緑島日記 T(2001.12.29)




緑島へ

台北から飛行機を乗り継ぎ台東へ。翌日の緑島行きの飛行機を予約しようとしたところ、全便満席。ええっ、12月の緑島って、シーズンオフじゃなかったのお!? でも、キャンセル待ちすれば乗れるだろうとのことで、翌日、始発バスで7:40に空港に到着。営業は8:00からと聞いていたので、その辺をぶらぶらしていたのですが、ふと気づくと、カウンターのところに怪しい動きをとるカップルが! 近寄ってみると、カウンターの上に「候補名單」という用紙が置いてあり、それに名前を記入しておくと、キャンセルが出たら呼んでくれる、という段取りだったのです。Vivien は七番目。もっと早く気づいていたらと、心穏やかではなかったのですが、その日は8:40の臨時便があったせいもあり、無事に9:40の飛行機に乗ることができました。ワァーイ!

立榮航空17人乗(多分)プロペラ機

緑島に到着! 飛行場の前にある遊客服務中心で宿を紹介してもらい、そこに荷物を置いたあと、環島公路を南回りで歩き始めました。自転車もバイクも乗れないけれど、歩くことが大好きな Vivien は、徒歩で島を一周しようと目論んだのである。その首尾やいかに。




海を見ながら、ひたすら歩く・・・・・




大白沙の砂浜には Vivien ひとり。12月の緑島はやはりシーズンオフのようで、どこへ行っても、ほとんど人影はありませんでした。



朝日温泉 ・・・ 連天使都在洗温泉

ここは有名な海底温泉。目の前は海、頭上には大きな空。流れる雲を眺めながら、お湯につかっていると、気分はゆったり・・・・・。着衣のままぶらついている人はいたのですが、お湯の中には Vivien ひとり、ここでも貸切り状態です。



予期せぬ出来事

しかし、いいことばかりは続きません。道のりを半分ぐらい踏破したところで、何と、道路が封鎖されていたのでございます。あいよー! 強行突破してやろうか、とも思ったのですが、ふと見ると、前方で道路が崩れている! 道がない! ということは、ここまで3時間かけて歩いて来た道を、引き返さなきゃならんのか? それはちょっとな、あんまりやんか、と肩を落としていると、ふふふ、そこに白馬の王子さまが! なんてことは勿論あるはずはございません(笑)。でも、それぐらい有難いことに、バイクに乗った青年が通りかかり、飛行場まで乗っけてくれたのでした。Vivien はどこへ行っても小吉人生!

その青年によると、島を一周するのは7時間ほどかかるとか。Vivien はなぜか4、5時間だと思い込んでいたのです。いい加減だなあ。最近、こういうカンチガイが多くなってきたんですけど(以前はもっとキチンとした人だったのに。笑)、まあ、いつも何とかなっているのがエライ(だから、反省しない。笑)。「何か飲み物でもご一緒に」という Vivien の誘いに、青年は「I must work」と答えて風のように去って行きました。わっ、カッコいい! バイクに乗ってる時にも、「冬は風が強いのね」と言うと、バイクを止めて「僕の上着を貸しましょうか」と言ったんですよ。それがすごく自然な感じだったんです。寒いわけではなかったので、あわてて「不要、不要」ってお断りしましたけど(どう見ても Vivien の方が厚着だったし)、こういう時は「不用」の方がいいのかしらね。「あなたのお気持ちは本当にありがたいです」という Vivien の気持ちが伝わっていればいいのですが・・・・・。

この人に限らず、緑島の男性はみんな素敵でした。燈台への道を教えてくれたおじいさん。「氣」も強く発音する「不客氣」の言い方とハンサムな笑顔に心が和みました。道を歩いてると話しかけてきたおじさんとは、次の分かれ道までほんのしばしのふたり旅。「Sayonara」とお別れしました。その他、朝日温泉のシャッターを押してくれた管理員のお兄さんとか、あとで出て来る小吃店一家とか、みんな人懐っこいんだけど、押し付けがましいところがなくて、とてもマイルドな印象。つかの間の、けれど自然に微笑が浮かんでしまう、こんな出会いが旅の楽しみでございます。




そのあとは飛行場の近くにある燈台のあたりを散歩したり、海を眺めたり・・・・・。



凄美燈台



陽光下的池塘

おやっ、この池には見覚えがあるぞ!



要吃飯

晩御飯は宿でテレビを見ながら食べることにして、小吃店で外帯(テイクアウト)にしてもらいました。注文したあと、すすめられた席にすわって待ちます。愛想のよいお父さんは、先客の子連れの夫婦と楽しそうにおしゃべりしています。高校生ぐらいの息子さんはニコニコ笑いながらそれを見守っています。そこに、おじいちゃん登場。おじいちゃんは Vivien のお相手を務めるべく現れたようです。很好客なお店ですね。しかし、厨房では、お母さんがひとり大奮闘。むむっ、これでいいのか?

「どこから来たの」、「ひとりで来たの」。この質問は定番ですね。今までにもう何度、こう尋ねられたことか。台湾人はひとりで旅行しないのかな。だから「ひとりで旅行する」ことが小説(→「菊島日記」)になったり、歌(→「一個人去旅行」)になったりするのかな。

それはともかく、おじいちゃんの矢継ぎ早の質問に答えながら、ふと壁を見ると、陳昇のサイン入りTシャツが飾ってあるではありませんか! 今度は Vivien がおじいちゃんを質問攻めにする番です(笑)。「陳昇がここでご飯食べたの」、「写真、撮ってもいい」、「去年、ここで演唱會を開いたでしょ」・・・・・。ちゃんと写真も撮って来ました。



T恤的傳説 ・・・ 証拠写真!

要吃飯 2K.10.10 陳昇

ピンクの看板が目印

拡大写真!

持ち帰った香俣醤(そぼろご飯みたいな感じかな)を食べながら、テレビのチャンネルVとMTVを行ったり来たり。陳昇の新しいMTVが見たかったのさ。結局、この日は見られなかったんですけど、翌朝の六時に「一個人去旅行」のMTVを見ることができました。いゃあ、素敵、素敵! ヒロインが目を見開くシーンにドキッ、テディベア抱きしめる陳昇には何と言ってよいのか(嘘だよ、可愛かったよ。笑)。 跨年演唱會では、他の二曲のMTVも頭上のモニターに映されていましたが、行ったばかりの緑島の風景も出てきたりして・・・・・。うふ。



「Part T」の最後は、緑島の空・・・・・




緑島とは

緑島は、台湾の東海岸にある都市、台東の東南33Kmに位置する島です。飛行機だと15分足らず、船でも50分ほどで到着します。陳昇はこの島が大好きで、この島を題材にした小説や写真を収めた本(→「寂寞帯我去散歩」)を著しています。さらに、2000年10月にはここでコンサートを開きました。また、以前、監獄があったことでも有名で、白色テロ時代には多くの政治犯がここに流されました。陳昇もその辺のことを歌にしています(→「阿春仔伊阿Maについて」)。




HOME
INDEX