Review No.V-019

Blooming Voices
yukana

スターチャイルド
KICS 1397(キングレコード(スターチャイルドレーベル))

その透明感はまるで空気のよう・・・

  『Blooming Voices』 ・・・ 「花咲く歌声」どこまでも限りなく透明な色をした花 でした。ともすれば、その存在さえも否定されてしまいそうな色をした花ですが、確かにそれはそこに存在し、時には圧倒的な存在感で迫ってきます。アルバムを構成する曲の大半が静かな曲となっており、心地よい透明感を持つ歌声で綴られるこのアルバムは、一時期ブームを引き起こした 『feel』 『image (イマージュ) に代表される ヒーリングミュージック集 を彷彿とさせます。

  「ゆかな」 の透明な歌声は、同時にいつ消えてしまうかもしれないほどに、はかない響きでしかありません。しかしそれにもかかわらず、 『命咲く』 を紡ぐ歌声は、心の、魂の叫びとでも呼ぶべき力強さを持っています。たとえ耳で聞き取れなくなったとしても、心がしっかりと受け止めているかのような、不思議な感覚に襲われます。個々の楽曲は記憶に残らなくても、その イメージだけは永遠に 心に刻み込まれるかのような気持ちになります。このアルバムを聞いた人は、わずかながらも心の持ち方や考え方が変わるかもしれません。


 もう1曲、 『傘になる』 について。『命咲く』とは対象的なやわらかいボイスと詩で心をくすぐられます。が、歌詞をながめてみると、 「生きた証を残したい」 という曲に込められた想いは同じだと気づかされます。ここでは詳しくは書きませんが、彼女の足跡をたどってみれば、「なるほど」と感じることと思います。興味のある方は、ぜひご自分でネット上で調べてみてください。

 「花咲く歌声」で、あなたの心にひとときの平穏を。

P.S  「ゆかな」という声優さんは、 『コードギアス 反逆のルルーシュ』「C.C.」役 で初めて知りました。けっして目立つ声ではないのですが、不思議と印象に残る声だと感じました。歌でもその独特の雰囲気は同じですね。

(2009/3/1)

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