ネブトクワガタの飼育方法

  Amaminebuto.JPG
   アマミネブト(大歯形)

  基本的なネブトクワガタの飼育方法です。この基本をマスター後は
   さまざまな応用研究を試み、ネブトクワガタの飼育繁殖をお楽しみ下さい。
  ネブトクワガタの飼育繁殖は種類によっては難易度の高いものもあり
   繁殖にチャレンジするのも興味深いものです。
  産卵のポイントはマットとマットの水分によるところが大き。
  最初はセットすれば簡単に繁殖出来る種類からレベルUPして行きましょう。
  クワガタ虫の中でも、最もおとなしく安全で魅力たっぷりなクワガタ虫です。
  小スペースでも楽しめ、多くの方が飼育を楽しんでおられます。


               資料作成:BEETLE・SCHOOL
                    
    
               HP:http://www.eonet.ne.jp/~beetle-s/


入手可能なネブト

 国内:     ネブトクワガタ(本州産)、ハチジョウネブト、アマミネブト
        トカラネブト、ヨナクニネブト、サキシマネブト、オキナワネブト
              オキノエラブネブト、オガサワラネブト


 
外産:  プラティオドンネブトクワガタ、フィリピンネブト、グランデスネブト、
       ホルニカートスネブト、プンクティペンニスネブト、ヤンソンネブト
       アンプルスネブト、パラレルスネブト、etc

1、準備する物

 @飼育ケース(小ケース程度)
 A産卵材はなくても可
  (クヌギ・ナラなどの広葉樹の軟らかい朽ち木)×1本程度
 B埋め込みマット:広葉樹100%の2次発酵の良質の微粒子マット。
 Cエサ:メロン・昆虫ゼリー・バナナ・リンゴ(醗酵しかけた古い物を好んで食べる)

2、ネブト用マットの基本

 @ネブト幼虫を採取した場所の現地マット
 A広葉樹の赤枯れ材を微粒子にしたマット
 B他のクワガタを材や醗酵マット飼育した後のマットを微粒子にしたマット
 C赤松の良質な赤枯れ材を微粒子にしたマット
 D前回ネブトクワガタの飼育で使った古マット(大切に保管しておけば非常に有効)
 E完全2次醗酵マット(幼虫飼育では大きな成虫が出やすい)
 F昆虫ショップのネブト専用マット(実績がある物)
  ・ネブトクワガタは産卵マットが重要であり、産卵を大きく左右する。
  ・幼虫飼育は餌交換時に環境変化を小さく抑えるために使用中のマットの上に
   新しいマットを追加することで大幅に死亡率が低下します。
  ・飼育難易度☆☆☆程度のネブトクワガタの産卵には、上記@〜Fのマットを
   色々と思考錯誤し産卵させるのも飼育の楽しみです。
   (取れないものを取る、飼育の難しい幼虫を成虫にするをチャレンして下さい)
  
3、ペアリング

 @ネブトクワガタはおとなしく、目の前での交尾は無理とお考え下さい。
 A成熟した♂と♀を一緒のケースに入れた場合、数日で交尾は完了している。
  (小型成虫のペアリングはフィルムケースを使用します)
 B♂は見かけによらず気性が荒いので、交尾後は別々に飼育下さい。
  野外採集した♀は、ほぼ交尾が完了していますのでペアリングは不要ですが
  樹液採取した♀は産卵後に樹液を食べに来ている者が多くあまり多くの産卵は
  期待できません。(材割採取した成虫を得るのがベスト)


4、産卵材のセット

 @産卵材:軟らかめの材を2時間〜1日程度水に沈め、取り出した産卵材を
   半日程度陰干しする。その後、表面の樹皮のみをナイフ等で剥がして準備する。
 Aマット:微粒子のマットに多めの水分を加えマットの水分を調整する。
  (マットの良否が産卵数を左右しますので、ネブト専用マットがベター)
 B飼育ケースへのセット
  細かいマットを3〜5Cm程度底に入れて、硬く押し固める。(重要な作業)
  その上に材を置き、材が隠れるまでマットを入れ軽く押し固める。
  (マットが少ないと乾燥が速く産卵環境が安定しませんので多めに入れる)
 Cネブトクワガタはマットにバラマキ産卵しますので、産卵材は不要ですが
  幼虫の餌になる為、材は入れておきます。
 D最後に成虫Prを入れ、エサ・止まり木や産卵材の皮(虫の転倒防止)を入れる。
 E蓋の間に乾燥をふせぐ為に、穴を明けたビニールシートや紙をはさんでおく。

5、日常の管理

 @保管場所:直射日光が当たらない涼しい静かな所に置く。
 Aエサやり:時々チェックし無くなったら、他のクワガタが食べ残した古いゼリーを与える。
  (新しいゼリーはあまり好まないので、醗酵しかけた古い食べ残しゼリーで良い)
 Bその他:表面が乾燥してきたら霧吹きなどで湿気を十分保って下さい。
   (マットの水分はマットが劣化しない、ギリギリで飼育する)
 C2ヶ月もすれば、容器の底などに卵や幼虫が見える様になります。
  (2〜3ヶ月経過後に卵がたくさん見える様なら、別の産卵セットに♀を移し更に産卵させる)
  (この時、マットをかき混ぜて、成虫の取り出しは行わない事。マット上に出るのを待つ)
 
6、幼虫割り出し

 @幼虫の割り出し:容器の底に幼虫が見える様になったら、ケース内のマットを他の
  容器などに移し慎重にマットを崩し、幼虫を傷つけない様に回収します。
 (産卵材の中にも幼虫が入っていますので取り出しましょう)
 A卵の場合は、再度そのまま保管するか、水分を若干含んだ良質のマットに埋めふ化を待つ。
  状態の良い♀なら20〜80個程度は産卵します。
  

7、幼虫の飼育方法

  幼虫は♂か♀に偏る傾向がありますので、出来るだけ多くの幼虫を飼育しましょう。
   ♀、♂の羽化差はありますが、長生きしますのであまり心配はいりません)

1)材飼育
  ネブトクワガタの幼虫飼育には、あまり利用されません。


2)菌糸ビン飼育
  ネブトクワガタの幼虫飼育には、あまり利用されません。
  (幼虫が死亡するケースが大半です)

)マット飼育(良質のマットなら、大きく育ちます)
  【いろんな種類の添加剤入り発酵マットが市販されていますので、お試し下さい】
 @飼育中のマットを適当な飼育容器の底に3〜5cm入れ、硬く押し固める。
 A水分を含ませた発酵マットをその上に入れ、更に硬く押し固め容器一杯にする。
 B幼虫をその中に入れ、通気穴のある蓋をする。
 C2〜3ヶ月間毎に、マット交換しながら幼虫飼育する。(6ヶ月程度で成虫になる)
  (1〜2令は200cc程度の容器で飼育し、3令は400cc程度で飼育可能)
 

8、その他注意点
 
@成虫は♀のみで産卵飼育し、♂は別容器で飼育観賞下さい。
  (小型の♂とならPr飼育も可能です)
 A産卵したマットは♀親が居る容器内に長く置かない。
  (♀親がふ化した幼虫をエサにし幼虫が減少する)
 B大き目の飼育容器なら、幼虫のまとめ飼育で成虫にできます。
  (幼虫同士の共食の危険性はありませんが、大きく育ちにくい)
 C幼虫は極力一匹づつ別々の容器で飼育するのが望ましい。


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