新疆、ウイグル自治区の旅

  アメリカでの同時多発テロ事件発生前の2001年7月に、久方ぶりの海外旅行−
 パキスタン、カラコルムのトレッキング−に出かけ
,その後半にカラコルムハイウエー(KKH:中パ公路)
 
中パ国境のクンジュラブ峠から北京まで、延々3000kmを車と飛行機で旅した経過を述べます。
 広大な国土を持つ中国は、5つの地域と民族からなる多民族国家であるといわれます。その国旗は「五星紅旗」と呼ばれ、漢族が大きい星、それを取り巻くように満州族、モンゴル族、ウイグル族、チベット族を示す小さな(!)4つの星があるのが印象的です。実際は95%を占める漢民族以外の少数民族はもっと多岐に渡り、一説によると55にもなるとのことです。
 
歴史上、中国が話題になるのは主にその沿岸部であり、内陸部、ことに新疆ウイグル地区はチベットと同様に余り話題になることがなく、日本でも関心を持たれないようです。沿岸部に比べて確かに開発は遅れていますが、それ故にこの地域は、簡単にシルクロードと一括りで言えないほどの奥深さと魅力があります。(勿論、中国政府も余りの地域格差に伴う弊害に最近では気付き、沿岸部開発優先とともに
2000年に『西部大開発』の号令もかけましたが、それがまた深刻な公害問題と民族問題を投げかけることになりました。
 今回訪れたウルムチ【新疆ウイグル地区の区都、ウイグル語で「美しい牧場」の意味】は人口144万人の大都市ですが、活気はあっても煤煙と排水で汚れているとの印象が強かったようです。)

  
















 新疆ウイグル地域を東西に貫くのが天山山脈で、その南には日本がすっぽりと収まるというタクラマカン砂漠が拡がっています。その周縁にオアシス都市が点々と発展し、それらを結ぶ形に通商路が拡がったのが所謂「シルクロード」です。古来より中国と西方社会を結ぶ、重要な東西交通路として、天山北路、中路、南路の3つが数えられます。
今回我々が訪れたのはそのうちのごく一部にしか過ぎませんでしたが、この地域の文化、風土が一部でも理解しえた気分にさせてくれた旅でした。
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