A Treatise of Portugese Cuisine fron the 15th Centyry

 

 

                  

                        15世紀のポルトガル料理

 

 

[Collection of recipes, some very original, for the preparation of most varied delicassies] Um tratado da cozinha portuguesa do se’culo XV を男爵夫人 Faerisa Gwynarden氏が翻訳したものである。

15世紀のポルトガルの料理を広範囲に集めた料理集である。この時代にあってヨーロッパの先端を行く気迫とエネルギーに溢れている。特にこの料理集の約半分を占めるスィーツに関するレシピは秀逸である。

http://www.cervantesvirtual.com/obra-visor/um-tratado-da-cozinha-portuguesa-do-seculo-xv--0/html/ffc62d92-82b1-11df-acc7-002185ce6064_1.html  から閲覧できます。

                                                                         Copyright©2011佐藤義範

 

 

 

 

                        目次

 

 

 

. 肉料理

 

 

1.肉を詰めたペイストリィ(Paste’is carne

2.ヤマウズラを陶器の中でクックする(Tigeladade de perdez

3.ムーア風ニワトリの料理(Galinha maurisca

4.卵でフライしたニワトリ料理(Galinha albardada)

5.骨髄のペイストリィ(Paste’s de tutano

6.肉を詰めたペイストリィ(Alfitete※)

 

 

II. ソーセージのレシピ(Receitas de Morcelas

 

 

7.レシピ#1(Arouca ソーセージ)(Receita n1Morcela de Arouca

8.レシピ#2(Receita n2)

9.肺病患者の為のニワトリの料理(Frangospara os he’cticos(ti’sicos)

10.骨髄のレシピ(Receita dos tutanos

11.トルテのレシピ(Receita de torta

12.仔山羊のペイストリィ(Paste’is de figado de cabrito

13.溶き卵のチューブ(Canudos de ovos mexidos

14.ヤツメウナギ(Lampreia

15.ミンスしたビーフの料理(Picadinho de carne de vaca

16.裂いたニワトリの料理(Gakinha desfiada

17.小さなハトのペイストリィ(Paste’is de pombinhos※)

18.lepaldados※ペイストリィ

19.ラードしたニワトリ(Galinha alardada

20.クックしてスモークしたニワトリ(Galinha cozida e ensopada)

21.ウサギ(Coelho

22.別のムーア風ニワトリのレシピ(Outra receita de galinha mourisca

23.若い雄ウサギ(逐語訳をすれば、ウサギの若い息子、Modo de preparar o la’paro

24.へーゼルナッツ(ミートボール)(Almonadegas)

25.ゆっくりとクックしたウサギ(陶器のロースターの中で)(Tigelade de coelho

26.陶器のポット中でゆっくりとクックしたヤマウズラの料理(別のレシピ)

(Tigelada de perdiz(outra receita))

 

 

III. 卵料理(Pratos com ovos

 

 

27.スクランブルドエッグ(Ovos mexidos

28.ストロー(Canudos

29.レースの卵(Ovos de la,cos

30.マルメロのペイストリィ(Paste’is de marmelos

 

 

IV. ミルクの料理 (Manjares de leite)

 

 

31.白い料理(Manjar branco)

32.ミルクペイストリィ(Paste’is de leite

33.クックしたミルク(Leite cozido

34.ミルクカスタード(Tigelade de leite

35.フライしたライスボール(Beilho’s de arroz

36.イザベル デ ヴイヘナ夫人のミルクカスタード(Tigeladas de leite a’ D. Isabel de Vilhena

37.イザベル デ ヴイヘナ夫人のタルトレット(Almoja’venas de D. Isabel de Vilhena

 

 

VI.プリザーブ(Receitas de conservas

 

 

38.皮を剥いたシトラスの肉のコンポート(Compota de diacidrao

39.小さな皮(Casquinhas

40.ピーチコンポート(Compota de pe’ssego

41.レモンのデザート(Doce de limao)

42.ペアー又は….のコンポート(Compota de pe’as ou codornos

43.ペアー(Perinhas dormideiras

44.パンプキンのコンポート(Doce de abo’bora

45.レタスの茎(Talos de alface

46.シトロンの砂糖煮(Diacidrao cristalizado

 

47.オレンジフラワースィート(Doce de flor de laranjeira)

48.ximenesのマーマレード(Marmelada de ximenes

49.一口大の(スィート)(Bocados)

50.砂糖を透明する(Para clarificar acu’car

51.マルメロのコンポート(Compota de marmelo

52.洋梨のデザート(Perada

53.D.ジョアナのマーマレード(Marmelada de D. Joana

54.タフィ?(Alfe’loas)、砂糖のペースト又は、濃いステージにまでボイルしたシロップ、これを使う。55.コンフィット(Confeitos

56. ファルテスFartes(farto由来?“たくさん”の又は“過剰の”と言う意味)

57.ビスケット(Biscoitos

58.Macapao(粉、卵、砂糖、アーモンドで作る今のスィーツの前の形)

59.今のスポンジケーキのようなものPao-de-lo’

60.ピーチマーマレード(Pessegada

61.マルメロのゼリー(Gele’ia de mardelo

 

 

 

 

. 肉料理

 

 

1.肉を詰めたペイストリィ(Paste’is carne

マトン、ビーフのランプ又はポークロインとベーコンのスライスをローストする。よくミンスする。クローヴ、サフラン、ブラックペッパー、ジンジャー、乾燥コリアンダー、レモン汁又は熟れていない葡萄、バターをスプーン一杯、ミンスした肉と豚脂の中に入れてソテーする。弱火でクックする。クックしたら冷ましてたくさん詰めたペイストリィを作る。卵黄を塗って熱いオーヴンの中で焼く※。ニワトリのペイストリィも同じ方法で作れる。ペイストリィに生の肉を入れると更に旨い。

 

※肉を詰めたペイストリィのレシピが“卵黄を塗る”で終わらず“卵黄を塗って熱いオーヴンの中で焼く”で終わっていることから、料理人の仕事にオーヴンの中で焼く工程までが含まれていることが判る。後述のレシピも同様である。

 

 

2.ヤマウズラを陶器の中でクックする(Tigeladade de perdez

少し焼いたヤマウズラを厚切りする。別々のポットの中にオリーヴオイル又はバター、ミンスしたタマネギ、クローヴ、ブラックペッパー、サフランを入れてソテーする。ヤマウズラのピースに小麦粉をまぶして平鍋の中でソテーする。ヴィネガーと水を混ぜて、この混ぜ物をヤマウズラが入っているポットの中を半分以上満たすように入れる。味付けに塩を加える。弱火でクックする。

 

 

3.ムーア風ニワトリの料理(Galinha maurisca

生のニワトリを用意してピースに切り、小さなバターのスライスを2スプーン又はベーコンでソテーする準備をする。ニワトリを加えて茶色にする。ニワトリを水の中に入れてクックする。クックして いる肉は水を追加できないので十分な量の水を入れておく。ニワトリがほとんどクックしたところでグリーンオニオン、パセリ、コリアンダー、ミントを用意する。よくミンスしてポットの中で少量のレモン汁と一緒に入れる。しっかりとクックするまでクックする。パンのスライスを用意して陶器のポットに底に敷き、その上にニワトリを入れる。とろ火で煮た卵黄で被ってシナモンを振る。

 

 

4.卵でフライしたニワトリ料理(Galinha albardada)

ニワトリをよくローストしてピースに切る。ニワトリのピースに溶き卵をまぶしてバターの中でフライする。パンのスライスを用意してニワトリのように卵をまぶし、バターの中でフライする。全てを砂糖の中で転がしてボールに並べる。シナモンを振る。

 

 

5.骨髄のペイストリィ(Paste’s de tutano

卵を1ダース非常に固くクックする。骨髄を用意して火にかけ、軽くボイルする。卵黄、骨髄全ての材料を非常に細かくミンスする。砂糖、シナモン粉を混ぜて塩で味を付ける。小麦粉、少量のバターでドウを作ってしっかりとまとめる。ペイストリィが出来たら(詰めたら)バターの中でフライする。あとで砂糖の中で転がす。砂糖、シナモンを振る。

 

 

6.肉を詰めたペイストリィ(Alfitete※)

しっかり篩った粉、砂糖、味付けのバター、卵黄2個を使ってドウを作る。よく捏ねたらローリングピンで延ばす。これをバターでフライする。にわとりをバター、ポークベリー※(又はベーコン)、マトン、たくさんのスパイスと一緒によくクックする。よくクックしたらニワトリとニワトリをクックした汁を空ける。トロトロ煮た卵黄で全てを被って砂糖とシナモンを振って仕上げる。

 

※ ポークベリーとは豚バラ肉のこと。

   Alfitote 現代の料理で説明するなら“クレープ”に近い。

 

 

 

II. ソーセージのレシピ(Receitas de Morcelas

 

 

7.レシピ#1(Arouca ソーセージ)(Receita n1Morcela de Arouca

何も入っていない粉、パインナッツ、チョップしたアーモンド、卵黄、溶かした豚脂、砂糖のシロップ、塩、インディアンクローヴ、シナモン粉、フラワーウオーター数滴でフィリングを作り、 腸に詰める。その後硬くなるまでボイルしている水の中に入れる。クックしている間、フォークで突き刺して破裂しないようにする。

 

 

8.レシピ#2(Receita n2)

15kgの豚のロイン又は脚を非常に良くミンスする。その後厚い布の中に巻いて重しをしてバスケットに入れて3時間吊るす。肉を用意して、細かい塩を700gとブラックペッパーを150gを混ぜる。その上にスパイスを振る。よく混ぜる。肉に脂分が少ない時は脂肉を少し加える。腸に詰めるとソーセージが出来る。

 

 

9.肺病患者の為のニワトリの料理(Frangospara os he’cticos(ti’sicos)

雄のニワトリを別々に12羽集める。このニワトリは淡水の亀の常に新鮮な一番いい肉だけで飼っていたものである。毎回ニワトリを少量の水の中で肉が離れるまでクックする。その後、その肉を絞って汁を全て出し、そのブロスを濾してポットの中にマスコヴァド※(muscovado:砂糖)をスプーン一杯入れて少しボイルする。再び濾す。ブロスが出来上がった。

 

   Frangos:若い雄のニワトリでまだオンドリになっていないもの。

   マスコヴァド:黒砂糖サトウキビの搾り汁を煮詰めた黒褐色の砂糖。

 

 

10.骨髄のレシピ(Receita dos tutanos

水の中で塩、脂身の豚肉をクックして、その後脂肪のない肉を取り出して皮を取る。 脂を小さなピースに切る。脂を1ポンド加えて、固ゆで卵黄を112ダーススライスして上で述べたように、砂糖とシナモンを振る。

よく篩った小麦粉、バター、塩、フラワーウオーターでペイストリィのドウの準備をする。ドウを延ばしてフィリングを詰める。 ペイストリィが出来たらカッティングホイール(現代のものは波歯になっている)で貴方の好きな形に切る。ペイストリィをバターの中でフライしたらシュガーシロップの中に浸す。砂糖とシナモンとフラワーウオーターをかける。

 

 

11.トルテのレシピ(Receita de torta

マトン又はポークを良くミンスして少量の水、少量の砂糖、バターを一緒にクックする。ほとんどクックしたら、クローヴを入れる。クックするのをやめて、ブロスから取り出す。これとは別に卵白を取った卵を1ダースかき混ぜて、砂糖を少量入れる。出来たら上に熱いバターを入れたフライングパンの中にとき卵を半分入れる。出来たら上にクックした肉を入れて卵が茶色になるとすぐにプレートに移す。再びバターをフライングパンに入れて熱し、残りの溶き卵を加え、その上に底が付かないように気をつけて、すでにフライしておいた混ぜ物を入れる。砂糖とシナモンを振り、フラワーウオーターで濡らしてサーヴする。

 

 

12.仔山羊のペイストリィ(Paste’is de figado de cabrito

仔山羊のレバーと卵をクックする。一緒によく混ぜる。卵黄だけにクローヴ、シナモン粉を加えて、砂糖で甘くする。次に既によく洗った仔山羊の腸を用意して、4指の幅くらいのピースに切る。

上の混ぜ物をこの腸の中に詰める。粉の中で転がして熱い脂の中でフライする。その後すぐに水気を切る。ダークペッパー(ブッチャーズペッパー?)といっしょにシーヴに入れる。最後に高くシュガーシロップを作って小さなチューブを入れる。その後乾燥させてシナモンを振ってサーヴする。

 

 

13.溶き卵のチューブ(Canudos de ovos mexidos

溶き卵とシロップを少量(全量がいくらなのか、又砂糖水の比率ははっきりしない。)を潰したくないのでかき混ぜない。小麦粉、バター、フラワーウオーターと塩を一つまみ一緒に入れてよく煉ってドウを作る。ローリングピンでペイストリィの口を開いてチューブを作る。フライする。そのチューブの中に既に準備した卵のスィートを詰める。それをシュガーシロップの中に浸す。砂糖とシナモンを振る。

 

 

14.ヤツメウナギ(Lampreia

ヤツメウナギを湯の中できれいにして内臓取り除き、その肉に切れ目を入れる。ボールの中にコイル状に入れてオリーヴオイル、コリアンダー、チョップしたタマネギ、塩で味をつける。しばらく休ませて、その後火にかける。よくソテーしたら少量の水、ヴィネガー、クローヴ、ブラックペッパー、サフラン、ジンジャーを加える。オーヴンの中でゆっくりとクックする。

 

 

15.ミンスしたビーフの料理(Picadinho de carne de vaca

柔らかな牛の肉を洗い、よくミンスする。次にクローヴ、サフラン、ブラックペッパー、よくチョップしたジンジャーcheiro-verde ( green-smell という訳になるが、未だかって聞いた事がない )、潰したタマネギ、ヴィネガー、塩を加える。すべて一緒にオリーヴオイルでソテーする。汁がなくなるまでクックする。スライスしたパンの上にのせてサーヴする。

 

16.裂いたニワトリの料理(Gakinha desfiada

ニワトリをきれいにして厚切りする。次にこれをミンスしたポークベリー(又はベーコン)、cheiro-verde(不思議なハーヴが又ここにある!)水を好きなだけ入れてクックする。ボイルし始めたらヴィネガーと塩を加える。ブロスがなくなってクックしたら、骨を全て取って肉を裂く。再びポットを火にかけて安い粉を入れる。濃くなるまでボイルする。卵黄を4つと卵白を2つ入れてかき混ぜる。クミンを少量、ブラックペッパー、サフラン、クローヴ、スプーン一杯の豚又はビーフの脂を加える。上にシナモンを振ってサーヴする。

 

 

17.小さなハトのペイストリィ(Paste’is de pombinhos※)

洗っておいた小さなハトを用意してその肉の中にスライスを入れる。ベーコンのスライスを中に入れる。スパイスで味を付け、火でクックする。ドウで大きなペイストリィを作る。その中に小さなハト、ビーフのブロス、マトン又はニワトリ、ヴェルジュを少量又はレモンの汁を入れる。ペイストリィのドウでフタをして中火のオーヴンの中でクックする。

 

   inho: “小さい“を示す接尾語

 

  e Viandier :  45.鳩。足は取って頭は付けたままローストしたものは細かい塩で食べる。パイに入れたものは細かい塩、ワイン又はスキャリオン、パイから出た脂と一緒に食べる。を見ると料理の基本となる食材に対する対処方法が全く異なっていることに気がつく。上の料理はパイであるが全く次元が異なる料理方法である。

 

 

18.lepaldados※ペイストリィ

小麦粉、水、塩でパンの固さのドウを作る。よく煉れたら非常に薄く、直径が手の幅位になるように、破れないように丸い葉の形に延ばす。溶かしたバターを用意してペイストリィの片側に油を塗る。しっかりときつく巻く。全てのドウをこの方法で処理をする。巻いたドウを2指の幅に切ってトレイの中に入れる。貴方の指で穴を、それぞれの巻いたドウの中央に開ける。味がないのではなく、よく味付けをしたミンスした肉を詰める。巻いた別のドウでフタをして中央を抑える。オーヴンに入れてよく焼く。

 

  lepaldados:この単語はなじみがないし私の辞書にもない。

 

 

19.ラードしたニワトリ(Galinha alardada

きれいにして味を付け、ニワトリをラード(alardear:ちょうどいい状態であることを示す)する。次に針と糸を使ってスモークしたポークベリー(スモークしたベーコンをここでもおそらく使うであろう)の非常に薄いスライスをニワトリ全体に巻きつける。中火のオーヴンの中でクックする。

 

 

20.クックしてスモークしたニワトリ(Galinha cozida e ensopada)

ニワトリを塩、コリアンダー、ミント、タマネギ、それに少量のヴィネガーで味をつけてクックする。クックしたらすぐにその汁を取っておく。汁を濾して別のポットに入れてボイルする。この汁の中に卵黄と卵白を12ダース、固ゆでした卵黄を4つ別に入れる。ある程度くっつくように(一緒になるように)しっかりとよく混ぜる。ニワトリを深いサーヴィングトレイの中に入れてパンのスライスの上に卵のブロスを注ぐ。クックした卵を周りに置いてシナモンを振る。

 

 

21.ウサギ(Coelho

塩のみで味を付けた兎をローストする。その後小さなピースに切る。バター、(叩いた?)タマネギ、ヴィネガー、クローヴ、サフラン、ブラックペッパー、ジンジャーと一緒にソテーする。次にソテーの 中にウサギのピースを入れて、ボイルする。パンのスライスの上にサーヴする。

 

 

22.別のムーア風ニワトリのレシピ(Outra receita de galinha mourisca

非常に肥えたニワトリをピースに切る。弱火の上で脂をスープスプーン※2杯、ベーコンのスライス2-3枚、コリアンダーをたくさん、パセリを少し、ミントの葉を2-3枚、塩、非常に大きなタマネギと一緒にクックする。フタをして時々かき混ぜて茶色に焼く。次にニワトリを水の中に入れる。ボイルするとすぐ塩、ヴィネガー、クローヴ、サフラン、ブラックペッパー、ジンジャーで味を付ける。ニワトリがクックしたら溶いた卵黄を4つ加える。深いサーヴィングトレイを用意してパンのスライスを敷いてその上にニワトリを置く。(ここではスープスプーンと特定しているのでこれ以外のレシピではティスプーンを指しているように思われる)

 

 

23.若い雄ウサギ(逐語訳をすれば、ウサギの若い息子、Modo de preparar o la’paro

少し焼いた若い雄ウサギを用意する。※ピースに切る。別にボールの中で卵を2-3個、卵白と卵を一緒に混ぜる。砂糖で甘くする。肉をトレイにとって溶き卵を上にかける。ムーア風のニワトリ料理も同様に料理するが、この料理は砂糖を入れて巻いたパンのスライスの上にサーヴする前にフラワーウオーターで湿らせて砂糖とシナモンを振る。そしてサーヴ直前に湿らせる点が異なる。

 

   “若い雄ウサギを用意して、少し焼く。ピースに切る“の順序で訳した方が理解しやすいのだが、原典に忠実に訳すと上のようになる。おそらく雄ウサギを用意する者と,焼く者と、ピースに切る者がそれぞれの役割を分担しているので上のような記述になったと思われる。

スムーズでない、ぎこちない表現の箇所をチェックすると料理を作る集団の役割分担、即ちフローシートが判る。

 

 

24.へーゼルナッツ(ミートボール)(Almonadegas)

非常に肥えた骨のないポーク又はマトンを用意する。非常に細かくミンスする。塩、クローヴ,サフラン、ジンジャーで味を付ける。クックした卵黄を中に入れてミートボールを作る。その後小麦粉の中に入れて転がす。平鍋の中で非常に熱いバター又は貴方が好むのであれば、バターと脂の多いマトンンブロス、それにcheiro-verde(私はこのハーヴに覚えがない。逐語訳をすれば、“グリーンのにおいのする”)を一束加えて“へーゼルナッツ”(ミートボール)を加える。蓋をする。時々ミートボールを注意深くかき混ぜて割れないようにする。たくさんのソースといっしょにサーヴする。ソースの量が多くない時は、他の平鍋のブロスを加える。

 

 

25.ゆっくりとクックしたウサギ(陶器のロースターの中で)(Tigelade de coelho

ウサギに味をつけてピースのベーコンと一緒にクックする。非常に柔らかくなったら取り出してミンスする。ポークベリーを非常に薄くピースに切る。全ての材料を陶製のロースターの中にウサギとベーコンを交互に並べる。インディアンクローヴ、サフランを1つまみ加えてパセリ、コリアンダー、ミント、タマネギをよくかき混ぜてこれでフタをする。ウサギをクックした中にブロスを注ぎ、ポットを火にかける。ボイルするとすぐに火からロースターを移動する。卵白と卵黄を一緒に1/2ダースの卵を溶いて上にかける。オーヴンの中に戻して茶色にする。

 

 

26.陶器のポット中でゆっくりとクックしたヤマウズラ(別のレシピ)

 (Tigelada de perdiz(outra receita))

ヴィネガーを入れないように気をつけて、ベーコンのスライス、塩、cheiroverde(?)と一緒にクックする。テーブルにサーヴするためにピースに切る。濃くなり過ぎないように砂糖を450g、フラワーウオーターを数滴加えてシロップを作る。ボイルしたらすぐに火からおろし、このシロップの中に非常に薄い、味の付いていないパンのスライスを浸す。その後シロップが非常に濃くなるまで火にかける。卵白を取った1ダースの卵に砂糖を加えて甘くする。この卵の中にヤマウズラのピースを加える。平鍋の中にシロップから(取り出した)パンのスライスを敷いて、ヤマウズラの上に甘い卵をかける。

 

 

 

III. 卵料理(Pratos com ovos

 

 

27.スクランブルドエッグ(Ovos mexidos

少量のフラワーウオーターで薄いシロップを作り、ポットを用意して火にかけてトロトロと煮る。次に古くなった(dormido:眠っているの意)パンのスライスを加える。クックしたらすぐに(火から)外してサーヴィングトレイに移す。卵を1ダース溶いてこのシロップに加える。ボイルしたらすぐに、全てをゆっくりと、卵がばらばらにならないように常に同じ方向に混ぜる。

クックしたらスロッテッドスプーンで卵をとってパンのスライスの上に置く。砂糖とシナモンを振ってサーヴする。

 

 

28.ストロー(Canudos

砂糖を少量とバター1スプーンでペイストリィのドウを作る。非常によく煉ったらテーブルの上で延ばす。貴方の好みの大きさにストローを作ったらバターの中で軽くフライする。中に上と同じレシピの甘い卵のフィリングを詰める。その後濃いシロップに浸す。シーヴの中で乾燥して砂糖とシナモンをまぶす。

 

 

29.レースの卵(Ovos de la,cos

卵黄を10個、卵白を2個、小麦粉を2スプーン混ぜる。小さな、非常に浅くないキャセロールディシュにバターを半分まで満たして火にかける。バターが非常に熱くなったらそのドウを非常に小さな口をつけてパイピングバッグに入れる。それをボイルしているバター中にレース(又は弓)を形づくるように絞る。ドウが黄金色になったらすぐにポットから取り出し、シーヴの中で水気を取る。砂糖とシナモンを振ってサーヴする。

 

 

30.マルメロのペイストリィ(Paste’is de marmelos

非常によく煉ったペイストリィのドウを作って寝かせる。マルメロを用意して皮を剥き、4つに切る。卵を2-3個非常に硬くなるまでクックする。卵黄を取って半分に切る。牛の骨髄を23個軽くボイルして、非常に薄くスライスする。ドウを非常に薄く延ばしてペイストリィを作る。層の中に砂糖、シナモン、4つに切ったマルメロ、半分に切った卵黄、骨髄を少量入れて、層の最後は砂糖、シナモン、バターを少量、塩一つまみを入れて終わる。オーヴンの中に入れてペイストリィが半分焼けたところで上にバターを少量引いて、その後フラワーウオーター又はローズウオーターを塗る。茶色過ぎないように気を付ける。

 

 

 

IV. ミルクの料理(Manjares de leite)

 

 

31.白い料理(Manjar branco)

簡単にほぐせるように何も入れない水のなかでニワトリの胸肉をゆっくりとクックする。次にほぐした胸肉を冷水の中に入れる。米を450gよく洗ってタオルの上で水分を取る。よく潰して細かいシーヴを通す。ポットの中にミルクを1.4L、砂糖を200入れて甘くする。このミルクにニワトリの胸肉,米粉、塩を加えて味を付ける。弱火にかけて常に混ぜる。ほとんどクックしたら更に砂糖が要るかどうか味を見る。できたら火から下ろし、23分更にクリームをかき混ぜる。小さなボールに入れて、上に砂糖を振ってサーヴする。

 

 

32.ミルクペイストリィ(Paste’is de leite

ポットに水を230g入れてボイルする。ボイルしたらすぐにミルクを230g、砂糖を230g加える。次に卵白と卵黄を別々にかき混ぜる。少量の小麦粉を入れて全体をまとめる。この混ぜ物の中にミルクを少し入れてペーストを作る。次いでボイルしているブロスの中に全て入れる。クックしたらすぐに出す。砂糖2、卵黄2、少量のバターでペイストリィを作る。よく煉って適当な形にする。オーヴンの中に入れる。完全に焼かない。ペイストリィの内側から型を取って甘い卵のフィリングをペイストリィに詰める。ペイストリィにバターを塗ってオーヴンに戻して完全に焼く。このレシピで大きなペイストリィが6個できる。

 

 

33.クックしたミルク(Leite cozido

このレシピは砂糖を入れない点を除いては上のフィリングと同じものである。濃くならないように少し粉を多めに加える。

 

 

34.ミルクカスタード(Tigelade de leite

4つ、砂糖5スプーン、小麦粉5(スプーン)、塩一つまみをしっかりとかき混ぜる。次に小さな陶器製のラメキンにたくさんのバターを塗り、クリームをその中に入れる。上にバターを少量のせてオーヴンの中でクックする。

 

 

35.フライしたライスボール(Beilho’s de arroz

卵をミルク、砂糖、塩一つまみとクックする。横に置いて冷ます。別に卵を2個混ぜる。ここに小麦粉を1スプーン加えてこれを冷ました米に混ぜる。平鍋にバターを入れて熱し、非常に熱くなったらスプーンでバター(煉った粉)を落とす。フライングパンの中で大きく広がったら小麦粉の中で転がす。平鍋に既に非常に濃いシロップを入れて火にかけた中に小さなボールを加える。次いでそれをシーヴに入れて乾かす。砂糖とシナモンを振ってサーヴする。この方法で白いフライしたボールの料理を作ることが出来る。その時は小麦粉の変わりに米粉を使って更にクックする。

 

 

36.イザベル デ ヴイヘナ夫人のミルクカスタード(Tigeladas de leite a’ D. Isabel de Vilhena

卵を30個一緒にほぐす。次いでこの卵の一部に小麦粉を12スプーン混ぜる。ドウを残りの卵に加えてよく混ぜる。ラメキンを12個用意してこの粉と卵のバターを入れる。残りのスペースに(その上に)クックしたミルクを満たす。全ての材料を再びボールの中に入れて砂糖を450gと塩を1つまみ加える。よく混ぜる。たくさんの溶かしバターをラメキンに塗ってこのバターを詰める。詰めたらすぐにオーヴンに入れて焼く。焼いている途中で縮んだら再び(バターを)詰める。爪楊枝を刺して火が通っているか確かめる。

 

 

37.イザベル デ ヴイヘナ夫人のタルトレット(Almoja’venas de D. Isabel de Vilhena

新過ぎないチーズを3、しっかりと潰して、そこに小麦粉1、全卵3、を加える。チーズが柔らかいときは卵黄3と卵白1のみを加える。全て一緒によく混ぜて、均一のペーストを作る。ついで、非常に細かい粉、砂糖を少量、バター、フラワーウオーターを2―3滴入れてペイストリィのドウを作る。よく煉れたらこのドウは少し休ませてその後非常に薄いシートに延ばす。このドウにカッティングホイールで細工を施し円形などに切る。ドウの端を指で持ち上げて小さなタルトのように形づくる。次いでチーズのフィリングをこの小さなタルトレットの中に詰める。これをたくさんのバターの中で弱火で非常に熱いラードの中でフライする。バターやラードがフィリングの上に少しも落ちないように気を付ける。黄金色になったらすぐに火から外す。ボイルしないで、ライトシロップを作ってこの中にタルトレットを浸す。シーヴの中で乾燥させてシナモンを振ってサーヴする。

 

 

 

VI.プリザーブ(Receitas de conservas

 

 

38.皮を剥いたシトラスのコンポート(Compota de diacidrao

きれいで傷のない柑橘果汁(この時代レモンなのかオレンジなのかシトラスが意味する果実が何であるのか確かではない)を選ぶ。果実は熟したものである。4又は8つのピースに切る。すぐにボールの中の冷水に漬ける。火にかけたポットの中に非常に薄いライトシロップを入れる。この中にシトラスのピースを詰めて並べる。こうしてシロップに浸す。全ての物を布又はフタでカバーしてシトラスに太い針が簡単に通るまでクックする。シロップが減ったら別のボイルしている(シロップ)をポットに入れてクックする。このシロップか濃くなったら、シトラスを別のシロップに中に入れて又ボイルする。よくクックしたらシロップからシトラスを取り出し、冷水の入っている容器に入れる。この作業を1日に3回、4日間繰り返す。つまり,朝から夕方そして夜まで、4日目の最後にこのシトラスのピースをポットに並べてボイルしている湯で満たす。布でフタをしてシトラスを浸す。別にライトシロップを作り、この水から出したシトラスを入れる。このシロップはボイルしておかねばならない。15日間、1日に一度毎回強く(長い時間/激しく?)ボイルしたこのシロップに浸ける。すると最終回にはこのコンポートが完成している。見掛けをよくしたいのであれば、このシロップから出して、別のフラワーウオーター(almiscar,東洋の動物から得られる香り---ムスク?)を2-3滴入れたシロップの中に移す。再び全てを、シロップが光るまで火にかける。腐らないようにシロップでしっかりと封をすることが大切である。質が悪くなったと気が付いたらすぐにコンポートをボイルするときれいな状態を保つ事ができる。コンポートを8日で仕上げたい時は1日に2回ボイルすると良い。どんな果実も同じ方法で作ることが出来る。2日でボイルしたいときは卵白で水を澄ませて、それを濾し、ボイルしてフルーツにかける。白い斑点が現れたら、それはフルーツが腐り始めているので,その時はフルーツを出してシロップをボイルする。卵白でもう一度澄ませる。シロップが澄んだら再びフルーツの上に注ぐ。シロップは常に光った状態でフルーツをおおっていなければならない。

 

 

39.小さな皮(Casquinhas

ミドリ色の(おそらく熟していない)シトラスを用意して4又は8つのピースに切る。果肉を取って非常に薄くなった皮を冷水を入れた容器に入れる。塩少量を水の中に入れて少しボイルする。再び冷水に入れる.にがみを溶かし出すために一日に2回水を取り換えて小さな皮を3日間浸ける。浸け終ったら最後にシトロンに針が簡単に通るまでクックする。シロップを作って、うまく全てが浸るようにシトロンのスライスを入れる。毎日ボイルしたこのシロップの中にスライスを入れておく。最後の(日)にシロップにフラワーウオーターを2-3滴加える。コンポートを再び火にかけて最後のボイルをする。

 

 

40.ピーチコンポート(Compota de pe’ssego

旬の(?)ピーチを選んで一番硬いものを見つけて火にかける。篩った灰を少し入れた非常に熱い湯の入ったポットの中に少数入れる。ボイルしたらすぐにピーチを取り出して冷水の入った次の容器の中に入れる。皮がむけないものは再び別の灰を入れてボイルしている湯の中に入れる。すぐに冷水に戻す。ピーチは素早く熱湯の中に浸してクックしないようにする。

次いで冷水の中に4-5回つけて、毎回少し休ませる。最後に別のボイルしている中に入れ、別の冷水の中に入れる。冷水は2時間経ったら取り換える。2日間冷水の中に入れる。この水は1日に5回取り換える。最後にピーチを入れて休みなくボイルする。次いでシロップを(em ponto do fio:糸になるポイントを示している。今で言うキャンディの状態)つくり、ピーチに縦に穴を開けてシロップの中に入れ、望みの段階までクックする。コンポートが完成したらフラワーウオーターを2-3滴加える。全てのポットの中に入れ3-4日間シロップを軽くボイルする。温かくなったらピーチの上に注ぐ。

 

 

41.レモンのデザート(Doce de limao)

非常に厚い皮のあるレモンを2-3個分けて〔選んで〕端に針を突き刺す。灰を少し入れた水の中でクックする。ご存知のようにクックしたら針で突き刺す。レモンを冷水に漬けて素早く/少しだけ冷水の中で中を開けずにしっかりときれいにする。その後別のきれいな水の中で激しく動かす。1日に3回水を取り替えて3日間浸漬する。毎日ボイルして冷水に戻す。3日目にレモンを洗い終えたら火にかけて硬くならないように非常にしっかりと最後までクックする。最後にシロップを作ってレモンの上にボイルしているシロップを注ぐ。レモンが被る量を入れる。このシロップの中に15日間入れて、毎日シロップをボイルする。15日前にシロップが濃くなりすぎたらレモンをボイルしてフラワーウオーターを少量加える。

 

 

42.ペアー又は….のコンポート(Compota de pe’as ou codornos

うち傷や腐りのない,完熟していない立派なペアーや….?を分けて(選別する)8つにスライスする。カットしたら(スライスを)冷水に入れる。火にかけてボイルしている湯に中にフルーツを入れてクックする。Stilletoで端から端まで3回切れ目をつける。クックしているか針で突き刺して見る。湯がミドリ色に変わったらフルーツを出して、ボイルしている別の湯の中に移す。クックするまで(繰り返す)。次に水を全て捨ててボイルしているライトシロップの中にペアート?を入れる。長時間ボイルして火から外して冷ます。15日間別々にシロップをボイルしてフルーツの上に注ぐ。2日毎にシロップをきれいにするとよい。15日間シロップの中にフラワーウオーターとムスクを2-3滴入れる。新しく作ったシロップに取り替えるとコンポートの見栄えもよくなる。

 

 

43.ペアー(Perinhas dormideiras

熟れすぎていない、青すぎないペアーを4-5ダース用意する。8つにスライスしてすぐに冷水を入れた容器の中に入れる。次に、ポットにボイルしている湯(用意して)の中にそのペアーを入れてクックする。先ず2回、縦に穴を空ける。クックしているとピンが(簡単に)刺さる。それが落ちたら(出来ている)水からペアーを出してシーヴの中に入れてキッチンタオルをかける。次いでシロップを通常の高さ(私自身砂糖に関する文献には精通していない)に作って、既にポットの中に並べたペアーの上にかけて温める。シロップがペアーを被っていること。ポットはしっかりとフタをしておくこと。8日間毎日強くシロップをボイルしてポットの中にあるペアーにかけて温める。この工程を一日ごとに繰り返し7日間以上続ける。最後の日にこのコンポートが仕上がっていなければ、シロップをボイルしてペアーの上にかけて温める。更に2日間行なう。最後に全てを火にかけてペアーとシロップにフラワーウオーターを少量加え1/2時間均等にボイルする。再びペアーとシロップを分けて(シロップを)濾したらフルーツに戻す。コンポートを作っている間はシロップを毎日濾してフルーツに戻す。2日毎にシロップを澄ませるのが便利である。コンポートを作っている間にシロップの中に白いスポットが現れたら全てを火にかけてボイルする。毎日新しいシロップを加えるとフルーツの見栄えがよい。 

 

 

44.パンプキンのコンポート(Doce de abo’bora

非常に硬いパンプキンを手に入れてピースに切る。貴方の好きな形とサイズを選んで皮を剥いて中をしっかりと掃除する、ボールに冷水を満たして、一握りの塩を入れる。底に沈んだ塩を混ぜる前に、卵を1個水  に入れる。この卵が水の表面に浮いて小さな大きさの10 centaroのコインが現れたら木のスプーンで塩を溶かす。この塩水を濾してパンプキンのピースといっしょに入れ物に入れる。浸して24時間後、パンプキンを取り出して、すぐに冷水に浸けて、この中に3日間入れる。(1日に5-6回水を取り換える。水につけた後、冷水に漬けてパンプキンの味をみる。

まだ塩の味がしたら、再び3日間水につける。毎日水を取り換えて冷水に移す。3日目にはピースにピンがしっかりと通るまでクックする。

パンプキンを水から出して、非常にしっかりと乾かす。次いでこのピースを深い入れ物に入れてシロップを満たす。15日間パンプキンのピースをシロップの中に入れておく。毎日パンプキンを出してシロップを火にかけてボイルする。パンプキンはこの間入れ物に入れて熱い湯に入れてカバーする。シロップの中にピースを入れるときには、カバーしておいた湯からパンプキンのピースを出して非常に乾かす。このスィートを準備している間、このシロップは2日毎に卵白を使って澄ませて置くべきであり、コンポートを入れる前に毎日濾さねばならない。15日経つとコンポートは完成する。最後の日に新しいシロップを加えると見栄えがよい。

 

 

45.レタスの茎(Talos de alface

非常に硬くて長いレタスの茎を選んで筋をしっかり取ってきれいにする。非常にきれいになったら、太い茎を用意して入れ物の中に冷水といっしょに入れる。ポットの水を火にかけてボイルしたら茎を入れてピンが通るまでボイルする。次いでクックした水から茎を出して乾かす。ポットの中に入れてボイルしているシロップを注ぐ。15日間このシロップを別々にボイルしてまだボイルしていないものを茎の上に注ぐ。この作業の終わりにはこのコンポートが完成している。

 

 

46.シトロンの砂糖煮(Diacidrao cristalizado

非常にきれいな傷の無いシトロンを選び、4つに切る。このスライスを8つのピースにする。次いで、このフルーツを2つの非常に熱い湯の中に入れる。タオルで水気を取ってシーヴの中に入れて日光の下で乾燥する。濃すぎないシロップを作る。ボイルしたらシトロンのスライスに注ぐ。ポットを(ボイルするポイントになるまで)まで弱火にかける。火からポットを外し、そばにシトロンのスライスを置いて、シロップが少し濃くなるまでかき混ぜる。この濃いシロップに中にシトロンを戻して急いでシロップから出して冷す。フルーツが冷めたあとで手に付いたらシロップが濃くなるまで火に戻す。出来上がったらシーヴの中で乾燥して日光と風で乾かす。

 

 

47.オレンジフラワースィート(Doce de flor de laranjeira)

オレンジの木から花を集める。非常に新しくて咲き始めのものを冷水に24時間浸す。次いで水気を全て切って、花を水盤に詰め込む。軽く押さえる。水盤から花を取り出して別の冷水を入れた入れ物に入れる。(花が)水面に浮いてきたら再び水盤に入れて又軽く押さえる。水盤から花を取り出して温かい水を入れたポットの中に入れて布でフタをする。しばらく置いてから水をこぼし、冷水で花を洗う。再び別の温かい(水)を満たす。花から完全に酸味が抜けるまで水を替える。次いで花をシーヴに入れ、乾燥して冷ます。常に布でカバーする。砂糖のシロップを作ってシロップと同量のたくさんの蜂蜜を入れる。

 

この(シロップ)混ぜ物をしっかりと蜂蜜の(外観を呈する)ポイントになるまでボイルする。別のボールにシロップを6、オレンジの木の花を3入れる。ポットを弱火にかけて花がバラバラにならないように非常にゆっくりと同じ方向に一定の早さで混ぜる。同時にスプーンで少量のシロップを注ぐ。クックしている間にポットを火から2-3回下ろし、シロップが温かくなったら(熱い状態から冷めたら)火に戻す。花がクックしたら貴方の歯で味を見るように。花が挽けなかったら(柔らかくなったら)出来ている。花が乾燥しすぎていたら完全にクックする前に蜂蜜と砂糖のシロップを少し注ぐ。クックした後でシロップが多すぎると取り除く。全て出来たらこのスィートを陶器のテリーヌの容器に入れて冷ます。常に冷たい場所に置く。

 

 

48.ximenesのマーマレード(Marmelada de ximenes

シロップを2kg作る。次いで、既に皮を剥いてきれいにしたマルメロ2kgを既に火にかけておいたシロップの中に入れる。フルーツがクックしたらシロップから取り出し、潰して細かいシーヴに入れる。残っているシロップを……….camdying time になるまで。おそらくgrand perle’まで加熱)になるまで火にかける。火からシロップを外し、マルメロを加える。長時間混ぜる。次いでポットを弱火に戻し、柔らかくならないように(又は、結晶化、どちらか判らない)円を描く方向ではなく一定の方向に混ぜる。ペーストがポットから離れたら(例えばくっついていない)ペーストはクックしている。マーマレードがこのポイントになれば、少しスプーンにとって、上に薄い膜が出来たら、これに触れても指が汚れないという方法でわかる。マルメロをクックしている間に、シロップが赤くなったら別の物と取り替える。赤いマーマレードがお望みであればポットを高い温度の上に置くと良い。

 

 

49.一口大の(スィート)(Bocados)

一口大のスィートを同じ白いマーマレードという前のレシピを使って作る。前程クックしない。出来たらマーマレードをテリーヌに入れて、翌日一口大のスィートを作る。これと同じ前のレシピの中に50gのフラワーウオーター又は、almiscarada(?)を入れることが出来る。

 

 

50.砂糖を透明にする(Para clarificar acu’car

ポットに水を入れる。たくさんではない。(ソフトピークまで混ぜる)の時に卵白を入れる。次いでポットに砂糖を入れて全てを火にかける。かき混ぜずにボイルする。卵白が全ての不純物を吸い取ったらポットを火から下ろし、穴の開いた杓子で卵白を取り除き、シロップを濾す。その後再びポットを砂糖のポイントになるまで(水が乾いて砂糖だけになる?)火にかける。完全にきれいにならない時は再び少量の水と少量と別の卵白をポイントオブスノウの時に入れて砂糖を火にかける。泡(卵白の)が非常に白く出てきたら砂糖はきれいになっている。この工程で水がいくら残っているのか確かではないがシロップは濃く、すぐにpoint of sagarになっているべきである。砂糖450gに対してpoint of snow の時点では卵白を2つ使う。

 

 

51.マルメロのコンポート(Compota de marmelo

野生の類に入る細長い、ペアータイプの非常に長くてすべすべしたマルメロ※を2,3個、皮を剥いて4つに切る。次に8つにスライスする。ポットを火にかけて水をボイルする。マルメロを加えて非常に素早くボイルする。その後マルメロを水から取り出し、冷水の入った別の容器に入れる。冷水の中に3日間入れておく。1日に3回水を取り換えて、毎日軽くボイルする。(一度低い温度でボイルする)最後にボイルするときはピンが簡単に通るまでしっかりとマルメロをボイルする。ボイルしている湯からピースを取り出して深い容器に入れて熱い湯で満たす。次いでその湯をすっかり捨ててスルーツの上に糸のポイント※の温かいシロップを入れる。15日間シロップと少し火にかけて軽くボイルして、マルメロの上に注ぐ。最後の日には全ていっしょに火にかけて軽くボイルする。ポットを火から外し、コンポートの中にフラワーウオーターを少し入れる。

 

※マルメロは一属一種であるがバラ科ナシ亜目に属し、リンゴ、ナシとも近縁である。

  filet, 砂糖水をボイルしたとき持ち上げると軽く糸を引く、約105Cのシロップであろう

 

 

52.洋梨のデザート(Perada

皮をつけた洋梨を11/2kgをクックする。その後シーヴにかけて濾す。次いで糸の段階※のシロップを作り、ペーストをシロップに混ぜそのポイント(温度)まで加熱する。今流行のコンポートを作るにはクックを少し手前で止めて火から下ろすと少し柔らかく仕上がる。マルメロと洋梨を同じ量使って作ることが出来る。

 

  petit boule’ 垂らすと糸状になる、115Cまで加熱したシロップであろう。

 

 

53.D.ジョアナのマーマレード(Marmelada de D. Joana

2kgのマルメロに対して砂糖を21/2kg使う。マルメロをそのまま、水がかぶる程入れてクックする。皮を剥いてピースに切る。細かいシーヴを通して濾す。マルメロを火にかける前に皮を剥いてもよい。その時は少し砂糖を入れてクックして、シーヴを通して濾す。ミラーステイジのシロップを作り、フラワーウオーターを少し加えて、火から下ろし、シーヴを通して濾したマルメロに垂らす。しっかりと混ぜる。再びポットを火にかけてマーマレードが(ポット)底からはなれるまでかき混ぜる。

 

 

54.タフィ?(Alfe’loas)、砂糖のペースト又は、濃いステージにまでボイルしたシロップ、これを使うと種々のスィートが出来る。

1kgの砂糖をシロップにしてフラワーウオーターを2-3滴入れる。シロップがボイルしたらポットを火から外す。この段階になったら、モリの先を(シロップにつけて)冷水の中に入れる。そこからシロップの中に入れる。再びそれを冷水につける。砂糖がモリの先から離れて円筒形になって、結晶化したらうまくその段階(にまで到達)になっている。テストするのが難しい時はシロップを少量冷水の中に入れて小さなボールを作り、貴方の歯でそれを(テスト)味わって見なさい。(歯)に付かなければその段階に到達している。花やアーモンドのオイルを大理石の板に塗って、その上にそれが砂糖のように(結晶化)ならないように素早く注ぐ。スパチュラ又は木のスプーンで3-4回返す。次に、両手で出来るだけ早く大理石に上で延ばす。腕を閉じたり開いたりする動作で、素早く行なう。すっかり延ばしたらペーストの上に一方向に手を動かして渦巻きの形に巻きつける。砂糖が、作業を終える前に結晶化しないように、これをするには風がない外で行なう(風の流れから離れて)ことが大切である。

最後に濡らした布をテーブルに広げて、編んだ砂糖の上に広げる。固まったらすぐに小さなピースに切る。

 

 

55.コンフィット(Confeitos

1/2kgのアニスをトーストしてシーヴの中できれいにする。次いで、ポットを弱火にかけて砂糖4kgでシロップを作る。先端がパールの形になったら(小さな泡)ボイルしているので、出来るだけゆっくりとしたボイルするように常に石炭/グリルに上にポットを置く。トーストしたアニスを加える。Candyingの段階になったらフラワーウオーターを少量加える。ポットを大きな炎の上に置いたままにしない事が大切である。

 

 

56.ファルテスFartes(farto由来?“たくさん”の又は“過剰の”と言う意味)

小麦粉を7L用意して、均等に2つに分ける。それぞれにくぼみを作る。そのうちの1つにオリーヴオイルを1L、他方に湯を入れる。別々に混ぜる。よく煉れて延ばせるようにする。このドウで好みの大きさのビスケットを作る。茶色になり過ぎないようにオーヴンに入れて焼く。次いでビスケットを挽いて非常に細かいシーヴに通す。次いで小麦粉を7L、ビスケットの粉を7、蜂蜜を7fartesを包むドウを作る。蜂蜜を7L火にかけて、ボイルしたらすぐにペッパーを15g入れる。更に少しボイルして450gのアニスシードと少量のビスケットの粉を交互に入れる。ピースにしてボイルしている蜂蜜の中に入れる。ペーストになって転がるようになるまでビスケットの粉を加え続ける。乾燥して篩う前にドウのペーストがクックしたらクローヴ15g、ジンジャー15gをポットに入れる。しっかりと混ぜる。ドウが手から簡単に離れ(もうくっつかない?)たら、ドウは出来上がっている。次いで火から外したら冷めるまでよくフタができる器に入れる。次いでfartesを包むドウを取り、延ばして中にフィリングを入れてしっかりと封をする。パステス(ペイストリィ(rissoles))の形にしてトースト(乾燥/黒くする)のではなくオーヴンでクックする。

Fartesは砂糖とその半量の蜂蜜それにアーモンド又はパインナッツを好みの量入れて作る。アーモンドを使うのであれば、ドウ/ペイストリィがクックする前にポットの中に入れる。パインナッツを使うのであれば、Fartesを作る時にフィリングに加える。各Fartesに生のパインナッツを2個入れる。一部を砂糖で作るフィリングは、砂糖が硬くなる間に蜂蜜はすぐにボイルするので、シロップを作る者は誰でも、蜂蜜と砂糖の量を同じにして粘着性のよい結果を得るにはシーヴの中に残っているビスケットの粉を混ぜるべきである。

 

 

57.ビスケット(Biscoitos

小麦粉を14L用意して2つのくぼみを作る。1つには 砂糖を1kgと湯を少し入れる。あとの1つにはオレンジフラワーウオーターを1/2L、ホワイトワインを1/4L、小さなスープスプーン1杯のバターを入れる。お望みであれば、バターの代わりにスィートオリーヴオイルを使うことも出来る。ドウがよく煉れて柔らかくなるまで全てをいっしょに煉る。ビスケットを作って熱いオーヴンの中で焼く。

 

 

58.Masapao(粉、卵、砂糖、アーモンドで作る今のスィーツの前の形)

砂糖1kgで濃いシロップを作ってフラワーウオーターを2-3滴加える。シロップがweak ball の段階になったら既に皮を剥いてモルタルで挽いたアーモンドを1kg加える。アーモンドが油っぽくなるのを防ぐために、挽いている間にペストルをフラワーウオーターで濡らす。アーモンドをシロップに混ぜたらすぐに火から下ろして(混ぜ続けている)ドウが非常にやわらかくなるように小さなスープスプーンに一杯の小麦粉を加えて混ぜ続ける。再びポットの火にかける。手に少し取るとクックしているのがわかる。非常に粘着性があればそのドウは出来ている。

ポットを火からはずし、ドウを陶製のボールに入れる。ドウが冷め始めるとすぐに濡らした手で貴方の好みの形にmacapaesを作る。

 

 

59.今のスポンジケーキのようなものPao-de-lo’

砂糖1kgでシロップを作る。ミラーのように(キャンディに関する語彙と思われる)なったらすぐにフラワーウオーターを2-3滴加えて、火から外す。ピースにするので(細かく挽くのに対して?)アーモンドを1kg皮を取って少し潰す。シロップに混ぜる。しばらく混ぜて、次いでポットを弱火にかける。一方向に混ぜ続ける。時々ポットを火から下ろしてドウが非常に硬くならないように常に混ぜる。平鍋の縁から離れるようになるとクックしている。ドウを濡らした平鍋の上にあける。又はバターを塗った上に木のスプーンで厚すぎないようにあける。好みの形に小さなピースに切る。

 

 

60.ピーチマーマレード(Pessegada

ピーチを2箇所切って半分にする。マルメロは1箇所切る。別々にクックする。クックしたら、細かいシーヴに通す。次いでペーストの重さと同じ量の砂糖を加えて(?)ポットを弱火にかける。マーマレードの段階になったら砂糖漬けを小さな箱に入れる。

 

 

61.マルメロのゼリー(Gele’ia de mardelo

マルメロのジュースと同量の砂糖を用意してフラワーウオーターを少し入れていっしょに火にかける。シロップが蜂蜜の粘度になったら、ポットを弱火から外す。陶製又はグラスのジャーに入れて保存する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                     Index

 

 

 

 

オリーヴオイル  2.14.15.56.57.

オレンジ  (38.47.

オレンジフラワー  47.

 

クローヴ   1.2.7.11.12.14.15.16.21.22.24.25.56.

小麦粉  2.5.10.13.18.24.29.32.34.35.36.37.56.57.58.

コリアンダー  1.3.14.20.22.25.

米  31.35.

コンフィット  55.

コンポート  38.39.40.42.43.44.45.51.55.

 

砂糖354.5.6.7.9.11.12.13.23.26.27.28.29.30.31.32.33.34.35.36.37.43.46.47.50.51.53.54.55.56.

57.58.59.60.61.

サフラン   1.2.14.15.16.21.22.24.25.

シナモン  3.4.5.6.7.10.11.12.13.16.20.23.27.28.29.30.35.37.

シロップ  7.10.12.13.26.27.28.35.37.38.39.40.41.42.73.44.45.46.47.48.49.50.51.52.53.

54.55.56.58.59.61.

ジンジャー  1.14.15.2.24.56.

スクランブルドエッグ  27.

シトラス  38.39.    

ストロー  28.

ゼリー  61.

トランショワールにのせてサーヴする料理  15.20.21.22.23.27.

 

パセリ  3. 22.25.

バター    1.2.3.4.5.6.10.11.13.18.21.24.28.29.30.32.34.35.36.37.57.59.

パンプキン  44.

ビスケット  56.57.

ファルテス  56.

ヴェルジュ  17

フラワーウオーター  訳者は後半のレシピの中にローズウオーターが出てくることから、フラワーウオーターはおそらくローズウオーターを示しているであろうと述べている。

  7.10.11.13.26.27.30.37.38.39.40.41.42.43.49.51.53.54.55.57.58.59.61.

ブラックペッパー  1.2.8.14.15.16.21.22. 

ペアー  42.43.51.

ペイストリィ 1.5.6.10.12.13.17.18.28.30.32.37.56.

へーゼルナッツ  24.

ポークベリー  6.16.19.25.

 

マーマレード  48.49.53.60.

マルメロ  30.48.51.52.53.60.61.

ミルクカスタード  34.36.

ミント  3.20.22.25.

 

ヤマウズラ  2.26.

 

レタス  45.

レモン  1.3.17.26.38.41.

ローズウオーター  30.

 

 

 

 

 

 

 

                Portugese  Index

 

 

 

Alamiscarada  49.

Alardear  19.

Alfitote   6.

Almiscar   38.

 

Centaro  44.

Cheiro-verde  16.

 

Dormido  27.

 

Erva-doce  アニスシード  56.

 

Fartes  56.

Frango   9.

 

Inho  17.

 

Lepaldos  18.

 

Macapaes  58.

Muscovado  9.

 

Pasties  56.

 

Ressoles  56.







to the top