圧造説明No,3

圧造説明No,3(金型編)
材料については少しお話しましたので、今回は金型(ダイス)についてお話します
金型って言う事は、金属の型ですよね(そのまんまやん)^_^;金属以外の型って何でしょう
例えば鋳造(鋳物)がそうですね、お寺の鐘とかも土(砂)で出来た型の中に溶けた
金属を流し込んで、型どうりの物を作りますね、身近な所では、歯医者さんで歯の型を
取りますよね、あれも歯の型どうりに、さし歯や入歯を作りますよね
又話が飛んでしまいそうですが、型と言うのはブランクの形を作り出すものです
俗に言う「型押し」です、(説明の仕方が悪い様な気がします汗;)
では金属の型はどんな物でしょう、プラスティックの型、プレスの型も金属ですね
日常品(金属で出来ている物)の殆どがこの「プレス」で作られています
自動車のボディ、お鍋、スプーン、ete・・・・・
普段何気なく使っている物の殆どに「塑性加工」がされてます
型どうりに曲げたり絞ったりする「型押し」は、自動車のボディや扇風機の羽・・・
型どうりに抜く「打ち抜き」は、スプーンやホークなど・・・・・
今や塑性加工無しでは生活が成り立たない、と言っても良いほどです
関係のない仕事の話かも知れませんが、決して無関係では有りませんよ(^-^)
塑性加工を知っているからと言っても、何も良い事も有りませんが汗;
何処まで話したのかな、^_^;そうそう、冷間圧造は「型押し」の分野に入ると思います
冷間圧造は、金型を使います、その金型の形どうりにブランクを成形します
それでは、金型とわ何なのか(やっと、本題に入りました)まずは金型の種類と構造を
説明します、種類と言っても冷間圧造用の金型は、加工方法によって構造も作成方法も
違って来ます、まずは切断から、これも金型です、このgifは前にも見て頂きましたね(^-^)

setudan.gif
赤い「ナイフ」と、青い「クイル」と言う2種類の金型を使ってます
個々の図面を書いてみますね、





上の赤い方が「ナイフ」で、下の青い方が「クイル」です
「ナイフ」・「クイル」ともに同じ材質の金属で、できています、
黒い色の超硬と色の着いているダイス鋼です
鋼材の説明は前にしましたね、忘れたと言う方はここで確認して下さい
ナイフ・クイルはこの辺で終わります、次ぎは金型(ダイス)ですね


ダイスと言ってもその工程で構造や制作方法が変わります
まずは端面矯正のダイスから説明します

no,1koutei.gif

このgifも前にお見せしましたね(^-^)この工程のダイスも色々な構造のダイスが有ります
何故色々な構造のダイスが必要なのか、それはどうしたら丈夫なダイスが出来るか
と言う考えから来ています、各社の設計の人の考え方や、実際に作業をされて居る方
の考え方の違いなどが有って、何種類もの構造の違う物や、制作方法の違うもの
超硬やケースの材質の違うものが有ります、私のも私なりの考え方がありますが
ここでは、一般的な構造と制作方法を、例に上げてみます



これは、端面矯正のダイス図面です、図上は完成図で下は部品図です
説明をしますね、下図の左から、ケース、上ニブ、下ニブ、フィラーバックと言います
ケースは文字どうりケースです、材質はダイス鋼です、次ぎが上ニブです材質は超硬です
その次は下ニブですこれも上ニブ同様、超硬で作られてます、最後にフィラーバックです
材質は通常ケースと同じダイス鋼で作られます、各部の詳しい説明をします

まず超硬から説明します、「超硬は硬いが脆い」と言うのは前にお話しましたね
もし忘れた人はここで確認して下さい
上ニブ・下ニブの形を良く見て下さい、外形が台形に成ってますね、
実際は円錐状に成ってます、どうして円錐状なのかと言いますと
左側のケースを見て下さい、内径がテーパーに成ってますね、そうですテーパー締めを
する為です、「テーパー締めが解らない」、そうですか^_^;「テーパー締め」とは
楔(くさび)と言う物をご存知でしょうか、「知らないよ〜ん]^_^;そうですか、
楔とは、昔大木を縦に切る時に使われました、三角形をした木片です、「???」
え〜と、ピタゴラスの原理に出て来る30度の直角三角形・・・・「よけい解らないよ」
すみません、図を書きます、「最初からそうしろ」^_^;

kusabi.gif

上図の様に木片を打ち込んで、材木を縦に割る道具が楔です、(^_^;)
ケースの中にニブを入れてその後ろから、フィラーバックで押していきます
すると、ニブがケースを広げ様とする力が掛かります、その力を反作用で
ケースがニブを締めつけます、この力が締めと成ニブが割れ難く成ります、
ニブとケースのテーパー角は形状や超硬の長さ等で異なりますが、大体
4度前後です、又ケースの内径とニブの外径にも少しだけ差を付ける様です
これより先は企業秘密で教えてくれませんでした(^_^;)



端面矯正(フィラーバック式)の説明はこの辺で終わりたいと思います
次回は、端面矯正(焼きばめ)ダイスの説明をしたいと思います
段々と専門知識の分野に入って来ました、これからは特に、私の覚えている事と
他の塑性加工を勉強している方との意見の相違が、出て来ると思います
もしお気付きの点が御座いましたら、私(ひげ)までメールを頂けます様
宜しくお願いしますm(__)m