自分らしく生きるために、
大切な家族の暮らしを守るために、
いつか誰かの役に立つために、
知っておこう、成年後見制度
Q1
このところ、高齢者における悪徳商法被害や虐待などの事件がたびたび報道されています。
その防止策というか、高齢者を保護する目的で
「成年後見制度の利用」ということを聞きます。
一体、成年後見制度とは何ですか。
もともと民法において、「後見とは、制限能力者の保護のために、法律行為・事実行為両面においてサポートを行う制度」というように規定されています。そこには被後見人の類型に従って、未成年後見と成年後見の2種類があります。
未成年後見: 未成年者に親権者がないか、
または親権者が財産管理権を
もたない場合
成年後見 : 精神上の障害により能力を欠く場合
成年後見制度は、「判断能力(事理弁識能力)の不十分な成年者を保護するため、一定の場合に、本人の行為能力を制限すると共に、本人のために法律行為をおこない、または本人による法律行為を助ける者を選任する制度」となっています。つまり、「自分が依頼したりあるいは裁判所から選ばれた保護者が、必要な見守りを続けながら身の回りの手伝いをしたり、本人の財産や権利を守るための制度」です。ドイツの世話法やイギリスの持続的代理権授与法を参考にして、旧来の禁治産・準禁治産制度に変わって、平成12年4月から施行されました。
家人、親、兄弟が倒れると、不安のスパイラルに巻き込まれやすいものです。「知っておくことは損ではない。どうか冷静に」です。自分らしく生きるために、また、大切な家族の暮らしを守るために、そしていつか誰かの役に立つためにも、是非とも認識しておくべき制度です。