(急遽転進!)因幡「扇ノ山」の旅
2004年7月18()〜19日(月:「海の日」)     同行者:MO
記録
7月18日():
 
9:00WH出発−14:00戸倉峠ー16:00雨滝−17:00扇ノ山、水の広場(幕営)
今回は山仲間とは日程が合わず、ハズレ者同士の珍道中になりました。
福井の局地的な豪雨の影響で、予定していた三ノ峰から別山の山行を諦めての、些か寂しい(?!)ツアーです。
しかし思い付いて出かけたとは裏腹に、この山、およびこの地域の豊かさに、感激の旅でした。
早朝、MOさんより電話あり。

MO:「福井が大雨やで!」
Bergen:「分かってるけど、昼からは止むでしょう」
MO:「天気予報では明日の朝まで雨やで!しかも大雨や。こんな時に行って洪水の巻き添えに会ったら、何を言われるか分からんで!」
Bergen:「しょうないな。それやったら行き場所を変えようやないか?」


と言ったものの、良いアイデアが思い浮かばない。
大峰、大台は暑い。昨日より仲間が大台の沢に行ってるが、膝の調子の悪いMOさんにはちょっときつい。

比較的雨の影響の少ない兵庫北部は如何かと考えた。
思い浮かぶのは県下一の標高で、過去に3回登った「氷ノ山」。冬にも1回出かけたが、県境尾根はまだ通ったことがない。
「よっしゃ、これや」と決定。
冬のスキー滑降の下見で行くのも悪くはない、という状況で西宮を出発。

しかし途中で気変わり。
「沢で渓流釣りも?」との話も出現。
結局お互い家に寄り、渓流装備を携える状況になりました。

扇ノ山周辺図

扇ノ山のブナ林
取り敢えずは急ぐ旅ではないので、経済的理由からも地道を行きます。
神戸から三木を通って、社から山崎を目指す。
地道の研究、大いに勉強になります。
スピードがゆっくりな為、周りの景色ものんびりと眺められます。

昼食も山崎の「道の駅」で買って、そそくさと車中で済ませます。
価値観の合う旅行は,気楽です。

音水湖を過ぎると戸倉峠は間近です。
MOさんは若い頃に県境尾根から氷ノ山に登ったと言う。でもその時の峠は旧道だった由。
新戸倉トンネルの光景に、違和感を訴えます。

トンネルの南北から旧道を辿ると、旧道のトンネルは閉鎖されており、旧道は峠で通行止めです???
探ってみましたが、予定していた峠の北からの登山道はどうも廃道のようです。漫画地図に示された、南の「堀」集落からの登山口からしか登れないようです。
そこで急遽、以前2回行った、「扇ノ山」案が浮上。(と言っても苦し紛れに思い付いただけ!)
早速北に向かいます。29号線の旅です。

若桜から国府を経て、以前目星をつけていた「大石川」に着きました。
しかし何と言うことでしょう!
集落付近では誠にささやかな流れで(上流はもっとスケールのある谷なのだろうが)、とても遡行、釣りなどは出来そうもない感じでした。

次に雨滝に向かいました。
ここは日本の滝100選に選ばれてる由で、大勢の観光客でごった返しています。
明日の釣行は、この上流でどうか?と目星をつけ、「水の広場」に向かいます。

途中に牧場が広がり、思わず
「ここはスイスか?」と呟きます。

MOさんと雨滝
  幕営予定のバイクの面々
   テントとベンチとアコード
水の広場は豊富な湧水で、非常に心和む場所に整備され、バーベキュー用のベンチや東屋(といっても屋根は雪対策ですのこ状である)が配置されている。
ここで幕営準備する。
バイクの一団も幕営のようです。

国府から来たと言う家族連れが、興味深そうに話し掛けてくる。
「テントで泊まるのですか?相当冷えますよ。動物が出ますよ。」など、親切で言って下さるが、
「有り難う御座います。」と言うしかない。
田舎の方は親切だ!
それに引き換え、我々は不親切な対応だ!!
夕食はMOさんのアレンジ。
ペンネのクリーム煮、餃子、ゴーヤとパプリカにカマンベールチーズのサラダという、豪華版だ。ヘルシーなのも嬉しい。
ビールで乾杯。
ワインや芋焼酎も出る。

知らぬ間に、夜は暮れて行く。
明日は早いぞ!

夕暮れ
7月19日(月、:「海の日」):

5:00起床5:30朝食6:00出発、雨滝下降点…雨滝上部(釣り)…11:00下降点(昼食)13:00上山高原登山口…小ズッコ小屋…大ズッコ…14:20扇ノ山14:40…登山口−16:00浜坂(梅花藻、ユートピア温泉入浴)−香住、豊岡経由で帰神
昨日は殆ど移動だけで時間を取られましたが、今日はじっくりと山を楽しみます。久しぶりに、釣り上げた魚の重さを味わいました。
ブナ林もそれはそれは奇麗でした。
昨夜の記憶も定かでないが、、起床は定刻。
直ぐの出発も考えたが、「腹が減っては戦も出来ぬ!」の戦訓を尊重し、朝食のサンドイッチを食べる.。これが大いに奏効しました?!

朝の素晴らしい天候の中、先を急ぐ。
バイクの連中はまだ深い睡眠の中のようで、誰も起きては来ない。
彼らのテントは何れも個人用で、持ち運びが楽のようだ。
山以上に軽量化を求められるのかもしれない?

朝の空

雨滝への下降路
車は牧場を見ながら下り、雨滝への下降路まで到達.。
渓流装備をして、一路雨滝まで下る。
道は整備されており、危険はない.。
季節柄、木の枝や草木が茂っている.。
怪しげなきのこ類も健在だ。
ブナとミズナラの林は、精神衛生上非常によろしい.。
少し降りすぎて、雨滝の下まで来てしまったが、直ぐに元に戻る.。
雨滝の直ぐ上部で、急傾斜のルンゼを下ったが、眼下に見える直ぐ上流の滝が、なんとも高巻き出来そうにもない。
止む無く暫し斜面をトラバースして小尾根を乗り越すと、なんと歩道に出た!
最初から此処から入渓すれば良かったのだ!

渓相は非常に良いが、所々で砂が堆積しており、釣趣を殺ぎます。
でも意外な場所で当りがあり、それなりに楽しめました。途中の滝は殆ど直登不能の滝ばかりです。.

「私にも釣れました!」、MOさん
少ないが貴重な釣果

氷ノ山の北面
納竿して車の置いてある下降点まで戻ります。
日差しはきつく、日影はありません。でも満足して昼食を摂ります。メニューは勿論、岩魚のムニエル(むしろ油いため?)です。
網がなかったからフライパンで油いためにしたのですが、この方が身の崩れもなく、食感も歯ごたえがあり良好です。

今日はこれで終わりと思ったMOさんの錯覚は、直ぐに破られます。
勿論、土蔵 山行で私を、「究極の登頂至上主義者」と評したMOさんにも覚悟があったと思いますが、これで帰るのなら私の価値観が許さない!
折角福井の旅をキャンセルしてこちらに転進したからには、それなりのきっちりした成果を出さねば!との思いはあるのです。

その対象はやはり、扇ノ山登頂でした。今まで辿ったことのない、小ズッコから大ズッコ経由で山頂に至ろうと言うのです。
このコースはブナ林に覆われ、傾斜も緩やかでMOさんの膝にも優しいはずです。

事実、強烈な日差しもブナの枝葉が凌ぎ、極めて快適なピークハンティングが出来ました。

扇ノ山山頂にて

ブナの水音を聞く?
帰路も、大いにゆったりとした時間が持てました。
所々で巨木の水を吸い上げる音を聞いてみます。
心なしか「ごうごう」と聞こえるようでした。
次回は聴診器の出番です。

ブナの木々は余り大きなものはありません。
些かひ弱な幼木が多いのですが、将来が楽しみです。
雪により幹が屈曲した株をたくさん見かけました。

汗まみれの体はやはり温泉で汗を流すに限ります。下山後は迷うことなく、幾度か訪れた浜坂に向かいました。
入浴以外にも、MOさん初体験の「梅花藻」観賞ツアーも出来るのですから...

.梅花藻はまだ花を咲かせていました。
しかし水は少なく、葉っぱは少し枯れかかっていました。此処は世界でも稀な、低地での繁茂地帯の由。これからも毎年花を咲かせて欲しいものです。

浜坂ユートピアで入浴してさっぱりしました。海水浴の季節にもかかわらず、時間的に遅いのか?風呂は空いていました。
思いつきながらもしっかりと成果を出せた山行を思いかえし、ゆったりと帰路についた二人でした。

坂、梅花藻の群生
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