Q2
どのような経緯でできたのですか?
従来の禁治産・準禁治産制度には、差別的であるなどの批判が多くありました。こうした中で、成年後見制度の導入の検討が重ねられてきました。従来の制度への批判とともに、制度導入時期決定の契機となったのが、介護保険制度の発足です。
21世紀の社会福祉のあり方として、福祉サービスの利用にあたっては行政処分である措置制度から、受益者の意思決定を尊重できる契約制度へと移行が検討されていました。つまり介護のサービスは、利用者とサービス提供事業者との間の契約に基づいて行われるという考え方です。しかし、認知症高齢者は契約当事者としての能力が欠如していることから、契約という法律行為を支援する方策の制定が急務でした。そこで、厚生労働省における介護保険法の制定準備と並行して、法務省では平成11年に成年後見関連4法案を成立させ、平成12年4月1日、介護保険法と同時に施行されることとなりました。
こうした経緯から、介護保険制度と成年後見制度は、しばしば「車の両輪」といわれます。