「母校の中庭」 絵画基礎演習.jpg  2001年
(54.2X39.4cm)
紙に竹ペンによるインク

   この絵は絵画基礎演習の課題の一つで、自作した竹ペンで速乾性のインク
で建物のある風景を描きなさい、というものでした。
 絵画基礎という科目は、非絵画コースの人たち(芸術学や、陶芸といった)が
中高の教員免許を取得する際に必要な科目でした。元来、洋画コースとかは不
必要かと思ったのですが、とりなさいとのこと。
 ですから、与えられた課題としては専門コースの人間から見ると、ただ描けば
いいのでお茶の子さいさいですごく愉しく出来ました。

 さすがに速乾性インクはすぐ乾くので、下書きでその筆運びとインクののび具
合を試してから描き始めると、すぐ描けちゃいます。
 これで2時間もかかってないでしょう。
 無論、インクなので書き直しや訂正が効きませんから、下書きで十分練習し、
かつ構図をしっかり把握しておかないと駄目でした。
 
 出題した先生のコメントも、自作ぺんの不自由さのなかに表現の新たな可能性
を捜して欲しいとのことで、生徒たちにも既製品ではない描く喜びを伝えてほしい
という熱いメッセージが書かれてありました。

 確かに速乾性インクはすぐ固まるので、自作竹ペンのペン先や割れ目をすぐ塞ぐ
ので、それが唯一、苦労しました。
 でも、ほんと愉しかった。

 因みに、モデルは母校の高校の中庭です。ちゃんと許可を取って描いてますよ。
描いていると、少し高校時代の自分を思い出しました。
 
     
     

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