アフリカ、タンザニアの旅-メルー山登山、その1
2008年2月20〜23日      同行者:カランクルン会員、会友、総勢11名
記録


今回はモロッコに引き続き、タンザニアに向かいました。
最終目的は勿論、キリマンジャロ山の登頂ですが、高度順応目的にメルー山を目指しました。思いのほか手ごわい山(殊にサドルハットから)で、漸く辿り着いたと言うのが本当のところです。
それでも一応、高度順応を達したので、精神的にも肉体的にも楽です。余裕を持って次の目標が眺められます。(本命のキリマンジャロにはトラブルは無かったのでしょうか?)


メルー山、登山ルート概念図
2008/2/19(火) DAY 3

6:30起床7:00朝食8:00出発ー11:00モメラゲート(1500m:昼食)12:30…18:00ミリアカンバハット(2500m)

出発前の面々、宿舎のパークビューホテルにて

昨日はダルエスサラーム宿泊の予定が、モシ迄駒を進めた。
途中、経由地のザンジバルで、2名が誤って飛行機から降りてしまうアクシデントもあり。(この際は、隊長も流石に青い顔?)
色々あって遅くにホテルに到着したので、皆さんお疲れだ。(いや、そんな事は無い?気分は高揚だ?)

ホテルの庭でスタッフと顔合わせ。
このツアー会社の社長,トーマス氏も顔を出す。
スタッフの手でてきぱきと、バスの屋根に荷物を積み込み、さあ出発だ。
青い空と赤い大地に黒く精悍な姿形の人たち。
お膳立ては済んだ。

「さー、各々方!いざ向かわん!」
(何と大袈裟な!)
バリキ(左)とH隊長
昨夜は長旅とアルコールも効いて、快適に眠れた。
Kさん、Mさんとの朝の散歩も楽しかった。
それでも不眠は如何せん!車に乗ると、睡魔が襲ってくる。
それでも自然公園のゲートからは、メールー山の全貌が見渡せる。

「やはり、(これから登る)山を見ると、登山意欲が鼓舞されますね!」

海外の登山には、乾燥に対する備えが必須だ。
今回も、バンダナで鼻と口を覆ったので、備えはばっちり(の筈だったが、最後にヤラレタ!?)

メールー山、登山口ゲート近くから
ゲートから埃まみれの急な林道を暫く登ると、登山口のモメラ・ゲートに到着です。
今朝は天候に恵まれ、メルー山が真近に眺められます。

多くの車(ワンボックスカー)は日本製で、元、救急車や旅館、幼稚園の送迎車等があります。
いずれも、壁面に以前の所属が書かれています。

外に出ると、流石にアフリカの大地です。
灼熱の太陽がじりじりと照り付けます。

「オォー、アフリカじゃ!妥協はしないぞ!」
アフリカの自然が言うようです。
こちらも思わず笑顔が出て、「OK,OK!」と答えます。
バス

「さぁー、登るまいか(登ろうぜ)!」
と、気合を入れて思うも無く、
いきなり昼食です。

左が所謂、「サファリパック」と言われるランチボックスです。

「流石、アフリカの昼食!」
と、妙に感心しました。
(その後、これで悩まされるとは、誰も思いもしなかったのでした)


チーズサンドイッチ、チキン腿肉、バナナ、スポンジケーキ、ライチ、ゆで卵、オレンジ、野菜などが詰められています。
一番の問題は、乾燥です。
水っぽさが、全然無いのです。
食事時には、ミネラルウオーター必須です。

アメリカのNPO、3人娘
それでも最初の「サファリパック」は、皆さん、美味しく頂きました。
それでは、林道から、登山道に入ります。
行く先の草原には、バッファローの大群が草を食んでいます。

この山の登山には「レンジャー」の同行が義務づけられています。
彼(ジェームス)の担いでいる銃の目的は、登山者の生命を守る為のようです。
「バッファローの群れは、地上で一番危険な動物らしい?」

安全な範囲を聞いて、(群れの)間のクリークから群れたちを撮影します。
しかし(登山者を)見慣れているのか?全く反応がありません?!
(良しか悪しか?まあ、いきなり群れに襲われるのもかないませんが)
「いきなりこんなに間近に野生動物を見るのは、非常に興奮しますね!」
アメリカのNPO、3人娘
そのうちもっと凄いものが出現してきた!

「な、何と!キリン(ジラフ)です!」
Kさんが興奮して仰る。

すぐ脇の林の中に、数匹の群れがいたのです。
「あれは風船のジラフです。
皆さんが来たから、センサーが反応して膨れたのです」

と、H隊長が見え透いた嘘を言う。
(途端に、どっと笑いが起こるが、生真面目な(?)KYさんは、信じている?)
アメリカのNPO、3人娘
今日の宿までは、緩やかな登りが続きます。
この辺りの登山道はよく整備されており、まあ例えて言えば東北の安達太良山を思わせます。(もっとも、もってスケールは大きいです。なお、サドルハットからは穂高の吊尾根でした)
我々は縦隊になりレンジャーを先頭に、H隊長を殿に進みます。

早足でポーターが追い越して行きます。
頭の上に荷物を載せて、快調に飛ばします。
「流石、現地の人は馴れていますね!」
皆さん、感心してお出ででした。
頭で荷物を担ぐポーターたち
段々と高度を上げ、樹木の背も高くなり、日陰になり快適です。
所々に巨大な糞があります。
「これは何だ?」
レンジャー曰く、
「バッファローの糞だ」

一同皆、こんな所までバッファローが来るのか!と、感心。
糞を前に、
「ふぅんー(ふん:糞)」

やがて、ミリアカンバの小屋に到着。
快適なロッジ風の建物でした。
ミリアカンバ・ハット
やがて次第に暗くなり、月が出てきました。
食堂での夕食後は、微かに煙るキリマンジャロの上に掛かる満月を鑑賞です。
食堂のバルコニーは、大勢の人でごった返します。

眼下に見下ろす広大な高原。
所々に町の明かりが見えます。
「あの町から先はケニヤだ」
「その先には赤い線(?)が引いてあるでしょう。あれが赤道です(?)」

(何ともわけがわからん?)

嘘とも誇大妄想ともつかぬ言葉が発せられるのも、
初めてのアフリカの山の夜を、迎える興奮のためなのでしょうか
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