好きな言葉

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日日是好日
茶道の際、掛け軸にもよく書かれている言葉です。"ひびこれこうじつ"と大抵読まれているようですが、私は”にちにちこれこうにち”と読むようにしています。以前誰かに後者の読み方を教わりましたが、それ以外の理由はありません。ただ、このように読んだほうが何か俗でないような雰囲気があります。なお、座右の銘として、時々後に「今日生天下」と付けることもあります。
A rolling stone gathers no moss.
あの有名なローリングストーンズのもととなった言葉でしょうか。学生時代のノートの表紙に印刷されていたことを思い出します。和訳「転石、苔を生ぜず」。この言葉の解釈は二通りあります。一つは、常に動いていないと、最後には苔やさびが出て動けなくなってしまう。といった、勉強や行動について、積極性を喚起させること。もう一つは、いつまでもふらふらしていると、信用や貫禄が付かないよといったより日本的な解釈でしょうか。どちらかというと前者の解釈の方が好きです。


気になる言葉

出馬・続投
選挙では「出馬・続投」と言った言葉があたりまえのように使われています。広辞苑第三版には「出馬」には、そのような意味も記載されていますが、「続投」は言葉自体がありません。いつからこのような言葉を使うようになったのでしょうか。代議士が正式な言葉が堅苦しいといったことからこれ使うことは何となくわかるのですが、一流の新聞が見出し以外にも、その様な言葉を使うことには抵抗があります。 なお、言葉とは関係ありませんが、最近の国会中継を聞いたことがありますか、緊迫した振りをして、実は代議士の自己宣伝の場に思えます。どれだけ視聴者に自分をアピールして次の票を取れるかを皆さん考えているようで、持ち時間が無くなれば和気あいあい。本当に日本のことを考えているのか疑問に思います。
焙煎
「焙」の字はあぶるとの意味でホウあるいはハイと音読みし、バイとは読めません。焙茶をホウチャあるいはホウジチャと読むことからも理解できると思います。1960年頃はコーヒーの豆を煎る事について専門書に焙煎と書いてあっても特にカナが振ってなかったので皆適当に読んでいましたが、1990年頃に、インスタントコーヒーの会社がテレビの宣伝で、バイセンと使ったものだから一気に広まり、MS IMEでの変換もできます。このように、感覚的に読みやすいように読んでしまうことができ、あまりそれについてとやかく言わないのが日本語及び日本人の特徴です。他には歯学会の大物が間違えてしまったから訂正できなくて、そうなってしまったと言われている口腔をコウクウと読む等があります。フランスがドイツ占領下でも言葉の乱れを正すために会議を開いたことから考えると天地の差があります。
先従隗始
「まず、かいよりはじめよ」と読み、「矛盾」や「塞翁馬」と共に高校生の基本的漢文知識です。意味は中国の戦国時代に王が賢者を集めたいがどうしたらいいかと、隗に相談したら、先ず自分のような劣ったものを重用すると、自分より優れた人物が自然と集まると言った故事からできた言葉です。先般、お辞めになられた外務大臣が現役の時に、この言葉を使われていましたが、意図が理解できませんでした。広辞苑第三版には「転じて、事を起こすには、まず自分自身から着手せよ」とありました。しかし、これはあきらかに誤用です。これでは、故事であることを否定してます。本当の意味を知っていたら、そう簡単に使える言葉ではありません。
スケルトン
この度、国立国語研から外来語の日本語言い換え例を発表しましたが、なかなかうまく訳しているなと思います。しかし、これを見て初めて日本語でそうだったのかと思ったいた方もいたかも知れません。意外に本当の意味を知らずに外来語を使っています。そういった中で面白いほどに間違われている言葉にスケルトンがあります。この言葉はアップル社がコンピューターに透明の筐体を使用したことから突然流行り出し、2002年も終わろうとしている今でもあやかった透明の各種製品が販売されています。きっと理科系や自転車をオーダーする方々はご存知と思いますが、この意味を知る人があまりいません。ある人は「透けているから『透けとる』が訛ってスケルトン」と本気で思っていました。「ハリーポッターと秘密の部屋」の映画にもこの言葉は出てきています。ぜひ探して見て下さい。


言葉あれこれ

ビストロとゴルゴ13
ビストロというと"ちょっと手軽なフランス料理屋さん"といった感じでお店も増えていますが、この意味を調べると、広辞苑には小さな肩が凝らないフランス料理店。フランス風居酒屋。三省堂のコンサイス仏和辞典にはBISTRO(T)《俗》酒場。とありました。これがなぜ俗語なのかと思いその語源を調べたところ、ロシア語の"早く"と言う意味であることがわかりました。この言葉は第一次世界大戦後と考えられますが、フランスを敵から開放したロシア軍の兵士が酒場や食堂でBISTRO!「早く持って来い!」とさけび、それに応じてBISTRO「すぐできますよ、早いですよ。」と宣伝文句を店に掲げ、ロシア兵を誘ったことから始まったそうです。これは、何を調べても、また、ビストロのオーナーに聞いてもずっと分かりませんでしたが、ある日相当古いゴルゴ13の漫画を見た時にそれが説明してあり判明しました。ゴルゴ13の基本的ストーリーは依頼された暗殺を確実に実行するというものですが、その伏線や状況説明にかなり勉強になることがあります。漫画は侮れません。
花色
日本古来の色の名前には面白いものが沢山あります。その中で、色はわからなくても知られているものに「利休鼠」、「花色」があります。「利休鼠」は「城ヶ島の雨」の歌詞にありますが、これが色の名前であることを理解している方は少ないようです。この色は、利休からお茶が連想されることでねずみ色がかった緑をいいます。また、「花色」は古典落語が好きな方なら「はないろもめん」としてご存知かもしれません。花色と聞くと、ピンクを大概想像しますが、もともと「縹(はなだ)色」からきており、そのつくりの票が青白いことを意味していることから薄い藍色のことです。ある保育カタログの藍色の園児服には花紺色とあり、現在でも使われています。また、色の読み方で「灰白色」は「かいはくしょく」です。随分昔になりますが、洋酒のCMの気取ったナレーションで「はいはくしょく」と言ったのには幻滅しました。

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