もの事を考える時は、自分の一つ上のポジッションになったつもりで考えよと、うちの理事長はよく言います。看護師は主任になったつもりで、主任は看護師長になったつもりで、看護師長は看護部長になったつもりになるのです。看護部長は院長になったつもりにならなければならず、院長は理事長になったつもりになって、この難局はどう対処しようかと考えるのです。
そしたら、理事長は何になったつもりで考えるのでしょうか。おそらく総理大臣になったつもりになったつもりで考えていらっしゃるのではないでしょうか。小泉総理大臣は、国内には考えるものがないから、国連総長になったらどうしようと考えているのでしょうか。国連の総長はこれも上が思いあたらないから、神ならどう考えられるかを思案されるのでしょうか。そしたら、神様は何になったつもりで考えるのかなと考えたら、神様はこの大宇宙そのものだから、それを制するもの、4次元の世界でしょうか。頭が痛くなってきました。とうとう、ブラックホールが登場です。ここまで考えたら、もう後が分からなくなりました。

困ったら、上になったつもりで考えよということは、要するに、人間は自分のことばかりしか見えない動物だと言うことらしいのです。すべての摩擦やすべての悩みはここから出発しているのですね。人は皆自分が可愛いから、自分のことしか考えない。そうして行動してしまうと、必ず反発や恨みや妬みを買う。そうなると、その後は絶対うまくいきっこない。
そんな絡まってしまった紐を解きほぐす鍵は、自分を離れて見ることなのですね。それも、立場を一つ上に置いてみると、自分が良く見えてくるのですね。上から見るというのは、具体的には、現在おかれている自分よりも責任ある立場でものを考えるという事です。そうしたら、自分の事しか考えていなかった、浅ましい自分がくっきりと見えてきます。人間社会は一人で生きられっこないのに自分だけが楽していきようとしていたことに気がつかされます。トラブルの多くは、大体、ここらへんにあるのですね。
そこまで分かってきたら、後は簡単、自分はどうなってもよい。命だけ補償してもらえるのならと割り切るのです。どうせ、一人になっては生きてはいかないのだからと心の踏ん切りをつけるのです。そしてひたすら他人のために尽くすことを考えるのです。そんな貴方なら、回りは貴方をほっては置かないものなのですよ。あなたの仕事は結局回りの人にうまく受け入れられるかどうかで決まるのです。
私の悩みは大きいから、そんな単純には、うまく行かないって？騙されてもともとと思って、やってごらんなさいよ。これが意外とうまく行くのですね。１００％達成とうまく行かなくとも、せいぜい６０％位には落ち着くものなんですよ。
そう、この思考が悩める人に有効な処方箋である事は既に、この私で何度も実践済みです。