「石の人1」.jpg   2002 年
F8号(45.5X37.9cm)
キャンバスに油彩

     これは前の職場に実在する大岩をデッサンしたものにやはり自分の
作った石膏像の顔を当てはめたもの。岩に話しかけながら、どこの顔を
埋めようか、掘り出そうかと考えながら描いてゆき完成させました。 

 すぐ影響されるので、これが完成した後もしばらく岩を見ると、どこかに
人の顔を無意識に探がしていました。
(そもそもこの岩をモチーフに決める前にいくつもいくつも岩をデッサンし
ましたからね。)

 なんで、そんなことを考えたかというと、石膏像を型から割り出す時や、
粘土から形をとっていくときに漱石の小説「夢十夜」じゃないですが、ま
るで石や土のかたまりから埋まっている人を掘り出したみたいだと常々、
感じていたのでその逆をやろうと思いついたのです。
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