ノコギリクワガタの飼育・繁殖マニアル 

  最も基本的なノコギリクワガタの飼育方法です。この基本をマスター後は
  さまざまな応用研究を試み、海外のノコギリ類の飼育も試みて下さい。
  ノコギリクワガタも非常に飼育繁殖させ易いクワガタです。
  どなたでも繁殖の醍醐味を味わう事が出来ます。
  繁殖のポイントは良く成熟したペアを準備すること、細かい良質のマットで
   セットすれば簡単に繁殖できます。
  なんとも言えない色合いと、スマートでエレガントなボディは魅力的です。

               資料作成:BEETLE・SCHOOL
                    
    
               HP:http://www.eonet.ne.jp/~beetle-s/


入手可能なノコギリクワガタ

 国内:     ノコギリクワガタ、ハチジョウノコギリ、アマミノコギリ、オキナワノコ
       トカラノコギリ(悪石島・諏訪ノ瀬島・中之島・口之島・臥蛇島)
             オキノエラブ、トクノシマ、クメジマ、ヤエヤマ、


 
外産ノコ:ビブラギアトスノコギリ、ブッダノコギリ、ビソンノコギリ
       ドエスブルクノコギリ、P,ドルサリスノコ、P.サバゲノコ  
       トレスノコギリ、P.ルマウイノコ、P.デキピエンスノコ
       ギャラファノコギリ、アンティロペノコギリ、セリコルニスノコギリ
       セネガルノコギリ、ゼブラノコギリ、ミイロノコギリ、
             オキピタリスノコギリ、ファブリースノコ、フルストルファー
       ラテラリス、ブツダ、アスタコイデス、etc

1、準備する物

 @飼育ケース(中ケース程度)
 A産卵材(クヌギ・ナラなどの広葉樹の軟らかい朽ち木で直径5〜10Cm)×2本程度
 B埋め込みマット:広葉樹100%の1次or2次発酵の良質の細かいマット。
 Cエサ:昆虫ゼリー・バナナ・リンゴ(スイカやキュ-リ・メロン等は良くない)

2、ペアリング

 @ノコギリクワガタは成熟していれば交尾意欲おうせいなクワガタです。
  (羽化後5ヶ月以上経過し良く餌を食べているなら簡単に交尾します)
 A♂と♀を一緒のケースに入れてやると、すぐに交尾します。
 B♂は気性が荒いので、交尾を確認したら別々に飼育下さい。
  野外採集した♀は、ほぼ交尾が完了していますのでペアリングは不要です。

3、産卵材のセット

 @産卵材:軟らかめの材を2時間〜1日程度水に沈め、取り出した産卵材を
   半日程度陰干しする。その後、表面の樹皮のみをナイフ等で剥がして
   産卵材を準備する。
 Aマット:加水しオオクワガタより多めの水分に調整する。
  (手で握って開いたとき1〜2個に崩れる程度)
 B飼育ケースへのセット
  細かいマットを3〜5Cm程度底に硬く詰め、その上に産卵材を2本程度セットする。
  その上に産卵材が隠れるまで軽く押さえマットを入れる。
 Cノコギリクワガタはマットにバラマキ産卵しますが、なぜか産卵材が入っていないと
  産卵しにくいようですので、必ず産卵材も一緒に入れてください。
 D最後に♀のみを入れ、エサ・止まり木(虫の転倒防止)を入れて完成。

4、日常の管理

 @保管場所:直射日光が当たらない涼しい静かな所に置く。
 Aエサやり:時々チェックし劣化したり無くなったらエサを交換する。
 Bその他:表面が乾燥してきたら霧吹きなどで湿気を十分保って下さい。
 C1ヶ月もすれば、容器の底などに幼虫が見える様になります。
 
5、幼虫割り出し

nokogiri.JPG

 @幼虫の割り出し:幼虫が見える様になったら、ケース内のマットを容器などに移し
   慎重に崩し、幼虫を傷つけない様に取り出す。
 (産卵材の中にも幼虫が入っていますので取り出しましょう)
 A卵の場合は、再度そのまま保管するか、水分を若干含んだ良質のマットに埋めふ化を待つ。
  状態の良い♀なら20〜40個を産卵します。
  (多く幼虫を得たいなら、1ヶ月程度経過したら別の産卵セットに♀を入れ替える)

6、幼虫の飼育方法
 
(幼虫は♂か♀に偏る傾向がありますので、出来るだけ多くの幼虫を飼育しましょう)

1)材飼育
  安全に親虫になるがあまり大きく成らず、外産の飼育が難しいもののみに使用します。
  通常は発酵マットでかなり大型になり、又菌糸ビン飼育でも良好な結果が得られており
   材飼育については省略します。

2)マット飼育(比較的安価で菌糸ビン飼育と大差がない大きさに育ちます)
  【いろんな種類の添加剤入り発酵マットが市販されていますのでお試し下さい】
 @水分を含ませた発酵マットを適当なビンなどに入れ、硬く押し固める。
 A幼虫をその中に入れ、通気穴のある蓋をする。
 B2〜3ヶ月でマット交換しながら幼虫飼育する。
 C1〜2令は450cc程度の容器で飼育し、3令♂は1L程度、♀は450cc程度に
   入れ替えが必要。(比較的大型になるノコギリクワガタの場合)
 D♂の羽化までには、1L程度のビンが2〜3本必要です。

3)菌糸ビン飼育:比較的大型の成虫が出来るが、コスト高と温度管理が必要。
 @菌糸ビンをクワガタショップ等で購入し、ビンの壁面に幼虫が入る程度の穴を開け
   幼虫を入れる。
 A菌糸の白い部分が80%程度食べつくされたり、劣化したら新しいビンに入れ替える。
 【室温管理が大切であり15〜28℃で成虫になるまで菌糸と共に管理する】
 (ノコギリクワガタは蛹室を作るのが下手で注意が必要です。当店の特許取得の
  羽化不全防止菌糸ビンは好結果が得られています)
 Bマット飼育でもおなじですが蛹室の状態が悪く、羽化不全の可能性がある場合は
   人工蛹室を試みてください。、

7、その他注意点
 
@成虫は♀のみで産卵飼育し、♂は別容器で飼育観賞下さい。
  (小型の♂とならPr飼育も可能ですが危険を伴います)
 A産卵した材は♀が居る容器内に長く置かない。(♀がふ化幼虫をエサにし幼虫が減少する)
 B幼虫は一匹づつ別々の容器で飼育する。(共食の危険と大きく育ちにくい)

8、成虫の越冬方法
 @ノコギリクワガタは基本的には蛹室内で越冬し春から活動し始めるため、成虫越冬はしません。
   ただし、秋に羽化して蛹室が崩れた場合などは、マットを厚めに入れ温度変化の少ない場所に置き
   越冬させて下さい。(室温が25℃程度に管理できる場合は産卵飼育が可能です)
 Aマットの中で冬眠状態になりますが、温度変化等で活動し始める場合がありますので餌は入れて置く。
 Bマットの湿度管理を忘れないように、春3〜4月頃には活動を始めますので、ペアリング下さい。
 Cノコギリクワガタ類は後食後は短命ですので、その間に産卵活動が出来る様に環境を整えて下さい。
 C成虫寿命: 大きさや種類にもよりますが、後食後♂♀共に約6ヶ月程度と考えて累代飼育下さい。
   
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