新疆、ウイグル自治区の旅(その@) 

4:40起床6:25出発9:05ソスト(Sost)通関10:30出発11:30通行止め
14:30代替Taxi(パンク)15:30フンジュラブ峠(Khunjerab pass)
18:20タシクルガン(Taxikurgan)/交通賓館


今日はPasu氷河の1st campから下る日だ。氷河末端のセラック(氷塔)群を見下ろしながらカラコルムハイウエー(KKH)まで戻る。

テントの撤収はポーターに任せ、ツアーガイドの2人と山岳ガイドが一緒だ。なんせ下りは楽だ。バスは一昨日登った村ではなく、氷河の末端部のKKHに停まっている。山岳ガイドと別れを惜しむ。登山靴はガイドに差し上げた。いざソスト(Sost)に向け出発する。

ソストは小さい町だが、ここが中国々境通過の最終関門となり、通関手続きはここで済ませることになる。事務所には大勢の通関を待つ男達(!)がいる。なんせパキスタンでは何処に行っても男ばかりである。それも髭面で、例の長いシュミールを着た!

我々中国組は、パキスタンから直接帰国する仲間と分かれて出国手続きを済ませた。4輪駆動車で暫く待つと、ガイドが戻ってきていざ出発だ。峠にかかる途中にゲートがあり、ここから奥はパキスタンの国立公園に入るとのことで入場料(Khungerab NP:1人$4)を徴収される。

暫く快調に川沿いの道を走ったが、突然前方に車が多数止まっているのに気が付く。何の事はない、また支流の上流での異常な降雨がもたらした土石流で、KKHは2箇所目の通行止めになっていた。現場を見てみると、道が大きく削られ、徒歩ならいざしらずどんな車もとてもじゃないが通行できない状況だ。

通常、道路管理者の軍が出動して仮橋や修復工事をすると聞いていたが、何れにせよ中国での予定は大幅に狂うことになり、絶望的な気分になる。道路際にスーツケースを置き、色々と群れている人々を観察する。それにしても暑い。

パキスタンの帽子をかぶったフランス人の旅行者は、「日本へは大阪の万国博の時に行ったことがある。政府館で働いていた」と言う。危機を楽しんでいる風情である。

まあじたばたしても仕方がない。スケッチブックを取り出し、バスの天井まで荷物を上げている人々を描く。

フランス人ツアー客は峠から来るバスを何とか確保出来ので、喜んで出発していった。手を振って見送る。この時のフランス人のガイド嬢には、タシクルガンでまたお世話になった。

イライラして待つこと3時間。「神は我々を見捨てなかった!」というか、ガイドのイジラール(IJRAL)君が走り回ってくれたお陰だ。パキスタン組は峠までの足が確保できず、折角だがフンザ(Hunza)に引き返す。我々は峠からタシクルガンまで運んでくれるタクシーが調達できたが、運転手は中国人で、困ったことに全く言葉が通じない。ジェスチャーのみでの対話だ。致し方なし。こうなりゃ進むのみだ。