捏造改竄と特別採用【トクサイ】の常識 |
最近,工業規格の認証取り消しにより,規格材の製造ができない企業が出ている。 このことから,隠蔽している企業が捏造改竄によるミルシートのテンプラ(嘘の証明書)を遅まきながら白状したと報道がされているが,隠蔽企業に陥落した経緯と原因が報道されていないのでその他以外の企業における認証の取り消しもあり得る。 国内の製造業においては国の認証責任が問われるが,海外企業では規格材と無規格材による説明責任がシステム上で担保され製造物(実物)とに乖離がある場合ペナルティーの対象になる場合がある。 本来不合格品であるが,規格外製品を適合規格として強度計算書に使用できる基本数値の保証をしていることであり,基本設計・詳細設計・冶金等のエンジニアリングに携わる適用設計規格のEN・BS・ISOやASME Sec.−[(Div-2,Div-3), AISC・AIJ等を活用している場合はミルメーカーと最終エンドユーザーでの確認で特別採用を結論誘導できない。 設計と冶金等を鑑みる公式計算と破壊強度計算等の異なりで容易に特別採用を設計技術者等の判断を仰がず決定することはありえない。 時効や寿命計算評価等はスーパーコンピューターの検証範囲であり,振動を含めたサイクル疲労や化学成分の添加量の過不足等で用途別,製造メーカー別,熱処理特性,許容応力度と安全率,設計評価レベルによる総合評価を実施する力量が必須条件であるので製造部門でのトクサイ評価ができないのが普通である。 高温のクリープ,極低温のXノッチ特性,その他免振や制動距離,扁平率と剛性を司る製品等は30年から100年の寿命設計,メンテナンスと取り換え等のリテンション計画はMILL CERTIFICATEで注文時に保証数値を設定するので製造調達メーカー毎に特質は異なり,製鐵メーカーの検証は当該素材使用設計技術者の設計プロセスと適用規格によって大きく異なるので納品材料の保証書と設計強度計算書や冶金等までさかのぼって再計算して結論誘導するのが普通である。 全て,捏造改竄が示すように破壊寿命評価等は基本的数値のいずれかが異なると短命数値を示すことが多く,寿命評価等の評価結果は小数点以上をクリアすれば合格であり,フックの法則による短期応力係数は断面係数と塑性断面係数を用いる規格毎で大きく異なるので特に建設部材の素材においては短期と長期において部材の発生応力値が常用使用範囲で異なるために要注意となる。 特別採用の定義を適切化することと,製造部門がトクサイ処理するシステムは皆無である認識が欠如すると捏造改竄が常態化する。 |