イラーヴァティ
Iravati
KICS 640(キングレコード(スターチャイルドレーベル))
文字化け防止のため、念のため、アルバム名・曲名の中で一部綴りを変えているものがあります。ご了承ください。
まずは、このアルバムのタイトルの意味から。「イラーヴァティ」とはサンスクリット語で 「元気回復・リフレッシュメント」 などという意味があるそうだ。このタイトルに 屋久島の原生林の風景 (初回特典のミニ写真集) ……曲を全部聴いてみるとわかるが、このアルバムを構成する楽曲は単なる寄せ集めではない。すべて「イラーヴァティ」というテーマを表現するために選りすぐられた曲ばかりである。それゆえ、最後の曲 「幻影 (マーヤー) 」 を聴き終えたとき、なんとも言えない 「静かな感動」 が押し寄せてくるのである。
それにしても、声優・林原めぐみの 歌唱力は見事 と言うほかない。これだけ広いジャンルの曲をカバーできる人はそういるものではない。七色の声を操る声優といえども、まるで別人が歌っているような錯覚を起こさせるほど、リズムの取り方まで切り替えることができるものだろうか。 「Deja vu」 の愛らしい少女の声 から、 「Reflection」 のパンチのある声 、さらには 「幻影 (マーヤー) 」 の幻想的な声 まで……まさに 声の魔術師 である。
もう一つ特筆すべきは、声優・林原めぐみは 作詩の才能 も併せ持っているということである。なにしろ、 「スレイヤーズ」 シリーズ のオープニング・エンディングテーマは、TVシリーズ・劇場版を含め、大半が彼女自身の作詩によるものなのだから。主人公の リナ=インバース 役を演じている彼女であるが、主題歌の作詩まで任されるほどの実力派。このアルバムでも全13曲のうち、半分以上の7曲が 「作詩: MEGUMI 」 となっている。
いずれにしても、今の声優界では人気・実力ともトップクラスであることは間違いない。トップを走り続ける彼女が次に目指すのはいったい何だろうか?