のようですね。

下水道(N)
不気味な悪魔が歩いているな〜と思ったら、振り向いた彼は意外と人(?)が良さそうな感じで拍子抜け(笑)。でも気持ち悪かったですが(^^;)
そこへバタバタと大勢の人間が現われ悪魔を襲います。最後に現われたのはジオ。
ああ。一連の殺悪魔事件の犯人はガンの昔の仲間だったのですね…。
大人数で力が強くガキくさい連中、ですか。
ちなみにこのとき襲われた悪魔の血は赤色でした。

サミュエルの部屋(D)
「コーデリアがビジョンを見たのかよ?」と問い掛けたガンに「いいや」と答えたときのウェスリーがカッコ良かったです(^^)。
「世の中っていうのはそう単純じゃないんだ。醜いものがいつも悪とは…。灰色の部分もあるんだよ」
と言ったウェスリーの台詞が印象的でした。
「バフィー」に初登場した頃のウェスリーであれば、「悪魔は全て黒」と言ったのではないでしょうか? 成長しましたよねぇ…(ほろり)。

殺害現場に残された矢尻を見て、事の真相に気付くガン。
どうするのかな? と思ったら、黙って証拠を持ち出してしまいました。
それって後で問題になるのでは?(^^;)。

急に協力的になったガンに訝しげな表情を見せるエンジェル。後の伏線かと思いましたが、そうでもなかったようです(苦笑)。

自警団の隠れ家(D)
悪魔狩りをしているのはジオだと考えたガンは、ウェスリーたちにバレる前に事態を収拾しようとロンデルの元を訪れます。

「俺はお前に警告しに来たんだぞ! 手下を野放しにし過ぎだ。あのジオってガキは動くものを片っ端から殺してるようだが、もっと大人しくするように言うんだ。あんなの俺達のやり方じゃねぇだろ?」
「アパートの壁から(証拠の矢尻を)お前が抜いて来たのか?」
「ああ、そうだ」
「あの白いビルか? そりゃ、おかしいぜ。ジオだけじゃない。撃ったのは奴だが、皆で行った。全員でな」
「お前も?」
「ガン、あのアパートに住んでた奴は人間じゃない。だから始末した」
「けど…っ、誰かを攻撃したか?」
「いや。もう死んだって」
「違う。お前らが踏み込む前だ」
「まさか。そんな隙与えなかった。なぁ、どうした?」
「…別に」

変わり果てた自警団の姿に愕然とするガン。自警団に裏切られたショック、そして自分がずっと自警団に付いていればこんなことにはならなかったのでは?と後悔に苛まれているような気がしました。

エンジェル探偵事務所(D)
きちんと証拠に番号が振ってあったりして、本物の探偵みた〜い! とか思ってしまいました(笑)。

コーデリアから「エンジェルが外に出ろだって」と言われ、ホテルを出て行けと言われたのだと勘違いして沈んだ表情を見せるフレッド。「外に出る」のが「外出する」ことだと分かってホッと一安心したのも束の間。酷い世界から戻って3ヶ月。フレッドにとって外の世界はまだまだ恐ろしい場所のようです。

路上(N)

エンジェル探偵事務所(N)
入ってきたガンに気付いて「よぉ」と自然に声を掛けるエンジェルが何気にカッコ良かったです(^^)。
A:「無作為で無秩序なように見えても必ず目的があるものだ」
G:「それは?」
A:「…楽しむため」
それはアンジェラスについての考察でしょうか。

カリタス(N)
「安全な外の世界にフレッドを連れ出そう!作戦」を敢行したコーデリア。
買い物にでも行くのかと思ったら、連れ出した先はカリタスでした(苦笑)。
たどたどしく歌うフレッドがちょっと可哀相(^^;)。
そんなフレッドを見て微笑むガン。「可愛いな〜」とか思ってるカンジ(笑)。
そこへ現われる自警団。
「ジオが見つけた巣」とはカリタスでしたか。なるほど。
ここで冒頭のエンジェル VS マールの一件が効いてきます。カリタスの中では悪魔は暴力を振るえない。つまり、人間が一方的に悪魔を襲えるというわけです。
「パーティーだ!」とか言っちゃったりしてジオって本当に嫌なヤツ。
ジオはガンが以前からカリタスに出入りしていることを知っていたようですが、ロンデルは初めて聞いたような感じでしたね。
ロンデルはジオに利用されている気がしてならないのですが…。
ここで、ガンが犯人を匿っていたことがウェスリーにバレてしまいます。案の定、険しい表情を見せるウェスリー。
ガンにとっては前門の虎、後門の狼って感じでしょうか(^^;)。

エンジェル探偵事務所()
カリタスで悪魔が暴力を振るえないのは、月に一度、液体の女神にホストが頼んで術を掛けてもらっているからだとか。
その女神のところへ赴き、一時的に術を解くよう頼んで来てくれとコーデリアに指示を出すエンジェル。
C:「女神に断られたら?」 A:「断らない。俺のためだと言ってくれ」
随分強気な発言ですねぇ。
C:「女神を知ってるの?」 A:「まぁな」
C:「向こうは覚えてるかしら?」 A:「覚えてる」
かなり親しそうですが、一体どういう知り合いなのでしょうか?
一方、フレッドに「外は安全だ」と言ったことを気にしているコーデリア。
安全とは程遠い事態に陥っていますものねぇ。
でも、エンジェル・チームと一緒にいる限り、絶えず危険に襲われる可能性があるのでは?(^^;)

カリタス(N)
終始、人をバカにしたような態度を取るジオですが、ホストに過去を言い当てられ、動揺を見せます。何やらマイアミで問題を起こして逃げてきたようですね。
ジオに挑発されたガンが怒り心頭に達したところでエンジェル登場。
ここでエンジェルを殺そうとするジオたちに立ち向かったウェスリーは、エンジェルの良き理解者という感じでした。

「気は確かか? 魂があるんだぞ?」
「ただのヴァンパイアだ」
「魂がある」
「それが? だからって俺達と同等なのか?」
「いいや。上だよ。君よりずっと上だ。エンジェルは楽しむために狩りをやったりしない。君らに裁く権利はない」

ウェスリー、カッコ良い!(^^)
ロンデルから杭を渡されたガンに「なぁ、ガン。そう悩むことはない。これが俺だ」とヴァンパイア・フェイスに変わるエンジェルもカッコ良かったです。顔自体はヘンだけど(苦笑)。なーんか笑ってしまうんですよね、エンジェルのヴァンパイア・フェイスって。

女神の部屋(N)
高層ビルの最上階でふよふよと浮遊する美女3人。
これが液体の女神様! 好みです(笑)。キレイ(^^)。
ギリシア神話に登場する女神の衣装を着ているのですが、3人のうちの1人の顔がアジア系なのが何となく妙でした。キレイなんですけど…中国の神様みたい(^^;)。
コーデリアがエンジェルの名前を出すたびに、女神様たちが「ん〜。エンジェル(はあと)」とうっとり呟くのがツボでした(笑)。女神様たちはエンジェルのファンなのですね(笑)。

カリタス(N)
女神様たちの「ん〜。エンジェル(はあと)」に被るように画面に映し出されるエンジェル。ここでヴァンパイア・フェイスなのはキツイ…(^^;)。しびれるほど格好良いエンジェルを映してほしかったです(笑)。
G:「コイツは俺のダチなんかじゃない。あの牙がある限りな。けどコイツに罪はない。だからやらないんだ」
どこまで本心なんだか…。
ガンに「ダチじゃない」と断言されたエンジェルはポーカーフェイスを崩しませんでしたが、内心寂しく思っていたかも。
G:「こいつには立派な使命がある」
というのは完全にガンの本心だった気がします。

女神の部屋(N)
「あなたに払うことできない。エンジェルから直接払ってもらう」
一体何を払ってもらうのでしょうね?(^^;)
ところで、ホストの支払いも同じ物なのでしょうか…。

カリタス(N)
ジオからクロスボウを受け取ったフレッド。でも、きっと裏があるんだろうな…と思って見ていると、案の定、フレッドはクロスボウの狙いをジオに。またその脅し文句が怖い(^^;)。
「悪いけど、あなたの喉を狙うことにしたわ。今の質問を考えたら頚動脈を切るのが一番効果的だから。知ってる? 暖かい場所で頚動脈を切ると凄い勢いで出血するのよ。 それにうまく当たれば声帯も切れるから叫びたくても叫べなくなるでしょ? でも、その前に出血のせいで脳に酸素が回らず脳神経がやられるかも。つまり、脳死よ。失敗しないように頑張るわ」
正に立て板に水(笑)。
こんな緊迫した場面で一気に捲し立てるフレッドは只者ではありません(笑)。
フレッドにとってエンジェルは、人間だとかヴァンパイアだとかを超えた、たった一人の大切な存在。彼のためなら何だってできる、彼を守ってみせる、というフレッドの必死な思いが伝わってきました。


フレッドがクロスボウを取り上げられたところで店内が光り、途端に女神に礼を言って戦闘を開始するエンジェル。あれが術を解いた合図だとどうして分かったのでしょう? エンジェルには店内が術に支配されている感じが肌で分かるとか?(笑)

客の中で一番弱そうに見えた悪魔が巨大生物に変身。体が左右にぱっくり割れて、中から別のモンスターが出てくるという演出は、何かのアニメで見たような見てないような。
モンスターに食べられてしまったジオは自業自得でしょう。

カリタス・表(N)
ガンとロンデルたちは和解できたのでしょうか…。
捜査の邪魔をしたガンを厳しく注意するウェスリー。すっかりリーダーの貫禄ですね。

「さっきの俺の発言について言いたいことがあるんじゃねぇか?」
「いや」
「奴等を納得させたくて、ああ言うしかなかった」
「ああ。分かってる」
「深い意味はないんだ」
「いいんだ。俺は気にしてない」
「気持ちは変えられないだろ。あれが本心でも、あんたが嫌いなわけでも、組むのが嫌なわけでもない。きっといつかは…分からないけど」
「どうだろうか? 別にいいって」
背を向けて歩き出すエンジェル。
「なぁ」
呼び止めるガン。振り向くエンジェル。
「どっちにしても、俺のことは信用してくれるだろ? あんたを殺せたのにやらなかった」
「だな。けど、いつか殺さなきゃならない時が来たとしたら…俺を殺せ」

いくらエンジェルに魂があってもヴァンパイアはヴァンパイア。いつの日か戦わなければならない日がくるかもしれない。そんな悲しい宿命を感じさせるラストシーンでした。

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