ガンバレ、日本人!

 

 客船が沈没の危機に陥った。船長は乗客に向かって海に飛び込むように勧告した。さて、一刻を争う緊急時に彼はどのように勧めたか、これが本日のテーマです。ドイツ人に向かって言った。「これは船長の命令です、今すぐ海に飛び込みなさい」ドイツ人の行動はすばやかった。次にイギリス人に向かって伝えた。「あなたが紳士なら、海に飛び込みなさい」。イタリア人には「飛び込むな」と遮るとすぐに海に突進した。アメリカ人には何と言ったでしょう。「保険に十分入っていますから、安心して飛び込みなさい」。さて最後は、いよいよ日本人の番です。「みんな飛び込んだのだから貴方もすぐ飛び込みなさい」うーん成る程。こいつは憎い。私もついやってしまいそう。

 こんな話しを聞くと、何か日本人の主体性のなさを自嘲しているようで、何か嫌な気分になりますよね。さて、こんな右へ習えという国民性は農耕民族の特性と言い換えることができるかと思います。でも、第二次世界大戦後、世界第2の経済大国にのしあがったのはこの団結力の良さによったとも言えますが、思いきってそう居直ってしまえば、こんな国民性も満更悪くはないんじゃないですか。本当は一人一人の日本人が、過去の過ちをしっかり覚えておいて、いざっと言う時には正しい判断力を持って対処すればよい。その上ならば、この気質はなかなか優れた気質だと言えるのではないか。なにしろ、日本国民はこの気質によって、結果的には豊かな生活を享受できるようになったのですから。世界一の長寿国、犯罪が少ない比較的安全な国、共産圏の国々が果たし得なかった世界でもまれにみる貧富の差の少ない国。そりゃあ、日本国は完全な国ではありませんよ、どんな国だって矛盾の一つや二つはあって当たり前ですよ。どんなに生活が困窮しようとも、最後には国家が生活保護というサービスで守ってくれるすごい国なのです。そう考えれば、こんな住みやすい国は世界を見渡してもそうざらにはありませんよ。いつの間にか本人達が意識しないままに、日本は準理想社会を実現していたのではないかと改めて思ってしまいます。

 戦後社会では、方向を失ったあげく自虐的になったマスコミの扇動によって、日本国の悪口を言うのが知識人の象徴であるという風潮が長年続き、周辺諸国には戦争責任をくり返し責められ、勿論過去の過ちを否定する気持ちは毛頭ないのですが、異常な程に総懺悔にあけくれ、慢性的な自信喪失に陥いり、それをいつまでも引きずっているというのが我が国民性と言っても言い過ぎではないようだ。もっと、自分が日本人であることに改めて誇りを持っていいのではないでしょうか。自分を本当に大切にしない者は他人にも優しくなれないし、他人を大切にできないものです。国民一人一人が健全な精神で自分を愛し、自分に誇りを持ち、そこで終われば単なるナルシストですが、そこで決して終わることなく、ついで、この気持ちを世界あまねく人類愛まで繋げていってほしいものです。今の世の中で世界人類共存共栄の責任を担えるのは、実は日本人ではないかと思ってしまいます。