キンイロクワガタ属の飼育方法

  

  基本的なキンイロクワガタ属の飼育方法です。この基本をマスター後は
   さまざまな応用研究を試み、キンイロワガタ属の繁殖をお楽しみ下さい。
  種類によっては雄雌の羽化時期がズレ、難易度の高いものもありますが
   比較的に累代飼育し易い種類です。
  産卵のポイントはマットと材によるところが大きい。
  最初は比較的に安価なパプアキンイロクワガタからレベルUPして行きましょう。
  クワガタ虫の中でも、赤・緑・青のさまざまなメタリック色のクワガタ虫が
  誕生し宝石の様な魅力に引かれる最も美しいクワガタ虫です。
  小スペースでも楽しめ、多くの方がブルー色を目指し飼育を楽しんでおられます。


               資料作成:BEETLE・SCHOOL
                    
    
               HP:http://www.eonet.ne.jp/~beetle-s/


入手可能なキンイロ

 国内: タマムシに色は近いが、キンイロクワガタ属は国内には生息していません。

 
外産:   パプハキンイロクワガタ(ニューギニア島)
        アウラタキンイロクワガタ(AUS・タスマニア島)
       ラトレイキンイロクワガタ(アウラタと同種として扱われている)
             タスマニアキンイロクワガタ(タスマニア島)
       ミカルドキンイロクワガタ(AUS)
       アエネアキンイロクワガタ(ノーフォーク島)
       インスラリスキンイロクワガタ(AUSロードハウ島)
       パリアンスキンイロクワガタ(AUS西部)


1、準備する物

 @飼育ケース(小ケース程度)
 A産卵材は軟らかい朽ち木(材選定は産卵に重要なポイントです)
  (クヌギ・ナラなどの広葉樹の軟らかい物)×2本程度
 B埋め込みマット:広葉樹100%の微粒子発酵マット。
 Cエサ:昆虫ゼリー・バナナ・リンゴ

2、重要なポイント

 @産卵材は軟らかい朽ち木を使用する。
   (硬い産卵材では産道を掘ることができず、産卵しません。)
   従って、産卵材の選定は重要なポイントです。

 A産卵マット用マット
  微粒子醗酵マットを使用する事により、マットにも産卵します。
  荒めのマットを使用した場合はほとんどマット産卵しません。
 以上2項目は、キンイロクワガタ属の産卵セットを成功させる重要ポイントです。
   
3、ペアリング

 @成熟していれば、目の前でも交尾が確認出来ます。
 A成熟した♂と♀を一緒のケースに入れた場合、数日で交尾は完了している。
 B♂がたまにですが、♀をバラバラにしますので、交尾後は別々にする事を進めます。
  野外採集した個体を購入した場合は、ほぼ交尾が完了していますので
  ペアリングは不要でが、短命個体も少なくなく、早めにセット下さい。


4、産卵材のセット

 @産卵材:軟らかめの材を2時間〜1日程度水に沈め、取り出した産卵材を
   半日程度陰干しする。その後、表面の樹皮のみをナイフ等で剥がして準備する。
 Aマット:微粒子のマットに若干多めの水分を加えマットの水分を調整する。
 B飼育ケースへのセット
  細かいマットを3〜5Cm程度底に入れて、硬く押し固める。(重要な作業)
  その上に材を置き、材が隠れるまでマットを入れ軽く押し固める。
  (産卵材の上面が少しマットから出る程度までマットを入れる)
 C最後に成虫Paを入れ、エサ・止まり木や産卵材の皮(虫の転倒防止)を入れる。
 D蓋の間に乾燥をふせぐ為に、穴を明けたビニールシートや紙をはさんでおく。

5、日常の管理

 @保管場所:直射日光が当たらない涼しい静かな所に置く。
 Aエサやり:時々チェックし無くなったら、新しいゼリーを与える。
  (高タンパクゼリー等の高価なゼリーは、特に必要ありません)
 Bその他:表面が乾燥してきたら霧吹きなどで湿気を十分保って下さい。
   (マットの水分は若干多目にし、♀がマットを固めてから産卵できる
    マット環境を作りましょう)
 C2ヶ月もすれば、容器の底などに幼虫が見える様になります。
  (1〜2ヶ月経過後に、別の産卵セットに♀を移し更に産卵させても良い)
 
6、幼虫割り出し

 @幼虫の割り出し:容器の底に幼虫が見える様になったら、ケース内のマットを他の
  容器などに移し慎重にマットを崩し、幼虫を傷つけない様に回収します。
  産卵材の中にも幼虫が入っていますので取り出しましょう。
 A卵の場合は、再度そのまま保管するか、水分を若干含んだ良質のマットに埋めふ化を待つ。
  状態の良い♀なら10〜40個程度は産卵します。
 B割り出し時期が遅れると、幼虫同士が共食いし数が極端に減少しますので注意下さい。  

7、幼虫の飼育方法

  幼虫は♂の♀に偏り傾向はあまりありませんが、出来るだけ多くの幼虫を飼育しましょう。
   ♀、♂の羽化差はありますが、♀を大切に管理すれば累代飼育に問題はありません。

1)材飼育
  キンイロクワガタ属の幼虫飼育には、あまり利用されません。
  (マットや菌糸ビン飼育より、2〜3ヶ月羽化が遅くなります)


2)菌糸ビン飼育
  マット飼育よりは、安定して大型個体が出ますが、飼育中に死亡する個体が
   幾らかは出ます。(菌糸ビン飼育に適した種です)
  
)マット飼育(良質のマットなら、大きく育ちますがバラツキも大きい)
  【いろんな種類の添加剤入り発酵マットが市販されていますので、お試し下さい】
 @発酵マットを適当な飼育容器に、80〜90%まで硬詰めする。
 A幼虫をその中に入れ、通気穴のある蓋をする。
 B2〜3ヶ月間毎に、マット交換しながら幼虫飼育する。(6ヶ月程度で成虫になる)
  (200〜400cc程度の容器で1〜2回マット交換が必要)
 
8、その他
 
@成虫は♀のみで産卵飼育し、♂は別容器で飼育観賞下さい。
  (Pa飼育も十分可能ですが、まれに♀殺し事故があります)
 A幼虫飼育期間 ♀:3〜5ヶ月、♂:5〜6ヶ月
 B羽化後1〜2週間で後食し始めるが、1ヶ月程度は成熟させ♂・♀共に
  十分エサを食べだしてから、累代飼育に取り掛かってください。
 Cワイルド個体を入手した場合は、早めに産卵セット下さい。
 D成虫寿命 3〜6ヶ月(野外品及び産卵した個体はこれより短命)


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