
●Other Car Impressions 〜アウディA4の購入を検討されている方へ
ここでは,私がA4を購入する際に実際に試乗した競合車を紹介します.どの車もなかなか魅力的なだけに,試しに乗っておいて損は無いかもしれません.ただし,万一気に入らなくても責任は取りませんが...(←一応免責事項ということで)
●試乗車リスト(2002年モデル)●
・メルセデスC200
・アルファロメオ156JTS
・アルファロメオ156V6Qsystem
・Audi A4 1.8Tq
・ボルボV40NordicSpecial
・VWゴルフGLI
・ジャガーX-Type2.0V6
●A4購入以降に試乗した試乗車リスト●
・メルセデスC180【NEW】
●試乗してないが気になったくるま●
・BMW 318ツーリング
普通に考えれば,上のリストにこの車が無いのはとても不自然.サイズも価格もほぼ同等.走りのイメージとブランド力はBMWの圧勝(世間一般にはそうだろう).BMWといえば世界一素晴らしいと言われる直6エンジンが主力なだけに,4気筒の318でBMW的満足感が得られるかどうかがポイント.もっとも4気筒とはいえ現行モデルの318は最新のバルブトロニック機構を搭載し,その走りは相当に良いらしい(試乗してないので雑誌の受け売りですが).さて,ディーラに出向いてまず驚くのが,BMWの全モデルに共通することだがカタログがやたら立派.セダンとワゴン,tiシリーズのカタログが別になっているのはわかるが,クーペのCiまでが個別の立派なカタログになってます.しかもどれも分厚い!読み応え充分です.このあたりはメルセデスやアウディも見習ってほしいところです.まぁ,各モデルのカタログは中身はすべてが異なるというわけではなく,共通部分(エンジンの解説など)もそれなりに多いのですが.
おっと話がそれた.BMWで気になるのは,オプションがやたらと多く,それらの値段が結構高いということ.318の場合,標準仕様では付いてない装備が結構多いので,オプションカタログを眺めているうちにどうしても色々オプションをつけたくなりそう.そうすると318とはいえ,たちまち結構なお値段に.あとハッチバックの318tiが同じエンジンを搭載しておりながらセダンより50万円以上安いというのも気になるとこと.フロントマスクの好み次第ですが,純粋に走りを楽しむということになれば318tiも気になるところ.で,私の場合なぜ試乗に至らなかったかというと,ディーラのセールスが連絡くれなかったのが原因(笑).試乗車が用意できたら連絡くれると言ったきり,その後電話もDMも無し.これじゃ駄目だよねぇ.
※注:BMWのディーラ全てが悪いわけではないです.現に最近,別系列のBMWディーラにZ4を見に行きましたが,そこでは丁寧な対応をしていただきました.クリス・バングルのぶっとびデザインに私の感性はまだ対応しきれてない(笑)ので現状ではツライですが,見慣れたら気に入るかも.Z4の2.2て価格もお手ごろだし魅力的だよなぁ.スタイルさえ受け入れられれば(笑)
・プジョー406
プジョーといえば306のスタイルが大好きだった私.WRCで活躍している206も結構好き(ただし,あのペダルレイアウトが私にはかなり違和感ありで残念!まあ慣れの問題かもしれませんがね).で,当然406も好きだったのですが,マイナーチェンジ後の顔が個人的にはいまひとつ.前の顔はすごく良かったんだけどね.理想は406クーペだな.ありゃ格好ええ.
●試乗車インプレッション●
【Mercedes-Benz C200 KOMPRESSOR】
ドイツ車.つーか,400万円超の予算を組んでクルマ選びをした場合に,かならず浮かぶのがメルセデス.世の中不景気だっちゅうのに,やたらと走っているあのC-CLASSでございます.若くしてベンツに乗るということにいささか抵抗はあったのですが(あくまでイメージの問題ですがね.特にご近所の目が気になるっつーか),自宅から徒歩5分の場所にディーラがあるので見に行ってみました.
購入候補となるのはC180のステーションワゴン.これ以上は予算オーバー.さすがベンツ,やたらと高いです(笑).そのお買い得なC180ですが,400万円を超えるというのにステアリングホイールがウレタンだったり,180だけウッドパネルの素材や面積(ドアに貼られない)が異なったり,ホイールがスチールだったりとトホホな装備内容.やっぱりあれですか?お買い得グレードなのでこれで我慢せぃってことですかね.まあ気にならない人には全く気にならない問題かと思いますが,個人的にステアリングホイールは革にしてくれよと嘆きたいです.一応オプション設定されてるようですが(最新モデルは不明).
で,その180は試乗車が無かったので,代わりにC200を試乗しました.「乗ればわかるメルセデスの良さ」ってのは本当か?
・・・・ん〜,ダメでした.これ,クルマがダメってよりも,ディーラというかセールスマンというか,クルマをアピールするべき人間の能力不足ですかね.まずダメなのが試乗コース.トロトロとしか走れない近所の道路を5分ほど走ってもうおしまい.思わず,「もう一周していいですか?」って頼んじゃったけど,やっぱりこのコースではクルマの良さはわかりません.もっと「乗ればわかるメルセデスの良さ」をアピールして欲しかったですね.
感じたのは,エンジンの排気音が結構耳につくのと,交差点を曲がったあとに,ステアリングの戻りが悪くてあせったこと.内装の質感が今ひとつなこと.あと,シートポジションの問題かもしれないけど,ウインドウシールドが目前に迫る感じで圧迫感が結構あったこと.シートやステアリングをいろいろ調整してみたものの,結局ベストポジションを見つけられずじまい.運転姿勢がばっちり決まらないと,車の魅力半減だもんね.
もちろん,安全・快適装備の充実度は素晴らしく,クルーズコントロールやマルチファンクション機能付ステアリングホイール,リバースポジション付ドアミラーなど便利な機能満載!(と思ったら,C180にはリバースポジション付ドアミラーはついてなかった).A42.0SEには無い快適装備が備わっていることは確かだし,ステータス(C-Classにそれがあると思うかは人それぞれだが)性を考えると,一般にはこのクルマが売れるのはまぁ納得せざるをえないでしょう.実際,エクステリアのデザインはかなり格好良く,グッとくるものがあります(実は,最近のメルセデスのデザインはすごく好き).
高速安定性などは試していないのでわかりませんが,そういった部分を試させない(アピールしない)ディーラにかなり問題有り.それに,「アウディA4が第一候補なんですけど...」と言っても,セールスさんは「あれもいい車ですね〜」と言うだけで,C-CLASSの良さをアピールすることもせず.やはりベンツ買う人は指名買いってことですかね.結局スタイリング以外に特筆すべき部分を見出すことができず,今回は脱落.(セールスさんは頻繁に自宅訪問してきたけどね.買うならありきたりのシルバーでなく,紺かワインレッドにするって言ったのに,「シルバーなら在庫あります」とか「シルバーの在庫車なら○○万円引き」とかピントはずれな話ばっかり・・・)
注:試乗車はマイナーチェンジ前のモデルです.2003年モデル以降,C180とC200は新開発1.8Lのスーパーチャージャエンジンを搭載.フィーリングや静粛性は劇的に良くなったというもっぱらの噂.しかも今なら(2004年2月)なら限定モデルがあって,キセノンライト,アルミホイール,本革ステアリング,レザーシートが装備されてC180セダンなら400万円ジャスト.こりゃいいかも.
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【AlfaRomeo156 2.0JTSセレスピード】
156がデビューしてからすっかりアルファロメオの虜になっていた私.ただあの頃は400万近くする輸入車,しかもイタリア車などは夢のまた夢と思っていたので,雑誌を眺めては「かっこいいなぁ〜」と憧れの眼状態だったわけです.
それから数年経ちまして,147がデビュー.これなら現実的な値段!と思い,何はともあれ一度実車を見に行くことに.その当時はまだ買い替えを考える時期では無かったので,あくまで「見るだけ」ということだったのですが.近所のアレーゼには147をはじめ,スポーツワゴンや166,スパイダーなどほぼフルラインアップ状態で展示されておりました.嫁さんはスパイダーと166がいたくお気にめしたようで,「スパイダーなら買う」とか言い出す始末.(2シーターでしかもMTなんて非現実じゃい)
その後,2001年の大阪モーターショーでもアルファブースにべったりとへばりつき,156やスパイダーを愛でながらコーヒーなぞを頂いたりしまして,すっかり「次はアルファ」モードだったわけですが....
・・・・いやあ,実際に購入を検討するとなると,いろいろとあるものです.実際に同クラスの輸入車と比較しだすと,やはりイタ車という不安感や内外装の作りの弱さが気になるんですよね.毎日くるまに乗る私としては,「コレ1台」という生活を考えた場合にやはり信頼性がものを言います.実際に所有したわけではないので信頼性に関しては定かではないものの,ネットで調べる限り,旧来のアルファからは格段に向上したとはいえ,まだ信頼性が高いとは言い切れない様子.
でも折角なので,JTSを試乗してみました.(その頃にはほぼA4で決まりだったのですが)
試乗者はJTSのセレスピード.147と同じく,パドルシフトが付いたやつです.内装はマイチェン前の方が個人的には好きでした.新型のシルバーのインパネはイマイチ.シートは小ぶりでサポートが良く効いてます.とりあえず,今回の試乗車の中では飛びぬけてスポーティーな雰囲気.いいねぇ.
さて,いざ走らせてみますと,同クラスの他車とは全く異なるフィーリングにびっくり!低速のトルクが薄いのなんの(笑).そのために発進加速から垂直指針のタコメータの針はピュンピュンと回り,普通に走っても3,000〜3,500回転あたりを使い(たくなり)ます.セミATのシフトチェンジは,アクセルを踏んだままだとミート時に「ガッコン」とつんのめりますが,アクセルを戻してやるとわりかし自然な感じ.でも乗り心地はMT車そのものですね.ATに乗りなれた嫁からは不満爆発.酔うらしい.
まあ,セレスピードに関しては慣れればショックも少なく運転できるのでしょうが,A4はCVTだもんね〜.同乗者の快適度では勝負にならんわな.ハンドリングはセレスピードに気をとられてあまりわかりませんでしたが,かなりクイック.ボディはあまり剛性が高くない感じ.上質感はあまり無し.まあそんなことは欠点にはならんのだろうが...
で,運転ですが,これが楽しいのなんの.遊び道具だねこれは.ツインスパークに乗ったこと無いけど,JTSもいい音してます.これはいい,すごくいい,欲しいです正直.
でもね...
・(一人で乗れば同乗者からの苦情も無いから)楽しい
・(壊れなければ)すごくいい
・壊れても(もう1台くるま持ってたら)問題なし
・燃費悪くても(街乗り車がもう1台あれば)別にいい
あ〜これはセカンドカーですなぁ.と思いました.しかもセカンドカーならスパイダーでもいいもんね.あ,でもMTか.それならいっそのこと安くなるのを待って中古で166なんてどうだ?(セカンドカーなら車庫は別に借りるしサイズ関係ナシ)
てなわけで,まだ「いつかはアルファ」熱は冷めてません.
ちなみに,試乗に行ったディーラで展示車を見つけて「コレがいい」と嫁が言いました.その車は
マセラティ スパイダー カンビオコルサ
身分不相応です(笑).こんな若造にゃ似合いませんて
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【AlfaRomeo156 2.5V6 Qsystem】
世界で最も官能的なV6エンジンといわれているアルファ自慢の古典的V6エンジン(?)を搭載した156.これに乗るならやはり6MTでしょう!と個人的には思ってたのですが,担当のセールスさんの所有者が何と左ハンドル並行ものの2.5V6 Qsystem.じゃあ折角なので噂の官能サウンドを聴かせてもらうべかぁ〜と,助手席に乗せてもらうことに.さて,その美声やいかに・・・?
・・・・確かに官能サウンドでした. おしまい・・・・
なめとんのかコラァとか言われそうですが,正直そんな印象です.音はたしかに素晴らしいです.いやほんと.
でも,その歌声を聴くためにはエンジンをブン回さないとダメなわけで.それを一般道で堪能するにはスタートからの加速が勝負! でもQsystemって4速なので,シフトアップ時の回転オチがハンパじゃなく,シフト時に激しくつんのめります.やっぱATでもスポーツなのねアルファって.
よく言われる鼻先の重さは自分で運転してないからわかりません.
エンジンルームに漂う色気はハンパじゃないですが,やはりアルファはセカンドカーだなと思いました.
こげな車に乗って毎日通勤するような甲斐性は私にはありません.
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【Audi A4 1.8Tq】
実は今回の車選びで最も悩んだのはこの車かもしれない.要するにコンフォート志向の2.0SEかスポーツ志向の1.8Tqか.求める車のキャラがきちんと絞れている人にとっては競合しないであろう両車でありますが,コンフォートもスポーツもほどほどに求める向きには大変悩ましいところです.価格差は約30万円なのでほとんど関係ナシ.
エクステリアは1.8Tqの圧勝.低く構えたフォルム,2本だしエキゾースト,欲しい人は欲しいquattroバッジ(笑).
結構本気で悩んでたので,2.0→1.8Tq→2.0と車を乗り換えて同じコースを3回試乗させてもらいました.ここのディーラさんが使用する試乗コースは激しい登り下りの左右カーブがあり,一般道のくせにハイスピード(90kmくらい)で流れている幹線道路あり,長い直線の登りありと,まさに試乗にはうってつけ. (シュ○ルン○○も見習いなさい!)
動力性能はカタログ見る限り1.8Tqの圧勝ですが,個人的にはそれほど大きな差ではないと感じました.登りでは2.0でも結構パワフル(エンジン音はうるさいですが).1.8Tqはかなりの重量級とあって,パワフルではあるけどもその差は比較的小さいです.ただし,登りのカーブをハイスピードで曲がると,両車の差は歴然.足の強さが段違いです.1.8Tqはロールが少なく,滑るように(滑っているのではナイ)コーナーをクリアしていきます.スポーツサス+クワトロの効果大?
ただし,普通に走る上では1.8Tqはロードノイズが大きく,足が硬いので路面の振動もかなり伝わります.個人的には全く許せる範囲なのですが,いろんな人を後席に乗せる機会があるわけでそこんとこ重要.後ろに上司乗せるなら2.0SEだよね,シート本革だし...
まぁ,同乗者のこと考えてって人もかなりいるとは思いますが,本音を言えば,私の場合2.0のCVTがやたらと気に入ったというのが決めてです.タコメータの針が1,500回転付近でピタリと止まったままウニィ〜と加速していく感覚がもう病み付き.ただ1.8Tqを見かけるたびに,「あっちもアリだったかも」と未だに思ってしまうのでした.やっぱり2本だしエキゾーストが格好いいですわアレ.
ああそうだ,あとひとつ.1.8Tqのスポーツシートは最高でした.2.0SEの革シートよりいいと思う.見た目は革の方がいいかもしれんケド.
注:2004年モデルでは1.8Tq無印はスタンダードシートになり,S-Lineはスポーツシートだけども素材が革とファブリックのコンビ.あの座り心地最高のファブリックスポーツシートは消滅した模様.しくしく.
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【VOLVO V40 NORDIC Special】
いま改めて考えてみると,こういう選択もアリだったのではないかと思う車です.この車を単独で評価するならば,非常にいい車であると言わざるを得ないでしょう.
デビュー当初のV40は乗ったことが無いので知りませんが,とにかく三菱カリスマと同一のプラットフォームを用い,オランダで製造.三菱のくるまにボルボ風な内外装を被せただけなどそれはヒドい言われようだったわけで.V70あたりのオーナーからは,「このクルマでボルボを語るな」などと言われることもあるようで,ちょっとかわいそうなクルマでありました.
現行型はそのような過去のシガラミを払拭し,なかなか良い評価を各地でもらっているようです.なんでも,デザインの国イタリアから,最もスタイリングの美しいステーションワゴンという評価を頂いたそうな.あたしゃそれでもA4アバントの方が美しいと思いますがね(親バカ)
ボルボというメーカーのブランドイメージが非常に高いここ日本では,どうもこのV40はいまひとつ「受け入れがたい」存在であるようで,比較的マイナーな車種になってます.V70は山ほど見かけますがね.VWにおいて「ゴルフ」がある意味メーカーと独立した一つなブランドを築いているように,ボルボ=V70というイメージが根付いているのかもしれませんね.最近ではS60など魅力的なセダンもあり,ボルボ=おっきなワゴンのイメージは薄れてきたような気もしますが.
さてそのV40 NORDICですが,全長4,515mmの全幅1,720mm.まさにウチの駐車場にジャストフィット.このくらいのサイズが理想です.お値段345万円.高いような安いような...
試乗したのはマイナーチェンジ前のモデル.ベージュの本革内装にベージュ革とウッドのコンビのステアリング(現行型はグレー本革).なかなか車内は上質でおしゃれ〜な感じ,なおかつカジュアル度高し.犬を乗せて山や海へ出かけるには,V70よりもこっちのほうがお洒落でないか?と思うくらい.大型犬を乗せるとなると絶対的に「広くない」ですが.
ディーラの営業さん曰く,「どうぞその辺を自由に走ってきてください」
お〜好きにしていいってか.これまでの試乗は全て営業さん同乗だったので,何だか嬉しいぞ.早速嫁と2人で試乗に出かけました.
やはり本革の電動シートはいいですね.しっかりドライビングポジションが決まります.ランバーサポートは付いてないけど,特に問題はなし.乗り心地,いいです.室内,静かです.サスペンション,ソフトです.ハンドリング,軽いです....
...ん〜何か日本車っぽい...ま,悪くないです.セールスさんも,「日本車から乗り換えても違和感が無い」ことを売りにしておりました.確かにそれは良いことなのですが,今回はいっちょ「味のある輸入車を買うぞ」と意気込んでいるわけで,その意味では何だかいまひとつ盛り上がりに欠けるものがアリ.個人的にドイツ車のゴツゴツした感触が気に入ってたこともあるのでしょうけどね.それと,インパネの空調コントロールパネルがとっても日本車風味なのがややマイナスか(笑).
ただし,エンジンはなかなか気持ちいいです.今回試乗した車のなかでは最もパワフル.2.0Lライトプレッシャーターボで163ps.1,800回転から最大トルクを発揮するバカみたいにフラットな(笑)トルク特性の持ち主なのですが,確かに低速トルクがものすごいです.ていうか,このトルクの鬼のようなセッティングは,発進時のアクセルワークに結構気を使います.このあたりの感覚も日本車に近いかも...
逆にいえば,シグナルグランプリ大好きな人は気に入るかも.速いよこのクルマ.
さて,このクルマに満足できなかった最大の理由は実は他にありまして....
展示されているV70の運転席に座ってみてびっくり!シートが全然違います.サイズからして全然違う.V70のシートの良さを知ってしまうと,同じボルボなのに普通のシート(それでもかなり良いシートだが)がついてるV40が魅力薄になるのも無理ないです.まあ横幅がかなり違うので,同じシート乗せるのは無理なのかもしれないですけど.やはりライバルはV70かぁ.そりゃ強敵だ(笑)
ま,でも今のA4と比べてもそれほど遜色の無いシートだったように思えるし,今改めて思えば,V40買っててもきっと満足な日常を送っているかなあと.いい車でしたよ実際.シンプルなのに非常にスタイリッシュな車であります.
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【VW Golf GLI】
本国ではVがお目見えし,日本でもモデル末期中の末期だというのに最終モデルを発表してまだまだ売る気マンマンの定番欧州車ゴルフ(2004年2月現在).そのゴルフの主力モデルが2.0Lエンジン搭載のGLI,270万円なり.+5万円でワゴンが買えるということで,ワゴン好きにはなかなか魅力的なモデルなのではないでしょうか.車格でいえば今回試乗した一連の車より1ランク下のクラスに位置づけられるのですが,それ言ったらボルボV40もそうなわけで...
試乗したのは普通のハッチバックゴルフGLI.内装デザインはシンプルだが質感はなかなか高いです.乗ったのがマイチェン前の車ということで,サイドミラーが強烈に小さくてかなり見づらかったですが,現行型では改善されているとのこと.
で,印象はというと,パワーはそこそこ.意外に良く走るかんじ.足回りも割りとしっかり.エンジンノイズ,ロードノイズともにそれなりに大.ハンドリングは割りとしっかり.全体的にいたってマジメ.....
まぁ特筆すべき点は無いといったところでしょうか.実際コレで不満が無いというところがすごいですが,よくできた乗用車ですな.さすがゴルフ.ハッチバックは正直普通に格好いいので,売れるのはわかります.CLIとかならカローラとそんなに値段も変わらんし,カローラのスタイリングや乗り味よりはゴルフの方がいいって人は多いでしょう.単にブランドで売れているわけでも無いなぁと妙に納得.
ではワゴンはどうか?と言われると,う〜〜〜む.(沈黙)いいくるまなんだけどねぇ・・・
VWて,これまで培ってきた「大衆車ブランド」というレッテルをVW自身がどのように考えているのか微妙.最近はトゥアレグ(言いにくい!)やフェートンを送り出し,プレミアムブランドの仲間入りを狙っているようです.しかし,ゴルフまでもがプレミアム路線を進むことが,はたしてVWにとって良い結果となるのか個人的には疑問に思います.
もともと道具として最高であった5ドア(3ドア)ハッチのゴルフ.手ごろなサイズと,道具としての良さが支持される理由なわけですよね.日本でもこの10年間,モデル別輸入車販売台数のトップをキープしているのも,年齢や性別を問わない「素朴な内外装デザイン」と「普通に良くできた自動車」であることが原因であると考えられます.少なくとも欧州販売No.1のルノーは,残念ながら日本では非常に好みが分かれそうな個性的なデザインだし・・・
それで,欧州で絶大な支持を誇る定番小型ハッチバック「ゴルフ」に日本で乗るという行為が,少しオシャレな感じであったりするわけです.だってホラ,もともとゴルフの内外装ってオシャレと無縁だし.道具としての飾らなさが逆にオシャレっぽいという感じですよね.まぁ,ゴルフに乗ること=オシャレかどうかも賛否両論あるとは思いますが.それはおいといて...
ところが最近のゴルフときたら,内外装までやけに洗練されちゃって,ナンだか本当に結構オシャレな車に変身しつつあるわけで.そういった流れの中で,「いかにも」なリヤゲートをつけたゴルフワゴンには,個人的に一抹のアンバランス感を感じてしまうんですよね.なんとなくですが.まぁ,もともとがそれほどデザインコンシャスな車ではないだけに,全く気にならない人には気にならないと思いますがね.
さてそのゴルフワゴンですが,道具として考えるならGLIは価格的にも微妙.このくらいのサイズで道具としての素朴なワゴン!てのなら安いEで充分な気がしますし,走りとユーティリティを重視するならあと少々の上乗せでパサートワゴン2.0が買えたりするし.
まあパサートのベースグレード買うなら,いっそもう少し出してV5?
とか言ってる間にすぐに300万超えちゃって,それならプジョーの406ブレーク買えるじゃん!とか...
・・・そう考えと,なんかボルボV40って高!とか思ってみたり(笑)
まあ何だかんだ言いつつも,このサイズでゴルフに勝る実用ワゴンてのもなかなか無いですな.A4でも大きいと感じる人ならば,ゴルフワゴンという選択もアリか.そういう場合,中古のプジョー306ブレークと悩むかもね.あ,あとアストラワゴンという手もあるか.こちらもルノー同様,欧州では人気だが日本では苦戦.
・・・そういやフォードフォーカスも売れてないよねぇ.いい車だし,ゴルフと競合しそうなのにね.やはりそう考えるとゴルフってオシャレ度高いのか?
ちなみに私の周辺では友人がゴルフ.親戚のおじさんがフォーカスに乗ってます.って,何の話してんだか(笑)
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【Jaguar X-Type 2.0 V6】
ワゴン選びなのに何ゆえジャガー?と思われるかもしれませんが,ウチの嫁は大のジャガーファン.しかもXJとかXJSとかが「欲しい」という,かなり無茶な願望を持ってます.で,今回はワゴンと決めていたにも関わらず,ジャガージャガーとうるさいので,アウディのディーラに行った帰り道,たまたまジャガーのディーラがあったので寄ってみました.
綺麗な店内には,X-Type,S-Typeのほかに,モデル末期のXJもありました.隣のブースには当時モデルチェンジしたばかりだったレンジローバーが.ん〜ジャガーもフォード傘下なのね〜としみじみ感じる取り合わせ.
さて,予算的にはX-TypeのFF,2.1リッターのやつがドンぴしゃりなわけで,300万円台であのジャガーが手に入ってしまうという何だか信じられないお話なわけです.このX-Type,お手ごろ価格の割にはなかなか堂々としたたたずまいで,一見して「ん〜高級車だねえ・・・」と思わせるオーラを放っております.イギリス車らしいメッキの使い方もなかなかお洒落.
この雰囲気にファブリックのシートだと少々悲しいので,やはり本革仕様を選ぶことになります.まぁナビが標準なわけで,値段的には400万円ちょっと.何かすごくお買い得な気が...しかしワゴンないし,しかもデカい!
横幅1790mmですが,デザインがデザインだけに,かなり大柄な感じがします.うちのガレージだと,全幅1750mmあたりで限界かと思われるので,この横幅は問題だなぁ...などと話をしておりましたところ,営業さん曰く,
「いまちょうど2.0V6の試乗車がございますので,ご自宅のガレージに入れてみましょうか」
なぬ?買う意思は全く示してないのに,そんなことやっちゃっていいわけ?ま,折角の機会なのでいっちょやってみますかぁ.で,早速試乗開始.
試乗車は本革仕様.つまり「もし」買うとすればそのものズバリのモノ.
シートは柔らかめですが,すわり心地はいいです.運転席に座ると,何ともいえないいい雰囲気.やっぱジャガーはいいなあ〜って思います.ま,フォード傘下となったジャガーなぞジャガーじゃないわいと,古くからのジャガーファンの方々はお怒りになるのかも知れませんが,こちとらジャガーど素人.これで充分ジャガー気分.ま,確かにナビモニタ周りのコントロールスイッチあたりは少々安っぽい感じもしますが,独特のJゲートやグリーンのメーターなどが気分を盛り上げてくれます.
ただやたらと気になったのが,どうも決まらないドライビングポジション.ペダル類が遠いというかハンドルが近いというか,私の足が短いというか,何とも「寝気味」な姿勢になってしまいます.ウインドウスクリーンも結構寝気味なので,圧迫感もあります.やっぱ足が短いってことなんだろ〜か(笑)
走り出しての印象は,軽い!の一言.スムーズで軽快でパワフル.エンジン音やロードノイズはよく抑えられており,車内は非常に静か.エンジンはV6らしく滑らかだし(ていうか,他に試乗したのが4気筒ばっかりだったということもあるが),踏み込むとシフトダウンのショックは結構出ますが,その後はスムーズに加速していきます.その際も,エンジンは遠くで回ってる感じ.
足回りはやっぱり独特.かなりふわふわした印象なのだけれども,日本車みたくユラユラ揺れるわけではなく,あくまで滑らか.ハンドルが軽いので,高速走行時には気になるかもしれません(試乗は一般道のみなので未確認)
で,問題の自宅ガレージですが,入るには問題なく入るのですが,やはり相当の圧迫感がありました.お隣の車にかなりプレッシャーを与えることになってしまいますので,やっぱ無理だという結論に.
まあ1時間ほどの試乗でしたが,いい経験させてもらいました.
余談ですが,当時は2.0V6が出たばかりだったので,値引きは非常に渋かったです.ついでにローン金利もあまり低くなかったです.そこんとこ結構重要なよ〜な・・・
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【Mercedes-Benz C180 KOMPRESSOR】2003年モデル (2004.7.7)
メルセデスのC-Classがマイナーチェンジしました.
内装は一気に若返り,質感も飛躍的にアップ.何かメーターパネルの処理は A4とよく似た感じになってますが,文字が青白く発光してなかなかスポーティ.エアコンの調整ダイヤルもアルミ(調?)リングで縁取られており,以前とは比べ物にならない格好よさ.
展示車はベースグレードの180のステーションワゴンにオプションのセットパッケージ(10.5万円)が装着されており,お値段430万円.Audi A4 Avant 2.0の無印より高く,SEより少し安い価格設定となります.
装備は充実してますが,C200以上のモデルとの差別化は細かいところでしっかりとされております.コストを押さえるための涙ぐましい努力のあとでしょうか.それでも安全装備などはもちろん全て標準で付いてます.クルーズコントロールや携帯電話のハンズフリー機能も標準.ただし携帯はDoCoMoのみの対応だそうだ.
エクステリアでは,たぶん好きな人しか気づかないでしょうが,顔が変わって ます.フロントグリルからAピラー付け根に続くボンネットのラインがより強調され,精悍な顔つきになりました.
パッケージオプション装着の180では,もはや不満なところは何も無し.足回りは16inchアルミだし,内装も立派.マルチファンクション機能付きのステアリングは革巻きだし,シフトノブもかっこいい・・・
さて,走りですが,スマートロードスターのオイル交換作業の間に,マイナーチェンジ前のC180(2003年モデル)を試乗させてもらいました.ご自由にどうぞとのことでしたので,一人で色々なタイプの道路を30分ほど走り回ってきま した.
感想.素晴らしいです.正直,A4より良いかもしれない・・・
AudiとMercedesで悩むって人もそんなにいないかもしれませんが,ベンツもC180では若い人をターゲットにしていると言ってるし,ベンツマークに妙な憧 れも嫌悪感も無い人にとっては,なかなか悩ましい選択となるかも.
具体的に気づいた点を幾つか.
静寂性:C180の圧勝
とにかくC180は静か.A4はエンジンよりもCVTが結構ノイジーなため,全体的な静寂性はC180が圧勝.ただし,私的にはA4の静寂性も特に不満の無いレベル (セルシオのような不気味な無音と比べると両車ともノイジー)
エンジンに関してもC180が静か.加速中も静か.3,000回転あたりで低周波なこもり音がやや気になる.A4は3,000回転だとエンジン音がうるさい(私は結 構好き)
ま,スマートロードスターに比べれば,両車とも無音みたいなもんです.
ハンドリング:ややA4が有利か
ハンドルに伝わる振動が気になる人は,C180の方が良いでしょう.A4ではアイドリング時にハンドルにやや振動が伝わります.FFゆえに仕方ないか?ま,気にならない人には気にならないレベル.
高速走行時の安定性に定評のあるA4ですが,意外や80〜90km/hの速度域でも両車の安定性の違いがわかります.C180はステアリング中立付近のフィーリングがやや曖昧で,この速度域でもやや頼りなさを覚えます.これも絶対的には極めて高いレベル.
内装:ややA4が有利か
価格差を考えると,C180のライバルはA4 2.0SE.この場合はA4が本革シートになるだけあって,ポイント高し.さらに,C180には本革シートのオプション設定が無いため,革じゃなきゃ!という人は自動的に勝負アリ.
個人的に気になったのは,ダッシュボードの黒い樹脂の質感.どちらが高級というわけではなく,素材の好みの問題なのかもしれませんが,どうもC180の樹脂の感じが好きになれませんでした.でもコレ,展示してあったE-Classでも同じだったので,ホント好みの問題かも.
まあそんな感じで,いい車であることは確かです.人に勧めるならA4よりC180かもしれない.でも「今乗ってるA4をNew C180と取り替えてあげる」と言われたら・・・ん〜〜悩んだ末に断るかも(笑)
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【Audi Top】 【A4 Driving Impression】