威とは?

あなたの組織のリーダーは厳しいですか?
それとも甘ちゃんですか?よく怒りますか?
いつもにこにこしていますか?それとも事あるごとに、
難癖をつけて意地悪を言いますか?

リーダーの条件の一つに威を示すという仕事があります。ところが、リーダーの中には威とは、
部下に怖がらせることであると勘違いしている人がいます。それで、部下が間違いをすると、
殊更に厳しくし恫喝したり、嫌味を言ったり、嫌がらせをしたりする人が出てくるのです。こんな
行為を威だと勘違いしているのです。過去にネロ皇帝だとか、秦の始皇帝だとか、織田信長だ
とか残虐無比で部下に怖れられたリーダー達がいました。このようなリーダーのやり方をしなけ
れば、部下になめられると信じている節があるのです。
これでは、双方が不幸になります。部下は常に上司に怒られまいとして、上司の顔色を戦々恐々
として伺い、緊張のしっぱなしとなり、リーダーは部下を怖がらせるために、常に緊張し心が休まる
暇もありません。それでは良い仕事ができようがありません。仕事は軽い緊張程度で何でも言い
やすい環境で和気藹々としている位が一番進むのです。

誠の威とは何か?それは行儀正しく理非賞罰を明らかにすることです。人に殊更厳しい
のに、自分のことになるとだらしなく、周囲に甘えた事を言うようでは誰もついてはいけません。
その組織にとって何が良い事か、何が悪いことか常に明確にする必要があります。組織にとって
良い事は、社会的にみても良い事でなければなりません。そして、正しい良い事をした時には
しっかりと褒めて、褒め言葉をケチらないことです。悪い事をした時はやった行為のみを叱り、決して
当人の人格を否定するような叱り方をしないことです。こんなことを、決して曖昧にせず部下に示す
事によって、組織の規範が固まっていくのです。リーダーの仕事が真っ当されるのです。そうしたら、
人は安心してあなたについて行けます。信頼が初めて生れるのです。信頼は強要するものでは
ありません。
もし部下になめられるとしたら、そんなことをきちっとやらないからです。部下はあなたにあいそ
つかしてしまうのです。あなたのリーダーとしての懐の深さ浅さを意外としっかり見定めているの
です。

よく、リーダーは仕事をさせる時に飴と鞭を使い分けよという言い方をします。これも表現がよく
ありません。見え透いた交換条件で人は気持ち良く働けるものではありません。飴と鞭は威とは
ほど遠い存在なのです。それよりは、その仕事をやってて良かったなと思わせること、生き甲斐に
通じる達成感の方が人は動きます。そんな達成感を獲得してもらうためなら、実務者の部下に
厳しくなれるのです。他ならぬ、彼自身のためなのです。この厳しさが威なのです。