今まで 病気もなく・・ 
元気一杯で ぴんぴんしてたのに

そうやって 昨日まで生きていた人が・・ 
そばにいてた人が 
言葉を交わして 笑ってた人が・・ 
確かに この世に存在してたのに・・ 
生まれてきたのに・・

もう 今日からはいない・・ って 
どういうことかな・・って考える

でも そんな事おかまいなしに  

空は青くて 天気も気持ちよくて 
花も咲いて 川もキラキラ流れている・・

ほんま はかないな・・
無常やな・・  残酷やな・・

姿はもうない・・ でも 魂ってやっぱりあるんや・・

               
                           2007年4月29日

その夜 あの11月17日から やっと我が家に帰ることができたね
あの 畳の上で布団をひいて寝ている・・
本当なら 明日 4日がお通夜だけど 友引のため 一日長く家にいることになった・・ これも一つ嬉しいことだね・・
文乃は もう一日私達と 長く居てくれた・・

顔に掛けられてる白い布・・ 初めてあけて顔を見る・・
今まであった ホースやテープもなくなって 安心したように見えた
口が少し開いて白い歯がちょっと見えて・・笑っているように見えた・・

今まで苦しかったの もう今は何もないから・・良かったね
もう会えないから 何度も何度も 顔を見たくて 傍に行ったよ・・
ドライアイスで 触ると冷たいけど
頬や 頭に手をおいて 触れてしまう・・
帽子をかぶって なんか おさない顔や・・

こうやって眠っている姿・・・  文乃の顔・・ 
忘れないように 忘れないように ずっと眺めていた・・
一晩・・ 二晩・・家で過ごして 最後には一緒に寝てあげた

いよいよ 家を出る時 最後 靴下をはかせてあげて 棺にはお見舞いの品や
皆が作ってくれた 千羽鶴がいっぱい・・!

式場に向かう途中で 友達が立っていてくれた・・
あやの・・! って叫んでくれてた声・・ きっと文乃も聞こえてたよね・・!

そして 文乃の通っていた 高校も通って行った
校門の前には 先生方やお母さん 同級生の人達もいてくれて
驚いたのと同時に 嬉しく思いました・・本当にありがとう・・
文乃は・・ ちゃんと 校門をくぐって・・最後の登校ができたよね・・
そして
ありがとう・・ さようなら・・ と言って
式場に向かいました

5日 お通夜 6時から・・
沢山の人達が来てくれました 良かったね・・

6日 告別式 10時半から・・
式場では 弘一が作ってくれた音楽がずっとかかっていた・・
文乃のすきな曲ばかり・・
弘一が 文乃のために してあげれることが
だんだん なくなっていく・・

皆 手紙やポスターとか持ってきてくれて 棺の中いっぱいになったね
 
最後にかけてあげた曲は・・ 旅人 文乃の好きな曲でもあり・・ 
文乃に向けて・・  弘一に向けて・・
そして 文乃から皆への言葉の代わりでも あった・・

出棺・・ ふたを閉める時になって 最後まで棺から離れようとしなかったのは
弘一やったね・・  
ふた 閉じてほしくなかったんやね・・ でも・・ 頑張って 棺もってたね・・
それから 本当に最後 文乃を見送らないといけなくなった時・・
言ったね・・   ありえん・・!! って  本当にその通りやね・・  

翌日 7日 ・・すごい雪・・
文乃が降らせたのかと思った・・ 悲しいのか・・ お礼なのか・・分からないけど
とにかく文乃が 降らせたのかと思った・・

9日 ・・学校が始まる・・
この冬休みの間に いろんなこと終わらせてしまって・・今日から新学期・・

文乃は 死ぬときを 選んでいたのかな・・
弘一も この日から登校・・ でも 心の中は 辛い気持ちいっぱいだったろうに・・ 
弘一も またえらかったと思います・・

皆は・・ あの文乃の写真と 最後の顔を見て何を感じてくれたんだろう・・
少なくとも あの場所に来てくれた人達・・
その時 感じたことを・・ 
そして 命の大切さを忘れないでいてほしい・・
決して忘れないでいてほしい・・


当事者にならなければ 決して分からない悲しみや苦しみがあります・・
そして 子が先に逝くという 考えられない悲しみ・・ 
私達も事故にあうまではそうでした・・どこか遠い世界のように感じていました・・

誰にでも 被害者になる可能性があり・・ また 加害者になる可能性もあります

誰もそんな事が ないように 願いたい・・
こんな苦しみは 味わってはいけません・・


そして 今あるものを 大切に・・


中学卒業式・・最後の登校
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文乃と弘一は双子です 生まれた時から一緒です
小さい頃から 沢山の二人の写真を撮ってきました


文乃と弘一が最後に撮った写真があります
1月3日の朝早く撮りました

初めて 弘一が 写メを撮って・・と言ってきました
二人でピースをしている手を撮りたかったようです

弘一が右手でピースを作り 文乃の手と重ねます・・ 
でも 文乃の手は力がなくて・・

弘一は 残りの左手で 文乃の手にピースを作ってあげました・・
少し形のくずれたピースだけど ちゃんとピースを作ってあげて・・
それを 写メで 撮ってあげました・・

それが 二人の最後の写真となりました
大切な写真です・・  いい写真です・・

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最後の時
文乃が撮った空
中学のバスケ部の後輩たちが見送ってくれました
最後の写真