「語り合う石」.jpg  2002 年
F15号(65.2X50.0cm) 
キャンバスに油彩

     前述したように卒制の原案として最終的に残った二つの内の一つ。
 残念ながらこれは落選案。
 こちらの方が「石の見る夢」より赤色が派手でシャープかなと個人的には思っている。
 どちらにするか、迷ったけど、色々な人の意見を総合してあちらを採用しました。
 
 実はどちらも複数の人物を石化して、(いや、この場合、石を「人化」と形容すべきか
な)隠してあります。
 どうも、自分の場合、自作に一人の人物しか描かないと、そこに閉じたナルシズムがあるように思えて、なんか恥ずかしく感じられて、嫌なんですね。
 また、少しもの寂しくなります。実際の人間関係って難しく煩わしいもので敬遠しがちですから、人恋しくなるのでしょうか。
 
 この絵のポイントは周りの黒い背景色の緑だと感じています。
 赤と緑は強力な補色関係で隣接すると目がちかちかしますが、黒に仲介させると鮮やかでその対比は好きですね。
 こうした岩のようなどっしり感がおそらくはクレイアニメの人物たちのデザインに色濃く反映されているのはいうまでもありません。
 オリジナルなキャラクターってそうそう生まれるものではなくて、自分の意識のどこかに住んでないとなかなか使いこなせないです、自分の場合。
 不器用なんですね。
 
 こうして注釈していると、いつか彼らも立体化もしくは2次元化して動かしてみたくなる予感があります。
 モノでも人でも一度、好きになると、ずっと忘れないところはイヌ型的性格ですね。
 忠犬ハチ公と呼んで下さい。
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