甲斐駒ケ岳黄蓮谷遡行
2005年9月22〜26日     同行者:ST、KK、OM、SK
甲斐駒ケ岳2965m
9/22() 曇り
22:00JR大阪駅-名神吹田IC-
9月23日(金:休日晴れ、のち曇り

3:00竹宇駒ケ岳神社駐車場(幕営、宴会、仮眠)5:00起床、朝食7:00出発(タクシー)日向山登山口-9:05入渓-10:30噴水滝11:30落水-13:30千丈滝-14:30(幕営)

渓谷右岸沿いの道を溯っても良かったが、3時間の時間節約には抗えなかった。タクシーで日向山林道に入り、徒歩で林道終点まで約1時間歩いて入渓した。

駐車場で準備運動

最初の滑滝、左から簡単に登れる。

奥のジャンボ滝、直登は全く無理。

尾白川の水はエメラルドグリーンで、昨年遡行した北アルプスの金木戸川と同様だ。釜は深い黄緑色を呈している。

最初は河原歩き。
すぐに滑滝に出会う。
ここは右岸が急なツルツルの段々で、滑りそうで登り難そうだが、取り付けば比較的簡単に越せた。
その上にも2つの滝が有る。

やがて鞍掛沢が右から合流する。
明瞭な沢であり、現在地は間違えようが無い。
ここから本流は連瀑帯が始まる。

最初に現れるのは階段状の梯子滝。
滝の上には、太いワイヤーがぶら下がっている。
手前の釜を右から回り込み、落ち込み部分をジャンプで飛び越して水流左へと渡る。
あとの部分の直登は容易だ。

連瀑帯の3番手は、大きな釜を持った2段のスラブ滝。いくつかのサイトには、遠見滝という名が記されている。
1段目は登れても、文献によるとその奥にはジャンボ滝が控えている由。
ここは無理せずに高巻く。

ロープに導かれて左からの高巻きに入る。
水平気味に付けられた踏み跡は、左から聳える岩壁に遮られる。

「こら、いかんで。戻るべし!」

元に戻ると左手に明瞭な巻道あり。
樹林帯の中を少し高めに巻くと、比較的簡単に落ち口に出れた。
滝のスケールから想像していたよりは、安全、安心な高巻であった。

下部の連瀑帯を10分ほど進むと、右手に「花岩」と呼ばれる岩壁が出現する。
何の色素か不明だが、処々がオレンジ色に染まっている。

おっ、これは直ぐに(花岩と)分かるな!」

全員、妙に納得するから、不思議である
それにしても、なかなか華やかな雰囲気である。

下流を見やれれば、稜線直下の岩壁が垂直に聳え、白く光っている。
岩と樹林のコントラストが目に眩しい。
晴れそうな雰囲気であるが、稜線上はガスっており曇り空である。まあ雨でなければ良い(と、この時は思っていた)。

「晴れれば良いけど、この天気じゃ文句は言えないもんなー」

とりあえず先を急ぐ。


花岩

噴水滝

噴水滝の上部にて、右がBergen

花岩の真下にある釜に左から注ぎこむのが、有名な噴水滝である。
今日は水量が少なめなのか、噴水状の飛沫は少し沸き上がっているのみである。

「噴水滝?何処が噴水なん?」
と、OMさんが聞く。

噴水滝を過ぎると、その奥にナメ滝群が連なっている。
この上部の釜の通過時に、誤って滑って釜に落水。
つい油断した。これが1回目の(!)落水。

この時は

「これだけ濡れれば、開き直れるわ!」

と思っていたが、その上で2回目の落水。
これでデジカメが壊れてしまった!!

「わが身より、デジカメを気遣う己は、何だろう?」

もう微妙な所はないだろうと思って、油断していたのだ。
長らく連れ添ってきた(モンブラン以来)相棒なので、痛恨の極みである。

何を隠そう、Hpの更新が遅れたのもこのせいである。

次いでの目標は「獅子岩」だが、これがなかなか出てこない。
確か支稜線上に有ると思っていたので、上方に注目していると、漸く奇岩を発見。
その形態を確認。
「獅子」と言うには少し無理があるか?

やがて、黄蓮谷と尾白川本谷の出合に到着。
記録にもあるが、本谷のスケールと比較すると、黄蓮谷は本当に貧粗な谷である。

すぐにツルツルスラブの登れない小滝。
右から小さく巻く。
この先で痛恨の、2回目の落水。
深く大きない渕を持った滝を右から登るのだが、岩棚の上のスラブでバランスを崩し、前向きで渕に落水。
まるでスローモションのような出来事であった。
それにしても渕でなかったら、大怪我ものだ。
ここでデジカメの葬儀が行われた。

「長らく付き合ってくれて、ごくろうさまでした。」

気を取り直して出発。

さらに10分ほど河原を歩くと、千丈ノ滝の登場だ。
坊主沢はイマイチ分からない。
記録によると、30mほどのスラブ滝で合流するので、あれかも知れぬ、くらいの認識であった。


獅子岩

千丈の滝

千丈の滝を行く

快適なテント場
夕食に勤しむ


出発の朝
千丈ノ滝は最初の1段目は右から直登可能であるが、その上は左から高巻く。
良く捜すと、滝のすぐ脇に明瞭な巻き道がある。

巻道を進んで本流に降り立つ。
登攀不能の小滝を左岸から越すと、林間に快適なテント場あり。
五丈沢の合流点も間近で、増水しても何とかエスケープ出来そうだ。

「(テント場は)ここしかないで!」

時間も頃合いなので、迷うこと無く此処でテントを張る。
最初は快適なテント場であった。
しかし、食事準備中に激しいにわか雨あり。
慌ててテント内に食卓(?)を移した。

「こらあかんで、テントで食べようや!」

利に聡い書中の行動は素早い。
即、テントに厨房を移動。
しかしそうこうする間に雨上がる。
先に対する不安はあるが、心身ともに満足して夜は更け行く。

「まあ、なるようになるさ」

この心がなければ山には登れない?
皆さんいかがでしょうか?
その2に続く