甲斐駒ケ岳黄蓮谷遡行-その2
2005年9月22〜26日     同行者:ST、KK、OM、SK
甲斐駒ケ岳2965m
9月24日(

4:00起床、朝食6:00出発-15:30奥の二股付近(幕営)

本日中に山頂に立ち、7合目まで下山の予定が!なかなか手強い沢でした。
それにしてもテント場と天候に恵まれました。


坊主滝

霧の中、右俣の滑滝を登る

幕営地を出発し河原を暫く行くと、やがて広い河原に行き当たった。中州のやや高台になった所でテント撤収しているペアーにであう。何でも黒戸尾根5合目から下降してきたらしい。
下降路も荒れていて大変だった由。
この河原にすぐ上が、2つ目の大滝である坊主滝だ。

坊主滝の名の通り、逆層のスラブが幾重にも重なり、一見して直登は困難(不可能!)である。
写真で見て思っていたより、スケールは小さかったが、これは巻しかない。

右手のルンゼを詰めて、左の尾根を乗り越えて再び本流側へと戻る。
Bergenは皆から離れてしまい、上流へ向けてしばらくトラバース気味に続く巻き道に入り、巻道の途中で合流した。

ここは小さく巻いて坊主滝の落ち口へと出るのが正解のようだ。我々が高巻きの降り口に苦労しているのを尻目に、2人組みはさっさと河原に降り立っていた。。

連続するナメ滝を越えていくと、二俣に到着する。

見ごたえのある景色だが、残念ながらだんだんと天気がスッキリしなくなってきた。

右俣に入ると、谷はV字状の切れ込みとなる。
無数の小滝が連なり、どんどんと高度を上げていく。

核心部・奥千丈ノ滝は、

「ガレ場のような滝から始まる」


と、記載されているが、どうもそれらしい最初の滝に到着する。
本当にぱっとしない滝だ。
奥千丈ノ滝は落差100m、距離200mと言われるが、確かに急傾斜の滝が続く。

途中、直登不能な滝は、主に右から巻く。
本質的に、滝身からあまり離れると、急なスラブに追いやられて、危険なトラバースを余儀なくされる。
出来るだけ滝身に沿って登る。

トユ状の滝からロープを出し、残置ピンで確保しながら登った。
水量は少ないと言えど、天候もイマイチである。

「お日様が恋しい!」
思わず心の中で叫んでしまう。

シャワークライミングを余儀なくされる所も有り、体が冷えるとモチベーションも低下する。


懸垂下降で沢に戻る。霧が濃い。

どんどん滝を攀じ登る。
霧の中、安全確保が優先。ロープが役に立つ。

霧の中、滝越えは続く。

雨を気にしつつ、幕営。予定では黒戸尾根だが...
漸く奥の二俣らしき地形に到達。
沢筋は直登不能な滝が連続する。
時間も迫ってきているので、今日中に登頂は無理である。標高差も600m以上ある。

「こら、今日中の登頂はむりでっせ!」

誰言うとなく、実感する。

テン場を捜しつつ、ルート求めて周りを見渡す。
左の草付きに踏跡を発見。

途中、立派なテント場が有ったが、まだ時間が早いので更に上を辿る。
恐らく奥の二股上流の滝群を巻くトラバースの踏み跡なのであろう。急で、アップダウンが激しい。
潅木の中の小径だ。

漸く沢に出る手前に、これ以上望めないテント場を発見。これを過ぎると、沢筋を辿る踏み跡だが、偵察にても適地は見られない。

「今日も此処しかないで!」

1時間かけて整地すると、快適なテント場が出来た。
宴会で今日の疲れを取り、明日に備えてシュラフに入る。
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