Review No.G-010

聖界の奇跡 タイトル
フランII

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 前作 『フラン』 で立派に育成された (のかどうかは定かではないが) 天使フランもセディと結ばれて、おてんば娘のリラもお年ごろ。待ってましたとばかりに、運命はリラに試練を与えるのであった・・・
 ま、それはさておき、ゲームシステムは前作とほとんど同じで、違うところと言えば、 「天使育成」「アイテム合成」 に変わったくらい。登場人物も大半が見慣れた顔ぶれということで、 『聖界の奇跡』 は前作 『フラン』 のプレイが必須と言ってもいいかもしれない。もっとも単にプレイするだけなら何の支障もないが、 シナリオを楽しむためには前作を知っておくべき だろう。
 一部で熱狂的なファンがいたらちょっとコワい、『フラン』の名物おちゃらけキャラ 「アデン」 も出てくることだし。シナリオにからんでくることなので詳しくは書けないが、このゲームを進めていくうえでプレイヤーが一番しんどい思いをする場面で、一種の「清涼剤」のような存在として出てきたので、けっこう印象に残っている。
 「清涼剤」といえば、同じステージに 謎の人物 2人と 謎の動物 1匹 が住んでいる(?)隠し部屋があって、そこで些細なことながら爆笑モノのやりとりがあるので、ぜひとも探し出してみてほしい。必要なアイテムを入手するのが相当面倒だが、それなりの価値はあると思う。 (ちょっと詳しく書きすぎたかな?)
 前作 『フラン』 で私が高く評価した アクションゲームとしての難易度 であるが、『聖界の奇跡』では さらに高い評価 を与えたいと思う。ボス敵との戦闘時の最初の印象では、前作より難易度が上がっていて、アクションゲームが苦手な私としては、最後までクリアできるかどうか不安がよぎった。しかし、特殊攻撃である 「剣技」「魔法」 の使い方しだいで、 ギリギリでなんとか倒せる ようになっている。 これほど絶妙な難易度のバランスがとれているゲームは、私がプレイした中では数えるほどしかない。 よって、 アクション的要素に対しては 満点 を付けたいと思う。
リラ・シリング  シナリオについて、前作に対しては少々不満の残るところもあったが、 『聖界の奇跡』では非常に良くまとまっている と思う。 「人間と魔物の共存」 という一点にストーリー展開がすべて向けられているため、各イベントのつながりに無理がなくスムーズである。
 21世紀初頭の今日、一時和平に進むかに見えた某地域で、再び民族間の紛争が泥沼化している現状を目の当たりにすると、 単にゲームの中だけの話に終わらせるわけにはいかない という気持ちが沸き起こってくる。 「人間と魔物の共存」のため奔走するリラの願いとは裏腹に、事態は悪化の一途をたどる・・・まさに今、某地域で起きていることとまったく同じである。
 そして、エンディング・・・今回の混乱をもたらした張本人を倒し、そして平和はもどったのか?いつもどおり結末は伏せておくが、一つだけ言うとするならば、 このエンディングこそが 「誰もが納得のいく終わり方」 ではないだろうか?某地域で紛争が続く今だからこそ、このエンディングが終わり方としてふさわしいのではないかと思うのである。

人間と魔物の共存を願い、
リラ・シリングが体当たりで発したメッセージが、
世界のすべての人の心に届くように・・・

P.S エンディングでリラの歌声が聞けます。
    ゲーム中の負けん気の強い女の子とはまた違ったリラを心で感じとってください。

(2002/04/28)

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