城内シアター


 城内シアターへようこそ。ボクがこのシアターの支配人であるテノールです。テナーと呼ばれています。実はここだけの話、図書室の司書をしているソプラノはボクの姉なんです。早く一人前になりたいニャー 

←ソプラノ嬢25歳「彼氏募集中!」


 ここは一応シアターなんですけど実際には見れないんです。すいません。その代わりボク、テナーが作品の評価をさせて貰ってます。これを参考にすればあなたもきっと良い作品に巡り会えますよ。ランキングはSは陛下から王国推薦が送られます。必見です。宰相に無断でそんな物をあげてもいいのかなあ?ボクには解りません。AとBにはボクからテナー賞を差し上げてます。CとDはテレビ賞を差し上げます。E作品は陛下が王国追放作品にしろと言われてます。いいのかなあ?宰相に無断で…。それではどうぞ。選んでいただければご説明いたします。
 あ、そうだ。昔の作品はこちらからどうぞ。前任の方の批評が読めます。


フィールド・オブ・ドリーム

メトロポリス

ファイナルファンタジー

メメント

戦火の勇気

ファニーゲーム

ドラキュリア

千年の恋

ザ・セル

アルゴノーツ

フロムヘル

ヴィドック

バニラ・スカイ

ブレア・ウィッチ・プロジェクト

ナインス・ゲート

スーパー・ノヴァ

ブラックホークダウン

新少林寺

機動戦士ガンダム0083

ザ・ワン

アザーズ

サウンド・オブ・サイレンス

アンデルセン〜夢と冒険の物語〜

ロード・オブ・ザ・リング

7D

タイムマシン

タイムマシン
テナー賞

 原作H・G・ウェールズの「タイムマシン」の映画化です。僕自身は原作を読んだことが無く、それに対する批評は出来ないのですが原作を読んだことがあるという人の話ではかなり原作とは違った話ということです。
 設定を書いていきますと、主人公のアレクサンダーは大学の若き助教授ですが変わり者で端から見るとおかしな研究ばかりをしています。その一つがタイムマシンでした。ある日、彼は恋人のエマを公園に呼び出して結婚を申し込みます。エマもそれを快く承諾し、二人は幸せに包まれました。しかし、その直後強盗が現れ、エマを殺害してしまいます。悲しみに暮れたアレクサンダーはエマを取り戻すために兼ねてから構想していたタイムマシンの研究に没頭していきます。そして4年後、ついにタイムマシンは現実のものとなりました。
 その後、アレクサンダーは4年前のエマの元に戻り、彼女を公園から引き離しました。公園にさえいなければ強盗に遭うことはないと考えたのです。しかしエマは馬車にひかれてまたもや死んでしまいました。
 アレクサンダーは公園から離れたのに彼女が死を免れなかったことに落胆し、未来へ行けば何か方法が判るかも知れないと思い立ちました。ここまでがこの映画のプロローグと言えます。
 さて、未来がどんなだったかは見て貰うことにしてこの映画は単純に楽しめます。逆に理屈を考えて見ると理に適わないところが余りにも多くてなんじゃこりゃ。みたいな作品としてしか見られないでしょう。最後に一つ、エマは少ししか出てこないキャラですが凄く綺麗な人です。やっぱりボクは女優さんを見てしまいますね。それでメイキングとか見てがっくりしたりするんですけど。


7D
テナー賞

 今週は「7D」です。短いタイトルだ・・・。実は「7days to live」が正式な名前みたいですね。場所は知りませんが有名作家のマーティンとその妻エレンが息子のトムを事故で失い、その心の傷を癒すために田舎の屋敷に引っ越します。
 そこは村の集落から離れた寂しい一軒家でもう23年も誰も住んでいませんでした。二人には報されていませんでしたが、そこは23年前殺人のあった屋敷だったのです。このことは作品の冒頭に語られます。
 ある夜、シャワーから妻のエレンが出てくると曇った鏡に「7」という文字が浮かび上がっているのに気付きます。彼女はその時は奇妙だな、くらいにしか思わなかったのですが次の日、道路標識に「お前の命は後6日だ」と書かれているのに気付きました。そして次の日にはラジオの天気予報が「エレン、君の命は後5日だ」と言いました。そしてエレンはやっとそのことに気付きます。トムを亡くしてからというもの精神的に参っていたので幻覚かも知れないと疑っていたのです。
 彼女はそのことを夫マーティンに相談しますが彼は小説の執筆がはかどっていて相手にしてくれません。彼はエレンが精神的に参っているのだろうと決めつけます。しかしそれからマーティンの様子はどんどんおかしくなっていきます。猜疑的になり、怒りっぽくなり、ついには暴力を振るい始めます。そこへ村の人間でファマスという老人が登場します。彼は23年前に殺人事件を発見した警官でした。
 ファマスは始め、エレンに対して屋敷の真相を語ろうとはしませんでした。しかしエレンが身の危険を感じて調査を進めていくうちにこの家の真相が解り始めます。そもそも23年前に起こった事件というのもその真相が原因だったのです。
 その真相とは何か?マーティンはどうしてしまったのか?エレンの命は?最後の日、エレンが殺されかかっているところにファマスがやって来ます。しかし彼はそれに気付かず屋敷から立ち去ってしまいます。先を読ませない展開は見ている者を最後までドキドキさせてくれます。
 その割に陳腐なエンディングを迎えます。


ロード・オブ・ザ・リング
テナー賞

 ついにこれです。簡単に言えばこれは魔王の指輪を託されてしまったフロドというホビットの少年が9人の仲間達と魔王の指輪を封印しに旅に出るというものです。人間だけでなく、エルフやドワーフ、魔法使いなどが出てきてファンタジー色満載です。景色も壮大でそれだけでも見る価値はあると言えます。ただ時間が長い。更にストーリーが壮大な小説を映画化した常の例に漏れず端折ったような感じを受けます。見ているのに疲れを感じます。でも第二弾が気になる。そんな作品でした。

アンデルセン〜夢と冒険の物語〜
テレビ賞

 今回はテレビ賞Cです。C,Dが解りにくいマークで済みません。何か考えます。
 今回の作品はファンタジーとアドベンチャーを織り交ぜて贈るアンデルセンの半生です。手法としてはアンデルセンの半生を描きながら時折彼の童話物語を織り交ぜて物語が進んでいくという…あれ?この方法は確か源氏物語を映画にした「千年の恋」で使われていましたね。実は使い古された手法なのでしょうか?まあそれは置いといて、この物語はたぶん史実ではないだろうな、という感じでした。
 アンデルセンとイエッタ、ジェニーの三角関係がテーマです(笑)イエッタはアンデルセンのことが好きでしたが彼は新人歌手のジェニーが好きでイエッタの愛に気付いてくれません。本当にイエッタ可哀想。そんな関係が後半まで続くのですがそれぞれの社会的地位は変わっていきます。アンデルセンは作家として著名になり、ジェニーは歌手の世界で確固たる地位を築きます。ですがジェニーは有名になるに連れて芸能界(?)に染まり、アンデルセンのことを忘れていきます。イエッタは可哀想にも自分の愛に気付いてもらえずアンデルセンがジェニーの話をしたりするのを涙を堪えながら聞いています。
 物語も後半になるとジェニーが皇太子の前で歌う名誉を授かります。著名人であるアンデルセンもそれに招待されます。そして彼は彼女に結婚を申し込むことを決意します。しかもその相談をイエッタにします。イエッタはとても可哀想な役回りです。
 ジェニーが歌うその日、イエッタはアンデルセンとの愛に別れを告げるため、アメリカへ行くと言い出します。彼女はアンデルセンに見送りに来て欲しいと頼みましたが彼は歌会の前にジェニーに呼ばれているので行けないと断ってしまいます。そして彼女は家族に見送られ船に乗ります。
 もう可哀想で可哀想でなんでアンデルセンは彼女の愛に気付かないんだ!って怒りがこみ上げてきます。そして本当なら地獄に堕ちろ!って感じですがイエッタの幸せのために気付いてあげてくれ!って思うようになるでしょう。ですがそんな観客の切ない思いは見事に蹴られます。そりゃあもう、春麗の百烈脚くらい蹴りまくりです。(古い?)
 アンデルセンはジェニーに結婚を申し込みますが断られてしまいます。彼女は新人の頃から伴奏兼マネージャーとして支えてくれた男性と結婚してしまったのです。そして消沈して会場を去る彼にもたらされたのはイエッタの乗った船が海上で火災に遭い、生存者がいないと言うものでした。
 なんじゃこりゃ?ネタ晴らししてしまいましたが結局幸せなのはジェニーかい?観客怒るぞ?現実は厳しいという事でしょうか?真実の愛が勝つとは限らないらしいです。
 

サウンド・オブ・サイレンス
テナー賞

 英語名「Don't Say Words」のサウンド・オブ・サイレンスです。どういう作品かと言いますと 10年前にある銀行強盗のグループが1000万ドルのサファイアを銀行の貸金庫から強奪します。ですがその中の一人が裏切ってサファイアを持って姿を消します 強盗団はすぐに裏切り者を見付けサファイアの在処を迫りますが聞き出せずに殺してしまいます。すべてはここから始まりました。
 主人公は精神科医のコンラッドです。彼は医者として成功し、自分でクリニックを開業していました。そんな彼に昔働いていた精神病院の同僚から連絡が来ます。彼の頼みはある精神病の少女を診て欲しいというものでした。
 その患者の名前はエリザベス、すぐに気付きましたがこの少女、「17歳のカルテ」でディジーをやっていた女性ですね。前回も精神病患者の役でしたが今回は全く違う面を見せてくれました。僕の好きな女優さんの一人です。
 エリザベスを診た翌朝、コンラッドは娘を誘拐されてしまいます。誘拐したのは10年前の強盗団でした。彼らは裏切り者の男を殺したときに警察に捕まり、10年間服役していて最近出てきたばかりなのです。ですがもちろんコンラッドとは何の関係もありません。彼らの要求はこうでした。「おまえが昨日診た少女は6桁の数字を記憶している。しかしそれを誰にも喋ろうとしない。だからおまえの精神科医の知識を使って少女から6桁の数字を聞き出せ。そうしたら娘は帰してやる」期限は夕方の5時でした。初めは何の数字か全く解らないコンラッドでしたが話を続けているうちにエリザベスが実はあの裏切り者の男の娘だということが解ったのです。彼女は父親が殺される前にサファイアを託されていたのです。
 6桁の数字とは何のことなのか?サファイアはどこにあるのか?コンラッドはどうやって少女から数字を聞き出すのか?
 この作品を見れば「Don't Say Words」(秘密)というタイトルだけでは少し弱いだろうと思うことでしょう。「サウンド・オブ・サイレンス」というタイトルは英語のくせに日本タイトルですがなかなかうまいタイトルだと思いました。でも今回はBです。


アザーズ
テナー賞

 イギリスのある片田舎に大きな屋敷がありました。そこには3人の親子が住んでいました。母親グレースとまだ幼い娘アンと息子ニコラスです。父親のチャールズはフランスへ出征したまま帰ってきません。さらにアンとニコラスは思い光アレルギーに冒されていてランプより強い光を浴びると浮腫が出来て呼吸困難になり命に関わるという障害を持っていました。だからその親子は終日、家中のカーテンを閉めて暮らしていました。彼女は使用人の募集をしていました。なぜなら数日前に使用人が一斉に消えてしまったからです。どうして彼らがいなくなってしまったのかは解りません。とにかく使用人が必要でした。そこにミルズと名乗る老婆がリディアという娘とタトルという老人を連れて使用人を雇って欲しいと尋ねてきました。話を聞くと彼らは以前、この親子が移り住む前にこの屋敷で働いていたことがあると言います。それでグレースはこの3人を使用人として雇うことに決めました。
 しかしそれからというもの屋敷でおかしな事が相次ぎました。子供のすすり泣く声が聞こえたり、物音がしたり。グレースはこの家が何かに取り憑かれているのでは、と不安に思います。
 この映画とても面白いです。怖いとかそういうものではないのですがとてもおもしろいと言ってはいけないのでしょうが悲しいオチがあります。なんだか「ああ、こういう事もありなのかぁ。」と思いました。まさに盲点を突いた一品ですね。ボクはこの映画を見終わった後「6センス」を思い出していました。ちょっと見て欲しい作品ですね。


ザ・ワン
テナー賞

 今回はジェット・リー主演の「ザ・ワン」です。この作品の世界ではこの世というものはいくつものパラレルワールドによって成り立っていて、そこには今の自分とは違う人生、つまり過去のこうしていたら、ああしていたらという選択肢で今の自分と別れた人生を送っている者達が存在しています。それらの複数の自分たちは何人いようと命の源は一つ。それを共同で使うことによってバランスを保っているのです。ここに、それらのことに気付いた世界がありました。彼らはその並行世界を行き来する技術も持っていてそれを監視する多次元宇宙捜査局まであります。
 そこに登場するのが準主役?のロウレスことリー・リンチェイです。彼はもともと捜査局の人間でしたが過去に並行世界の自分と対決して殺した経験があり、その時に自分が強くなったため他の世界の自分たちも殺して回るようになりました。つまり一つの命を分配しているので人数が減れば一人頭の配当が増えるということなのです。そしてここからこの映画は始まります。
 最後の一人となったローデッカーが主人公で彼もリー・リンチェイです。彼もまた命の配当が増えていてロウレスと同様に強くなっています。
 ストーリーはここまで。映画自体はアクションでさくさくと話は進んでいきます。最後にはマトリクスのような演出があったり、超人的な強さであるということを表しているのでしょうか。
 そんなわけでこれはテレビ賞かも。と思いつつ意味も解らず今回は終わりです。

機動戦士ガンダム0083
 王国推薦作品

 機動戦士ガンダム0083です。常識(?)ですが0083はダブルオーエイティスリー、と読みます。「ぜろぜろはちさん」とか言った日にゃあ切れます。ガンダムと一口に言っても様々です。最近はガンダムさえ出ていれば何でもガンダムという風潮ですがオリジナルというか一般的にガンダムというと0079(当然ダブルオーセブンティナイン)から始まり、機動戦士ZZ(ダブルゼータと読む。常識でしょ?)までが一区切りなのです。それ以降のVガンダムからはまた別の物語と思っても良いでしょう。
 と言ってもこれは私の勝手な考えであり、ものすごい数のマニアが存在するガンダムですから違う考え方の人もきっといるでしょう。ガンダムの凄いところはただのロボットアニメではないと言うところです。ストーリーも十分に楽しめます。
 地球連邦軍は長く平和であったため上層部に政治色が強く、結構腐ってたりします。むしろジオンの方に軍人として素晴らしい信念を持った人が多数いたりします。巨大な軍事力を有した地球連邦軍が腐ったシステムの中でどうにか少数精鋭のジオンと戦っている、そんな感じのする作品です。もちろん連邦の一部には素晴らしい人がいて、その人達ががんばるから作品が面白いわけですが、そんな訳なのでジオン公国ファンもかなりいるんですね。
 かなり説明に時間をかけてしまいました。ガンダムの話題を始めると尽きないです。そろそろ本題の0083に行きましょう。
 0083はアムロ達が0079でやった一年戦争が終わり、次に始まるZガンダムまでの間の期間とされています。ガンダムには0079→ガンダムZ→ガンダムZZという本筋の他に同じ時代を生きた他の人、みたいなストーリーがいくつかあって、0083はその一つと言えます。結局は本筋のストーリーの間隙を縫った作品なのでアナザーストーリーとはまた違うかも知れないのですが、結局は本筋のストーリーに影響を与えていないという点でそう分類したら良いと思います。
 内容としては一年戦争で敗れたジオンの残党であるデラーズ・フリートが「星の屑作戦」を打ち立てて連邦軍に戦いを挑みます。主人公は地球連邦軍新米パイロットのコウ・ウラキ。彼がガンダムのパイロットとなってジオンのエースパイロットだったアナベルト・ガトーと戦います。このガトーという人、男です。いや漢だ!!頑固です。頑ななまでに自分の信念を貫き通そうとします。男はこういう男に惚れるものです。部下からも慕われていて自分に厳しい。ちょっと連邦にはいないタイプです。そう言えばこのガンダムという作品で一貫しているのは地球連邦の素晴らしい人たちにはプライベートでは優しい人なのだろう、という人が多いのに対して、ジオンは戦争でしか生きられないような軍人の中の軍人みたいな人が多いという点です。軍の中では部下に慕われ、敵を倒し、英雄視される人間でもなんか社会には溶け込めなさそうな感じの人たちが多いです。
 さあ、ガンダムを知らないあなた!ガンダムを見よう!そして小説も読もう。小説を読めば世界観が深まること請け合いです。しかも小説の中には伝説の「閃光のハサウェイ」があります。これはホワイトベースの艦長だったブライト・ノアの息子ハサウェイの物語です。ちょっと悲しい物語りすぎてアニメ化できないみたいなんですけど。読む価値ありまくりです。でもその価値を深めるためにはすべての事情を知っておく必要があるのでやっぱりすべて読もう。今日はこのくらいにしておいてやるか。


 新少林寺
テナー賞

 先日まで見ていたという連続ものの一つです。ということはもう一つある。
 で、新少林寺です。唐の李世民が少林寺の力を借りながら隋を倒すという物語です。全6巻組。
 これはもともとテレビドラマを編集したものらしく総集編になっています。その為、時々突拍子もなく展開の早い場面やあれはどうなってん!みたいないわゆるほったらかしが発生します。点数が低いのはその為。
 結構ストーリーもすごい展開で笑えます。途中経過がほとんど解らないため何がどうなってそうなったのか全く解らない。よくこんなものをすべて見たものだ。この点数はほんとカンフーだけにあげたような点数ですね。もう一回見たいとも思いません。
 あれ?なんだかむちゃくちゃ言ってます。でももし全編見られる機会があれば見るかも知れません。
 名言。少林寺の修行僧が肉を食べるときにのたまった言葉。
 「御仏は心の中、肉と酒は腹の中」屁理屈ですね。でも厳しい戒律を守って毎日ぎすぎすと過ごすよりもたまには皆で楽しい一時を過ごすことも良い、という考えには仏様も賛同してくれることでしょう。あと、印象に残ったこと。李世民のでかい鼻(爆)。主人公なのにキン肉マン並みの鼻のでかさには真剣な場面でも笑える。おまえのアップはきついって(笑)


ブラックホークダウン
王国推薦作品

 久しぶりによい映画を見たので久しぶりに更新します。ちょっと今まで他の連続ものを見ていましたので更新せずに来ました。まあ、その話はいつかすることにして、ブラックホークダウンであります。
 この映画、ストーリーはないです。なぜならこの作品はある戦闘の一部始終を再現したものだからです。93年に東アフリカのソマリアで実際にあった戦闘の再現なのです。
 ソマリアの内戦に介入したアメリカ軍は敵の首領を捕獲するために極秘の作戦を実行します。それは特殊部隊を使った作戦である会議に出席している敵の首領を拿捕し、撤収するというものでした。しかしその場所は敵の支配地域のど真ん中です。
 彼らは初めのうち順調に任務をこなしていましたが途中から民兵が町に溢れ始め、撤収することも出来なくなってしまいます。
 100人のアメリカ兵に対して数千もの民兵が決起し、街全体が戦闘状況に陥ります。
 この作品、ただ2時間、延々とアメリカ兵と民兵の戦いを描いているだけなのですがたった一昼夜の戦闘にすべてを賭けているため戦闘に関わった人々の心境や行動がかなり詳細に表現されています。その点がこの作品の素晴らしいところです。
 この作品ではほとんどすべてが銃撃シーンなのですが興奮するというより恐怖を覚えます。ほとんどの戦争映画がなにげに戦争の恐怖をちらつかせながらも若者に俺もあんな風に戦ってみたい、という興奮を与えている中でこの映画は見終わった後に絶対にあそこには行きたくないと思わせます。この映画は明確に戦争の恐怖を伝えている作品だと思います。
 私は根が文化系なのでこういった考えることの出来る作品が好きなのですが皆さんはどうですか?それでは次回は今まで見ていた連続作品ものをご紹介しましょう。


スーパー・ノヴァ
王国追放作品

 ついに出てしまいました。王国追放作品『E』です。この作品がどんな作品かというと一言で言えば全く主義主張の感じられないただのSF映画です。ストーリーを語るのもうっとうしいのでもうやめます。テレビでやっていても途中でトイレに行ったり、風呂に入ったりするのが全然惜しくない作品です。


ナインス・ゲート
テナー賞

 久しぶりに楽しい映画を見ました。ナインス・ゲート(影の国への九つの門)です。主人公のコルソは古本の鑑定家です。ニューヨークで価値のある古本を見付けてはあの手この手で必ず手に入れてくるやり手のブック・ハンターでもあります。ある日、世界的にも有名な古本収集家のバルカンから彼に依頼が来ます。バルカンはこれまでもちょくちょく彼にブックハントを依頼してきました。しかし今回の依頼は少し違いました。
 バルカンが所有している世界に3冊しかないという悪魔祈祷書「ナインス・ゲート」の真贋を調査して欲しいという依頼だったのです。バルカンは他の2冊を見に行き、自分の本とよく見比べろといいます。稀少本なので他の2冊を誰が持っているかはその筋のプロであるコルソも知っていました。しかし調査はそう楽なものではありませんでした。曰く付きの悪魔の書を手に調査を続ける彼に様々な危険が襲いかかります。彼を殺そうとする謎の男、その彼から守ってくれた謎の女、彼女の正体は?そして悪魔の書は本物なのか?様々な謎とスリルが満載の作品です。
 今回、謎の女性はそれほどきれいな人ではありませんでした。でも面白かったので是非一度見てはどうでしょうか?

ブレア・ウィッチ・プロジェクト
テレビ賞

 今回もランクDです。ほんとはEでもいいかもだけど低予算で撮ったということと設定がもっともらしくて面白い、ということでおまけです。
 1994年、アメリカのメリーランド州バーキッツヴィル(旧ブレア村)で映画制作を勉強していた3人の大学生が卒業制作としてブレアの魔女伝説をテーマにドキュメンタリーを撮ろうと企画します。
 3人は地元住民からブレアの魔女について情報を集め、魔女が住んでいたという森に入っていきます。しかしそこで彼らは行方不明になり、捜索の甲斐なく遺体も発見されませんでした。しかし遺品として彼らの撮ったビデオと映画フィルムが発見されました。それがこの映画の設定です。とても巧妙でDVDのおまけ映像にはその事件があたかも本当にあったかのように語られています。
 彼らが行方不明になっていることを告げるニュース映像、新聞。そして遺族のコメント。捜索が打ち切られたことを知らせるニュースに事件を分析する学者。ブレアの魔女伝説を語る歴史家。知らなければ本当にあったと思ってしまうような映像を1時間に渡って流しています。
 ですがこの物語は完全な創作です。作品内では一度もそう言いませんが調べてみるとやはり創作でした。本編も遺品として見つかった映像ということになっていますが違います。思い切り騙されました。
 本編はほとんど見る価値がないです。怖いのはおまえ等だけやん、という感じです。今回の評価は嘘ニュースをでっち上げてそれを本当のように見せるためにあそこまでやったということに対する評価です。たぶんテレビでもやらないでしょうね。下らなさすぎて。

バニラ・スカイ
テレビ賞

 今回はランクDの作品です。もうトム・クルーズの魅力いっぱいです。物語は夢と現実が錯綜していて最後までストーリーがつかめません。親の遺産で金持ちの男デヴィットがトム・クルーズです。彼は初め、ジュリーという女性とつき合っていましたが彼女を捨ててソフィアという女性に乗り換えました。しかもソフィアは親友が気に入っていると言って連れてきた女性だったのにです。まあ、実際むかつく男です。そんな彼がある日別れたはずのジュリーに誘われて彼女の車に乗ります。彼女は車の中で彼との復縁を迫りますがそれが失敗に終わるとなんと車ごと高架から下の道路へダイブします。その事故でジュリーは死にましたが彼は顔に大きな傷を負って生き残ってしまいます。そこから彼は自暴自棄になり、人生もめちゃくちゃ。しかしそんな彼をソフィアが優しく支えます。
 デヴィットはソフィアに愛されながらも悪夢に悩まされ続け、ついに夢と現実が解らなくなっていきます。そして感動のラストではいまいち飲み込めなかったストーリーが飲み込めるような結末が待っています。
 この作品に出てくる二人の女性、ソフィアとジュリーですが、僕はソフィアが好きです。大人っぽいのにどこか可愛いのがたまらなく好きです。名前はペネロペ・クルス、覚えとこっと。最後に時折現れる謎の男性ヴェンチュラ、彼の顔はとてもいいですね。漫画みたいな顔で面白いです。この作品はトム・クルーズとペネロペ・クルスの魅力がいっぱいの作品です。

ヴィドック
テレビ賞

 ちょっと解りにくいのですがランクCです。物語は私立探偵ヴィドックと鏡の仮面の男との死闘から始まります。
 そしてその戦いで敗れたヴィドックはなんといきなり死んでしまいます。
 彼には信頼できる相棒のニミエという男がいました。彼はガラは非常に悪いのですがヴィドックとの信頼関係は強い物でした。
 やけ酒におぼれて事務所に帰ってきたニミエの元に伝記作家と名乗るエチエンヌという青年が訪ねてきました。彼はヴィドックの生前、彼から彼の人生を伝記として書き残すことを契約していたと言います。事実、ヴィドックの人生は波瀾万丈で、彼は元々は犯罪者でした。牢獄に囚われても脱獄を果たし、犯罪を繰り返すような人生を送っていたのです。その後、政府と取引して特殊機関で働いていたのですが貴族の都合により追い出され、そして犯罪者仲間だったニミエと共に私立探偵を始めたのでした。
 エチエンヌはそんな彼に興味を抱いたのですがヴィドックは死んでしまいました。彼はどうしても真実を暴き、これを本にすることで仇討ちをしたいと訴えます。しかしニミエは乗り気でなく、彼を追い出します。
 追い出されたエチエンヌは仕方なく一人で捜査を始めます。この映画はエチエンヌの捜査と、そこから解るヴィドックの足取りが交錯しながら進んでいきます。過去と現在のつなぎ方がうまく、音であったり、映像であったり、何かを重ねて自然に切り替わっていきます。
 この作品の中に出てくる謎の人物、鏡の仮面の男ですがこの鏡の仮面というのが特殊で、作り方が処女の血で精製したガラスを使用するというものでした。医学的には処女と言っても処女膜が存在するだけで普通の女性と変わるところはないんですがねえ。でも宗教では処女がすごく神聖化されてますよね。何でなんでしょう?汚れてるとか汚れてないとか、なんだかいけない想像をしそうです。(^^)ではこの辺で。

  

フロムヘル
テナー賞

 1988年のロンドン、貧民街で起こる異常猟奇殺人があった。犯人は未だに不明でそのあだ名だけが世界中に知られている。ジャック・ザ・リッパー。
 この事件の担当をしたのがアバーライン警部で、彼は実在の人物らしいです。そのほか、この作品の登場人物は被害者も含めて実在の人物のようです。
 アバーラインは懸命に捜査をしますが殺人は次々と起こっていきます。遺体は見事な腕を持って切り裂かれ、内臓なども切り取られています。アバーラインはこの特徴から犯人は医者であるか、そうでなくとも解剖学に明るい者であると推測します。
 彼は当時、王国侍医であったウィリアム卿に協力を求め、切り裂きジャックの特定をしようと試みます。
 しかし事態は緊迫していきます。警視総監であるリチャードソン卿から圧力がかかってきたのです。リチャードソンは異常殺人などはユダヤ人か、下層住民の犯行に決まっていると断言し、捜査が滞っているアバーラインを責めます。更に彼はアバーラインが医者や知識人に目を向けていることを知り、捜査の妨害を始めるのです。
 数々の困難を乗り越えながらもアバーラインは切り裂きジャックの正体を掴みます。そしてその犯人は意外な人でした。
 さて、物語はこんな感じですがこの作品はある程度史実に忠実ですが最後のエンディングは少し違います。有名な切り裂きジャックですが実際は名前だけでよく知らない人も多いのでは?ボクはこの評論を書くために少し情報収集をしたのですが楽しかったですよ。この映画は緊張感もあるし、お勧めです。

アルゴノーツ
テナー賞

 ギリシャ神話にある黄金の羊毛探しという話を映画化したものです。これはジェイソンという若者が世界のどこかにあるというすべての願いを叶える黄金の羊毛を探しに行く、と言うものです。
 国を追われたジェイソンが暴君となりはてた叔父を倒すために黄金の羊毛を探す旅に出ます。彼は20人ほどの仲間と共に船で海に出ます。この世界には神やモンスターが実在して、彼らが旅の一行に様々な苦難を与えていきます。ジェイソン達は犠牲を出しながらも試練を乗り越えていくのでした。
 この作品は本当に長いです。3時間あります。でも壮大なスケールで描かれる冒険劇は見ている者を飽きさせません。名前も設定もある仲間がいきなり竜に食われて、しかも誰もそれを振り返らない様は爆笑モノです。おっと、すいません。
 仲間にはオルフェウスやヘラクレスなど有名な人もいます。それとアルゴノーツの題名は彼らの船がアルゴ号だったからなのですがそれは船を造ったアルゴスという人の名前から取られたモノでした。なぜ?と思わざるを得ません。

ザ・セル
テナー賞

 ボク、初めに借りるときこれはSellだと思っていました。訪問販売か何かの物語かな、なんて見当はずれをして、実はCellでした。意味は独房。作品では監禁槽と訳されていました。作品中で連続殺人犯のスターガーが捕らえた女性を巨大な水槽の中で徐々に水を溜めて溺死させていることからその名が付いたんでしょうか。
 主人公のキャサリンはある研究チームの一員です。その研究とは自分の脳と他人の脳をリンクさせてその他人の精神世界へ侵入するというモノです。研究はかなり進んでいて、キャサリンはエドワードという精神病の少年を救うべく彼の精神世界へ毎日のようにダイブしていますがなかなか解決の糸口がつかめません。
 ある日、彼女の元へ瀕死状態の連続殺人犯が運び込まれてきます。彼の名はスターガー、これまで6人の女性を拉致し、殺してきた男です。彼は死にかけていましたが逮捕したFBIは絶対に彼を殺すわけにはいきません。なぜなら彼はすでに7人目の女性ジュリアを拉致していたからです。彼はジュリアを監禁槽に入れた後、自宅で分裂病の発作が起こり、クスリを見付けられなかったために倒れていたのでした。
 FBIは彼の監禁槽がちょうど40時間で女性が溺死するように水が流れ込んでいることを知り、愕然とします。意識を失った彼からどうしてもジュリアの居場所を聞き出さなければなりません。しかし精神科の医師は絶対に不可能だと言いました。そして最後の頼みの綱として他人の精神世界にダイブするという研究を行っているキャサリンの元に来たのです。
 この作品はとっても面白いです。精神世界という抽象的な世界を見せてくれます。異常な精神を持つスターガーの世界は歪みきっていて奇妙です。そういった奇妙な世界を体験してみたい方にはとてもお勧めです。過激なシーンもないではありませんがホラーではないと思います。

千年の恋
 テナー賞

 千年の恋、光源氏物語です。これは東映50周年記念作品として作られた物です。
 ストーリーはいわずもがな、源氏物語のそれです。作品は紫式部が藤原道長に招かれ、彰子の教育係を依頼されるところから始まります。実際の平安時代の情勢を紫式部の半生を通して描き、その中で源氏物語が織り交ぜられ、ストーリーは進んでいきます。
 映像が華やかで平安時代の貴族の優雅な生活がうかがいしれます。源氏が作った屋敷などは春夏秋冬それぞれのエリアがあり、それぞれにその季節に美しい木や花を植えるというすばらしい物でした。優雅というのはこういうことなのだろうと思いましたね。
 さて、よくわからないのは揚げ羽の君として登場している松田聖子ですが彼女は都に漂う女達の怨霊の一人として描かれています。彼女は何の意味があって登場しているのでしょう(^^;)。ストーリーに触れる役柄ではないし、ただ、現実世界と物語の世界を漂い、見ているだけという役なのですが。
 まあでも、見る機会があれば是非見てください。男性よりも女性の方が感じるところは多い作品のような気がします。男性の目から見れば当時の帝がいかに女性に恵まれていたか、源氏がいかに女性にもてたか、そんなところばかりに目がいってしまってどうしようもないですから。

ドラキュリア
テレビ賞

 こんにちわ。今日はドラキュリアです。総合評価Dですね。
 吸血鬼の血液を自らに注射することで100年もの間、老いることなく生きてきたヴァンパイアハンターのヘルシング教授。彼は100年前に封じた吸血鬼の棺を守ってきました。しかし、盗賊の仕業により、吸血鬼が復活してしまったのです。吸血鬼はヘルシング教授の娘マリーを狙います。ヘルシング教授は吸血鬼の血を体内に入れていたため、マリーにもその血が遺伝されていたからです。ヴァンパイアハンターと吸血鬼の戦い、舞台は2000年のロンドン。ヘルシング教授は100年の間に武器を開発し、それをもって吸血鬼を追いつめますが…。
 この映画、設定は因縁の対決っぽくてすごくいいのですがバイオレンスアクションの枠を出られていないのが非常に残念です。でも、吸血鬼の正体が実はユダであったという設定は非常に斬新で面白いと思います。キリストを裏切ったユダはキリスト教を嫌い、裏切りの代価として手に入れた銀貨の銀を嫌う。神の象徴である太陽を嫌い、闇を好む。そして、神に祝福されないために死ぬことができない。もしかすると既存の説なのかもしれませんが、面白い仮説だな、と思います。
 さて、映画自体は大したことがないのでまたテレビで放映したときにでも見てください。まあ、評価Dは別にテレビでも見る必要はないだろう、と言う作品に送られる物ですが。

ファニーゲーム
テレビ賞

 はい、テレビ賞です。それもDです。悪い作品じゃあないんですけどあんまり見て欲しくないないからです。本当に怖いです。
 別荘地にやって来た家族が被害者です。家族構成は30半ばと思われるお父さんと、お母さん。そして小学生の低学年くらいの男の子がいます。
 別荘に入り、お母さんが食品を冷蔵庫にしまっていると見知らぬ男がやってきて卵を貸して欲しいと言ってきます。彼は隣の別荘に来ている友人の使いであると名乗りました。
 それから使いと名乗る男はいろいろと彼女の前で無礼を働き、ついに彼女は怒ってしまいます。そこにもう一人使いと名乗る男が彼女の夫と共に入ってきます。彼らは更にそこで無礼を働き、ついにお父さんが一人の男を殴ってしまいます。それがこの家族にとっての悲劇の始まりでした。
 彼らは家族を監禁し、家族を苦しめます。お父さんは最初に足を折られて戦うことができません。
 ストーリーはここまで。とにかくものすごく怖いです。人間がここまで怖い生き物になれるのか、と震えました。救いようがないとはこのことでしょう。ただ、犯人が最後の方で少し変なことをするんです。監督の意向なんでしょうが、何のために?と思います。
 それがあることで最高まで達していた緊張がぷつんと、切れてしまいます。だから終わった後に恐怖が残らないんです。もしかすると膨張した緊張感を抜くためにやったことなのかもしれません。それがあることで物語がいきなり現実とかけ離れてしまったのですから。
 とりあえず、どんな意図があったにせよ、それで夜も思い出さずに済みそうです。

戦火の勇気
 王国推薦作品

 この作品は戦争物の棚に並んでましたが決して戦争が売りではないんです。すごく泣けますよ。
 主人公のサーリング中佐は湾岸戦争で戦車隊を指揮していました。しかしある夜間戦闘中に部下の戦車を敵のものと誤認して砲撃してしまいます。部下は死にましたが軍は事実を隠蔽し、名誉の戦死として両親に伝えられました。サーリングは不問となりましたがそれが彼の心を苦しめます。
 帰国してからサーリングに名誉賞の選定員としての任務が与えられます。候補者はカレン・エマ・ウォルター大尉。彼女が賞を授与されれば史上初の女性受勲者となります。また彼女がすでに死亡していることから授与式では彼女の幼い娘が受勲を受けることになります。栄誉と民衆からの感動を一挙に得られると、軍の上層部や政治家達は大乗り気でした。
 サーリングは自分の問題を抱えながらもウォルター大尉の行動を調べます。彼女は先に敵地に墜落した部隊を救出するために衛生班として出動、しかし自らも敵の砲撃に会い、ヘリが墜落してしまったのです。敵が彼女たちに気を取られたために先に墜落した部隊は帰還することができました。ほとんど武装していない救援ヘリで果敢にも敵に攻撃を仕掛け、部隊を救ったとして隊長である彼女が名誉賞の候補者に選ばれたのです。
 サーリングはウォルター大尉の生き残った部下達に話を聞いて回ります。墜落してから次の救援隊が来るまで彼女はどう行動したのか?彼女はその場で戦死しています。その真実をサーリングは突き止めなければなりません。しかし、部下達から聞いた話はそれぞれ全く違う内容でした。英雄化された彼女と臆病者の彼女が彼らの口から語られたのです。そして真実は誰も語っていません。
 彼らは何を隠しているのか?真実が解ったとき、あなたは人間というものについて少し考えさせられるかもしれません。
 う〜ん、ボクはどうコメントしたらいいのかなぁ?見所を語るとネタバレになりそうだし、今回は別に魅力的な悪役がいるわけでもないし、美人がいるわけでもない。メグ・ライアンがいるけどおばさんだし(^^;
 と言うわけでこの辺で…。

 

メメント

テレビ賞

 テレビ賞「D」はテレビ放送はしても良いと思うが、別に見なければならない程でもない作品に贈られる賞です。
 この作品は新しい手法で作られた作品ですね。「物語は結末から始まる」こう書いてありましたがこれだとよくある古畑任三郎みたいな構成かな?と思ってしまうのでボクが言い換えましょう。「この作品はゴールからスタートへ向かって話が進む」のです。具体的に言えば20話完結で普通なら1話から見るものを20話から見て、その後は19話を、次は18話を、とストーリーを遡っていくのです。はっきり言って感情移入しにくいです。普段なら19話の最後を覚えていればすんなり20話に入れるものが逆から見ているために19話を最後まで見たときに20話の最初の部分を覚えていなければならない。いちいち場面が変わるたびに頭を整理しなければならないので非常にストーリーに入りにくいのです。
 少し紹介すると主人公のレナード(ガイ・ピアース)は妻を殺害されたことが元で10分程しか記憶を保つことができません。彼が覚えているのは妻が殺された場面とそれ以前の記憶だけです。そんな彼が妻の復讐をするために捜査をしている。それがこの作品の設定です。
 作品はレナードがテディという親しくしていた男を妻殺しの犯人だと確信して殺すところから始まり、上で述べたようにそこまで至る経緯を解りにくい方法(笑)で遡っていきます。なんだか遡るごとに登場人物達の本当の姿が見えてきて記憶できない人間というものを疑似体験させようとしているのかな、と思ったりします。そう言えばレナードの泊まっているモーテルの主人が彼のことを「先のことは解るのに過去のことは何も解らない」と言っていました。まさにこの映画のことですね。物語はかなりショッキングな終わり方(始まり方?)をします。そのあたりはちょっと見て欲しいですね。
 DVDではおまけとしてチャプターを逆からと言うよりこちらが正方向なんですけど見せるおまけもあります。だから何だ、と言う感じですが。思い返してみてもストーリーはたいしたことがないと思うので総合評価はD、ただし、この手法を編み出したこと自体は面白いと思いました。

ファイナルファンタジー
テナー賞

 友達から面白くないから見るなって言われてたんですけどボクはそう言われると見たくなっちゃう性分なんですよねぇ。友達との義理で今まで我慢してましたけどついに見ちゃいました。でもでも、結構面白かったですよ。手がかかってるなあ。
 人類は墜落した隕石から湧き出たファントムによって存在を脅かされています。ファントムは透明で普通では見ることがもできずしかもその体に触れてしまえば魂を食われ、生物は死に絶えます。人間はバリアシティというファントムから守るためのバリアを張り巡らせた狭い空間でしか生活することができません。
 ファントムを研究する生物学者シド博士とその助手のアキ・ロス、彼らは地球にはガイアという精神があるというガイア理論を提唱しています。そしてファントムを融和させる方法があると訴えます。
 さて、今回ストーリーが結構単純なのでこれくらいにしておきます。見所は悪役ハイン将軍の悪者っぷりでしょうか。ボクもやっぱり正義と悪が別れている作品では悪がどこまで魅力的かにこだわってしまうのです。主人公のアキもきれいですよ(^^)。時折、実写と見まがう程のすばらしいCGも必見です。アキの髪はなんと6万本も動いているんだそうです。それもすべて手作業で動かしているとか。本当に手がかかってます。単純な、ゲームのようなストーリーが嫌いでなかったらどうぞ。ただ、誰かが犠牲になって平和を取り戻すというアメリカ的美学はボクにはちょっとなじめませんが。


メトロポリス

テナー賞

 アニメですね。テーマは「心のないロボットに愛は生まれるか」というものです。人類と進化しすぎたロボット達との共存の難しさが描かれています。メトロポリスは社会から脱落した人間達が作るもう一つの社会、「ゾーン」といわれる地下部分と上層部に住む裕福な人間達の社会で成り立っています。あれ?この世界構成ボクどこかで見たことあるよ?ファイナルファンタジー7だったかな?アバランチみたいな抵抗勢力もあって…。でもストーリーは全然違います。何たってこの作品のテーマは下層域の住人がどうこうではなく、人間とロボットの関係を描いた物ですから。上層部にはFF7でいう神羅のようなレッド候が権力を掌握しています。彼は世界を支配するためにオモテニウム光線(表??)なものを開発します。その使用方法は見た後でもよく解らないのですがとにかくその制御をさせるために自分の死んだ娘に似せたティマというロボットを作らせます。制御装置である超人の椅子に座らせるためです。しかし義理の息子ロックによって研究所は破壊されます。ロックは超人の椅子に座るのは父親つまりレッドでなければならないと強く信じていたからです。
 主人公は日本から犯罪者を追ってきた探偵の叔父に同伴してきた少年です(なんて長い説明)。少年の名はケンイチ、彼は燃えている研究所に生存者がいることを発見します。そして助けたのがティマでした。それを知ってロックが彼らを執拗に追いかけます。
 うん、ストーリーここくらいまでですね。設定によく解らないこじつけが多かったのですがロックはロックで信念のために動いて素直に憎めないんです。でも見てたら人間はあの椅子には座れんだろう、と強く思ったのでした。
 あとティナが結構かわいいので○。果たして人間とロボットの共存って可能なんでしょうかね?


フィールド・オブ・ドリーム
 王国推薦作品

 これはいい作品ですね。ボクなんか感激して泣いてしまいました。主人公のレイ・キンセラはこれまで本当に平凡な生活を送ってきた普通の中年男です。愛する妻と娘がいて、アイオワでトウモロコシを作って生活しています。
 ある日、トウモロコシ畑を歩いているとどこからか「それを作れば、彼は来る」という不思議な声を聞きます。しかし声の主はいません。レイはその後も度々その声を聞くのですが何を作れば誰が来るのか何も解りません。自分はおかしくなってしまったのじゃないかと彼が疑っているとある日、トウモロコシ畑で野球場の幻を見ました。そして彼は野球場を作ればいいのだと理解します。
 野球場を作ればいいと解ってもそれを作るには畑を一部壊してしまわなければなりません。それをすれば経済的に苦しくなるのは目に見えています。しかし彼は決意しました。父親のようになりたくなかったからです。
 彼の父親はすでに他界していますが生前は無難に生き、何一つ冒険することなく平凡な生活を送りました。彼はそんな風になりたくなかったのです。妻のアニーははじめは反対していましたがそのことを聞いてレイを応援するようになりました。夫が夢を追い続ける情熱を持っていることが嬉しかったのでしょう。
 さて、周りに変人扱いされながらも何とか野球場はできました。そしてやって来たのは、なんと死んだはずのメジャーリーガー、シューレス・ジョニーだったんです。彼は60年代に活躍したメジャーリーガーで同時にレイの父親が大ファンでした。しかし彼は八百長に荷担したとしてメジャーリーグを追われ、不遇の死を遂げていました。その彼がなぜかグラウンドに立っている。そして次の日には仲間の選手達もつれてやって来たのです。その顔ぶれは蒼々たるもの、過去のメジャーリーグを代表するような選手ばかりでした。しかし選手は8人しかいません。そんなとき、レイに新たな声が聞こえてきました。「彼の苦悩を癒せ」彼はその声を信じて再び行動に出ます。
 さて、ストーリーはここまでです。この作品の設定は70年代のアメリカということで少しファッションや街並みが古い感じなんですが登場する人たちが皆すごく温かい人ばかりなんです。その為か心を温めてくれる作品に仕上がっています。もしあなたの心が凍り付いていなければ作品の中でいくつもグッと来るシーンがあるでしょう。
 ボク的にも是非見てほしい作品です。