Ｎｏ，1工程

Ｎｏ，1工程（端面矯正）
金型・工具の続きです、切断までは金型・工具でお話しましたよね、(^-^)
Ｎｏ，1工程とは、下図（レイアウト図）のＮｏ，1です


材料の次の圧造工程です、上図の様に５段の機械でパイプ形状の製品を、圧造する場合
Ｎｏ，1工程とＮｏ，2工程の２回、端面矯正を行います（このレイアウトの場合）

端面矯正とは、端面を矯正します（そのまんまやんか(-_-;)）まあまあ(^_^;)
端面、つまり切断で切った切り口を揃える工程です、切断で切った切り口は、
レイアウト図にも書かれていますが、真直ぐには切れません、（何で）
何で真直ぐ切れないのかと良いますと、クリアランスが必要だからです
クリアランスと言うのは、そうですね・・・・・ハサミは、ご存知ですよね
紙切バサミや、爪切りバサミ？（通常の爪切りと違い、ハサミの形をしています、
私の知っている限りでは、主に赤ちゃんの爪を切ります）
それに金切りバサミ（ブリキ板を切る時に使うハサミです）
ブリキ板とは、厚みが0.3㍉程度の鉄板です、（えー！鉄板をハサミで切るの）
はい(^o^)/切れますよ、但し0.3㍉程度の鉄板なら、トタンは、知ってますか
ブリキ板やトタン、懐かしい名前が出て来ますね（若い人は、知らないかも）
トタンとは、トタン屋根のトタンと言っても若い人は無理ですね(^_^;)
波板は、知っていますかプラスティック等で出来ている、
ガレージや、自転車置き場などの屋根に使われていますね、
そうです台風の後、道端に落ちているあれです
説明が、少しずれて来ましたが(^_^;)その波板の鉄板で作られたものが
トタンです、金切りバサミは紙を切るハサミとは違い、ハサミの刃と刃の間が広いんです
紙や布などを切る時に、隙間の広いハサミだと切り難いですよね、
ハサミの刃と刃の間に折れ曲がり切れないですね、でも金切りバサミは
隙間が有りますと、紙と違い硬い鉄板を切る時に、隙間が無いと切り難いのです
この隙間がクリアランスです材料を切断する時には、クリアランスが必要です
クリアランスを付ける理由は、この事だけでは有りませんが、長く成るので後で書きます(^_^;)

端面矯正の理由でしたね、端面矯正と言ってもただ端面を叩くだけでは、有りません
パンチがブランクを、金型の中に押し込み、金型の奥に押し当てるのです、
この押し当てることにより、外面を付けます、外面とは、
この場合パイプの端面に付いている外径側の面です、（バリやカエリが出ない様に付けます）
切削をされている方は、少し不思議に思われるかも知れませんが、圧造は面を先に付けます

no,1koutei.gif

またまた登場動くgif、今度は１０枚もの画像を使いました、やはり少しずれていますね
上図は、端面矯正の工程を表しています、灰色の物が上から下に動いてますね
お分かりですね(^-^)これがブランクですね、ここではNo,1ブランク
と呼びます、まず上図の説明からしますね、ブランクは解りますね、それでは
左側の赤色の物が有りますね、これがパンチですパンチとは、切断ブランクを
No,1ダイスに押し込み、圧造しますこの事を、叩くと言います
そうですね、叩くからパンチですね(^_^;)、次は黄緑色の物これが
パンチケースです、パンチを固定する役目が有ります
パンチケースの中には、スペーサーが入ってます、スペーサーの説明は後ほど致します
次は、右側の動かない青色と黒色の物ですね、青色と黒色はダイスです
黒色は超硬と言う金属で作られています超硬、そうです凄く硬い金属ですね
漢字の意味どうりです(^_^;)超硬は、燒結材と言い元は砂の様な細かい粒状をしています、
この粒を高温、高圧で結合（固めた）させた物が超硬です、密度が高く凄く重たい金属です
この超硬は、凄く硬いのですが、そうです脆い（もろい）のです、もし超硬だけで金型を作れば、
５０～６０ｋｇほど、圧力を加えると割れてしまいます、その脆い超硬を、割れ難くするのが
青色の物です、この青色の物は、ダイス鋼と言う金属で作られています、
ダイス鋼とは、ＳＫＤ-11、ＳＫＤ-61と言う呼び名で呼ばれています
ＳＫＤとは、ダイス鋼の事で、その後ろの数字は、グレードを表しています
ダイス鋼の性質は、粘硬いので超硬をしっかりと締めつけて割れ難くしています、
この事で５０～６０ｋｇほどで割れていた超硬を、何十トンと言う圧力にも耐えられる物にしています、
次に水色の横に動く物が、有りますねこれは、ＫＯピンと言い、ブランクをダイスの外へ
蹴り出しています、そうですね蹴り出す、キックアウトですね、だからＫＯピンと言います


端面矯正に付いての説明は、この辺で終りたいと思います、端面矯正が不充分だと、
製品の平行度が悪くなります平行度とは、製品の全長（全高）がバラツキ、
図面の公差から外れる可能性が、出てきますその他色々不都合が出ます、


色々書きましたが、これは私（ひげ）の経験した事や、個人的に勉強した事を書いて居るだけで
100％正解かどうかは、定かでは有りません、その事は十分にご理解頂けます様お願い致します