カラードプラ法は血流の速度、方向、速度分散を断層図上にカラー表示するもので、通常探触子に向かってくる血流を赤系統に、遠ざかる血流を青系統の色で表示される。従って僧帽弁閉鎖不全等により逆流血流が存在する場合はこの逆流血流の方向と広がりがリアルタイムに評価できる(本誌ではカラー写真の掲載ができないため白黒写真として示す)。
この逆流血流の広がりは例えば僧帽弁閉鎖不全症では逆流の最大到達距離を1.5p単位に区切ると左室造影でのSeller分類のT〜W度とよく対応しカラードプラ法で逆流程度の4段階評価が可能である(図)。
同様にして三尖弁閉鎖不全症では逆流血流の最大到達距離が
2pから4p未満をU度
4pから6p未満をV度
6p以上をW度
2.5pから5p未満をU度
5pから7.5p未満をV度
7.5p以上をW度
ただしここに示した4段階評価は初期の超音波装置によるもで現在新基準の検討を行っているものなので参考基準と考えてもらいたい。
狭窄弁口や逆流弁口においてその前後における圧較差は簡易ベルヌーイ式により
ΔP=4V2
(ΔP:圧較差、V:血流速度)
として求められる。
ここでVで示される狭窄弁口通過血流速度や逆流血流速度は最高流速が得られるよう連続波ドプラ法を用い、ドプラ用ビームは血流方向と平行になるように投入する必要がある。
補足説明3:弁口面積の測定
弁口面積は僧帽弁M−モードのE点に時相を設定しこの時相での僧帽弁先端レベルの短軸断面を描出し、この断面で弁口面積をトレースする(図)。