Review No.V-011

スピリッツ
どんまい魂

小森眞奈美 著
主婦の友社

レビュー文中では、著者である「小森眞奈美」さんのことを
親しみを込めて「マミ姉」と表記します。

ISBN4-07-235909-2
定価:本体 1,400円+税

えー!?いきなり恋の話ですかぁ!

 これは意表をつかれました。意を決して書き始めたというだけあって、最初からパワー全開ですね。
 構成的には、 『こころが元気になる31のヒント+』 と同じく短編の積み重ねですね。気軽に読めると同時に、一編一編、心に響いてしみわたってきます。

 最初、涙もろいマミ姉を見た(聴いた)ときに、逆に「強い人」と感じましたが、『どんまい魂』を読んで、あらためてその直感に間違いがなかったことを確信しました。 こんなに何度もつまづいたら、普通はひねくれた人間になってしまいますよ。 それを逆に自分の糧にしていけるというのは、よほど心の強い人でないとできるものではありません。

 そんな マミ姉が拒食症の経験者 だったとは、 衝撃の事実 でした。ときおり話には聞いたことはありましたが、 こんなに身近にいる とは思いませんでした。 (あれ?そんなに身近なわけじゃないか。でも、マミ姉の存在は実際の距離以上に、 気持ち的に身近 なので) どんどん深みにはまって抜け出せなくなる人も多いと聞きます。マミ姉の場合は、他の人ときっかけは少し違うような気がしますが、その後の転落過程は同じ。よく自力で抜け出せたと思うのと同時に、 拒食症の恐ろしさを、本を通じた間接的なものではありますが、実感させられました。


ところで私事ではありますが・・・
 私がホームページでゲームやアニメのいろんな作品の感想を書き始めたのは、実は「デジタルなモノ」や「バーチャルなモノ」に心を奪われ支配されそうになった時期があって、そのときに 現実世界との心のバランス をとろうと始めたことなのです。
 ゲームやアニメを完全に絶つのはちょっとつらいので、それならば単に没頭するのではなくて、
もっと高いところから客観的に評価してみよう 1プレイヤー・視聴者として前向きに意見できたらいいな 、ということになったのです。そして、 せっかく書いたのだから、みんなに見てもらおう と・・・。ホームページ開設の動機としては、結構変わっていると言えるかもしれませんね。


 医者の家系に生まれ、医者以外の生き方を見つけようと悩んだ時期もあったとのこと。いろいろあったようだけれども、 結局お医者さんになっちゃいましたね 。え?何のって? 立派な 「こころのお医者さん」 になったじゃないですか。 ・・・と、ミニコーナーの名前とうまくつながったところで、このレビューもお開き。

 マミ姉がリスナーの前からいなくなってしまう心配は、ひとまずなくなって一安心。
神様は 「もっともっと、心の疲れた人の話を聞いてあげなさい」 と言っているのだと思いますよ、マミ姉。

(2003/04/27)

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