とても、感性の優れた人だと感じる。いつも素敵なことを考え、文章にしていくのだろうか。 朝日新聞の連載エッセイで初めて知って、楽しんでいる。 小説がもしかして、自身なのかどうか。それはわからないけれど。 でも、素直に自分を出している文章だ。実にうらやましい。 |
夏目漱石が面白い
最近、IPODを手に入れた。早速iTunesを開いてみると、夏目漱石をはじめ坂口や太宰の小説がオーディオブックの中にある。後者の二名は若い頃にほとんど読んだが、夏目漱石は「坊ちゃん」と「我輩は猫である」、「夢十夜」、「坑夫」しか読んでいなかった。このため、一つ「それから」を購入してみた。そして、それから病み付きになった。漱石のストーリーそのものは単純で、背景は現代と置き換えてもおかしくなく、そのなかで友人の妻や、兄の妻といった事がテーマとなっている。しかし、文章そのものの展開、使われている語句が非常に面白い。これは音声だけではわからない。このため、ネットの青空文庫で読み始めた。「それから」、「彼岸過迄」「行人」「こころ」、「三四郎」「門」、そして「虞美人草」と続いた。これはなかなか漢字が多くて読みにくいので、ちょっと休止して「草枕」に変更した。最近ハリーポッターやネシャンサーガのような軽い子供向けばかり読んでいたが,やはり言葉を操った文章を読むのは本当に楽しく面白い。 |
1985年引越しのため,約900冊の本を御茶ノ水の古書店に約25,000円で売却。約3割は技術書、残りは文学書。約300冊の文庫本以外は、今から考えると、貴重な物も含まれており、本を処分したことを非常に後悔しています。それ以降、何故か本をあまり購入せず、また読まなくなりました。しかし、その少ない中から、何となく大切にしている私の本の一部を紹介します。 |
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旅の断章 | 中日新聞、東京新聞の企画で優れた風景写真家の緑川洋一の作品と組み合わせて週一回連載することにより生まれた随想集。1973年秋から1976年の春までの連載だが、都合により数編が除かれている。 |
串田孫一 | ||
昭和51年10月25日発行 | ||
白日社 | ||
2,800円 | 1976年の最後の連載の頃に東京新聞を購読し、串田孫一を知ったように思う。写真家緑川洋一は、尊敬する最高の風景写真家だ。本には写真はのっていない。 | |
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随想集 四季U | 巡り来る季節の中で、自然は豊潤と苛烈の合間に微笑を誘い、優しい歌を響かせる。この限りなき抑揚は著者の自由な思考の透過を経て、新しい光を放つ。 四季の随想4章 樹についての断想5篇など 四季に続く随想集 |
串田孫一 | ||
文京書房 | ||
1984年6月15日第1刷 | ||
1,600円 | 新宿紀伊国屋書店で見つけたサイン本。特にサイン本に興味は無いが、以前購入した「四季」の続編で価格も同じだったのでせっかくだから購入した。 | |
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東京の坂道 | 坂は東京のふるさとである。鴎外の「雁」、鏡花の「婦系図」、一葉の「たけくらべ」の名作が生まれ、幕末志士が非命に倒れた舞台となった。本書は消えてゆく江戸の歴史を訪ね、東京480余の坂の歴史と文学を描いたユニークな文化史。 |
石川悌二 | ||
新人物往来社 | ||
昭和46年12月20日発行 | ||
昭和49年10月15日2刷 | ||
2,000円 | この本を基に特に環状線内を中心に東京都内を歩き回った。当時は原宿竹下通りでさえ、ひなびたわき道がありよくそこを通った。 | |
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風の文庫談義 | 峻烈並びない書評家”風の恭三郎”その類稀な識見で精選した、東西古典から探偵・娯楽小説の名品まで、文庫時代におくる最上の文庫案内。 |
百目鬼恭三郎著 | ||
文芸春秋刊 | ||
平成3年5月30日第1刷 | ||
平成3年6月30日第2刷 | ||
1,359円 | ||
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「いき」の構造 | この書は雑誌「思想」第92号および第93号(昭和5年1号および2月号)所載の論文に修補を加えたものである。 生きた哲学は現実を理解し得るものでなくてはならぬ。我々は「いき」という現象のあることを知っている。然らばこの現象は如何なる構造をもっているか。「いき」とは畢竟わが民族に独自な「生き」かたの一つではあるまいか。現実を有りの儘に把握することが、また、味得さるべき体験を論理的に言表することが、この書の追う課題である。(序より) |
九鬼周造著 | ||
岩波書店刊 | ||
昭和5年11月20日第1刷 | ||
昭和52年4月20日第26刷 | ||
900円 | ||
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大東京繁盛記 山手篇 |
藤村、虚子、精二、秋声、成吉等が荘八、孝則、岳陵等と麹町から神保町、飯倉、麻布の山手一帯を行脚、震災後の東京の変遷を文と画に描きつくした貴重な文献!! |
島崎藤村ほか | ||
講談社刊 | ||
昭和51年10月28日第1刷 | ||
950円 | 発刊された時、関東大震災の後の随筆とは思わず、執筆者の名前を見て購入した。 | |
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大東京繁盛記 下町篇 |
芥川、鏡花、白秋、花袋等が清方、雪岱等と震災後の本所、深川、大川端から日本橋、銀座の東京下町を踏査、復興と繁栄と流転の相を浮彫りにしたルポ文学の嚆矢!! |
泉鏡花ほか | ||
講談社刊 | ||
昭和51年10月28日第1刷 | ||
950円 | ||
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単独行 | 岳人の注目に応える山岳名著シリーズ 「孤高の人」のモデルとして全岳人に親しまれる不撓不屈の単独行者加藤文太郎が、31歳の生涯にただ一冊だけ遺した岳人必読の名著! |
加藤文太郎著 | ||
二見書房 | ||
昭和45年9月21日初版発行 | ||
昭和55年5月31日26版発行 | ||
950円 | ||
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魯山人の料理天国 | 「料理王国」は魯山人歿前に企画され淡交新社より出版された。陶板に本書の題目を自刻までして、本書の装幀に寄与していた。にもかかわらずその発刊を見ずして昭和34年の暮れになくなった。76歳あれだけの人だったが、彼の生前に出版された著書は僅かに大正12年の「常用漢字三体習字帖」、昭和6年だったか「古染付百品集」という図録と、この料理の本の三冊、そして「魯山人作陶百選」の一部に過ぎない。習字帖と古染付の図録上下二点は一昨年復刻されて市販されているが「料理王国」は絶版になったまま20年が経っていた。この本はそれを新装復刻したものである。内容は作る人も喰べる人もまず料理を味わうという鑑賞賞賛する心無くして料理は成立しまいという持論のもとに魯山人が星岡茶寮経営中の個人誌に掲載したものが中心となっています。 |
北大路魯山人 | ||
文化出版局 | ||
1980年2月25日第1刷 | ||
1997年8月25日第21刷 | ||
1,500円 | ||
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随想集 四季 | 移りゆく四季、自然の変化と動きと沈黙を凝視し瞑想する著者の想いは、その楽しさとともに、立ち止まり思索することの意味を告げている。 四季それぞれの随想48編 森の12章 山を訪れる四季4編 |
串田孫一著 | ||
文京書房 | ||
1979年3月1日第1刷 | ||
1982年3月10日第3刷 | ||
1,600円 | ||
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風土のワイン読本 | ワインは永い間、われわれ日本人の、舶来信仰の典型的対象物でした。なにしろ向こうのワインは、数千年にも渡って、さまざまな人生を楽しませてきたのですから、歴史の浅い国産ワインとは、どだい格が違うのは当たり前。しかし、ここ十数年のあいだにすばらしい進歩を遂げてきたのも事実です。もちろん欧州のバラエティや風格には及ばないものの、質のいい、素直なのびのびとした爽やかさといったことで比べれば日本のワインは世界にひけをとらないところまで来ています。そういうワインについてまとめ、対談等を掲載し、ワインの面白さを味わえる本を作ろうと企画されたものです。 |
企画:風土のワイン研究会 | ||
製作:モアアドバタイジング | ||
発行:マンズワイン | ||
昭和57年9月1日発行 | ||
無料 | ||
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絵本江戸風俗往来 | 本書は袋綴活字(二段組・石版刷)の二冊本で、原名は「江戸府内絵本風俗往来」という。江戸生き残りの故老である菊池貴一郎が、江戸の年中行事や市井の雑事に関する話題などについて、老のすさびに筆をとったもの。明治38年の末に、当時、雑誌「風俗画報」の発行所として知名であった東陽堂から、同誌の編集者山下重民の序を付して発行されました。 |
菊池貴一郎著 鈴木棠三編 |
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平凡社 | ||
昭和40年9月10日第1刷 | ||
昭和51年3月31日第16刷 | ||
900円 | ||
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ピアノを語る | バレンボイム・ポリーニ・アラウ・リヒテル・ブレンデル 本書はいずれもドイツ・ペータース版として出版された「音楽家との対話」シリーズから、4冊(ピアニストとしては5名)分を一つにまとめたものです。5名ともインタヴュアーは同じマイヤー=ヨステン氏によっています。その結果、すべて各ピアニスト毎に氏がその人の略歴を述べ、その後に対話録が続くという体裁になっています。 |
編者:ユンゲン・マイヤー=ヨステン | ||
訳者:井本 | ||
昭和59年12月第1刷 | ||
昭和62年4月第2刷 | ||
シンフォニア | ||
2,000円 | ||
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寺田寅彦随筆集 | ヒューマニズムと透徹した科学眼をもって寺田寅彦がくりひろげる近代的エッセーの世界。大正11年から昭和6年にかけて書かれた随筆21編、昭和8,9年の作品から32編、昭和9,10年の作品から20編を収録、また日常身辺の物理的諸問題、読書の今昔、映画雑感、俳諧の本質的概論、夏目漱石の追憶等、各方面に亘る作者の造詣の深さを示す。 |
寺田寅彦 | ||
昭和22年2月5日第1刷 | ||
昭和48年11月10日第48刷 | ||
岩波書店 | ||
全5冊 1,050円 | 古書店に売却しなかった唯一の文庫本。 | |
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死海文書の謎 | 1947年に発見された『死海文書』は今世紀最大の考古学的発見と言われながら、既に半世紀に渡って全面公開が阻まれてきた。そして一部は燃料として燃やされ、また、愛好家に売却されこの文書は未完である。そこに秘められた、奇異なる「謎」を緻密な取材と大胆な仮説によってスリリングに解き明かしたものです。いったいイエスやパウロは何者であったのだろうか。 |
著者:Michael Baigent,Richard Leigh | ||
訳者:高尾利数 | ||
1992年10月25日第1刷 | ||
柏書房 | ||
4,800円 | 内容は非常に面白いけれど、まるで英文がそのまま浮かんでくるような稚拙な訳のため非常に読み疲れることが残念です。 |