哲っちゃんのハチロク日記

第十号
99/3/15 発行

いいひと2

2月26日

会社からの帰り道、堺市のとある交差点(名前が分からない)に差し掛かり右折レーンに並んだ。(ってなんで車なんだ?)
#編注:車通勤が禁止されているのだ。

青になり、何気なくクラッチを繋ぐとなんとエンスト!!(時々アイドリングが不安定になり回転がガクンと落ちることがある。)
「かっこわりー!」と思いながらキーをひねった。
ところがセルはギシュッ・・・ギシュッと鈍い音を出すだけでエンジンがかかる気配がない。最近セルが弱ってエンジンがかかりにくくなっていたのだが、よりによってこんなときに・・・・
とりあえずバザードをたき、何回もキーをひねるがどうしてもエンジンがかからない。
私の前には不自然なスペースが空き、後ろには何台か車が並んでいる。
幸い私の前のバスが、青信号のうちに右折することができないまま、赤になった。

すると、隣の直進レーンのステップバンが路肩に車を寄せ、人が降りて来てくれた。
「動かへんのんか?」
「はい」私は答えた。
「どうしよか?」
「押したらかかると思うんですが・・・」と答えると、
「よっしゃ、押すわ」と非常にありがたい答えが返ってきた。
「どうもすいません」
もう一人車から降りてきてくれた。
私はギアをローに入れ(実はこれ失敗)ある程度スピードが出たところでクラッチを繋いだ。ガクン!!急ブレーキがかかったように車速が落ちる。
何回も試みたがかからない。

青になり後ろの車は迷惑そうに私の車を追い越していく。
(どうもすいません)とかなり弱気な私。
どうしようと思っていると、もう一人軽トラからおっちゃんが降りてきてくれた
「動かんのか?」
「はい」と言って私も車から降り、ハンドルを持って押そうとすると、
「乗ってたらええで」と言ってくれた。
私はまた「すいません。」と言って車に乗った。
対向車が切れた時おっちゃん達が「おりゃぁ!!」と押してくれて、無事交差点を曲がり路肩につけた。
とりあえず一安心で車を降り、どうしようかと思った時、軽トラのおっちゃんが、
「押すからギアを2速くらいに入れて繋いでみ」と言ってくれた。
(そうか、そういえば押しがけは2速くらいじゃないとだめやったような・・・・)
早速また車に乗り、今度は2速に入れた。3人で押してもらったのですぐにある程度までスピードが乗った。
エイヤー!!とクラッチを繋いだ。ボッ、ボボッ、ボンッ!!
「かかった!!」私はエンジンが止まらないようにアクセルを煽り、回転が安定しているのを確認して、車を路肩に寄せた。

お礼を言おうと車を降りて後ろを振り返ると、「あれっ?おらへん」
3人いたはずの人が1人しか見当たらない。
すると、軽トラのおっちゃんがブイーン!と横を通りながら、「気いつけて帰りや!」と言って行ってしまった。

あまりの素早さに驚きながらも、頭を下げ下げ「ありがとうございました!!」と言った。
月光仮面みたいなおっちゃんであった。

一人残っていたおにいちゃんがこっちに歩いてきながら、「大丈夫ですか?」と聞いてきた。
「大丈夫です。どうもありがとうございました。助かりました。ほんまにすいませんでした。」と思い付くお礼の言葉を繰り返した。

おにいちゃんも「それじゃ!」と言って行ってしまった。
そのおにいちゃんと一緒にいたはずのおっちゃんは、もう車に戻ってしまったのだろう。みんななんて素早さだ。

私の頭の中では「正義の味方だ良い人だぁ♪疾風のように現れてぇ疾風のように去って行くぅ♪」と月光仮面の歌が流れていた。
本当にありがたかった。あのままあそこに止まっていたらヒンシュクものだ。
いやあ、世の中にはいいひとがたくさんいるんですねえ。
私も見習わないと。
あの人たちが、こんなHPは見ていないでしょうが、この場を借りてお礼を言いたいと思います。

「堺市の交差点で動けなくなっていた白黒のレビンに乗っていたものです。
あの時は本当に助かりました。ありがとうございました。」


どうもエンジンが熱い間は、セルが回らなくなってきてるようで、この前も熱帯魚屋の駐車場でクラッチを切った瞬間に動かなくなり、小雨の降る中、一人で車を押すなんてことがありました。
バッテリーのマイナス端子が異常に熱かったことから、もしかしたらアース線が腐っているかもしれないので、まず最初に交換してみようかな。

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