創業20周年記念誌「すまいる」

 2.住むを実践する

 
ひとこと

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 住宅の建築において、建ち上がった建物に欠陥要素を探し述べることは意図も簡単なことですが、それぞれの経緯の中で、結果的要因が必ず含まれています。


 遠まわしな言い方になりますが、問題は施主様が実際に住まれて欠陥と感じられるまでに、多くの必要不可欠な確認事項を初期段階で省いておられることに最大の問題があることです。当然その原因を作った事業者の責任は重大です。又、建築に素人である施主様に要求すること自体無理な事は分かっていますが、これが欠陥住宅を作らせてしまった大きな要因の一つなのです。


 一生に一度あるかどうかも分からない住まいを、生涯をかけて購入するにはあまりにも短絡的で、注文建築の本来の意味もご存じ無く、見た目や偏った知識にとらわれ、専門家の意見に耳を貸さない方が多いことです。工務店は施主様の考えが構造的にも予算的にも妥当と思えば、後は培われた技術力と経験、感性の問題ですから先に進められますが、魔法使いでは無いので、問題を抱えたまま全てを聞く事は出来ません。問題があれば専門家として施主様に理解していただく義務があります。ご理解を得られない場合や代替案が出せない場合は、仕事を受ける事は出来ないのです。しかし、施主様にもっと良い代替案を提示しても、思いこみが激しく聞く耳さえ持たない事もあり、具体的且つ論理的説明をしても受け入れられない状況が見られます。


いずれにしても、その様な建物を長期に渡り保証し、施主様のお抱えの工務店として支え続けていくことは不可能です。弊社では初期段階で施主様とどうしても考えが合わない事案に対してはお断りする事としています。これは、断る事を肯定するのではありませんが、長い経験から結果論としてそうさせていただく事が最良と考えるからです。


<2014年4月作成、2014年11月現在確認済>

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