輪廻

見る価値 ★★★

 ホラー映画を見たい人におすすめです。かなり怖いですよ。

 この映画では前世というものがテーマになっています。つまり生まれ変わりです。主人公の渚は新人女優で「記憶」という映画の主演に抜擢されました。

 この「記憶」という映画なんですが実は35年前にあるホテルで起きた11人無差別殺人事件が題材になっており、渚は最後に殺された少女を演じることになりました。そしてこの映画に関わってから渚の身の回りにおかしな事が起こるようになります。

 時を同じくしてこのホテルの夢を見るという女子大学生が登場します。彼女は準主役的な立場ですが渚の映画作りのストーリーとはいっさい関わってきません。見ればすぐ解るのでネタバレしますが結局は渚もこの女子大学生も無差別殺人事件に関わった人間達の生まれ変わりの一人で、この「記憶」という映画制作が始まると共に異変が起き始めるのです。

 とにかくその雰囲気に飲み込まれていき、喉が渇いていくのを感じました。それだけ怖いって事ですね。そこから一時的に救ってくれるのが明らかになる前世です。物語が進んでいく中で誰が誰の生まれ変わりであったか徐々に明らかになっていくのですが肝心の人達は最後の方まで誰だか解らないようにしてあります。「え?この人がそうなの?じゃあこの人は誰?」みたいなミステリ要素も入っています。そこで少し考える時間が与えられ、ホッとしてしまいます。

 今回は満点、怖い物好きは見ましょう。
 

アナトミー

見る価値 ★☆☆

 この映画はホラー映画のコーナーにありましたがホラーだと思って見るとがっかりします。どちらかというとホラーサスペンスという感じでしょうか?

 舞台はドイツの解剖学教室です。アナトミーとは解剖学のことなんですね。その大学には「アンチ・ヒポクラス連盟」なる生体実験をする秘密結社があり、この秘密結社は医学研究のためと称して違法な生体実験を行う中世より続いてきた団体らしいです。実際にあるのかどうかは不明。

 とにかく主人公の女性はここへ医大生として入り、不幸にもその秘密結社の存在に感づいてしまいます。そして彼女はそれを独自に調査し始めます。

 そういうわけでこの映画には生きたまま解剖されたり、調査を続ける彼女に妨害があったりするんですが解剖シーンはきわめて少ないですし、調査もサスペンス色が強く、やっぱりホラーというのはどうか?と言う作品でした。ま、あったら怖い、の域を超えてないB級ホラーです。

エミリー・ローズ

見る価値 ★★☆

 「エクソシスト」の原作となった物語で、実話を元にした映画です。エミリー・ローズとは悪魔に取り憑かれたとされる19歳の女性で、彼女は物語が始まったときすでに死んでいます。この物語は彼女の悪魔払いを担当した地区司教であるムーア神父が殺人の容疑をかけられ裁判を受け、そこで一体何が起こっていたのかを回想していくことで進んでいきます。

 裁判ではエミリーは精神科医に薬を処方されていたにもかかわらずムーア神父の悪魔払いを受けるために薬をやめてしまい、症状が重くなって最終的には食事も摂れず、自虐行為がエスカレートして衰弱死したと検察側は主張しています。反対に弁護側はエミリーは本当に悪魔に取り憑かれており、彼女の死因は悪魔払いが失敗したためだ。しかも失敗の原因は精神薬の服用にある。と主張しています。

 裁判では双方の主張を立証するために様々な証人が召喚され、エミリーがどのように変貌し、死んでいったかが明らかになっていきます。結局この映画では最後まで本当にエミリーが悪魔に取り憑かれていたのかどうか解りません。作品内ではエミリーが聖母と話しているシーンがあったり、弁護士が不気味な出来事に遭遇したりと悪魔や神の存在を漂わせていますがそれも本当にそうなのか解りません。一応判決は下りますがそれも微妙で映画として悪魔を否定も肯定もしていません。考えるのは見ている側の人間なのです。僕は面白いと思います。
 

スピリット

見る価値 ★★★

 中国の実在した人物、雀元甲(フォ・ユァンジュ)の物語です。彼は第一次世界大戦前の上海で精武体育会を創設した人物です。

 この映画では中国拳法の神髄とは何か、を語っています。そしてそれは主演のジェット・リーが語りたかったことでもあります。中国拳法の神髄とはすなわち強くなるために学ぶのではない、己に克つために学ぶのだ、ということです。

 作品中で雀は「武術の流派や技に優劣があるわけではない」と言っています。日本の武術家「田中安野」に「流派や技に優劣がないと言うのならばなぜ試合をするのだ?」と訪ねられ、「強さはその技を使う人の技量次第、試合の中で己を見詰め、己に克つ為に試合をするのだ。」と答えました。

 この映画ははっきり言ってアクションもすごいですが雀が武術の神髄にたどり着くすべてを描ききったと言うべき作品で、ジェット・リーがこの作品を最後にカンフー映画はやめた、と言ったのも頷ける作品です。

フライトプラン

見る価値 ★☆☆

 ジョディ・フォスター主演の映画です。彼女はカイルという名の飛行機エンジニアで、夫をマンションの屋上からの転落事故で失い、ドイツから娘と共にアメリカに帰ることになります。そのさい搭乗する飛行機が彼女が一部設計に関わっている巨大ジャンボ機で、事件はそこで起こります。

 貨物室に夫の遺体の入った棺桶、客席にカイルと娘のジュリアを乗せて、巨大ジャンボ機は離陸します。カイルはショッキングな事件で夫を亡くしたばかりで疲れていたのか、離陸後しばらくして眠ってしまいました。そして3時間後、彼女が目覚めると娘のジュリアが見あたりません。

 彼女は周囲を探しますがジュリアの姿はなく、搭乗員に尋ねても解らないと答えるばかり。彼女は機長に直談判して機内すべてを捜索するよう要請します。しかしそれでも見つかりませんでした。彼女の周囲にいた他の客達はジュリアがいたかどうかさえ覚えていません。

 この映画はかなりあり得ないことばかり起こっています。ネタバレになりますがまず周囲の人間が誰もジュリアという少女が乗っていたという記憶がないこと。このことで機長がカイルの精神状態を疑い、ジュリアなど乗っていなかったのでは?と疑い始めるわけですが、はっきり言ってそんなことあり得ません。いくら無関心でも横の席の人が一人だったか子供連れだったかくらいは誰かが覚えていても良いはずです。と言うより普通は覚えてますよ。

 そんなこんなで機長はドイツの空港にジュリアの搭乗記録を調べさせるわけですがジュリアが搭乗したという記録がありません。実は犯人が搭乗員を抱き込んでいてウソの報告をさせたためです。その為ジュリアは精神的に不安定な人とされて航空安全保安官という人に取り押さえられることになります。

 まあ、その後のことは触れないことにして、この犯人の計画は穴だらけでうまくいったから良かったようなものの、普通ならばこんな大きな事件になる前にただの少女誘拐事件としての話になっているはずです。つまりこのお話の流れには必然性が欠けています。そんな運頼みな計画をよく実行したと思いますね。

 最後の局面でカイルは真犯人に気づくわけですが見ているこっちとしては「どうしてそいつだって解った?」みたいな女のカンみたいな気づき方でした。それも納得のいかない一つです。
 

ザスーラ

見る価値 ★★☆

 思った以上に面白かったです。ネタは「ジュマンジ」と同じ、ボードゲームの世界が現実になるというお話しです。

 監督が同じだったかどうかまでは知りませんが今回は「ザスーラ」という宇宙探検物のボードゲームを二人の兄弟が体験します。

 宇宙探検物ですからゲームを始めると家が宇宙空間に飛び出します。そして宇宙ならではの異星人襲来や、流星群襲来など様々なアクシデントに見舞われます。簡単なストーリーを言うと、けんかばかりしていた兄弟が、協力して困難を乗り越えて行くうちに絆を深める、それだけです。しかし、ありがちなだけにいいストーリーではあります。

 ジュマンジよりは見る価値あるかな?って思いました。テレビがあるようだったら必ずチェックです。
 

炎の英雄シャープ 2

見る価値 ★★☆

 前回に引き続きエピソード2です。ここに来てシャープの本領発揮と言ったところでしょうか?形ばかりを気にしていざというときに臆病になる貴族士官と違い、シャープは普段だらけていても戦うべき時に戦うのが軍人だと考えています。この両者の考え方の違いがトラブルとなります。続き物なのでストーリーを語るのは難しいのでやめます。でも面白いです。
 

SAW 2

見る価値 ★★★

 SAWの続編です。以前見たはずなのですがどうもここでは紹介していないようですね。一時期見てても載せていない時期がありましたからその頃見た作品なのでしょう。

 とにかくこの作品は残虐です。ジグソウと警察から呼ばれている犯人が今回もあっと驚くようなネタを用意をして待っています。

 今回は7人の犠牲者達がある屋敷に閉じこめられます。彼らは失神させられたあとその屋敷に連れてこられ、目が覚めるとすでに閉じこめられているのです。ジグソウからの指令は「ここの屋敷のドアは3時間後に開く、しかしこの屋敷には毒ガスが充満しており、君たちは2時間しか生きられない。解毒剤を隠しておいたので探し出して生き延びてくれたまえ」というものでした。

 彼らは解毒剤を探し始めますがジグソウはそこに巧妙な罠や謎をちりばめて7人を混乱に陥れます。その結果がどうなるかはお楽しみと言うことで、今回も最後には驚くようなエンディングが用意されたいます。僕は純粋にこの映画のネタを考えている人は頭が良い、と思います。

 最後まで見たから言えるのですが答えは初めから提示されています。ただ見ている者が他のことに気を取られているので解らないだけなのです。すごいの一言です。

カンフー麻雀

見る価値 ★★☆

 カンフーハッスルをご存じでしょうか?少林サッカーの流れをくむカンフーコメディです。このカンフー麻雀はその第3弾、麻雀を題材にしたカンフーコメディなのです。3作とも監督は同じです。

 今回の舞台は香港、あのカンフーハッスルで爆笑を呼んだ団地の家主夫婦が再び登場です。今回のカンフー麻雀でも期待を裏切らずノリはそのまま、色褪せておりません。

 第1弾の人気で調子に乗って同じような映画を作って失敗する例が多々ある中、この映画は第3弾でも笑えます。少林サッカー、カンフーハッスルが非常に面白かった人はきっとこれも面白いと思います。

 でも好みが分かれそうなので2点です。

頭文字 D

見る価値 ★☆☆

 有名漫画の実写映画です。台湾で制作されたのかな?この映画は中国語の字幕版より思い切って吹き替えで見た方がよいです。舞台が日本であり、町中に見える看板などもすべて日本語なので中国語はどうもしっくり来ません。

 内容は漫画の初めの方の再現に過ぎません。少し設定がいじってあったりするので知っていてもそれなりですが、見所はやっぱり峠のバトルです。と言うよりこの映画それ以外の見所はありません。比率としてはドラマ:バトル=2:1くらいです。そのドラマが中途半端でよろしくない。これならドラマは最低限に納めてバトルを中心に作った方が良かったかと思います。

 あんまりいい作品ではありませんでした。

 

宇宙戦争

見る価値 ★☆☆

 前評判の割にイマイチな作品でした。宇宙戦争言うよりも一方的な宇宙人の侵略?

 地球は、人類が生まれる遙か以前から宇宙人の監視下にあり、その宇宙人が今になって地球に攻めてきます。

 宇宙人はその遙か昔に、世界中にトライポッドという攻撃兵器を埋めたり、海に沈めたりしており、今回は宇宙から雷に乗ってやってきた宇宙人がそのトライポッドに乗って人類を虐殺します。

 この物語はそうした宇宙人侵略が行われ、混乱を来している中、トム・クルーズが娘と息子を連れて逃げ回るという話です。そして終盤ではこれもイマイチ納得いきかねるフィナーレが待っています。

 映像を見た感じでもあまり新しい感じを受けず、ストーリーもただのパニックもの。おそまつな作品でした。