Review No.V-008

AsR    Selection

AsR
小森まなみ高橋直純

ファーストアルバム

スターチャイルド
KICS 814(キングレコード(スターチャイルドレーベル))

(注) ユニット 「AsR」 は、2001年4月1日より活動を休止しています。


ハートに響くハーモニー

  「マミ姉」こと 小森まなみ の少女ボイス 高橋直純 の青年ボイス (?) が見事に調和した 「AsR」 のファーストアルバム AsR  Selection 。ちなみに「AsR」ネームは、 小森まなみが 「マミ部長」 高橋直純が 「ナオリーダー」 なわけであるが、この際、AsRをどっちが仕切っているのか?・・・は置いといて、純粋に楽曲のレビューをしてみたいと思う。

 全体的に、ナオリーダーがマミ姉の引き立て役の印象を受ける。・・・が、決してナオリーダーの存在感が失われているわけではない。それどころか、 締めるべきところはきちんと締め、かつ出過ぎることがない という意味で、 100%以上の役割を果たしている 。しかも、そういう役回りでいることに無理がない。二人とも自然体でAsRというユニットを作り上げているにもかかわらず、バランスがちょうどいいところで釣り合っている。無理に作っている部分がない分、安心して聴いていられるのだ。
 単純に、声のハーモニーとしてAsRを聴くと、声の響きとしては必ずしもベストマッチではないかもしれない。 (マミ姉の声にぴったり合う人を見つけるのは不可能に近いが) しかし、 心のハーモニー として聴いた場合、また違った評価になるのではないか 。そう思うのである。
 今、このレビュー文を書いているバックには、7曲目の 『REVOLUTION』 が流れている。二人が同時に歌っていても、明確にそれぞれの声を聞き分けることができる。つたないハーモニーかもしれないが、 気持ちは完全にシンクロして同じ方向を向いているテクニックではない、音楽の本当の力 を見た思いである。


執筆者ひとりごと

私事ですが、 大阪シティ・エア・ターミナルビル(OCAT)でのサイン会 で、マミ姉は 『REVOLUTION』 を歌ってくれました。あのとき、実はデートだったんだよなぁ、うちの嫁さんと。というわけで、 『REVOLUTION』 は大切な思い出の曲の一つです。


 さて、その 心のハーモニー が感じられる曲を2曲 紹介しよう。
 まずは、5曲目 『Ready Steady Go!』「明日に向かって走り出そう」 という元気のある曲。そして、10曲目の 『じゃあ またね』「名残惜しいけれど、楽しかった思い出を胸に、また頑張っていこう」 というメッセージを伝える曲で、某ラジオ局のイベントのラストソングとして書き下ろしたもの。 『Ready Steady Go!』ナオリーダー の、そして 『じゃあ またね』マミ部長 のおすすめの曲だ。
 私のおすすめは、9曲目の 『君がそばにいれば (AsR Version) 。この曲のタイトルにある 「君」 が、単に 「恋人」 だけを指すのではなくて、 「家族」「友人」 を含む 「大切な人」 一般を指すことに気がついた人は、 「こころの澄んだ人」 と言える。マミ姉にとってはそれが 「ラジオのリスナー」 だったりするのだが。

 そして、もう1曲・・・というか1トラック、 これぞ「AsR」というもの がCDに収められている。それは、CDを買ってくれた人に向けたメッセージ。 ささやかな、本当にささやかな手作り感覚の 「目覚まし用おはようメッセージ」 「留守電用の留守番メッセージ」友達に話しかけるような自然体のメッセージこそが「AsR」そのもの と言ってもいいのではないか。

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