第31話「試練」(2002/12/15 放送)
THE TRIAL

突然、ダーラが余命数ヶ月。突然、リンゼーが短髪に。そして突然、あの人が登場!
ストーリーは150年一緒にいて分かり合えなかったエンジェルとダーラが、初めて心から互いを理解する、ある種メロドラマちっくなお話です。
エンジェル、コーデリア、ウェスリー、ガン、ダーラ、リンゼー、ホランド登場。
そして最後にスペシャルゲスト。

エンジェル探偵事務所(NIGHT、以下N)
ダーラ以外のことに気が回らないエンジェルにいい加減うんざりしているコーデリア。でも、自分では説得できないので(笑)、男同士で話し合えとウェスリーを焚き付けます。
W:「やってるさ。ちゃんと…言った」
C:「何て?」
W:「その…「紅茶にはミルクか砂糖を入れる方が好きか?」って。イギリスではこれで全てが通じる」
…本当に?(笑)
そこへ登場するエンジェル。料理が上手なエンジェルは洗濯もOK!? アイロン掛けもできるようです。
ダーラのことでは心配掛けて悪かった、向こうから来たときだけ手を貸すしかない、こちらからはどうすることもできない…と妙に悟ったようなことを言い出します。
一体どういう心境の変化なのでしょう。
W:「紅茶のせいか(^^)」 ←少なくともそれはないような
そこへダーラの居所をつかんだガンがやって来ます。どうやらガンはエンジェルの指示でダーラの行方を追っていたようです。
C:「嘘付いたのね!?」
A:「ああ。付いたよ」
W:「何故」
A:「うるさいからだ」
そんな身も蓋ない(^^;)
W:「紅茶じゃ分からなかったか!?」 ←分かるわけないって…

モーテル(N)
かなり顔色の悪いダーラ。先週までは普通だったのに…。
エンジェルだけでなく、W&Hからも逃げていたダーラですが、リンゼーに見つかってしまいます。
リンゼーはバッサリ髪を切ってしまいました。長い方が綺麗だったのに(涙)。
映画の撮影が終わったのでしょうか>「LOVE SONG」

ウルフラム&ハート(N)
「無理強いしたくせに」とダーラに言われた直後に映るリンゼーのアップ! その青い瞳の何と美しいこと! これで髪が長ければ…。
短髪も可愛くて似合っているのですが、リンゼーという役柄にしては可愛過ぎるというか、長髪の方が美貌の悪役っぽいイメージで良かったと思うのですが…。
それにしてもやたらと元気のないリンゼー。そういえばモーテルに現れた時もどこかしょんぼりした感じでした。リンゼーの痛々しそうにダーラを見つめる視線といい、ホランド部長の含みのある台詞といい、リンゼーの心痛の原因はダーラにありそうなのですが…。

モーテル(N)
部屋に入って来たエンジェルに驚くガン。
A:「モーテルは公共の宿で人の家じゃないから」
なるほど。

1765年 フランス・納屋の中(N)
ヴァンパイア・ハンターのホルツって一体どんな人物なのでしょう。エンジェルとダーラをここまで追いつめるなんて、どういう人物なのか興味があります。結局、今回ホルツは名前だけしか出てこず残念でしたが、第3シーズンに登場するとかしないとか…。いつかホルツに会いたいものです。
どんな時も人生を楽しむダーラ様。追いつめられて納屋に逃げ隠れているというのに、エンジェルを誘惑したりして余裕です。それに引き換え、ダーラの誘いにうかうか乗ってしまうエンジェルはどうも間抜けなんですよねぇ…(^^;)

ビア・レストラン(N)
「俺、実はさ。人間だった時って全く女に縁なくてさ」とダーラに話すヴァンパイア。
ヴァンパイアになった今も、それほど女性に縁があるようには見えないのですが(^^;)。
「いつからそうなったの?」「ヴァンパイアになった年? えーっと…92年」「19…92年?」「信じられないだろ? 一つ前の世紀だもんな」
400年も生きていたダーラからすれば、「たったそれだけ?」という感じかも(苦笑)。
「聞いたことない? ヴァンパイアは人間を選び出すって。仲間に引き入れて…孤独な夜を共に歩む相手。一緒に狩りをして、餌を分かち合って…生きていく相手」
ダーラにとってエンジェルはそういう相手だったわけですね。

路地裏(N)
誘ったヴァンパイアの頼りなさに苛つくダーラ。突然現れたエンジェルにヴァンパイアを殺され、抗議の声を上げます。
「危なくなんかなかった。ちっともね。間抜けなのを選んだもの」
そんなハッキリと…酷い(^^;)
ここで漸くダーラの秘密が明かされます。
「寿命はあと2ヶ月。良くて3ヶ月。だから悪いけど、ちょっと急いでるの」
何とダーラは余命2ヶ月! 先週まではあんなに普通だったのに…。急展開ですねぇ。

1765年 フランス・納屋の中(N)
追手に火を放たれ炎上する納屋。
「追いつめられたら何をするか分からない」とエンジェルにいわしめたダーラは、エンジェルを納屋の中に置き去りにして一人で馬に乗って逃げ出します。
かわいい悪女が好きな私としては(笑)、こういう卑怯なタイプは好きになれません。
死を覚悟で誇り高く人間と戦おうとしたエンジェルが可哀相でした。

エンジェル探偵事務所(N)
ダーラを連れて戻ってきたエンジェルに困惑するウェスリーとコーデリア。
「ダーラが余命数ヶ月」だなんてW&Hのでっち上げだと決め付けているエンジェルは、それを証明する証拠を掴むために出掛けていきます。その間、ダーラの面倒をみてやってくれと頼まれたウェスリーとコーデリア。快く引受けたものの、エンジェルが出掛けた途端に態度を硬化させたのがおかしかったです(笑)
C:「さて、言っとくけど自由じゃないわよ」
W:「その点については同意する」
C:「だってあなたのせいでエンジェルは大混乱」
W:「歓迎するとは言えない」
C:「だから死にそうなのは気の毒だけど、逃げようとしたら殴らせてもらう」
W:「頭をな」
C:「すっごく大きくて重い物でね。いい?(怒)」
見事なコンビネーション(笑)。
しかし、何もそこまで高圧的にならなくても…というほどダーラを敵視しているコーデリア。ダーラに振り回されるエンジェルに頭を痛めている身としてはそれも当然といったところでしょうか。

リンゼーの部屋(N)
1222号室と見えたような…。とすると、マンションの12階?
入って正面の壁一面に整然とオブジェが並べられているのが気になります。表面にスポットライトを当てているL字型のカウンターがあったりしてとてもカッコ良いのですが、生活感が感じられません。まるでどこかのショールーム。
薄暗い部屋の中に明かりを灯しているのはスタンド、スポットライト…。リンゼーは蛍光燈嫌い?(笑)
一体どういう演出意図なのでしょうか。この部屋からリンゼーのどういう人となりを見ればいいのでしょうか。分かりません…。
勢い込んでやってきたエンジェルですが、あっさり入室許可をもらって面食らいます。
まぁそれはそうでしょうねぇ。その気持ちには同意できます。でも、その後、折角部屋に入れてくれたリンゼーの首を問答無用で締め上げようとするのは同意できません(笑)。
エンジェルが訪ねて来てもさほど驚かなかった様子を見ると、リンゼーはエンジェルがダーラのことを問い詰めに来るだろうと予め予想していたのでしょう。
ダーラのカルテやリンゼーの態度を見て病気のことを漸く信じたエンジェルですが、同時にリンゼーがダーラに好意を寄せていることにも気付きます。でも、エンジェル。気付いたからって鼻でせせら笑うのは何故?(笑)
A:「こっちは150年共に過ごした…」
L:「でも愛しはしなかった」
A:「無理だったんだ。お前だってそうだろう?」
L:「かもしれない」
この会話も意味不明。私の理解力が不足しているのでしょうか(^^;)
それにしても大人しくしているときのリンゼーは本当に可愛いですねぇ。ちょっと頼りない感じがまた何とも(笑)。

エンジェル探偵事務所(N)
ここでのエンジェルとダーラは悲恋もののヒーローとヒロインという感じでした(笑)。

カリタス(N)
メロウな雰囲気でジャジーな「Ill Wind (You're Blowing Me No Good) 」を歌うダーラ。可愛い歌声でした(^^)。
何故か衣装チェンジしているのが気になります(笑)。

「ほぅ」
「何だ、その「ほぅ」って」
「「ほぅ」は「ほぅ」だ。残念だけど私じゃこの小鳥ちゃんは救えないな」
「俺が救うから。アドバイスをくれ」
「苦しみと怒りを感じる。この間のことまだ怒ってる?」
「死んだ賢者の元に送り込まれた上、ニセ者に殺されそうになったなんて話はもうどうでもいいんだ」
「あれは辛かった。心が痛む」
「いや、別にいいって。しょっちゅう狙われるから」
「あんたのことを言ってるんじゃない。ラモーネのことだ。盗み聞きして裏切るなんて。世界的なバーテンダーだったのに。あのシーブリーズはタヒチの香り…。ん〜。クビにしたくなかった…」
「ダーラの話に戻そう」
「ちょっと黙って歌を聴いてみないか」
ホストに言われてダーラの歌にじっと耳を傾けるエンジェル。そんなエンジェルを面白そうに眺めるホスト。
「あいつのを読まないのか?」
「あんたの方が面白い。なぁ、あんたはまるでごちゃまぜのサンドイッチだ。彼女を救いたいんだろ? それはよく分かる。だが大事な点を見落としてる。一度壊れたら全て元通りにはならない。どんなに願っても」
「死なせたくない」
「何故そんなにこだわる。十分長生きしただろう。400年は越えてるはずだ」
「ヴァンパイアとしてな。その前は…チャンスに恵まれなかった」

エンジェルがニセの賢者に殺されそうになったのは、第28話「ウェスリーの変装」です。
どうしてエンジェルが賢者の家に行くことがバレていたのかなぁと思ったのですが、カリタスの中に裏切り者がいたのですね。なるほど。

第28話「ウェスリーの変装」よりカリタスでの一場面

エンジェルに賢者の話をするホスト。
「ティッシュ・マゲブって聞いたことはないか?」
ホストにグラスを渡すバーテンダー。
「あ、ラモーネ。ありがとう。一杯欲しかったとこだ。(エンジェルに向かって)気が利くだろう?」

まさかあれが伏線だったとは(笑)。

空のプール(N)
ホスト曰く「本当に飛び込む勇気があるかどうか確かめる場所」とは?
答えは空のプール(笑)。
A:「何かと禅問答なんだ」
全くその通り(笑)。
そしてわざわざ飛び込み台を使って頭からプールに飛び込むエンジェル。何もそこまでしなくても…(^^;)。
それにしても、あのプールは普通の水深に見えたのですが、あの深さで飛び込み用の長い板なんか付いていたら危ないのでは?

試練の間、控えの間(N)
プールの底を潜って異空間に突入したエンジェル。そこへ突然現れるタキシードの男性。どこかで見たような顔なのですが…。
エンジェルがプールに飛び込んだ時点で試練は開始されたと宣告する男性。
賭けの対象はダーラの命。
エンジェルが3つの試練に成功すればダーラは元気な体に。失敗すれば即座に死がダーラに訪れると聞いて慌てるエンジェル。
とりあえず試練の説明を聞いて、心構えをして…と思っていたのでしょうねぇ。
しかし、タキシードマン(笑)は待ってくれません。
試練の前にシャツと靴、靴下を没収されるエンジェル。これが第2の試練で効いてくるんですよねぇ…。
未だかつて潜り抜けた者がいないという一つ目の試練。一体何かと思えば武器を持ったモンスターとの一騎打ちでした。
「17秒経過。既に最長記録の2倍です」
ということは、これまでの最長記録は8秒半(笑)。一撃か二撃でアウトだった、と。
最初は一方的にやられていたエンジェルですが、意外とあっさり敵を倒します。しかしゲートが開きません。あれ?と思っていると、真っ二つに切り離されたモンスターの上半身が起き上がり、下半身までてくてくと…。真の闘いはこれからか!?と思ったのも束の間。これまた意外とあっさり打開策を見つけて敵を攻略してしまい、いささか拍子抜けでした(苦笑)。
第2の試練は廊下の一気駆け。
もちろん、そこはただの廊下ではなく、壁にも床にもたくさんの十字架が散りばめられ、その上を裸足で走るエンジェルの足からは白い煙が…。
しかし、床のクロス模様は決して隙間なく…という感じではないので、用心して歩けば火傷せずに歩けるのでは? もっとも、大丈夫そうな隙間を捜して抜き足差し足歩くエンジェルなんて見ても楽しくなさそうですが(苦笑)。
折角突き当たりの扉まで辿り着いたエンジェルですが、鍵がないので扉を開けることができません。振り返ると廊下の途中に巨大な聖杯っぽい入れ物が。当然その入れ物には目当ての鍵が入っているわけですが、入れ物の中は聖水で満たされており、エンジェルが手を入れた途端にじゅわっと泡が…。「うわーっ」と叫び声を上げるエンジェル。真っ赤に腫れ上がった右手で鍵を握り締め、再び廊下を走り出します。どうにか扉まで辿り着き、右手で鍵穴に鍵を指し込むエンジェル。手のアップは何故か左手! ええっ!?(^^;)
一方、控えの間でエンジェルの様子を見ているダーラは彼の一挙手一投足に合わせて一喜一憂。見ているだけで疲労するのか第2の試練の後はしばし呆然といった感じでした。
そしていよいよ第3の試練。何と杭で串刺し。
ドラマの主人公であるエンジェルがシーズン途中で死んでしまうはずがないのは分かっているのですが、それでもちょっとドキドキするシーンでした。
杭だらけの壁が迫ってきて串刺しになるのかと思ったら、壁から杭が一斉に発射されて驚きました(笑)。
その瞬間を目撃して悲鳴を上げるダーラ。でも、直後にしっかり服を着たエンジェルが現れます。ええもうしっかり。コートまで着用(笑)。
見事に3つの試練を潜り抜けたエンジェルでしたが、報酬としてダーラに新しい命を吹き込む段になって問題が発生します。
「この方は、超自然的な力で一度生き返りましたね?」
依ってダーラは対象外。
「課題の前に「一度生き返っている」と言って下されば…」
そんな余裕、与えなかったくせに(苦笑)。
結局、ダーラを助けられなかったエンジェルは、悔しさのあまり大暴れ。気持ちは分かります…。

モーテル(N)
実りなく立ち返ったモーテルでぼんやり時を過ごすエンジェルとダーラ。
エンジェルは自分がサイヤーとなってダーラをヴァンパイアにしようと考えますが、当のダーラに拒絶されます。

エンジェルは椅子に、ダーラはベッドに座っている。
「元通りにはならないだろう。うまくいかない。だって俺には…魂があるから。もし血を吸っても…」
「もういいの」
「どうなるか分からないんだ」
「エンジェル。今はもう分かった。あなたがやっていること。あなたがやってきたこと。全て感じたわ。誰よりも私を気遣ってくれてるのも感じた。初めてよ。…それだけでもう十分」
エンジェルに優しく微笑むダーラ。
「十分じゃない」
「いいの」
「何だってお前をこの世に呼び戻してチャンスをぶら下げときながら引込めるんだ」
「多分、それがチャンスなのよ」
「死ぬこと?」
「そう。受け入れるの。本当ならとっくに迎えてたはずの死を」
言葉とは裏腹に流れる涙を隠そうと顔を背けるダーラ。
エンジェルは立ち上がってダーラに近付き、彼女の横に腰掛ける。
「絶対に離れない。この先残された時間はずっと側にいる」
嬉しそうに微笑み、何度も頷くダーラ。
「二度と一人にはさせない」
優しくダーラを抱き寄せるエンジェル。エンジェルの胸に顔を埋めて泣きじゃくるダーラ。

あんなに怖がっていた死を受け入れようとするダーラ。
ダーラが変わったのは、人間を助けるために命懸けで闘うエンジェルの姿に胸を打たれたことと、エンジェルが他の誰よりも自分のことを大切に気遣ってくれていると実感できたことが原因ではないでしょうか。
寂しかったんだと思うんですよね。ダーラは。ずっと寂しかった。
だから、エンジェルの最後の台詞は凄く嬉しかったに違いありません。
しっとりした良いシーンでした。
しかし、そのしっとりした雰囲気をぶち壊すように突如乱入してくる男たち。咄嗟のことにエンジェルは全く反応できず、動きを封じられてしまいます(苦笑)。
そこへ現れるリンゼー。そして、その後ろから現れたのは真っ赤なドレスに身を包んだドゥルーシラ!
そうか! 彼女がいた! という感じでした(^^;)
結局、ドゥルーシラによってダーラは再びヴァンパイアに…。
ドゥルーシラがダーラに噛み付く場面を涙ながらに見つめるエンジェルと、複雑な面持ちでそれを眺めるリンゼーが印象的でした。決して嬉しそうではなかったんですよね、リンゼーも。できることなら彼も人間のままダーラの命を救いたかったのでしょう。
ヴァンパイア・ダーラの復活でこの先どうなることやら。以下、次回に続く(笑)。

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