会議は魔物

今までどれほど多くの会議に参加してきたことだろう。
後から振り返ってみると失敗した会議、やらなければよかった会議、
あとからあれっ、何のためにやったのだろうと砂を噛むような会議、
勿論、満ち足りた気分で次の事に邁進できた会議もある。
それ程に会議は千差万別。やりようによっては、毒にも薬にもなるらしい。

その通り。会議の効用は、その意味合いは実に深い。人が2人以上集まればそれは組織だが、
組織は段々人数がふえてゆけば、当たり前に考えれば大きな仕事量になり外に向かって大きな
力を発揮するはずだが、現実は違う。せっかくの多くの人々がてんでばらばらの事を考えて、てん
でばらばらに動いたら、むしろお互いに足を引っ張り合うことさえある。例えスーパーヒーロー的な
な人の集まりであっても、その組織は崩壊の危機に立たされる。
そこで、話し合いの登場である。会議は恐らく、原始の時代、狩の前に行なわれたのがその原型
だろうと誰かが言っていた。人間が生物界を支配できるようになったのも、この会議の賜物だっ
たかも知れない。二人の人間が力をあわせれば、1+1で2であるはずである。ところが、そうなら
ないところが面白いのだ。会議は二人の人間に同じ仕事をさせると同時に、二人の人間が知恵を
出させるのだ。人間はファジーな発想で、発想の転換をはかろうとする。いわゆる、仕事を要領よ
くやろうとする知恵を出すのだ。これが、1人で考えているうちは、その人の発想の枠に閉ざされ
ているのだが、2人以上になると、見方が違った発想へと枠を越えて知恵がどんどん膨らんでゆく
のだ。1+1は2ではなく、10にも20にもなることがある。だから会議は面白い
。原始の時代から人は会議の効用を知っていたことになる。

ところが、会議の毒の部分も知っていなければなりません。、組織に対してその副作用はあまりに
も大きい。
世の中には会議と言えば、国会の与野党のやじりあい、テレビに出る無責任な評論家達のディベ
ートを会議と思い込んでいる人たちが余りにも多い。あれを、貴方の組織でやったら、貴方の組織
は崩壊します。今まで、そんな方々に何人も関わり、そんな素晴らしいことを提案(批判)されるの
なら、貴方がやってくださいと権限を与えようとすると、いや自分はその任ではないと決まって断り
ます。結局は会議をかき混ぜ、混乱に陥れただけで空しい気分だけが決まって残るのです。おわ
かりかと思いますが、会議潰しと言われる人々です。どの組織にも、必ず1人や二人はいるもので
す。この場合、1+1は0になったり、−10になったりするのです。成熟した組
織はそんな人々につけいる隙を与えません。
もう一つ、会議の成功の秘訣は議長の資質にあります。議長は目的をしっかり認識し、結果を出
すことです。一般的に会議の目的は二つ。一つは意思の疎通であり、もう一つは意思の決定であ
る。この二つのいずれかに該当しない会議は失敗です。会議が終わってあれ?何をやったのだろ
う?と思わせる会議は失敗です。そうならないためには、議長は準備が必要ですし、意思伝達の
会議でなければ、何らかの形で決定を会議の中で導かなければなりません。

このように、薬にもなり、毒にもなる会議ですが、まさに組織にとっては魔物と言えるかもしれませ
ん。女は魔物と世間では言いますよね。これは、女がどうしようもない悪者だと言っているのではなく、
本当は男達の素晴らしい味方であり、男達の生き甲斐にもなる素晴らしい存在なのだが、一つ間違
えると、とんでもない男達の不幸の源になることを暗に警告しているのです。会議も本来は人間が
発明した素晴らしい組織の運営方法なのですが、一つ間違えれば、組織を破壊するほどに危険な
存在なのです。どうでしょう?あなたの組織の会議はうまく機能していますか?