結局のところ私の場合,この車の内外装デザインと仕上げの良さだけで内心即決状態だったわけであります.どういうわけか最近オシャレブランドとして認知されつつあるアウディですが,はっきり言って見かけだけで購入を決意してしまうと,人によっては買ったあと後悔するかも.他にもいい車はいろいろありますよ.
実際なかなかスポーティな外見の車であることに加え,アウディ自体がブランドイメージをスポーティ路線に振っているせいか,どうも「速く走れる車」と思い込んでる人が多いようで.でもまあ考えてほしいのは,たかだか2.0L自然吸気エンジンを積んでる車がそんなに「速く走る」わけないだろさ.そこんとこ良く考えてこの車を評価して欲しいもんです.まぁ,実際のところある状況においては相当にトロい車であり,別の状況においてはかなりの快速車なのです.ではその辺りのお話を,この車の特徴とともに進めていきましょう.
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1.鬼のような剛性感
2.縦置きエンジン・レイアウト
3.CVT
4.エンジンオイル交換してます?【NEW】
欧州車嫌いの人が最も嫌うことば「○○感」.だって車体剛性を定量的に評価せぇたって素人にゃ無理.だってそう感じるんだから仕方ねえじゃんよ,と開き直るのが吉.そう感じなかった人はご縁がなかったてことで.
剛性は高けりゃ高いほど良い?のかどうかはまぁおいといて,鋼鉄の塊の中で運転している感覚は確かにあります.これは安心感大.当然ながら路面状態の良くない道路や段差を越えてもキシミひとつなし.内装が軋むという苦情がネット上では散見されますが,恐らく個体の問題でしょう.私のA4は1年1.5万キロを超えましたが,未だ軋み音ひとつしません.たまにカタカタ聞こえるけど,これは全てラゲッジに積んでる荷物が振動して鳴っていることが原因でした.
で,この剛性感を生み出すことによる弊害(人によっては)といえば・・・・
・ドアが重い・・・非力な嫁に大変不評な分厚く重いドア.しかもノッチがはっきりしているため,中途半端に開くと跳ね返ってくることしばしば.室内は気密も高く,半ドアになることもしばしば.ちなみに私は全く気になりません.バスっと重厚な音で閉まるドア大好き.
・Aピラーがじゃま・・・いかにも頑丈そうな太いAピラー.交差点右左折時には太いピラーに歩行者1人が余裕で隠れます.この死角は気になる人には気になるかも.右左折中は上体を少し移動させて確認する癖がつきました.
・乗り降りしにくい・・・これまた小柄な嫁に不評(笑).サイドシルがぶっといのに加えて,シートが最近流行のアップライトなポジションではないので降りるときは少々大変かも.小柄な人だと降りるときにサイドシルの外側に足があたるかも.ただし,走行中はドアにガードされている部分なので汚れることはあまりないと思います.
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はっきり言ってエンジンが縦に載っていようが横に載っていようが知ったこっちゃない話ではあるが,何となく縦に載っていた方が「考えて作ってる」感じがしますね.知らんけど.振動特性上エンジンが横揺れしにくいので,アイドリング振動の軽減などに効果があるのかもしれませんが,同じエンジンを横に積んだこと無いのでホントのところわかりませんな.FRに多いレイアウトですが,FF直4横置きは現在ではかなり希少なレイアウトといえるでしょう.
BMWなどが直4エンジンをめいっぱい後方(車体中心寄り)に積んで,重量配分を前後50:50にしているのに対し,A4は前輪車軸上にエンジンをドカンと載せるレイアウト.これにより駆動輪のトラクションを稼ぐというわけですなぁ〜ふむふむ.
で,このレイアウトの弊害といえば・・・・
・ピッチングの誘発・・・これは多くの人が気になる部分かも.短期間の試乗ではわからないかもしれませんが,高架の高速道路で試乗させてもらうなどして是非ともチェックしたいところ.サスペンションの問題もあるとは思いますが,重いエンジンを車の中心からかなり遠い場所に搭載しているため,慣性モーメントに至極不利.高架道路の継目などの一定間隔で段差があるような道路だと,揺れが一発で収まらずに共振状態に陥る場合があります.こうなると上下にユサユサと揺られることに.いわゆるピッチングというやつです.法定速度のはるか上のスピードではこの現象は全く発生せず,滑るように走ってくれるんですけどね.
・フロントヘビー・・・FF車なので当然といえば当然.絶対的にこれを嫌うならAudiという選択肢は無いでしょう.直4エンジンは比較的軽量なのとサスペンションが優秀なこともあり,個人的には全く気にならないレベル.それ言うと,フロントよりも車そのものがヘビーっつう方が気になる(笑)
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アウディ自社開発のCVT.構造上かなりの大トルクにも耐えられるという話ですが,耐久性に関して一抹の不安を拭い切れない恐怖の変速機(笑).さらにアウディには脅威のミッションDSG(ダイレクトシフト・ギヤボックス)とS4などに搭載される6ATがあるわけで,縦置き用DSGが開発されればあえなく消滅?かもしれないちょっと悲運なCVT.折角作ったんだからしばらく使って欲しいもんです.
さて,そのCVTですが,無段階変則なわけなので当然ながら超スムーズ.のんびりと走るときはコレ最高,アクセルを控えめに踏んでやると,タコメータの針が1,500回転付近でピタリと静止したままウニィ〜〜と息の長い加速を見せ,そのまま100km/hに到達します.時間はかかりますが...
頑張って走りたいときには,6速マニュアルモードにしてエンジンをブン回せばそれなりに快感.5,000回転も回せば,エンジンはそれなりにスポーティなサウンドを奏でてくれます.ディーラさん曰く,この辺りは年々改良されているとの話.CVTのフィールやノイズなども初期モデルから比べるとかなり改善されているとか.そんなCVTでも未だに気になるのが・・・・
・急発進時の一瞬のタイムラグ・・・交差点での右折時にヒヤリとすること数回.いまではもう慣れましたが,この車の最大の欠点は急発進時の出足の悪さ.CVT特有の感覚なのですが,エンジン回転とトルクの出方と車速の関係がAT車とはかなり異なるので違和感大.特に急発進時にアクセルを踏み込むと,エンジン回転が先にブワンと上がるのですが,その時点では車は前に進みません.まさに一呼吸おいてからグンと発進する感覚です.これは対向車が途切れた隙に右折しようとすると,一瞬出遅れるのでヒヤリとします.急なアクセルオンは避けたほうが無難.
・パワーの無さ・・・意識的にアクセルを踏み込まない限りは頑なに1,500回転付近を保とうとするCVTのおかげで,発進加速時のトロさは特筆モノ(笑).トヨタ的味付け(極端に言えば,アクセルがON/OFFスイッチになってる.ちょっと踏めばグンと出る)に慣れている人には恐らく我慢できないトロさでしょう.
個人的にはこれらの感覚は慣れが解決してくれるものだと思っています.現実に今は何の不満もないし.アクセルの踏み込みを微妙に調節することでエンジン回転を好きなようにコントロールできるのでなかなか楽しいです.ただし絶対的なパワーは同価格帯の国産車とは比較にならないほど少ないので,シグナルグランプリで負けたくない人はS4をどうぞ(笑)
ああそうだ.あと気になるのが,上り坂をバックするときのトルクの細さ.これは買うまで気がつきませんでした.駐車場が坂になってる場合は少し苦労するかも.
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最近のドイツ車が軒並み採用しているのが,ロングライフ高性能エンジンオイル.アウディも年に1回の点検時または15,000kmごとに交換ということなのですが,使用状況が異なる車に対して年1回交換というのもどうなんでしょ?
ディーラのメカさんの話によると,日本での使われ方を考えるとやはり5,000km走行程度で交換をお奨めするとのこと.まあ,そりゃ商売なわけですから,有償でのオイル交換を勧めるのもわかりますがね.
以前何かの雑誌で読んだのですが,ロングライフのオイルも「汚れにくい」わけではないらしい.ある程度汚れても,エンジンオイルとしての性能を維持できるという代物で,ロングライフの目的は環境保護らしい.
「環境保護のため」と言われると自費で早めに交換するのもちょっと気がひけますが,通勤の渋滞走行が多いウチの車では,一応5,000km程度を目安に交換することに.
費用ですが,フィルタ交換や工賃を含めて総額16,537円也.結構しますね.ただし効果はかなりあります.エンジンフィールが1ランク上がったような滑らかな感じになり,気持ちいいです.すぐに慣れちゃいますけどね.
ちなみにWebCGでもこんなことが書かれてます.
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