第20話「戦場」(2002/2/24 放送)
War Zone

今回のポイントは、音もなく現れ、霧のように消えるエンジェル。
そして意地っ張りエンジェル。もう子供のよう(笑)。
エンジェル、コーデリア、ウェスリー、ガン登場。

スラム(NIGHT、以下N)
ヴァンパイアたちに襲われる女の子。そこへ現れる黒い影。いつものパターンでエンジェルかと思いきや、全くの別人が登場。

デビッドの家(N)
今回の依頼人、ソフトウェアー業界の帝王デビッド・ナビット主催のパーティー会場に赴いたエンジェル、コーデリア、ウェスリー。
パーティー会場のリッチな雰囲気にすっかりゴキゲンなコーデリア。
C:「懐かしい匂いだわぁ」
W:「…カマンベールだな」
C:「違う、お金よ! たまにはお金の匂いを嗅ぎたいわぁ」
うっとり呟くコーデリアの背後で、いたずらっぽくウェスリーに耳打ちするエンジェル。
A:「いつもの台詞だ。たまにこっそり観察してるんだけど、おかしいぜ」
エンジェル…。たまに観察って…(^^;)。何やってるんだか。

パーティーの主役のはずのデビッドは普段着のまま部屋の片隅でグラス片手にたった一人。おまけに人付き合いが苦手な彼は、誰が来ているのかも分からず、挨拶されても相手が誰だか分からない始末。
そんな彼の楽しみは、マダム・ドリアンの館で美しいモンスターと遊ぶこと。
ところが、その現場を写真に撮られたデビッドは、それをネタに脅迫を受けてしまいます。彼のセキュリティーが犯人レニー・エドワーズを割り出したものの、居場所が分からず、エンジェル探偵事務所に依頼する運びとなったのでした。

ウェスリー曰く、マダム・ドリアンの館は委員会のメンバーもこっそり通っているらしい…ってモンスターたちと闘う組織がそんなところで遊んでいていいのでしょうか(苦笑)。
超マニアックなマダム・ドリアンの館の存在を知っていたウェスリーですが、彼って結構堅物のような、そうでもないような。自分は全然興味ありませんという顔をしながら、しっかり情報収集しているタイプなのかも(笑)。

スラム→自警団の隠れ家(N)
冒頭で現れた少年は、スラムに住む少年少女たちで結成された自警団のリーダーで、名前はガンと判明。性格はかなりストイックな様子。
彼ら自警団は以前からヴァンパイアと闘い続けているようですが…そもそもどうして自警団を作ることになったのでしょうね。

マダム・ドリアンの館(N)
「スタートレック」なんかに出てきそうな綺麗で怪しげなモンスターたちと楽しく遊ぶ(笑)マダム・ドリアンの館。マダムは人間なのでしょうか? エンジェルを一目見てヴァンパイアと見抜いたあたり、ただの人間とも思えませんが。

自警団の隠れ家(N)
最近、何かに取りつかれたようにヴァンパイア狩りを行おうとするガンの行動を無謀だと非難するアローナ。彼女は兄であるガンが、ヴァンパイアとの闘いで命を落としてしまうのではないかと心配でならないのです。
そこへ見張りをしていた少年が慌てた様子で駆け込んできます。
「来るぞ! もう目の前だ! ビルの谷間を飛んでる!」
…何だか凄い表現ですが(笑)。ビルからビルを飛び渡って移動している人影を見たのでしょう。

スラム(N)
先刻の闘いで逃げて行ったヴァンパイアたちを追って、彼らのアジトを突き止めた直後にヴァンパイアが現れたため、逆に自分たちが敵につけられたのでは!?と慌てて様子を見に行ったガンが見たものは…。

脅迫者レニー・エドワーズの背後に突然現れるエンジェル。一瞬驚いたものの、すぐに立ち直ってエンジェルに質問するレニー。
「何が欲しい?」
「難しい質問だ。何が欲しい? …愛。家族。人に誇れる自分の居場所。知ってるか?」
「何を…」
「そんなのは全部叶わぬ夢だ。そんなことを言うためにここへ来たわけじゃないぞ。分かるよな? …ナビットの写真はどこだ」
「知らねぇな」
白を切ろうとするレニーを小馬鹿にしたように笑うエンジェル。
「嘘をつくならもう少し気の利いたことを言えよ」
「おい兄さん」
気安くエンジェルの肩に手を掛けるレニー。エンジェルはその手をちらっと一瞥する。
「見たことない顔だな。新参者か? 忠告する。俺の本当の姿を知らない方がいいぜ」
「見せてくれよ」
ヴァンパイア・フェイスに豹変するエンジェル。
「俺も見せるから」

この顔で写真を渡すまで毎晩会いに来るなんて言われたらねぇ…。

ところで、エンジェルはヴァンパイア顔になると言葉遣いも乱暴になってしまいますが、あれは相手を脅そうとワザとそうしているのでしょうか? それとも、逆に怒りが引き金になってヴァンパイア顔になっているから言葉遣いも自然と怒り口調になるのでしょうか?

謎といえば、レニーから明日写真を用意すると約束を取り付けたエンジェルは、瞬間的に姿を消してしまうのですが…周囲には何もないのに、一体どこへ消えたのでしょう? 謎だ…。

デビッドの家(DAY、以下D)
「昨夜のパーティーで楽しくお喋りしてくれたお礼に」と小切手を切るデビッド。そんなことで小切手を!? しかも、コーデリアとウェスリーの驚きようからすると、かなりの額だった模様。ですがこの場合、額云々より、そういう行動に出てしまうこと自体に問題ありでしょう。「ただの金さ。僕は山ほど持ってる」…そんな台詞、言ってみたい…(笑)。でも、デビッドのようにはなりたくないです。

スラム→倉庫(N)
車にもたれてエンジェルを待つレニー。ここでもエンジェルは唐突に登場。足音も気配も無く、いつの間にか背後に誰かが現れるのって怖いですよねぇ。怖いというか、気持ち悪い(^^;)。
一応、ナビットの写真を用意したレニーですが、大人しく言うことを聞くつもりはなく、悪魔の用心棒にエンジェルを襲わせます。格闘の末、何とか悪魔を打ち破ったエンジェルですが、息を整える間もなく新手に襲われます。いきなり後ろから杭が…!
車で追い掛けてくる自警団から逃れるために、エンジェルは近くの倉庫に逃げ込みますが、これが大問題。倉庫の中はトラップだらけ!つまり、まんまと追い込まれたわけですね。板を踏むと鉄格子が落ちてくる、銅線に引っ掛かると矢が飛んでくる。それらの罠を尽く作動させては器用に避けるエンジェル。…暗いですからね。仕掛けを見破れなくても仕方ありません(^^;)。
「俺も嫌われたもんだぜ。何が原因だろうな。リアクションがオーバーなせいか?」
…確かにこのシーンでのリアクションはオーバーでした(笑)。

エンジェル探偵事務所(D)
お腹には包帯ぐるぐる巻き、胸には大きなガーゼのエンジェル。一夜明けても傷は治らなかったようです。一体、エンジェルの治癒能力はどの程度なのでしょうか。

取り戻した例の写真を見て眉を顰めるウェスリー。
W:「(これは)何だ?」 A:「…逆さだよ」
さりげな〜く教えてあげるエンジェル(笑)。
「こんなことをして何が楽しいんだ?」と呟くウェスリーともども写真を見て思いっきり嫌そうな表情をしていましたが…一体その写真には何が写っていたのでしょうか。とっても気になります(笑)。

苦痛に顔を歪めるエンジェルを気遣うコーデリア。
C:「寝てなさい。だって…」
A:「こてんぱんにされたから?」
一瞬口篭もるコーデリア。話題を変えようと明るく提案します。
C:「小切手見る!?」
A:「あの子たちを探す。多分ホームレスだ。どこかで共同生活をしてるんだ」
W:「何人いた?」
A:「6人か7人。いや、もっといるな。14、5歳の子もいた」
C:「うそ…。子供が闘う? 高級住宅街からたった20分なのに」
A:「あれは昨日今日始めたことじゃないな。前から訓練してたんだ」
W:「武器を揃え、それを使いこなす訓練はしていても、メンタルな訓練をしなければ意味が無い。…生き残れないんだ」
さすが元ウォッチャー。
エンジェルはどうもシャツに袖を通そうとすると激痛が走るようで、顔をしかめつつ服を着て、ヴァンパイアのアジトを探しに出掛けようとするのですが…。「小切手もう1回見ていいか?」ってそれは一体!?(^^;) キャラが違うでしょう、キャラが(苦笑)。

ヴァンパイアの巣(D)

自警団の隠れ家(D)

ヴァンパイアの巣(D)
このときのエンジェルの横顔が何だかかわいくてイイ感じです(^^)。
一人だけ残っていたヴァンパイアが天井からドサッと落下してエンジェルに捕獲されますが…彼はどうして天井に張りついていたのでしょうか? 隠れていたのでしょうか?
…これってギャグ?

自警団の隠れ家→表(D)

スラム(D)

自警団の隠れ家(D)
ガンに「手を組もう」と持ち掛けたエンジェルですが、あっさり断られて部屋の隅の物置(?)に閉じ込められます。いいんでしょうか。少年相手にこんなにあっさりあしらわれて。

スラム(N)

ヴァンパイの巣、自警団の隠れ家(N)
扉に体当たりしても埒があかないと、木の壁を拳でぶち破り、鉄格子を何とか外し(…どうやって外したのでしょう?)もう少しで鍵に手が…というところでいきなり外から鍵が外されます。
C:「出たいんでしょ? 閉じ込められたの?」
扉の外にはコーデリアとウェスリー。先刻までの緊迫感はどこへやら。
A:「いや…。狭いとこが好きなんだ」
W:「携帯電話を使えばいいのに。持ってるのを忘れてたんだろう?」
言われて探ったジャケットの内ポケットからは携帯が…。

A:「あ、あまり使いたくないんだ。それに…電話するより自分でその…うるさいっ。ボスは俺だ! 緊急の用以外では携帯は使わないんだ!」
折角手を血だらけにしながら必死で扉を開けようと頑張ってたのにねぇ…。そんなふうに言われちゃねぇ…(^^;)
プンスカ怒るエンジェルがかわいかったです(笑)。

ヴァンパイアの巣(N)
ガンとアローナはシリアス一辺倒。捕われてヴァンパイアにされてしまったアローナと対峙するガン。葛藤の末、アローナの胸に杭を刺したところにエンジェルが現れます。

「取引きしよう。出て行け」
「何?」
「もし、今出て行けば、お前らの後は追わない。生かしといてやる。ロスは俺のテリトリーだ。仲間を連れてここから出て行け。ここにいる子供たちにも指一本触れるんじゃない」
リーダー格のヴァンパイアがエンジェルを小馬鹿にしたように近付く。
「誰だ、お前。俺が誰か知ってて言ってるのか?」
「俺はアンジェラスだ!」
隠し持っていた杭でリーダーの胸を刺し貫くエンジェル。一瞬にして塵になったリーダーを見て息を呑む自警団とヴァンパイアたち。
「返事をまだ聞いてない。で、休戦か?それとも死か?」
静かな声の中に、これまでいくつもの闘いを潜り抜けてきた者が持つ迫力が滲む。

「アンジェラスだ!」と名乗るときのエンジェルの気持ちって一体どういうものなのでしょうね。

公園(D)
デビッドと援助交際しようかしら? なんて言いつつ、結局「今のままで十分。貧乏で孤独でも」としおらしく括るコーデリア。全くの本心ではないにしろ、コーデリアも大人になってきた、ということでしょうか。

スラム(N)
夜の街を一人で眺めるガン。風の音と共にエンジェルが現れます。

黙ったまま隣に立って夜景を眺めるエンジェルに、焦れたように声を掛けるガン。
「何しに来たんだ」
「見回りさ。仕事だから」
「正直、あんたには感謝してる。けど用心棒なんて必要ねぇし、相談相手もいらねぇ。これからも今まで通りさ。奴等が存在する限り、俺たちは闘い続ける」
「分かってる」
「…それだけ? 他に言うことねぇのかよ。良い奴ぶるなよ」
「あれで良かったんだ。お前は間違ってない」
「妹を殺した」
「いや、違う」
「同じことさ。アローナの言う通りかもな。…お前はどうして仲間を裏切ってる?」
「他に何ができる」
暫しの沈黙の後、徐に口を開くエンジェル。
「また来る」
「助けはいらない」
「そうかい」

風の音と共に姿を消すエンジェル。
エンジェルとガンはお互いにお互いを認めたのかな、と思わせる静かなラストシーンでした。

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