Le Menagier de Paris  ca1393
 

 



 




 

これはJanet Hinsonの翻訳(第四章から第五章)を補足する目的で付け加えたものです。

Le Menagier de Paris のプロローグ、第二部の第一、二、三章及び、四章の最初をここで紹介しています。(出典はEileen PowerThe Goodeman of Parisであり、レシピの前に打った連番はGina L. Greco & Christine M. RoseThe good wife’s guideを参考にしています。)

                                                                               ©Copryright2010佐藤義範

 

 

 

                    






プロローグ

 

 

親愛なる貴女へ。

貴女は十五歳になり、この週に私と結婚をした。貴女は、貴女が経験を積み知識が身につくまで貴女の未熟なわけのわからない若さに対して私が寛大でいられるように祈ってくれた。貴女はあらゆる気配りをすることを心にとどめ、私に愛と平和を維持するために努めることを私に誓った。貴女に勝る深遠な知恵で貴女は賢明に語り、私はそれを信じた。ベッドの中でせがんだのを私は覚えている。

神の慈悲により他人や貴女の召し使いの前で厳しくしかるのではなく、毎夜、あるいは昼間に我々の居間で貴女が行った無作法なあるいはばかな行為を思い出して叱ることにしよう。

 

もし貴女に差し支えなければ、そして貴女が誓ったように、私の教えと指示に従い努力しようというのであれば、そして私の意志に、全て委ねようというのであれば。

あなたの言葉は私に喜びを与え、私から賞賛と感謝を勝ち得えたのです。あれ以来、私はその時の貴女の言葉を時々思い出すのです。

 

親愛なる貴女。私は結婚してから今までの貴女の行いをすべて知っている。そしてこれからも思いやりをもって振る舞ってくれるものと信じている。これは私が好ましく思ったことであり、これからも私を満足させてくれることであろう。

 

貴女の若さは貴女の無分別を許し、良かれと思って行った事であれば、なおのこと許されるであろう。そしてこのことが私を不快にさせることはない。貴女が歌を歌い、ダンスをして、花飾りを作り、ヴァイオレットの世話をして薔薇の手入れをするのを気に入らないよりむしろ満足しているのだ。私は貴女が友達や同胞の人達とそのように振舞うことを止めはしない。領主様のような高貴な方々とダンスをしたり、宴会に行こうとしない限り、そんなことが貴女に起こることはないが、又私は無論、貴女の身分でも起こることはないが、貴女の若い時代をそのように過ごすことはふさわしくよいことだ。

貴女は私の為に喜んで役に立ちたいといってくれた。もし貴女にできるなら、私がそれを教えよう。

親愛なる貴女、私は貴女が貴女の親族の夫人達が夫にするように、又貴女と同じ身分のよき隣人がその夫達に献身的に尽くすように私にしようとしていることに十分に満足している。密やかに彼らに相談して貴女が好ましいと思う方法に従いなさい。

というのは、貴女が私のためになす振る舞いやあらゆる献身的な行いに満足しないほど貴女の思いやりに対して傲慢ではないし、貴女が心配していることに関して混乱、軽蔑または見下した思いもないのです。

私は貴女が私よりも家柄が良いということはよく知っているが、だからといって神に守られているということはないのです。貴女の家族の夫人達は自ら厳しく律するだけの良家の出である。もし私が言わなくとも、もし彼らが私、あるいはほかのところから貴女の間違いを知ったなら、しかし、私は心配していない。私は貴女の思いある行動を信頼しているのだから。

 

しかしながら、今の私は先ほど述べたように、劣った奉仕の状態にある(多くを貴女に期待するのは適切ではない)。大いなる誉れが貴女のものになるとわかれば、あなたに対する賞賛は益々ご両親や私に対する誉れと愛は私に対する奉仕ではなく、(私にもかかわりがあるが一般的な意味での奉仕)

私には貴女が長く父親も母親もなく、私的な相談事に乗ってくれるあなたに近縁のご婦人もいないという哀れに思う感情と愛があったので、ああっ、神の御慈悲を。貴女は貴女の親族に連れられて貴女の生まれた国からここに来た。

 

前に述べた困難を伴わずに貴女の仕事に役立つように計らうには如何に単純かつ一般的な導きで貴女を教授しようか、と思い巡らせていたのだが。

そして結果的には貴女の愛が貴女の言葉通りであるならば、つまり私が貴女のために書き、貴女に贈る319章からなる、一般的な知識をもってなし遂げることが出来と思うのだ。

 

 

第一部

3つの部の第一番目は神の愛、貴女の魂の救済、そして夫の愛を獲得し、結婚生活の中に平和を得るために必要なことが書かれている。勿論この2つの事柄は、つまり貴女の魂の救いと夫を楽しませることは何よりも大事な事であり、それ故に最初に記しておいた。

第一部は9章から成っている。

第一章は我々の魂の救済と貴女が起きて装う度に唱える聖母マリア様への感謝について述べている。

第二章はふさわしい友人、教会へ行く、教会での席、ミサを聞き、懺悔をするに関して述べている。

第三章では神と聖母マリア様の恩寵を受けて行う愛と奉仕の心構えについて述べている。

第四章ではスザンナ、ラクレマ、その他の例を引きつつ貞節と節制を持って暮らすべき心構えを述べている。

第五章ではサラ、レベッカ、ラチュルの例を引いて夫(私あるいは別の)には愛を持って仕えるべきであるとの内容を記している。

第六章では溺れている夫を救えなかったグレセルダ婦人と“それがあるままに”と答えた聖母マリア、puysと答えたルシファー、トロワのバイ、僧侶と夫、マダムアンドレ、シャンウとローマの夫人を例に挙げて謙虚さと従順であるべき事由について述べている。

第七章では夫の知人に対する気配り、意を配した態度で臨むべきことを記しておいた。

第八章ではパピルス、8つの卵を抱いた婦人、ベネチャン夫人、(コンポステラの)セイントジェイムズから戻った婦人を例に夫の秘密を守る必要性を説いておいた。

第九章の最後の章では夫がばかな行いをした際に貴女が賢く謙虚に夫をそこから手を引かせねばならない例をメルビウスとヨハン・ラ・カンタンに例をとって説いている。

 

第二部

第二部は6章から成り、将来の不幸に備えて援助を行う目的での家政の利益、友人を増やすこと、財産の節約の必要性について述べている。

第一章は精励と忍耐を持ってこなす家政について述べた。家政の中に自らの痛みを取り去り、そこに喜びを見出すのだ。詩篇の中で“あの城に行き着けるように”。と歌われているように。

第二章は庭を耕しちょっとしたコツと喜びを見出せる事柄、“冬に薔薇を育てる、適期に接木をする”について述べた。

第三章は様々な召し使いたちの選択について述べている。つまり、従僕、門番、雑役夫または時間で仕事をこなす者、重労働に携わる者、そして召し使いなど。それから、仕立屋、靴屋、ベイカー、パイ職人など。

特に家の中の召し使いを如何に働かせるか、例えば、脱穀、ドレスをきれいにする、家の中の空気を入れ替えて乾燥させるなどの他、馬や羊の世話に対しどう指示を出すかについて述べておいた。

第四章は貴女に関してだが、家の中での女主人としてどのようにディナー、サパー、料理とコースを取り仕切るか。そして肉屋、鳥屋に関すること、それにスパイスの知識について述べておいた。

第五章は病人の食事やポタージュ、スープ、ソースその他の料理を如何に作らせ、工夫を凝らすかについて述べておいた。

 

第三部

第三部は3章から成り、貴女の感情を和らげ、友達との会話の中での話題ともなるゲームと遊戯について述べておいた。

第一章は興味をそそられる質問に関するもので。この質問を先に示しその答えをルークとキングを使っての賭け事のダイスによる奇妙な方法で出して置いた。

第二章は(鷹狩に使う)ハヤブサの飼育と飛翔の方法についてである。

第三章は数字に関する謎解きについてであり、これは難解で答えを見出すことも解き明かすことも難しいものだ。

 

 

 

 

                                                        第二部

 

 

第一章 忍耐と精励でこなす家事

 

 

美しい貴女へ。

ここで書くのを終えようか、あるいは更に書き進めようか、頭を悩ませているところだ。今まで以上に貴女をうんざりさせるのではないかと思っている。もしそうであれば、私は貴女に対して大変なことを押しつけてしまったことになる。

私が聞き分けのない人間だという思いを抱かせてしまったかも知れない。

私の助言があまりに多く、それが耐え難く、重荷に耐えない恥ずかしさと、私に対する怒りに打ちのめされているのではないかとも思うのです。

それというのも今の貴女には全てのことに耐えることも、なし遂げることもできないからです。

それ故に、私はここで私自身のことをよく考え、貴女に対し、過ぎる程の事柄を課してはいないかよく考えようと思う。

そして貴女が貴女に取って必要であり誉れとなるべき事柄のみを受諾できるように助言しておこうと思う。それらの事柄は数少ないかも知れないが貴女に取って更に必要とされるこれらの事柄が貴女の基礎を成すに相応しいものであれば有るほど、そして、よく導かれれば導かれるだけ、それだけ貴女の言葉や行いがより誉れ高いものになると思うからです。

 

私は貴女が他の婦人達以上に物事を処してゆくことができるのを知っています。それ故に、私は貴女に、始めにどの程度の期待をしていいか考えていたし、より多くの期待が必要なのか否か、より多くの課題がどの程度でなければならないかに付いても考えていた。

仮に貴女の能力を超えていることがあれば、常に援助の手をさしのべることを心に刻んでおこう。

従って私が述べたことを最初にここに集めておいた。

まず、貴女に忠告しておこう。目を覚まし起きた時に神を讃え、そして教会に行くのだ。そこで神の慈悲と愛に身を委ね、ミサを聞き懺悔するのだ。

神にかけて言うのだがこれは貴女に必要なことだし、誰一人貴女のためにしてはくれない。貴女を救ってくれるのは貴女自身なのだ。

貴女は自制する心を持ち貞淑であり、夫を愛し、夫に従い、夫の秘密を決して明かさず、仮に夫が馬鹿なことをしたり、しようと欲した時には如何に断念させるかわきまえていなければならない。

このことも又貴女にとって必要であり、誉れに思うことである。貴女一人のことであり、さしたる重荷ではないだろう。先ほど述べた教えの助けを借りて上手く処していけるだろう。神の教えは貴女に取って大きな支えであろうし、他の婦人達が決して得られるものではないのだ。

しっかりと、私が先ほど述べた事柄をよく思い返し、貴女のこと、貴女の子供のこと、それに家事のことを考えねばならない。

しかし、この3つの事柄を成すに当たって助けを必要とするは当然なことです。それで私は貴女が如何に振る舞えば良いのか、何を助けとし、どんな人々を選択すれば良いのか、そして如何に人を働かせれば良いのか、ご助言申し上げよう。

これらの事柄に関し、貴女はご主人の下で成さねばならない事柄を整理し、管理し、実行に移せるよう事を運べば、それで良いのです。

従って貴女にはよくお分かりだと思う。かわいい人よ、重荷を負わされていると不平を言うべきではない。委ねられているだけなのである。しかも貴女に可能なことだけを、実際楽しいことで満たされた事柄でなければならない。神に仕えるように、貴女の夫の友人に気を配らねばなりません。そして、それが貴女にとって全てなのです。

 

 

第二章   園芸

 

 

 

貴女が種を蒔き、植えて育てるものは全てここに書き留めておこう。種を蒔き、植えたり接ぎ木をするのは湿度の高い早朝か前日の夕方でなければならない。日が盛りになる前に、月が欠ける期間に、そして水やりは葉ではなく土と茎にやりなさい。

 

又、日の盛りに水を遣るのではなく前日の夕方か早朝に水を遣るべきである。キャベツやパセリや他の青物を切ってはいけない。このような野菜は芽が再び出てくるし、日の盛りに切るとその切り口が堅く日焼けして、切った場所から再び芽がでなくなってしまう。

 

註、雨の日は植物にとっては良いのだが種を蒔くには適していない。種が熊手に付くからだ。万聖節(11/1)からソラマメの準備に取りかかるが、霜に会わないようにクリスマスや1月、2月にかけて植えるとよい。一方で霜の害にあっても他のものは会わないように3月の始めには植え付けをしておくとよい。

そして、芽が土から出てきたら丈夫な芽が顔を出すように熊手をかけて最初の新芽を折りなさい。6枚の芽が出てきたら直ぐにその上に土を被せなさい。これで完全だ。

最初に採れたエンドウ豆は非常にデリケートで、採れたその日のうちに皮を剥いて食べなさい。直ぐに黒く苦くなってしまいます。

 

寒い冬にヴァイオレットとマジョラムを手許に置いておくには、寒い場所から暑い場所に移してはいけない。それらは長い冬の間中湿った場所に置いておいたので、急に乾いた場所におくと枯れてしまうからです。

冬の間にセージの枯れ枝を刈っておきなさい。又、セージ、ラヴェンダー、ディタニィ、coq(ハナハッカ)、ミント、クラニィ(オニサルビア)は1月、2月に5月に向けて植えなさい。

パースニップの種を蒔きなさい。ギシギシを3月から3月末にかけて月の欠けた時期に蒔きなさい。

 

12月や1月の冬の気候はポレイや野菜を枯らすのだ。つまり地面の上のものは全て枯れるのだ。しかし、2月になると根から新しい芽が出てきて再び柔らかい葉が出てくる。つまり霜の季節は終わり2週間もすればホウレンソウが出てくる。

 

Porree’とは一般的にこの時代、ビート、ホウレンソウ、又は青物野菜又は、これらを使ったスープを示す。

 

2月、キダチハッカ、マジョラムが、即ち同じ味のものを月の欠け始めた時に種を蒔き土の中に8日間留まっている。

又、キダチハッカはセイントジョーンズデイ(6/24)まで続く。

又、月が欠けている間は木や葡萄、sow white 、結球キャベツを植えるとよい。

ツルは植えた時から根を出させるのだ。

 

※吸根を出す植物はその年の内に根を出す。植え替える時には根を付けておくの意味。

 

ホウレンソウは樫の木のような銃眼の形をした長い葉をしていて、2月が旬である。青物や野菜のように房になって育つ。湯がいてから料理せねばならない。ビートはホウレンソウ

の後から出てくる。

 

註、ラズベリーの木又はラズベリーを植えることは良いことだ。

 

3月、月が欠け始めた時に移植をするとよい。ヤネバンダイソウは3月からセイントジョーンズデイの間に、ヴァイオレットとナデシコの種は3月に蒔くか、セイントレミイデイ(10/1)に苗を植えるのだ。

又、霜が近づいたら、ポットの中に植え替え、月が欠けたら覆いの下に置くように、地下室に入れて寒くしておく。昼は空気を当てるか、日光の下に置いて水を遣る。覆いの下に置く前に土が乾いて水を吸い上げる時に遣るのです。夜になって濡れたままで放っておいてはいけない。前にも言ったようにビーンズを植えたら熊手で最初の芽を欠いておく。

 

パセリの種はレディデイ(3/24)の前日に蒔き、9日間経つと芽を出す。

 

フェンネルとマジョラムは3月か4月の月の欠けた時に植える。

マジョラムはヴァイオレットよりも肥えた土地を好む。日陰が多いと育っても黄色い。

又、そのような状態で抱えてこんでいた時には束にして別々にポットの中に植え替えてやらねばならない。

又、枝は切り落として、土の中に入れて水を遣る。そうすると、根を出して大きくなる。土地に肥料をやる。牛や羊の糞は馬のものよりもよい。

 

3月、ヴァイオレットやアルメニアヴァイオレットに覆いや囲いは必要ではない。

アルメニアヴァイオレットは2年経ったものでないと花を咲かせないが、庭師は1年間直植えしておき、植え替えたものを売っている。それからそれは花をつけるのだ。

 

   Parma violet

 

ギシギシとバジルは1月と2月の遅くとも3月の月が欠ける頃には種を蒔き、1年前に種を蒔いたものを植え替えようとするのであれば、その根の周りの土をつけて移植しなければならない。

又、ギシギシを料理するには要領がいるのだ。大きな葉を集めてその下の小さな葉をそのままにしておく。もし、全ての葉を集めるのであれば下に向かって茎を切っていく。そうすると新しいギシギシが再び出てくる。

 

パセリの種を蒔いて雑草を取り、石を取りのぞく。8月に種を蒔くのが一番よい。背が高くならないし1年中良い状態で育てることができる。

レタスは種を蒔くべきである。気を付けなければいけないのはレタスは種を蒔くと直ぐに芽が出てきてたくさん茂る。だからあちこち地面を掘り返して窮屈にならない様にスペースが空くようにしてやらないといけない。

フランスレタスの種は黒く、アヴィニョンレタスは少し白い。モンセニュール・デ・ラ・リヴェルはレタスを伝え、かつてのフランスのレタスよりも柔らかく質のよいものとなった。

種が付く枝はその枝から順に出てくるので、一つの枝から取ったら、次の枝からといった順で種を取っていく。

レタスは移植をするのではなく、取って食べるのであれば根から全てを抜く。

 

※パリ近郊のレタス。

Bureau de  la Riviere:シャルルⅤ世のお気に入りで、8/16/1400没、アヴィニョンレタスは今日のローマンレタスと同じものであると思われる.

 

 

パンプキンの種は2日間水に浸してから蒔く。地面から芽が出たら根元に葉を濡らさないように水を遣る。4月になるとそっと水を遣り別の場所に移植する。地面に1/2フィート又は4インチ掘って隣同士1/2フィート離して植え付ける。葉は常に湿った状態にしておき、ポットの中には麦わらを入れ水を遣ったりしている。又は細長い布を※。

 

※掛けて水が滴り落ちるようにしてやる。

 

ビートの種は5月に蒔き、食べられる頃になると根の近くで切る。そうすると葉を出してまた大きくなり、青物として利用できる。(葉を利用。)

 

ルリヂサorachは上に述べた通り。

 

ホワイトキャベツと結球キャベツは同じものだ。3月の月の欠ける時期に種を蒔く。葉が5枚出た時に静かに引き抜いて株の間を1/2フィート離して移植する。地面の中に深く入れ根本に水を遣る。67月に実がなる。

ハートキャベツは3月に種を蒔き、5月に移植する。ローマンキャベツはこれらのキャベツと同じ性質で種も同じタイプである。

種は茎になり、種から茎が出てこれが大きくなってキャベツの芯になる。

下の方から芽を出した種はローマンキャベツになる。

貧弱な芽は2回目の成長をしてキャベツとなり3月まで採れる。3月の芽キャベツは味が強く、長めにボイルするとよい。この時期になるとキャベツの茎は地面から引き抜くとよい。キャベツは雨になる6月に移植をするとよい。

 

蟻が庭に一杯いる時にはオーク材のおがくずを巣の上に撒いてやると蟻は死ぬ。または、次ぎに雨が降った時に死んでしまう。それというのもおがくずがあるとずっーと湿っているからだ。

 

4月と5月になると、この各月の間に食べられるように青物や野菜の種を蒔いておくとよい。夏の青物は根を残すように切るとよい。そうすると冬になった時、根から再び葉が出てきて地面を覆うようになる。キャベツの周りを熊手でかきならして新しいキャベツの種を植える。そうすると古いキャベツの周りに芽が出てそれを収穫することができる。

註、青物の種は4月から(6/22)のセイントメアリーマグダレンデイまで蒔く事ができる。芽キャベツの種蒔きは6月からセイントメアリーマグダレンデイにかけて行い、ビートよりも早い。

また、ホウレンソウや前に述べたビートは地面の上に芽が出てくると一列に並べて植え替える。

また、4月と5月になると2月と3月に種を蒔いたホワイトキャベツとハートキャベツは移植する必要がある。

5月には新しいビーンズ、蕪、ラディシュが出てくる。

 

パセリは6月のセイントジョーンズデイ(6/23)に種を蒔かねばならない。そしてまた、8月中旬の前日にも蒔かねばならない。

 

8月と8月中旬にヒソップの種を蒔く。

キャベツは復活祭の季節に種を蒔き、パセリは背が高くならない様に月が欠けた時に蒔く。

 

註、9月中旬まではポレイ又は野菜は新しい葉を5-6回出す。パセリも同じように葉を出すので株の上で切るとよい。そのあとは株が腐るが手で真ん中から外側の葉を刈り取る事ができる。

この季節には種ができて葉が落ちる。寒い気候なので茂らないのだ。種を切って捨ててしまえば、株から新しい葉が出てくる。

 

註、この時期はパセリは切らずに葉を摘むのがよい。9/8Our Ladyの誕生祭のあとは百合の球根、薔薇、カラントを植える。10月はピー、ビーンズを地面に指の深さに4インチずつ離して穴を開けてできるだけ大きなビーンズになるように植えるのだ。

新しい豆で小さな豆よりも大きな豆を、そして霜でいくらかしおれても他の豆が残っているように2-3回やってくる月の欠ける時毎に数を分けて植えるのだ

乾いて晴れた、雨の降っていない時に穴の開いたピーを蒔くと雨の水が豆の穴に入って腐って半分に割れて芽を出さない。

 

万聖節までにキャベツは植え替えるのだがイモムシにたくさん食べられて葉がなくなって芯だけになったら植え替えるとたくさんの芽を出す。下の葉を取って上まで埋めてやる。葉を取って芽がでるように土の中にそのままにしておくとよい。

 

乾燥した夏に植えたら、穴に水を遣って、湿った気候であれば水を遣る必要はない。イモムシがキャベツの葉を食べたらキャベツの下にリンゴ酒を撒くと、雨が降ってイモムシが死ぬ。

キャベツの葉の下を見ると白い幼虫の塊を見つけることがある。ここからイモムシが生まれたのである。卵がうえつけられた葉を切り取り遠くへ投げ捨てなさい。

リークはその時期に種を蒔き、10月、11月に移植する。

種なし葡萄を作ろうと思ったら、月が欠ける時を見計らって葡萄を植えるべき時期、即ち2月に根の付いた葡萄の木を根の真ん中で切り裂いて両側から茎の髄を取り去る。

茎を剪定して黒い糸で縛る。その茎を植えてよい肥料を遣る。茎の継ぎ目には土を詰めておく。

チェリー又は、プラムを葡萄の台に接ぎ木しようと思うのであれば、葡萄を剪定して3月に末端から4指の長さに切り、木髄を両側から取り出し、そこにチェリーの種の大きさのスペースを作っておく。そしてそこに種を入れ、封入する。そして前に述べたように茎の継ぎ目を糸で縛っておく。

チェリーの木に葡萄を接ぎ木するには、葡萄の木を剪定する。葡萄の木は長い間植えてあったもので、チェリーの木の近くに根を張っていたものを選ぶ。そして3月のレディデイ(3/25)頃にチェリーの木の茎に錐で穴を開け、前述の茎を押し込む。少なくともチェリーの茎の中に1フィートの長さで入るようにしてチェリーの両側に穴を開ける。

そして、粘土と苔を詰め、穴に雨が入らないように周りに布を巻いておく。

チェリーの木の皮は剥いて葡萄の茎がチェリーの幹の中に入るように緑色のところまで皮を剥いで葡萄の木髄がチェリーの木髄と合わさって一つになるようにする。木の皮が残っていると上手くいかない。そしてこのまま2年間置いておく。その後チェリーを付けた茎の後側と下を切る

 

10-12本の木をオークの切り株で接ぎ木をするには3月にレディデイ(3/25)の頃に種々のたくさんの接ぎ穂を用意して、接ぎ木をしようとするオークや木にバラバラにノコギリを入れる。接ぎ穂の一方の先をとがらせ、オークや木の幹の間に入れる。接ぎ穂の木髄とオークの木髄が合うように入れる。粘土と苔と布で止め、雨や霜で痛めないようにカバーしておく。

冬までに薔薇の花を置いておくには薔薇の木から開ききった花ではなく小さな蕾を取る。茎を長くつけて、積み肥の桶のような小さな木の桶の中に入れておく。水は入れない。桶は密閉しておき何も出入りしないようにしておく。樽の両端は2つの重い石を結びつけて流れの中に沈めておく。

ローズマリー。庭師はローズマリーの種はフランスの土壌では決して育たないと言うが、ローズマリーの小枝を摘んで上から下へ皮を端まで剥いて植えてやると育つようになる。遠方へ送るには枝をロウで塗った布で包み、縫って封をして包みの外側に蜂蜜を塗り、小麦粉を振ればどこへでも送ることができる。

マンセニュール・デ・ベリー(Monseigneur de Berry がオーヴェルグ(Auvergne のチェリーはフランスのものよりも大きいと言うのを聞いたことがある。それというのもオーヴェルグ(Auvergne )では接木をしているからだ。

 

 

 

第三章        従者、召し使い、私室のメイドなどを選ぶ

 

 

どの事柄に関して述べようとも、あなたが立派な主婦になろうというのであれば、又は、そのことに加えてあなたの友達の、或る婦人を手助けしようというのであれば使用人には三種類あるということを、まずは知っておくべきだ。

その内、ある者は限られた時間だけ雇われた者であり、ちょっとした仕事、例えば背中に荷を負って運搬するポーターや、手押し車の者、馬を使った荷車運搬人達、それに1-2日間とか1週間の短期間のちょっとした必要があって、又は困難な仕事をする、又は骨の折れる仕事、例えば刈り取り、脱穀、葡萄摘み、篭担ぎ、ワインの桶屋などの仕事をする人達。

他には時間で雇う職人、例えば、仕立屋、毛皮職人、パン職人、肉屋、靴屋のような特別の仕事を請け負う人達がいる。

その他には住み込みの年決めで召し使いとして使う者達。これらの人達は非常に進んで仕事や雇い主を得ようとしている。

最初に述べた内容に関して言えば、彼らは荷おろしや、荷の運搬、重荷役の仕事に必要である。これらの仕事は骨の折れる荒い、口答えの起こる、横柄な偉そうな連中で仕事が終わり請求通りに支払わなかったりすると非難をして威張り始めたりする。      

神に祈っておこう。こういった仕事を依頼することがある時にはマスター・ヨハン・ザ・ディスペンサーに依頼するか、知り合いに捜させ、選択をする。又は捜させて安心できる人間を選ぶ。そして、後になってもめないように、仕事に取りかかる前に常に商談をしておくことだ。それにもかかわらず彼らは商談に応じようとはせずに、商談なしに仕事をしようとする。

そして、穏やかに、こう言うのだ、“旦那、ばかげたことでさあ、そんな必要なんてありゃあしやせんよ。あっしは旦那の決められた仕事をやる。旦那はたんまり払ってくださる”仮にマスター・ヨハンが彼らに仕事をさせたとしても、仕事が終われば彼らは“旦那、最初思っていたよりも手がかかりやしてねえ。あれやこれや、やらねばならねえことがありやした。あっちやこっちにも行かなくなってねえ”そこで渡した賃金を取ろうとはせずに、怒鳴り散らし、ばかな言葉を吐くのです。それで彼らと最初に合意に達しない限りマスター・ヨハンは彼らに働かせない、あるいは働くことを許可しないのです。

というのは、仕事が始まる前に貴女がやろうとすれば、そして彼らは仕事を失うかもしれないという懸念と、それとは別に賃金ももらえないという疑惑を抱いているのだ。

それ故に彼らの行いというのも尤もなことなのだ。

 

※執事

 

マスター・ヨハンが偶然に彼らの丁寧な言葉につられて、彼らを信用したのはそれはたまたま彼が商談することなく仕事をすることを許可したからだ。

彼らはよく知っている。彼らが仕事に着手した後では、誰もそれには手を出さないことを。そうなったら貴女は彼らの思いのままだ。彼らは更に要求してくる。もし彼らの希望どおりに支払わなかったら泣き叫び、罵り、あきれるほどの非難をしてくる。彼らは恥というものがなく悪い評判を流すのだ。これほどひどいことはない。だからこそ、いざこざを避けるためにも仕事の前にははっきりとした商談をすることが大切なのだ。少しこれに関して貴女に申し上げたい。様々な手管を身につけた人々を如何に働かせるのか、その上さらに、横柄な、思い上がった、人をバカにした、あるいは口汚い言葉で返答してくる人々とつきあう必要はない。

彼らは大きな利益や有利なことがあれば、ちゃらちゃらと寄って来るのだ。

貴女は淑やかに、口数少なく彼らを遠ざけておくとよいのだ。仮に彼らが又始めたら貴女は中傷や口論から逃げることはない。使用人や雇い人を平和に愛想よく雇うには賃金をたくさん払いなさい。役に立つ使用人を使えば、平和な状態でいられるのです。よい使用人を抱えていれば彼らは平和を運んでくる。同様に“不平屋は悲しみを運んでくる”という風にいわれているではありませんか。

又、他の者達、例えばブドウ摘み人、脱穀者、人夫、蹄鉄工、獣脂ロウソク屋、薬屋、鍛冶屋、車大工といった人達については貴女のために祈っていよう。貴女が仕事の前には話し合いと計算をして、おとなしい人達に仕事を言いつけることを、そしてそのことをずっと心に刻んでいることを助言しておこう。

そして、計算書や帳面を使って行う長期のつけではなく、時々の支払いをすることを。

それにもかかわらず帳簿や計算書を保存しておくことは、全てを記憶しておくよりもずっといい。

 

貸し主は常に総額はもっと多かったと思うものだし、借り手は少なかったとおもうからだ。それで口論や憎しみ、誤った叱責が生まれるのだ。よき貸し主には進んで支払うだろうし、借り手に対して愛情を抱くことにもなるのだ。借り手は貴女に対して態度を変えたりはしない。人は常に善良な人ばかりであるとは限らないのだから。

 

又、私室のメイドと家のメイド達は召し使いといい、貴女もご存じの通り、彼らは貴女によく仕えようとすればするほど貴女を怒らせまいとするものなのだ。私はDame  Agnes the Beguine(ダム・アネ・テ・ブギーヌ)あるいは貴女の意向に従って選んだ婦人にある権限を委ねよう。貴女の好みで雇うこと、私達の用をさせるために彼らを雇い支払うこと、貴女の意向にしたがって雇うこと、貴女の意思で解雇すること。そうは言ってもそのことに関してはこっそりと私に打ち明けた上で私の助言に従って行動してほしい。

 

※フランシス修道会などの第三会員に類する教会に属する修道女。看護、編み物にも従事した。ここではメイドの監督、介護、介添え、家事などをこなしている。

 

それというのも貴女はあまりにも若く、召し使いに騙されるかもしれないからだ。

召し使いの中には場違いの者や、主人や女主人を求めてわめいたり、押しかける者がいる。これらの者に対しては最後にいた場所を知り、使いの者を遣って前の雇用者の推薦書でわかるまでは誰も雇ってはいけない。おしゃべりの者か飲んべえなのか、前のところには長い期間いたのか、どんな仕事をして、どのようにその仕事をこなしていたのか、家はあるのか、友人はその街にいるのか、どこの国のどの地域からきたのか、そこにはどれくらい居たのか、どうしてそこを去ったのか。彼らの仕事と経歴から将来やらせる仕事を見いだすことができる。しばしばその手の女は離れた場所で何かの咎により責めを負い離れたところに出された者が居る。彼らに過ちがあるとすれば、女主人にあるのだ。男についても同じことがいえる。主人や女主人の報告書の中から望みの少女が見つかったらマスター・ヨハンを呼んで彼の帳簿の中に彼女の前でその日に契約をし、彼女の名前と父親、母親の名、それに親族と住所、出生地、その他の関連項目を登録してもらいなさい。召し使いはこういった記録を悪く書かれることをひどく恐れているのだ。仮に彼女が貴女の許可なく、あるいは何かの罪で何処かに行ったとしよう。貴女は召し使いの国の司法やその友達に訴状を書くであろう。それでもベルトラン・テ・オールドと言われている錬金術師に言っておくことを忘れないようにしておきなさい。

 

   Avignonの神学者Pierre Bertrand(1280-1348)の事?

 

彼は貴女がメイドを高給で雇い、高飛車の受け答えをしたらそのメイドはののしって貴女のもとを去るであろうし、又逆に甘言たっぷりのお世辞を言うであろう。貴女を騙す方法を見つけ出すので彼女を信用することはできない。しかし、仮にメイドが貴女が謝りを正した時に恥じ入り顔を赤らめるようであれば彼女を貴女の娘のように愛しなさい、と言うであろう。

つぎに心しておかねばならないことは、貴女は夫に次ぐ立場の女主人であり、命令を下す者であり、訪問者であり、行政官であり、政務官であるのだ。メイドが貴女に対し従順であり、恭順であるように教育し物事を正し、貞淑であるようにしておかねばならない。従って生活の中で暴飲暴食を許してはならないのだ。

 

又、貴女の隣人との諍いや、メイド同士の口論をも許してはいけない。他人の悪口を許してはならない。貴女の利益に及ぶ悪事に関してはそっと耳打ちして貴女を危害から救う場合は別にして。嘘をつくのを禁じなさい。禁じられたゲームを許してはならない。むやみやたらと断言したり下劣な言葉を口にしたり下品な言葉や口汚い言葉を許してはいけない。呪われた、又は育ちの悪い人達が忌々しい(血塗られた)熱病め“、血なまぐさい週め”、血を吐くようなひどい日めなどと呪って口にする、そんな言葉を許してはならない。彼らは何がとんでもない日で、何がこんちくしょうのひどい週なのか知っているように見えるが、本当は何が血塗られているのかを何も知らないのだ。ましてや眼の前で子羊やハトの血を見るだけで気分が悪くなる様な偽りのない婦人が知っているはずがない。確かに婦人は汚い言葉を口にすべきではないが.......。又、汚い言葉を口にする婦人はいる。あの人はあばずれだとか、ふしだらであると時に口に出す。何があばずれで、何がふしだらなのか良く知っているように喋る。率直な婦人はこのことに関しては実は何も知らない。だからそのような言葉を禁ずるのだ。彼らは何を喋っているのか判っていないのだから。仕返しすることを許してはいけない。そして私が貴女に話して聞かせたあのメリビウスの話を喩えに出して辛抱強く教えるのだ。あなた自身の為に。貴女が彼らに対して振る舞った、そのような存在でありなさい。貴女のその振る舞いの中に彼らは良いお手本を見いだすのだ。

 

それでは貴女の周りで働く人々や貴女の召し使い達に仕事をさせる時間とそれに見合った休息の与え方についてお話しをしよう。

このことに関しては貴女とダム・アネ・テ・ブギーヌ(彼女は貴女が賢明に穏やかな振る舞いができるように教授する、私に替わってその責任を委ねている人物なのだ)は、やり遂げねばならない仕事に応じて一人一人に職責を与え調整し整理しなければならない。そしてその仕事が一人一人に合ったものであるか工夫をせねばならない。

仮に貴女が召し使いに仕事を命じたとしよう。まだまだ時間があります“、直ぐにやっておきましょう”、又は、“明日の朝にしておきます” 彼らはこう答えるだらう。しかし、いったことを忘れるかも知れないのだ。又もう一度いわねばならなくなると、言ったことが無駄になってしまう。普段言いつけている仕事が全てこうだったら、上で述べたことと同じように、言いつけた一つ一つの仕事を見ていなければならない。

 

これで、貴女も良く解ったと思う。ダム・アネ・テ・ブギーヌが見ている目の前で貴女がやらせようと思っていることを始めるのだ。

まず彼女に部屋付きのメイドに貴女の家のエントランスを非常に早く掃除をしてきれいにするように命令をしてもらうのだ。つまり、ホールと人々が入って来て話をするその他の場所の掃除をして、そして、彼らに腰掛けの上のカバーとクッションの埃を取らせるのだ。そしてそのあと、他の部屋も同じように掃除と整理をして我々の住まいに相応しい状態にしておくように貴女がメイドに命じるのだ。

 

又あのダム・アネを介して、貴女が第一に気を配って入念に我々の私室のいる動物達に、ちいさな犬や鳥に抱くのと同じ配慮をするように頼んでおいた。又、貴女とブギーヌはさらに他の家禽に対しても気を配るのだ。彼らは喋ることができない。だからこそ彼らに対して少しでもその気があるのなら彼らに話しかけ、気をかけなければならないのだ。

 

又、ダム・アネ・テ・ブギーヌには、貴女が別荘にいる時には、そのほかの動物達の世話をしている者に世話をするように命じておいた。

 

※田舎に家を持つ者が都会の別荘にいる時にはダム・アネが牧場の家畜の面倒をみた。

 

例えば、ロビンは羊や雌羊や子羊の世話をしている羊飼いであるし、ジョソンは雄牛の世話をしている牛飼いだ。アーノルドは雌牛をジャヌトンは乳搾り女で雌牛や雌の子牛や子牛、雌豚、豚、子豚の世話をしているのだ。ユードキーヌはその農場の女房でガチョウ、ガチョウの子、雄鳥、ニワトリ、ノバト、鳩の面倒を見ている。そして馬車に乗ったり、農作業をしているので馬や雌馬などの世話をしている。そして、ブギーヌと貴女も雇い人に対して誰が何の世話をしているのか知っていて、気をかけていることを示しておくべきである。そうすることで彼らは更に骨身を惜しまず働くのだ。貴女が覚えていれば、雇い人にこれらの動物と鳥に餌をやることを思い出してもらうのだ。それにダム・アネ・テ・ブギーヌが貴女に対して貴女の羊や雌羊や小羊の話をするようにさせないといけない。定期的に農場を訪ねて、家畜の増減についてどのように誰が世話をしているのか尋ねなさい。そして彼女は貴女に報告をすべきであるし、貴女方二人の間で話し合ったことは書き留めさせておくように。

 

そして、もし貴女が、狼がいる地域にいるのであれば、マスター・ヨハンに教えておこう。、彼は貴女の執事であり、貴女の羊飼いであり、召し使いなのだ。狼を殴り殺さずに、次の狐と狼を粉薬で殺すレシピ“に従って狼を殺す方法を教えておこう。彼には黒いクリスマスローズ(このクリスマスローズは白い花を付ける)の根を取ってそれを徹底的に、太陽の下ではないその他の場所で乾かし、土をきれいに取ってモルタルの中で粉にする。この粉によく粉にしたガラスを5,百合の葉を4入れてよく混ぜてシーヴが通る位にいっしょに粉にする。又、彼には蜂蜜と新しい脂を用意させて、上で述べた粉をいっしょに混ぜる。これを固くしっかりとしたペイストにする。丸いニワトリの卵の大きさのボール状に丸めて、前述の新鮮な脂で覆い、石や陶器の破片の上に置いて、彼が知っている狼や狐の通り道に置くのだ。

彼が死んで古くなった獣を囮に使うのであれば2-3日でできる。又、薬をボール状にしないで腐肉の上に撒いておいてもよい。

 

   毒性のある下剤。

 

このように貴女とブギーヌが貴女の雇い人の幾人かにその人達に合った仕事をさせるようであればマスター・ヨハン・ザ・ディスペンサーに言って貴女の納屋に人をやって穀物やそのほかの貯蔵物を乾燥させたり運んだりさせるようにしよう。

雇い人達が、ネズミが出て穀物やベーコン、チーズやその他の生産物に害を及ぼしていると訴えれば6つの方法でネズミを退治するマスター・ヨハンに言いつけなさい。

6つの方法とは、第一にはすぐれた猫たちであり、第二にラットやマウスを捕まえる鼠捕器だ。第三には役に立つ召し使い達が作る棒の上に小さな板をのせて作る罠だ。第四にはトリカブトの粉を振ったケーキのペイストと焼いたチーズを飲み水がない鼠の穴のそばに置いておく。第五には飲み水から鼠を遠ざけておくのが難しい場合は、スポンジを小さく切り分けるのがよい。鼠がそれを飲み込んで、そのあとで水を飲めば大きく膨れて死ぬからだ。第六は1ポンドのトリカブトを用意し、2オンスのヒ素と1クオーターの豚脂、1ポンドの小麦粉と卵を4つでパンを作る。これをオーヴンに入れてクックし細長く切って釘で打ち付けておく。

 

さて、貴女が、貴女やブギーヌが、貴女に仕えている婦人に時に応じてシーツやベッドの上掛け、ドレス、毛皮の覆いやその他の掃除をさせたり、空気に当てさせるにはどのように仕向ければよいのかという話題に戻るとしよう。

貴女は知っていることだが、そして貴女が召し使達に言っておかねばならないことに関してだが。貴女の毛皮の覆いと毛織物を保存しておくには、それらに空気を通すのがよい。虫が中に入る害から守るために、そんな虫は夏に生まれて秋の寒い季節や冬の寒さが弛んだ時に集まってくる。そのような時には毛皮や毛織物を太陽の下や乾いた空気の下に並べるとよい。暗く湿った霧が出るとドレスにからみつく。貴女がそれらをそのような状態で包み込むと、霧が包んだ霧がまとわりついたドレスは以前よりも更にたちの悪い虫を囲い育てるのだ。だから曇った暗い日が来るとわかると、直ぐによく乾燥した日を選んで曇って暗くなる前に屋根の下にドレスを吊って、ほとんどの埃を取りのぞく為にドレスを振ってそれから乾いた棒でそれらを叩いてきれいにするのだ。ブギーヌは油のシミ又はその他の脂がついていたらどうしたらよいかをよく知っている。これはその救済方法である。ワインを用意して温かくなるまで加熱して、その中に汚れたものを2日間浸けておく。強く絞らずに汚れのついているところを圧迫する。汚れが取れない時はダム・アネ・テ・ブギーヌに言ってもっとたくさんのワインを用意してそこに雄牛の胆汁を混ぜて、これを使って上と同じように作業する。

又は、次の様にすべきである。フラー土を用意して灰汁の中に浸ける。そして汚れの上に置いて、乾かしてこする。土が簡単に取れない時は灰汁で湿らせて再び乾かす。そして土が取れるまでこする。又は、フラー土がない時は灰汁の中に灰を浸して、灰が十分に湿ったらそれを汚れの上に置く。又は、非常にきれいなニワトリの羽根を用意してそれを非常に熱い湯の中に浸す。グリスが全て羽根に残るように。そして羽根を熱い湯の中で濯ぐ、よく擦ると汚れが取れる。

 

青いローブが何らかの理由で汚れたり、色褪せしたら、スポンジを用意してそれをきれいな澄んだ灰汁に浸して絞る。それでドレスを拭って汚れをこすると色が元に戻る。毛織物の上に他の色がついて色があせていると灰汁を用意して、ヒダのある掛け布に使ってはいけない、灰を混ぜて汚れの上に置く。これを乾かしてから擦ると元の色が戻ってくる。

 

シルクやサテン、ラクダ織、ダマスク織り、又はその他のこのような織物で作ったドレスの汚れを取るにはヴェルジュの中に汚れを付けて洗うと取れる。たとえ色褪せていても色が戻る(このようにしているが、私は信じていない)。

 

ヴェルジュ

註、新しいヴェルジュを作る時期には瓶を用意してその中に塩の入っていないヴェルジュを入れておくとよい。ドレスの汚れを取ったり、色を元に戻したりするのに用いる。新しくても古くても常に上手く取れる。

 

又、どんな毛皮の覆いや毛皮であっても湿って固くなったものは衣装から毛皮を外して、ワインをふりかける。仕立屋が皺の寄った垂れひだのドレスに水をふりかけるように、口を使ってふりかける。そしてその上に粉を振りかける。一日そのままにしておき、最初の状態になるまでよく毛皮を擦る。

 

さて、以前私がお話ししようとしていた話題に戻ろう。貴女の執事は毎週ワインや酢の味を確認していなければならない。そして、穀物や脂、木の実、ピー、ビーンズなどの貯蔵品を確認せねばならない。そのことを言っておこう。ワインに関しては、それらが痛んだら次の方法で元に戻さねばならない。

 

第一に、仮にワインが痛んだら冬に中庭に置いた架台の上にワインの樽を置いて霜に当てる。そうすると元に戻る。

 

又、ワインが酸っぱくなったらよく熟れたブラックベリーを篭に一杯用意して樽の栓の穴から放り込む。そうすると改良できる。

又、ワインの臭いがおかしくなったらニワトコの粉を1オンスと同量にグレインズオブパラダイス(カルダモン)の粉をそれぞれ小さな袋に入れて木で穴を開けたものを樽の内側にヒモを付けてつり下げ樽の栓をしっかりと塞いでおく。

 

又、ワインが泥のようになったら卵を12コ用意して固くなるまで茹でる。卵黄を取りのぞいて卵白と殻を残しておき、これを鉄のフライパンの中でフライする。熱いまま上で述べたように穴を開けた袋の中に入れてヒモで樽の中に吊しておく。

 

又、大きな新しいポットを用意して三脚の上にのせてポットがよく焼けたら小さく割って樽の中に入れる。そうすると泥のようなワインがよくなる。

 

又、白ワインから赤味を取りのぞくには、ヒイラギの葉を篭に一杯用意して栓の穴から樽の中に放り入れる。

 

又、ワインが苦くなったら、水を一瓶用意しワインの中に注ぎ入れるとワインがオリと分離するかもしれない。皿を用意して小麦を一杯入れて水に浸す。水を捨てて新鮮な水の中に小麦を入れてボイルする。小麦が割れるまでボイルして外に取り出す。その中に割れた小麦があるとそれを捨てて熱い小麦を樽の中に入れる。これでどうしてもワインがきれいにならない時は篭にセーヌの水でよく洗った砂を一杯入れて樽の口の穴から樽の中に入れるときれいになる。

 

収穫期のワインを濃くするには樽の中を約2ガロン以上あけておき、樽口の周りを擦るとワインが漏れないので強いワインになる。

 

又、ワインの樽を軽く叩くと空気がワインの中に入らない。樽口の穴の近くに錐で小さい穴を開けて、銀貨大の小さな詰め物を用意してそこに詰める。小さな木の棒を2本用意して、上の詰め物の上に交差して置く。そして別の詰め物を木の棒の上にセットする。

濃いワインをきれいにするには、ワインが樽の中にある場合には樽から2クオート取り出して木の棒で混ぜるか又はオリとワインがよく混ざるまでかき混ぜる。卵を1/4ポンド用意して卵黄と卵白を長い間混ぜて水のようにする。粉にしたミョウバンを1/4ポンド入れて直ぐに1クオートのきれいな水を入れて栓をする。そうしないと樽口からワインが溢れてしまう。

 

   blanc10デニール値の銀貨。

 

そしてこのあとはこれをしたらマスター・ヨハンザ・デスペンサーに命じてリチャードに台所の空気を入れ換え、洗ってきれいにするように、そして台所に関わる仕事を全てさせなさい。そして、ダム・アネ・テ・ブギーヌは女に、そしてマスター・ヨハンザ・デスアエンサーは男に、貴女の召し使い達をあらゆる方向に振り向けるのだ。例えば一方を階上にやれば他方を階下に、一方を畑にやれば他方を街に、一方を私室にやれば他方をサンルーム又は台所にやる。一方をこちらにやれば他方は向こうの方にやって、各々がその技能と仕事の結果として、やらねばならないと承知している仕事の応じて、男と女が自らの稼ぎを得るのだ。そのように扱えば彼らはよく働くのだ。貴女も知っての通り怠惰は諸悪の根源なのだから。

 

   サンルームは通常、階上にあった。

 

テーブルに座る度に、量が多いが、彼らに一種類の食べ物だけを与えて、そしていくつかの変化がなくごちそうでもなければ、そして彼らに酔わないけれども栄養のある飲み物を一つ注文する。ワイン又は他の飲み物をいくつかの種類注文するのでなく、彼らにたくさんしっかりと食べて、たくさんしっかりと飲ませなさい。そうすると彼らはテーブルに肘をついたり食べ物の上でぐずぐずとしたり、長く座っていることはなく一気に食べるはずだ。彼らが話や言い争いや肘をつきはじめたらブギーヌに命じてかれらを起こしテーブルから移動させなさい。世間では召し使いがテーブルでしがみついている時は、そして馬が溝で草を喰っている時は思う存分食べていて食卓をかたづける時だ“と言われているではないか。

彼らが昼食を取ったあとで、それが普通の時であれば彼らに仕事を再びさせなさい。午後の仕事のあとや、祝祭日は彼らには別の食事を与えなさい。そのあと、つまり夜はたっぷりと前よりも多くの食事を与えなさい。天候が寒い時には体を休め温かくするようにさせなさい。

 

このあとマスター・ヨハンザ・デスパンサー又はブギーヌに屋敷を閉めさせなさい。誰も無断で出入りできないようにマスター・ヨハンザ・ディスパンサー 又はブギーヌのどちらかに鍵を保管させておきなさい。毎晩貴女がベッドに行く前にはダム・アネ・テ・ブギーヌ又はマスター・ヨハンザ・ディスペンサーに言ってワイン、ヴェルジュ、酢を調べて何もなくなっていないか、ロウソクに火を点けて見回るようにさせなさい。そして農夫には夜間の家畜の飼い葉があるかどうか調べさせなさい。

ダム・アネ又はマスター・ヨハンに暖炉の火は全て消えているか確かめさせたら、召し使いには彼らの手脚を休める空間と時間を与えなさい。そして、ベッドから離れたところに大きな脚のついたろうそく立てにロウソクが立っているのか、就寝前にロウソクの火を手か口で消すことを。そしてシャツのことも教えられているのか前もって確かめておきなさい。そしてお互いに翌日、別々に行動せねばならないことを。翌日の朝どうやって起きて、自分の仕事に取りかからなければいけないのか、貴女は彼らに話して注意を与えておくように。それで、貴女に言っておきたいことが2つあるのだが、一つは貴女に15-20歳になる私室のメイド又は召し使いがいれば、この年頃は分別がなく、世間を知らないので、彼らには貴女の近くで寝るようにさせなさい。小部屋や納戸で屋根窓のない、あるいは下を見下ろす窓がない場所で貴女が起きる時間に寝起きをさせなさい。そして彼らの近くにいて彼らに気を配っていなさい。あとの一つは貴女の召し使いが病気になったときには日常の仕事は横に置いて愛情と思いやりを持って見舞い、彼又は彼女を非常に注意深く面倒を見るように努めなさい。

 

さて私の申し上げたい事はここまでだ。貴女は休むか気晴らしをしていなさい。もうこれ以上話す事はありません。貴女が休んでいる間マスター・ヨハンザ・ディスパンサーと話をして、誰がこの家を取り仕切るのか、その結果彼が我々の家の為にはたらくべき事を少しでも理解できるように、例えば馬車の馬、又は乗馬の馬が動けない、その時には馬を交換したり購入せねばならない・・・・。

 

   このあと、次のような話が続く、馬の健康管理と病気に関する話の後、奇妙な病気の治療と魔よけとしか思えない狂犬にかまれた時の治療方法(後述)16世紀の本にしばしば書かれている良馬の18のポイント、狐の3ポイント、つまり短くてとがった耳、丈夫で法外な値段のするコート、ふさふさとした尾。野兎に関して4つ、細長い頭、油断のない動き、軽い動作、すばやい動き。雄牛について4点、大きい臀部、広い肩、頭から前に突き出た大きな目、低い重心。ロバに関しては3点、丈夫な脚、強い背中、陽気な性格。メイドに関しては4点、気が利くこと、ふさふさとした髪、きれいな胸、きれいな腿、大きなお尻。女性らしい標準を示したもので、馬のことではない。

 

 

 

 

第四章

 

 

 

マスター・ヨハンと共にどのようにディナーとサパーに工夫を凝らし命令を下せばよいのか、一家の女主人として知らねばならない料理とそのコースの演出について述べる。

 

 

 

始めにいくつかの用語を説明しておこう。如何に使うのかということを。これは一つの入り口であり、少なくとも一つの楽しみとなるように。

 

マスター・ヨハンを肉屋にやらねばならないので、全てのパリの肉屋とその肉の配達人の名前を次ぎに挙げておこう。

 

Porte-de-Paris(ポルト・デ・パリ)には週に一度の肉屋が19あり、繁忙期と閑散期を全て勘定に入れて羊を1,900、牛400,豚400,そして子牛を200売るのである。

 

※主要な肉市場がある。

 

Sainte-genevie’ve(サン・ジェネヴェ・エーヴ)では羊を500,牛16,豚160,子牛を6

 

※パリ大学に肉を供給した。

 

Le Parvis では羊を80,牛10,子牛10,豚を8

 

※ノートルダム地域。

 

Saint-Germain(セイント・ゲルマイン) には肉屋が13あり、羊を200,牛30,子牛30,豚を50

 

※地区の名。

 

The Templars には肉屋が2つあり、羊を200,牛24,子牛28,豚を32

 

※彼らの地域内で消費。

 

Saint-Martin(セイント・マルティル)では羊を250,牛32,子牛32,豚を22

 

   通りの名。

 

パリの肉屋が扱う総数は週に一度、王家、女王家その他のフランス貴族の肉屋を除いて、羊3,080,牛514,子牛306,豚600.金曜日には2,000から3,000の塩漬豚がそこで売られているのだ。

 

前に述べたものと同様に、王家で消費する肉の量について述べると、その量は一週間に羊を120,牛16,子牛16,豚12、そして塩漬け豚を一年間に200頭である。

家禽は一日にニワトリを600,ハトのつがい200,子ヤギ50,ガチョウのヒナを50である。

王女と子供達は一週間に羊を80,子牛12,牛12,豚12,それに塩漬け豚を一年に120頭、家禽は一日にニワトリを300,子ヤギ36,ハトのつがい150,ガチョウのヒナを36である。

 

オルレアン公も同じ量である。ベリー公も同様である。ベリー公の家臣の方々がおっしゃるには日曜日と祝日には牛を3,羊を30,ヤマウズラを160,アナウサギを全体の量に応じて消費すると言うことだ。

 

私は疑っているが。確かに大きな祝祭日や日曜日、木曜日はそうかもしれないが普通の日は牛2,羊20位であろう。註、ベリー公の宮殿では召し使いや従者が切り分けた牛の頬や下顎の組合人になっており、他の家畜も同様に取り扱われている。註、牛の首も前に述べた召し使いの組合人に与えられているのだ。又、首の次の部位は牛で最もよい場所で前肢の間の部位で胸に当たりその上は肩肉である。

 

ブルゴーニュ公はパリの王であり通貨はトゥルーである。ブルボン家では王女のところの半分を消費している。

 

又、貴女は毎日お金を使ったり払ったりすることはない。マスター・ヨハンに肉屋に持って行かせるかツケで肉を注文しなさい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Le Menagier de Paris  ca1393

 

 

 

これはJanet Hinson Jerome Piconの(1846年、フランス版、Le Menagier de Paris ca.1393を、翻訳したものです。忠実な翻訳でオリジナルが持つ独特の雰囲気を行間に漂わせています。首を傾げたくなる箇所も少なからず存在しますが読むほどに愛着の湧く内容です。Le Menagier de Paris は現在3部存在し、解釈の分かれるところは括弧内に示しておきました。

http://www.daviddfriedman.com/Medieval/Cookbooks/Menagier/Menagier.htmlから閲覧できます。

©Copryright2010佐藤義範

 

 

 

 

以下の料理の中で使われている語彙についてお話をし、その後どのように食材を選び、如何にその物を知れば良いかを、料理にまつわる色々な事柄を述べることによってお教えしようと思う。

 

5. まず、どんなソースやスープを作る時であっても、その為にパン粉を作り、スパイスを挽く時には、スパイスを最初に、次ぎにパンを挽き、モルタルに付いたスパイスをパンで集めると一粒の無駄もなくスパイスを集める事が出来る。

 

6. 又、ソースとスープの中に入れたスパイス、とろみ付けの材料は濾すべきではない。しかし、スープは澄んでいてより満足を与える物でなければならない。

 

7. エンドウマメやビーンズのスープやポタージュが火に掛かりポットの底が燃えている薪にさわっているときは焦げ付きやすい。

 

8. スープが焦げ付く前にあるいは焦げ付かないようにスプーンでポットの底をかき混ぜるのです。そうすればスープはそこで固まってしまう事はない。又焦げ付いているのがわかればかき混ぜずに急いで火を消し、スープを別のポットに移すとよいのです。

 

9. 又、どんなスープでも塩や脂を入れるまでは火にかけているときは沸騰して溢れることを知っておくべきだ。

 

10. 又、一番良いスープは牛の頬肉を水で2-3回洗い、ボイルしてよくアクを取ったものだ。

 

※ストック。

 

11. 又、アナウサギの太り具合は、両肩の間の肩の腱又は首をさわってみるとそこの腱が太いのでわかる。又、後足の片方を割いてそこが柔らかいかそうでないかで判断できる。

 

12. 又、ステッキングとラーディングとは異なる。前者はクローヴを使うし、後者はベーコンのラードを使う。

 

13. 又、カワカマスの卵は、ハララゴよりもシラコの方が旨い。ut patet in tabulaや肉団子を作るときはハララゴを使うけれども。

 

14. カワカマスと言えば一般にハーリングパイク、ピカラル、パイク、ルースを示す。

 

15. 又、生のシャッドのシーズンは3月から始まる。

 

16. 又、コイはよくクックすべきだし、そうでないと食べると危険だ。

 

17. 又、カレイはさわるとなめらかだが、シタビラメはそうではない。

 

18. 又、パリのガチョウ売りは大麦粉でガチョウを太らせている。良質の粉でもなければ、ふすまでもないが、2つの間のものを食べさせている。即ち、細かく、或いは2倍にひいたのものをカラス麦と同量混ぜたものを少量の水と混ぜ、ペイスト状にして、これを四つ脚の餌桶に入れ、近くに水を置き、敷きワラを毎回敷いてやる。そうすると15日で太るのだ。ちなみに敷わらは羽根をきれいにしておくのに必要なのだ。

 

19. 又、シャポンやメンドリを熟成するには(猟鳥の風味を加えるにはEileen Power)、喉を切って放血し、すぐにバケツの冷水の中に入れて殺す。そうすると2日前に吊した鳥と同じ程度に熟成する。

 

20. 年取ったマガモと若いマガモの見分け方は、同じ大きさの場合、若いダックは羽軸が柔らかい。川のマガモは、鋭い黒いツメをしていて脚が赤い。囲われて飼われているダックは黄色い色をしている。

又、頭のトサカやくちばしの上が全て緑色で、しばしば雄は、白い斑点が首の後にあり、頭の上の羽根はウェーヴがよくかかっている。

 

21. 又、モリバトは冬に味がよくなり、年を経たのものは中央の飛羽がすべて黒なのに対し、1年経ったハトは中央の飛翼が灰色で残りの部分が黒い。

 

22. 又、野兎は尾の下にある穴の数(?)でその年がわかる。たくさん穴のあるものは、たくさん年を重ねている。

 

23. 又、ヤマウズラは羽根がしっかりとしていて、肉にしっかりとくっついており、しかもきれいによくくっついていて、順序よく並んでいるものは、新鮮な状態で殺されたものである。羽根が直ぐ抜けたり、あっちを向いたり、こっちを向いたりして逆立っているものは殺されてから時間の経ったものである。又、腹部の羽根を引っ張っても判断できる。

 

24. コイ;青白い鱗をしていて、黄色や赤でないものはきれいな水の中にいたものだ。頭から突き出た大きい目をして口蓋と舌がくっついているものは脂が乗っている。

又、一日中生きたままでコイを運びたい時には、ぬらした草の中に包んで腹を上にして樽や袋に入れて空気に触れないようにする。

 

25. マスのシーズンは、(空欄)に始まり、11月まで続く。しろいものは冬が、また(サーモン)赤いマスは夏が旨い。マスで一番旨い場所は尾で、コイは頭だ。

 

26. ウナギは頭が小さく、細い口で皮がきらきらと光っていて小さい目で大きな体で青白い腹のものが一番よい。他の種類では大きい頭で黄色い腹、ざらざらした茶色の皮のものがいる。

 

27. ここから先は偉大な貴族、著名な方々の為のディナーやサパーについて説明しておこう。貴女がディナーやサパーを催さなければならない時、貴女が必要とするかもしれないその土地の、その時の気候に合わせてどんなものでも貴女の気に入った料理を選び、集め、学べることができるように説明しておこう。

 

 

I. 6コースの中に31料理あるミートデイのためのディナー。

 

最初のコース。グレナッシュGrenache ,ロースト、子牛のパイ、コバンアジのパイ( Pinparneaux,JH) 、ブラックプディグとソーセージ(353)

 

※甘いギリシャワイン。

 

第二のコース。野ウサギのシチュ(civey)116)とその切り身、濾したエンドウマメ(ピースープ)、塩漬けの肉と大きな骨付き肉(グロス シャ:grosse char)、シチュにしたウナギ(soringue of eels、ソラング)127)、その他の魚の料理。

 

第三のコース。アナウサギ、ヤマウズラ、シャポンのローストなど。ルース、コルビナ、コイ(178)、4つの味のするポタージュ(quartered potage)。

 

※ボール中にサーヴしてその上にシナモン粉と砂糖をかける。つまり、ボースの半分に一つをかけ、あとの半分にはかけないものはparty pottageという。Quartered pottage 2つのスパイスが交互に出るように薄く塗り、切って4つのピースをサーヴした。

 

第四のコース。川魚のa la dodine, 蒸し焼きライス(243)、ホットソースをかけたウナギ(180)。

 

dodineはアーモンド、ガーリック、卵を使ったソースで、時にシャポンの白身肉を入れた。

 

第五のコース。シャッドパイ(ヒバリのパスティGena Greco370)、肉団子(261)、ラーディミルク(259)、砂糖のフラン(247)。

 

第六のコース。梨とアーモンドの砂糖漬け、西洋カリンとカラを取ったナッツ、ヒポクラス(Hippocras317) とウエファ。

)

※スパイスワインのことでヒポクラテスの袖の呼ぶ袋に入れてスパイスを濾すことに由来する。

 

II. 6コースの中に24料理あるミートディナー。

 

第一のコース。細かく刻んだ子牛の肉に牛脂と骨髄を入れたパイ、ブラックプディング、ソーセージ,スタッフトストロウ(piperfarces)264)、ノウィージャンパイ(258

 

第二のコース。野兎のスープ、ウナギのブロス、豆の裏ごし、塩漬肉、粗挽き肉、大きな骨付き肉即ち牛とマトンの肉が当てられた。

 

第三のコース。シャポン、アナウサギ、子牛とヤマウズラ、淡水魚、海水魚、taillis237, グレイズをかけた肉(242, 252, 255

 

※肉の上に卵黄又は他の汁をかけて照りを出したもの。

 

第四のコース。カモのa la dodine ,コイのスープ、去勢ドリとパセリと鶏の脂のスープ。

 

第五のコース。ベーコンの粥 (Bouli larde,90)、米の蒸し焼き、ウナギのゼリー、淡水、海水産の魚のロースト、rissoles(油で揚げた肉団子)、クレープに砂糖をたっぷりかけたもの(262)

 

第六のコースと最後の料理。砂糖をかけたフラン、ラーディミルク、(かりんGena Greco,殻を取ったナッツ、クックした梨と糖果、ヒポクラス とウエファ。

 

 

III.別のミートディナー。

 

第一のコース。ビーフパイ(164)とリソール(油で揚げた肉団子)、ブラックピュレ(52)、ヤツメウナギのコールドセイジスープ(244)、ジャーマンミートブロス(brewt of Almaign)(108)、ハーヴを効かせた(Herbolace)とホワイトフィッシュソース(225)、牛とマトンの大きな骨付き肉。

 

第二のコース。淡水魚、海水魚、ミートクレトニィ(cretonne’e)(95) ,小さなタルト(ラビオール:raviolles)、バラ色をした若いウサギのローストと味付け肉のホットソース煮(84)、小鳥ピサンタルト(これはピサのロンバルディから来たものでロンバルディタルトといわれるもの、詰め物の真ん中に小さな鳥をいれたもので、いろんな場所でロンバルドタルトといわれている。)

 

第三のコース。コイのスープ、飾ったブラマンジェ(107)、砂糖入りミルクのブレッドクラスト、ボアの尾とホットソース(293)、去勢ドリのa la dodine 、サーモンとタイのパイ、ボイルしたカレイとフライしたLeschefrites(パン)、ミートタルト

 

第四のコース。フルーメンティ(234)、鹿肉、ローストした魚、コールドセイジスープ、ウナギのゼリー(逆さまにしたウナギGina Greco)、魚のゼリー(251)、シャポンのパイと即席のグレイヴィ(57のようなスープ様のもの?)

 

   細長くスライスしたパン又は肉を、その他のものを示す。

   Darioles;肉とスパイス,ハーヴを混ぜてつめた小さなパスティ

 

 

IV.別のミートディナー。

 

第一のコース。ノルウィージャンパイ(258)、キャメライン(ソース)ミートシチュ(Cameline meat brewet271)、牛の骨髄のフリッター、ウナギの燻製、ヤツメウナギとコールドセイジスープ、大きな骨付き肉と淡水魚。

 

第二のコース。手に入る最上のローストと淡水魚、ベーコンの粥、meat tile(118) 、シャポンパイと薄いパンケーキ、ブリームのパイ、ウナギパイ、ブラマンジェ。

 

第三のコース。フルーメンティ,鹿肉、ヤツメウナギのホットソース、フライしたパンスライス、ブリームのロースト、ダリオール(肉のタルト)、チョウザメとゼリー。

 

 

V.別のミートディナー。

 

第一のコース。牛と骨髄のパイ、野兎のスープ、大きな骨付き肉、アナウサギのホワイトブロス(ジャーマンスープ)(108)、シャポンと鹿肉のソップ、白いビートの葉のスープ(50)、ダックの塩漬と背骨付き肉。

 

第二のコース。最上のローストなど、シャドのグリル,バラ色のヒバリ?(Rosee’ of larks )、ブラマンジェ、umbles( アンブル) とボアの尾のホットソース( 146 )、太ったシャポンのパイ、フリッターとノルウィージャンパイ。

 

第三のコース。フルーメンティ、鹿肉、色々な種類のグレイズした肉、太ったガチョウとシャポンのa la dodine,クリームダリオールと揚げて砂糖を付けたパンのスライス、ホットギャランティのフォースミート(細かく切った味付け肉)( 283 ) 、シャポンのゼリー( 183 ) 、アナウサギ、若いニワトリ、ウサギと子豚。

 

第四のコース。ヒポクラスとウエファ。

 

 

VI.別のミートディナー。

 

第一のコース。皺を寄せた豆(フラゼ;frase’es)(30)、シンモンブロス(Brouet de canella)(102)、ウサギのブラックシチュ、ウナギのグリーンスープ(112,122)、ニシンの燻製(28)、大きな骨付き肉、蕪、コイのスープ(ソップGina Greco)、塩漬けガチョウと背骨付き肉、牛肉の骨髄の肉団子、牛肉のカバブ(Hastelet

 

※小さな肉を金串に刺してローストしたもので時に同じ形の野菜の団子を示す。(JH)

 

第二のコース。手に入る最上のロースト、淡水魚、海水魚、ボイルしたカレイ、ヤツメウナギのように細かく切ってホットソースに入れた味付け肉、シャッドスープ(モモの花の色をした)、4色に分けたブラマンジェ、ロンバルディタルト、鹿肉と小鳥のパイ、甘い栗(Spanish cretonne’e)、生のニシン。

 

第三のコース。フルーメンティ、鹿肉、野菜のいためもの、魚のゼリー、太ったシャポンのa la dodine,魚のロースト、フライしたパンとダリオール、ウナギのゼリー、カレイ、薄いパンケーキとスタッフトストロウ(小さいソーセージ)。

 

 

VII.別のミートディナー。

 

最初のコース。 砂糖大根(ホワイトポレイGina Greco)、ビーフカバブ、大きな骨付き肉、子牛のシチュ、骨髄のスープ(Brouet George’ )

 

第二のコース。ローストミート、淡水と海水魚、ロンバルディタルト(ロンバルドダニオール:Lombard ranioles)、甘い栗(Spanish cretonne’e)

 

第三のコース。ヤツメウナギ、シャッド、ロゼ、ラードした甘いミルク、crutes in milk,

ピサンなど、ロンバルディタルト、クリームダリオール。

 

第四のコース。フルーメンティ、鹿肉、グレイズした肉、ブリームとホウボウのパイ、ウナギのゼリー、太ったシャポンのa la dodine

 

※イギリスの海峡で獲れる。

 

最後にヒポクラスとウエファー(343)。

 

イクストラドリンク(Sally forth)にワインとスパイス。

 

   正餐の最後のサーヴ

 

VIII.別のミートディナー。

 

最初のコース。大きな骨付き肉、ノウィージャンパイ、牛の骨髄のフリッター、キャメラインミートブロス、ウナギの燻製、近海のローチ(ポーチトローチGina Greco)、海水魚と冷たいセージのスープ。

 

第二のコース。手に入る最上のロースト、淡水魚、厚切りの牛肉(kid goat bouli larde’,Gina Greco)、山羊の肉をボイルしラードしたもの(チャービルの入ったベーコン粥)、シャポンパイ、ブリームとウナギのパイとブラマンジェ。

 

第三のコース。フルーメンティ、鹿肉、グレイズした肉、ヤツメウナギとホットソース、フライしたダリオール、ブリームのロースト、ヴェルジュの粥、チョウザメのゼリー。

 

 

IX.別のミートディナー。

 

第一のコース。ホワイトリーク、ビーフパイ、(goose with pork chines,Gina Greco), 野ウサギとアナウサギのスープ、ヒバリgeneste(ジェヌスト)(114) 、大きな骨付き肉。

 

第二番目の料理。

ホットソースをかけたイノシシの尾のロースト、オリーヴ、パーディブブラマンジェ(四色に分けたブラマンジェのこと)、ガチョウのdodines, ラードした甘いミルク、グレイズした肉、ゼリー、クルトンを入れたミルクのa la dodine 、シャポンパイ、コールドセージのスープ、牛肉のパイとtalemouse.

 

   卵とチーズで作ったケーキ。(EGC)

 

 

X.別のミート料理。

 

第一のコース。濾した豆、野兎、塩漬けウナギ、黒いブロスに入れたオイスター、アーモンドブロス、厚切り肉(tile)、パイクとウナギの粥、クレトニイ、ウナギのグリーンシチュー、銀のパイ(銀箔を張ったパイ、Daniel Myers)。

 

第二のコース。海の魚、淡水魚、ブリームとサーモンのパイ、ウナギのゼリー(逆さまにしたウナギGina Greco)、茶色のarbalester,テンチのベーコン粥、ブラマンジェ、レタス、lozenges(ロザンヌ),小さな耳(オリエット;orillettes耳の形をしたオリーヴでフライした小さなケーキ)、ノウィージャンパイ、サーモンとローチの詰め物。

 

herbelade 又はerbolate と訳されており,卵、タマネギ、ハーヴを使った料理で濃いシチュウ又はオムレツの様な物である。(Daniel Myers)

 

第三のコース。フルーメンティ、鹿肉、リンゴの形をした焼き物(Pommeaulex)(255)、スパニッシュパフとchastletes、若いヤツメウナギ、魚のロースト、ヤツメウナギ、アナゴと大ヒラメのグリーンソースがけ、ブリームのヴェルジュがけ、フライしたスライスパン、ミートタルト、大きなサイドディシュ(アントルメ)。

 

  forme of cury の中にレシピがあり城の形をしたパイ。

 

 

XI.別のディナー。

 

第一のコース。ビーフパイと肉団子、黒蕪(Black porray)、ヤツメウナギのシチュ(128)、ジャーマンミートブロス、ジョージアンミートブロス(103)、白身魚のソース、arbalester.

 

第二のコース。ローストミート、海水魚、淡水魚、肉のクラッキング(raniolles)raviolis,Gina Greco)、小さいウサギと鳥のロゼ、粗切り肉のホットソース、ピサンタルト

 

第三のコース。テンチのスープ、パーティブラマンジェ、ラードしたミルクと砂糖を入れたクラスト、ボアの尾とホットソース、シャポンのa la dodine ,サーモンとブリームのパイ、近海のカレイ、フライしたパンスライスとダリオール。

 

第四のコース、フルーメンティ、鹿肉、グレイズした肉、魚のロースト、コールドセイジスープ、ウナギのゼリー(逆さまにしたウナギ、Gina Greco)、魚のゼリー、シャポンパイ。

 

 

XII.別のディナー。

 

第一のコース。柔らかい豆(Frizzles beans)、シナモンブロス、ウサギのブラックシチュ又はウナギのグリーンブロス、燻製のニシン、大きな骨付き肉、蕪、テンチのスープ、塩漬けガチョウと骨付き肉、牛の骨髄の団子。

 

第二のコース。手に入る最上のロースト、淡水魚、海水魚、カレイの近海もの(ポーチしたカレイ、Gina Greco)、細かく切った味付け肉のソース煮、桃色のシャドのシチュ、パーティブラマンジェ、ロンバルディタルト、鹿肉と小鳥のパイ、スパニッシュクレトニー、生ニシン。

 

第三のコース。フルーメンティ、鹿肉、グレイズした肉、魚のゼリー、太ったシャポンa’ la dodine 、魚のロースト、フライしたパンスライスとダリオール、ウナギのゼリー(逆さまにしたウナギ、Gina Greco)、薄いパンケーキとスタッフトストロウ。

 

 

XIII.別のミートディナー。

 

第一のコース。ジャーマンブロス、キャベツ、蕪、ビーフパイ、大きな骨付き肉、ウナギの燻製。

 

第二のコース。手に入る最上のロースト、太ったガチョウa la dodine 、淡水魚、ブラマンジェ、herbolace(エボラース) 、ノウィージャンパイ、薄いパンケーキ、ラードした砂糖味のミルク、ミルクタルト。

 

第三のコース。シャポンパイのa la dodine 、米の蒸し煮(riz engoule’)、野豚(ボアの尾、Gina Greco)とホットソース、フライしたパンスライスと砂糖味のダリオール。

 

第四のコース。フルーメンティ、鹿肉、グレイズした肉、ウナギのゼリー(逆さまにしたウナギ、Gina Greco)とブリームのロースト。

 

野豚の頭をサイドディシュ(アントルメ)に。

 

 

XIV.別のミートディナー。

 

第一のコース。ホワイトリークとシャポン、鴨の(豚の骨付き肉,Gina Greco)と子牛の腸のロースト、牛とマトンのピース、野兎のジョージアンシチュー、子牛とアナウサギ。

 

第二のコース。シャポン、ヤマウズラ、アナウサギ、チドリ、詰め物をした豚(farced pigs)(142)、領主のためのキジ、肉と魚のゼリー。

 

サイドディシュ(アントルメ)として上段に、白鳥(158)、クジャク、サギ、青サギ、その他。

 

最後に、鹿肉、米の蒸し煮、シャポンパイ、クリームフラン、ダリオール、ウナギのゼリー(逆さまにしたウナギ,Gina Greco)、フルーツ、ウエファー、ワッフル,ワッフルケーキ(エストゥリエ;estriers) とスパイスワイン(clarry)

 

   砂糖、塩、卵黄、ホワイトワイン、水で捏ねた粉のペイスト又はパンの類。

   蜂蜜、スパイスをワインに入れたもの。又はフランス産のクラレット(cralet)ワイン。ここでは赤ワインの代わりに白ワインを砂糖の代わりに蜂蜜を使った。(JH

 

 

XV.別のディナー、3コースと24の料理。

 

※皿又は平皿の数であろう( JP)                

 

第一のコース。豆の裏ごし、塩漬けウナギとニシン、リークとアーモンド、大きな骨付き肉、イエローブロス(114)、猟鳥のシチュ(サルミーヌ;salemine)、海水魚、オイスターシチュー(130)。

 

第二のコース。淡水魚と海水魚のロースト、サヴォイブロス(Brouet de savoie)(110)、ラードした皮を剥いたウナギのゼリー入り(逆さまにしたウナギ,Gina Greco)粥。

 

第三のコース。ブリームのロースト、冷肉料理、シャポン化したハヤブサ、ゼリー、パーティブラマンジェ、近海のヒラメ(poached plaice,Gina Greco)、大ヒラメのa’ la soucie277)、クリームタルト、ヤツメウナギのホットソース煮、グレイズした肉、米の蒸し煮、等。

 

※難問である。二案あるのでそれを紹介しておこう。Pilgrim capon 又はpererim capon の意味であり他の場所からきたシャポンである。(Daniel Myers

シカールの料理の中にあり、ローストしたヤツメウナギ又はウナギをシャポンに巻きつけdodineソースで食べるもの。

Greco

 

 

 

サパー

 

XVI.ミートサパー、4コース。

 

第一のコース。ニワトリのシチュ(グラーレ オウ メーセ;Grare’ ou seyme’)(75)、ニワトリとハーヴ、ヴェルジュとトリのブロス(111)。ボイルしてラードしたespinbesche()(134)、カワカマスとローチの(ポーチ、Gina Greco)近海もの、ローチと(塩漬けのGina Grecochastelongnes(魚)。

 

第二のコース。手に入る最上の肉と魚のロースト、鹿肉にパセリと酢を振りかけたもの、魚の冷製料理、レバーと魚のホワイトソースがけ、子牛又はラムのメセンタリイ。

 

第三のコース。シャポンのパイ、パイクとウナギのビスケット(be’cuit;ペイストリの上に魚をのせて焼いたもの?)、レタス(クレープ、Gina Greco)herbolace、魚、薄いパンケーキとストックストロー。

 

第四のコース。ゼリー、カレイ、ヒラメの近海物(ポーチ、Gina Greco)、小さな淡水魚(しらす)の入ったコールドセイジスープ、臓物とホットソース、tailemouse(タイユムス) と牛のパイ、最後にゼリー(gelle’e)というスープ。

 

 

XVII.別のミートサパー。

 

第一のコース。ハーヴとシャポン、コミニイ(commine’e)(9899), 豆のdaguenet(ダギューヌ;干した豆?)、ローチのイエローソースがけ(Potage Jaunet)(135)、鹿肉のスープ。

 

第二のコース。手に入る最上のロースト、ゼリー、パーティブラマンジェ(飾りつけたブラマンジェGina Greco)、砂糖をたくさん振った小さなクリームフラン。

 

第三番目のサーヴ。シャポンのパイ、コールドセイジスープ、マトンの肩肉の詰め物、カワカマスのa’ un rebouly(二回ボイルした又はボイルしたソースをかけた),ボアの尾と鹿肉(ボアの尾のソース(293.)に入れた鹿肉Gina Greco)カレイ。

 

 

XVIII. 別のミートサパー。

 

第一のコース。スープ3種:ホワイトソースに入ったホールシャポン、大釜に入れたサーモン(カワカマスのチャウダー、129 Gina Greco)、鹿肉のスープ、ウナギを長く切ったものとローチを上においた。

 

第二のコース。ローストしたシャポン、アナウサギ、ヤマウズラ、チドリ、小鱈、小鳥、子羊のロースト、立てたブラマンジェなど。ローチ、カープとスズキ等。ウナギのゼリー(逆さまにしたウナギ,Gina Greco。キジと白鳥をサイドディシュ(アントルメ)に。

 

第三のコース。肉のa’ la frumenty、キジバトとヒバリのパイ、タルト(tourte)(250)、カレイ、鱒(生のニシン、Gina Greco)、フルーツ、クラレット、小さなペイストリィ(nieulles)、ウエファ(medlars)、ナシ、皮を剥いた木の実。

 

 

XIX.レントの魚のディナー。

 

最初のサーヴと大皿。クックしたリンゴ、ベイリーフと大きなプロバンスの焼きイチジク、カラシナとギシギシ(ニシンのGina Greco)の酢和え、濾した豆、塩漬けウナギ、ホワイトヘリング、海水魚、淡水魚のグリルのソースがけ。

 

第二番目のサーヴ。コイ、ローチ、シタビラメ、ボラ、サーモン、ウナギ(逆さまにしたウナギを濃いソースの中に入れた料理とomelet,Gina Greco

 

第三番目のサーヴ。ルリハコベのロースト、コダラのフライ、スパイスを効かせてポーチしたネズミイルカとフルーメンティ、クレープとノースパイ。(JHからは省かれている、Gina Greco

 

XX.別のレントの魚のディナー。(XX.XXI.の項についてはGina Grecoの内容とは全く異なるので下に紹介する)

 

第一番目のサーヴ。リンゴをクックしたものなど上と同じ。

 

第二番目のサーヴ。コイ、ローチ、シタビラメ、ボラ、サーモン、濃いソースに入れたウナギの(a’ la boe) (185)

 

※泥のようなの意味( EGC)

 

第三番目のサーヴ。コバンアジのロースト、小ダラのフライ、水とフルーメンティをふったネズミイルカ、薄いパンケーキとリッチパスティ。

 

最後にイチジクとブドウ、ヒポクラスとウエファ、上に述べたものと同じ。

 

XX.(Gina Greco)別のフィッシュディナー。

 

第一番目のサーヴ。濾した豆、野菜のブロス、カキのシチュ、カワカマスとパーチのホワイトソース。クレスのポレー、ニシン、クジラの塩漬け、ポーチしたドジョウ。

 

第二番目のサーヴ。生と塩漬けの魚、ヒラメのa’ la soucie, Taillis , be’cuit, ウナギのギャランティーン。

 

第三番目のサーヴ。手に入れることのできる最上のロースト(魚)、ホワイトパスティ、larras、ドジョウのwaymel(183)、ザリガニ、パーチの酢とパセリ、テンチとソップ、肉汁ゼリー。

 

XXI.(Gina Greco)別のフィッシュディナー。

 

第一番目のサーヴ。濾した豆、ニシン、pore’e, ウナギの塩漬け、カワカマスとコイのsalemine、オイスター。

 

第二番目のサーヴ。河の魚、ウナギのsorinngue、ノースパスティと飾ったブラマンジェ、omelet、パスティ、beignets

 

第三番目のサーヴ。最上のロースト、riz engoule’, タルト、leschefriteとダリオール、サーモンとブリームのパスティ、魚のチャウダー。

 

第四番目のサーヴ。Tsillis,クレープ、pipefrces, エンダイヴ(161),ドジョウのフライ、グレイズした料理、アナゴとヒラメのa’ la soucie,ロンバルドタルト、逆さまにしたウナギ。

 

 

 

XXI.別の魚のディナー。

 

第一番目のサーヴ。濾した豆、濃いスープ、オイスターシチュー、パイクとパーチのホワイトソース煮、クレスの濃いスープ、ヘリング、塩漬けクジラ、ウナギの塩漬け、近海のローチ。

 

第二番目のサーヴ。淡水魚、海水魚、大ヒラメのa la soucie、クリスプパスディ、ウナギの冷肉料理。

 

第三番目のサーヴ。最上のロースト(魚のローストGina Greco)、ホワイトパイ、ローチau waymel(ワイム ) ,カレイ、パセリと酢に漬けたパーチ、テンチのスープ、ゼリー。

 

 

XXII.別の魚のディナー。

 

第一番目のサーヴ。豆の濾したもの、ヘリング、濃いスープ、ウナギの塩漬け、オイスター、カワカマスとコイのsalemine(サルミーヌ)(シチュ)

 

第二番目のサーヴ。淡水魚、ウナギの燻製、リッチパスティと一入ずつに分けたフリカッセ(ノースパスティと飾りつけたブラマンジェ、Gina Greco)、arbalester、パイ、フリッター。

 

第三番目のサーヴ。最上のローストなど、米の蒸し煮、タルト、パンスライスのフライとミートタルト(leschefrites とダリオールGina Greco)、サーモンとブリームのパイ、hotpot

 

第四のサーヴ。野菜の粗切り、薄いパンケーキ、小さいソーセージ、ニンダイブ、ローチのフライ、野菜焼き、アナゴと大ヒラメの砂糖煮(au soucie’)、ロンバルディタルト、ウナギのゼリー。

 

 

XXIII.別の魚のディナー。

 

第一番目のサーヴ゛。クックしたリンゴ、よく熟れたイチジク、グレナシュワイン、カラシナとミント、豆の裏ごし、シャッド、ウナギの塩漬け、ヘリングと太ったピー、パーチのホワイトブロスがけ、フライした魚の干しパーチのソースがけ。

 

※クジラの塩漬けとEileen Powerが訳している。Daniel Myersも同意見。

 

第二番目のサーヴ。手にはいる最上の淡水魚と海水魚、ウナギのゼリー(さかさまにしたウナギGina Greco)、魚詰めのホットソース煮、テンチのスープ、近海の(ポーチしたGina Greco)カレイとブリームのパイ。

 

第三番目のサーヴ。ネズミイルカのフルーメンティ、リッチパスティ(ノースパイGina Greco )とサバのロースト、コバンアジのローストと薄いパンケーキ、オイスター、カワカマスのパリパリのパスティと干し魚のフライ。

 

 

XXIV.別の魚のディナー。

 

第一番目のサーヴ。豆の裏ごし、ヘリング、ウナギの塩漬け、黒オイスターのシチュ、アーモンドブロス、ナプキン(pike;カワカマスGina Greco)、ウナギとパイクの粥(パイクとウナギのブロスGina Greco)、クラッキング(クレトニーGina Greco)、ウナギのグリーンシチュー、silver パイ。

 

第二番目のサーヴ。海水魚、淡水魚、ブリームとサーモンのパイ、ウナギのゼリー(さかさまにしたウナギGina Greco)、茶色に焼いたarbalester、ラードしたテンチの粥、フリカッセ(ブラマンジェGina Greco)、薄いパンケーキ、レタス、lozenges(ロザンヌ)小さい耳(オリエット;orillettes)とリッチパスティ、詰めものをしたサーモンとローチ。

 

第三番目のサーヴ。ネズミイルカのフルーメンティ 、焼きリンゴ(グレイズド ポモー;glazed Pommeaulx)とスパニシュ豆と若いヤツメウナギ、魚のロースト、ゼリー、ヤツメウナギ、アナゴと大ヒラメのグリーンガーリックソース煮、ブリームのヴェルジュ漬け、フライしたパンのスライス、ミートタルト(ダリオールとアントルメGina Greco)。

 

サイドディシュ、そしてデザート、最後のサーヴと特別なもの。

 

 

 

サーヴィングに関する事象について述べる

 

 

51. ラグニーの司祭主催のディナーでパリ閣下の就任を祝って催された。主席者はパリ閣下、大統領閣下、王の代理人と王の支持者及び王室顧問評議会の諸氏。総計8カバー(16名)である。

まず、テーブルクロス、台所とクリーニングのための皿、木の枝、テーブルの上に置くグリーンハーヴ、広口の水差しと足つきゴブレット、糖衣したアーモンドを入れるボールを2つ、銀の塩入れ、パンクラムとトレンチャーの為の2日経ったパン。台所には大きな平鍋を2つ、水の大桶を2つ、箒を2つ用意しておく。

 

※数日又はそれ以上経ったパンでスライスして皿として用いる。

 

註、パリの閣下は自身のサーヴの為に3人の従者を伴い、蓋付き皿で一人用のサーヴを受けられた。大統領閣下は従者を一人伴い蓋無しの皿で一人用のサーヴを受けられた。又、大統領閣下の命令により、王の代理人は王の支持者の上に席を取った。

 

  王、領主の習慣(JP)、毒殺防止のため.

 

52. コースと料理は次の通りである:

グレナッシュの(ワイン)を2クオート(1.13L)。つまり、二人に1/2パイイント。(しかし、多すぎる量であり、3人に1/2パイントで十分であり、次の者に与えることができる量である)

カリカリに焼いた豚肉と赤いリンゴ、アーモンドの上に白い砂糖をのせた物を1/4ポンド、よく熟れたイチジクのローストを5/4ポンド、ギシギシとクレスとローズマリー。

 

※下位の者。

 

スープには、つまり、サーモン6匹とsalemine,テンチ6匹、グリーンポレイとホワイトヘリングを1/4ポンド、前日に塩をした淡水ウナギを5匹、一晩漬けたタラを3匹。

 

スープには、アーモンドを6ポンド、粉にしたジンジャーを1/2ポンド、サフラン1/2オンス、スモールスパイスを2オンス、シナモンパウダーを1/4ポンド、アーモンドの砂糖漬けを1/2ポンド。

 

海水魚には、シタビラメ、ホウボウ、アナゴ、大ヒラメ、サーモン。淡水魚には、カワカマス、Marneのコイ2匹、ブリーム。

 

※ラグニー司祭にはMarneでの漁業権があった。(JP -

 

サイドディシュ(アントルメ)として、カレイ、ヤツメウナギのa’ la boe(ア・ラ・ボー)。

ローストには、厚切りパン(トレンチャーとして)、オレンジ16コ、ネズミイルカのソース煮、サバ、シタビラメ、ブリーム、キャメラインまたはヴェルジュに漬けたシャッド。

米にフライしたアーモンドを上にのせたものには、米と砂糖、リンゴを1ポンド、蜂蜜を少し。

 

デザートには、赤と白に色を付けた砂糖をフルーツのプリザーヴの上に置いたもの、肉団子、フラン、イチジク、デーツ、レーズン、ヘーゼルナッツ、これらに匹敵するものを用意しておく。

 

ヒポクラスとウエファを最後にサーヴする。ヒポクラスを2クオート、(この量は先に述べたグレナッシュのワイン同様十分過ぎる量である。)ウエファを200supplications

又、各ボールに一人が8つのウエファを取り、4つのsupplication4つのestriers(別のウエファ)を取る。これは普通の量であり、1カバー当たりのコストは8デニールになる。

 

ワインとスパイスは急いで買いに行くもの(Sally forth)である。(実際ある種のオードブルは食事の最後に出される)。手を洗い、感謝の祈り、それから、従者は急いで食事を取り、そのあと直ぐにワインとスパイスをサーヴする、そして、別れの挨拶という手順である。

 

 

 

53. マスターHelye の5月火曜日におこなわれたディナー、20カヴァー(40名)のための結婚祝宴のためのアレンジメント

 

 

大皿には、バター。祝祭日なのでそれだけ。又はチェリーのみ、他に何もないので、大皿には何もない。

 

スープは、シャポンのブラマンジェ、ザクロの上に赤く砂糖でコートしたアーモンドを置く。

 

ローストは、各皿には1/4にカットした子羊の腿、これはラムよりも旨い。ガチョウのヒナ、若いニワトリにソースをかけたもの、オレンジ、キャメライン、ヴェルジュソース、そして新しいタオル又はナプキンを添える。

 

サイドディシュ(アントルメ)には、ヒラメのゼリー、ドジョウのゼリー、小さなウサギと豚。

デザートには、フルーメンティと鹿肉。

そして最後に、ヒポクラスとウエファ、イクストラ(Sally forth)にワインとスパイスを用意する。

 

54. この日のサパーに準備したのは10カバー(20人分)である。

 

小さなガチョウと若いニワトリを半分入れたコールドセイジスープとこのサパーのプレートにのせるスープと同じ肉で作ったヴィネグレット。

2羽の若いウサギパイとフランを2つ。(フレンチウェディングではミートパイにしなければならないと言われているからだ。)、そして片方の料理には、子ヤギにメセンタリイと頭の半分を焼いたものにすること。

サイドディシュ(アントルメ)には、上のゼリーを。

 

最後に、リンゴとチーズを。今はシーズンではないのでヒポクラスは除いておく。

 

※真冬である。(JP) 

 

ダンス、歌、ワインとスパイス、そしてライトのトーチを用意しておく。

 

55. さて、上で述べた品物の数(を決め)その備品と値段について誰が調達し、交渉すべきなのか話そうと思う。

 

パン屋からは平たい白いパンを10ダース。一日前にやいたものを11ペニーで求める。

 

トレンチャーブレッドは3ダース、幅が1/2フィート、高さが4指のものを使用する4日前にこんがりと焼いたものを用意する。HallesにあるCorbeil bread(コベイユ ブレッド)から求めさせる。

 

※パリに1135年からある市場で食器や食材が手に入る。

 

ブドウ酒商からは、ワインを3ペアー

 

   ワインを3樽、おそらくpairesは単位を示すものであろう(.Daniel Myers)

 

肉屋からは、羊を半分、ゲストのスープを作る。ベーコンを1/4、ラーディングに。シャポンと牛の脚の骨をブラマンジェを作るために使う。2番目のために子牛の前四半部をブラマンジェのサーヴに使う。子牛の後脚又は子牛の脚を、ゼリーを作るのに使う。鹿の太い脚を1本用意する。

 

※最初のゲストの後に食事をする召し使いあるいは下位の者のために。

 

Oubloier( ワッフル屋) には次の注文をだしておく。まず、花嫁のために、チーズゴーフルを1 1/2ダース、これを3スーで。1 1/2ダースの長いウエファを6スーで。1 1/2ダースのポルトウエファーを18デニールで。1 1/2ダースのスターウップウエファーを18デニールで。100コのシュガーガレットを18デニールで。

 

又、ウエディングディナーの食器を12,召し使いのために6つ、一つあたり6デニールで。そして、1つの食器に8つのウエファと4つのsupplication4つのスターウップウエファーを入れる。

 

鳥屋からはシャポンを12羽、一羽当たり2パリスーで。子ヤギを54パリスー(パリのお金)で。若いガチョウを12羽、一羽当たり3パリスーで。若いニワトリを50羽、各12パリデニーズで。つまり、ディナーには40羽をローストして、5羽をゼリーに、5羽をサパーのコールドセイジスープに。若いウサギを50羽、つまりディナーに40羽、ローストにする。10羽をゼリーにする。1羽当たり12パリデニーズで。

脂身の少ない豚をゼリーに4パリデニーズ。

ハトを12つがい、サパーに使う。1つがい当たり10パリデニーズ。

 

マーケットではトレンチャーブレッドを3ダース(ローヴズ)。ブラマンジェに使うザクロを3つ、そのコストは(空欄)。オレンジを50コ、(空欄)。新しいチーズを6コ、その内1コは古いチーズにする。卵を300コ。1つのチーズで6コのタルトを作るのだが、1つのチーズには卵が3コで必要である事を頭に入れて置くこと。

 

   ザクロ、オレンジの価格は変動するので空欄となっているがパリの食卓ではよくサーヴされていた。

 

ニワトリにはギシギシのヴェルジュが、コールドセイジスープにはセージとパセリが、200コの白いリンゴ(pommes de Blandureau)が必要である。

 

箒を2本とバケツを1つ、台所と塩のために用意しておくこと。

 

ソース屋からは、3 1/2パイントのキャメラインをディナーとサパーに。そして1クオートのギシギシのヴェルジュを用意しておくこと。

 

薬屋で、アーモンドを10ポンド、1ポンド当たり40デニールで。皮を剥いた大麦を3ポンド、1ポンド当たり8デニールで。コロンバインジンジャーを1ポンド、11スーで。メチュジンジャーを1ポンド、5スーで。シナモン末を1/2ポンド、5スーで。米粉を2ポンド、2スーで。砂糖塊を2ポンド、16スーで。サフランを1オンス、3スーで。クローヴとグレイン(オブパラダイス)を混ぜたものを1/4ポンド、6スーで。ロングペッパーを1/8ポンド、4スーで。ガリンゲイル1/8ポンド5スーで。メイスを1/8ポンド3スーと4デニールで。グリーンローレルを1/8ポンド、6デニールで。ロウソクを大小2ポンド、1ポンド当たり3スーと4デニールで。合計6スーと8デニールで。トーチを3ポンドで6本。たいまつを1ポンドで6本。つまり、1ポンド3スーで購入するが、あとで残りは返すので1ポンド当たり6デニールで購入することになる。

 

※東インドで産するガランガの根。

 

薬局でスパイスを(化粧室或いは客間に備えて購入しておく)、即ち

オレンジピールの砂糖漬けを1ポンド、10スーで。レモンピールの砂糖漬けを1ポンド、12スーで。赤いアニスを1ポンド、8スーで。ローズシュガー(ローズ水で煮た砂糖)を1ポンド、10スーで。ホワイトシュガーアーモンド3ポンドを1ポンド10スーで。

 

ヒポクラスを3クオート、1クォート10スーで。これらのスパイスは合計で12フラン。トーチの返却分と、余ったスパイスを勘定に入れて、1カバー当たり1/2フランである。

 

Pierre-au-Lait(牛乳屋)からは、水の入っていない、固まっていない質の良い牛乳を1クオート、フルーメンティを作るのに用意しておく。

 

In the( place de )Gr’eve(グレーヴ)からは、ブルゴーニュの薪を100束、30スーで。石炭を二袋10スーで。

 

At the Port-de-Paris からは、サンザシ、グリーンハーヴ、ヴァイオレット、ブッレッドクラム(頭飾り?)、白い塩を1クオート、粗い塩を1クオート、カレイ100匹、ドジョウ1/2パイント、陶器のボールを2つ、その内一つはゼリーを6クオート入れ、あとの一つにはキャメラインを2クオート入れるのに使う。

 

56. 最初に、一般的な食器を備えておき、第二にそのものが見合った物であるか確認をしておく。第三番目に働く人達の見極めをしておくこと。

 

まず、グリーンハーヴ、ヴァイオレット、パンクラム(髪飾り?)、ミルク、チーズ、卵、薪、石炭、塩、台所と食堂で使う大桶、ヴェルジュ、酢、ギシギシ、セージ、パセリ、ガーリック、箒を2本、シャヴェルその他の小物の購入に当たる従者や召し使いが必要だ。

 

又、料理人とその従者を雇うのに2フランいる。料理人の心付けは別にして、彼の従者や荷役人の賃金は料理人が支払うのだが、料理人は“ボールは多ければ多いほど、又、雇い人は多ければ多いほど良い”と言うだろう。

 

又、パン切り(ナイフ職人)に2人。一人はパンを切って、トレンチャーと塩入れをパンから作るのだ。そして彼らが、塩とパンとトレンチャーをテーブルに運び、ホールに2-3コの容れ物を作る。この中に大きなくずを放り込む。例えば、ソップやちぎれたりかけたパン、トレンチャー、肉の切れ端などがはいる。それと手桶を2つ、ブロスやソース、その他の汁を放り込むのに使うのだ。

 

※ゲストが残した汁。

 

又、水を運ぶのに2人いる。又、大きくて強そうな守衛が入り口のところに必要だ。

 

キッチンのサイドボードに従者と助手が2人ずつ。一人はキッチンに必要な品物、ペイストリとリネンを6卓文。12カバーに必要な大きな銅のポットを2つ。湯沸かしを2つ。ストレイナーを4つ。乳鉢と乳棒をひと揃い。キッチンに必要な大きなタオルを6つ。ワインを入れる大きな陶器のポットを3つ。スープを入れる大きな陶器のポットを1つ。4つの木のボール。4つの木のスプーン。鉄製のポットを1つ。手の付いた大きな桶を4つ。五徳を2つ。鉄のスプーンを一つ。などの購入の為に雇う。

 

そして、ピューターを調達しておかねばならない。つまり、ボールを10ダース。小さな皿を6ダース。大きな皿を2.5ダース。(1クオート入る)ポットを8つ。1パイントのポットを2ダース。慈善用のポット2つ。

 

※客の正面に置かれた。

 

又、建物について述べると、この邸宅はヴォーヴェ(Beauvais)の館として知れており、ジャンデュシェーヌ(Jehans Duchesne4フラン。テーブル、架台に5フラン。それに頭飾りに15フラン。

 

1385年、邸の案内役としてJehans Duchesne が配属されていた。

 

そしてもう一方の台所の侍従又は彼の助手は料理人と一緒に肉屋、鳥屋、薬屋などに行き、品物を選び、調達して運搬させその運賃の支払いをせねばならない。彼らはスパイスなどを保管している鍵のかかる食器棚を任されていて時に応じて適宜手渡す役目をおっているのだ。侍従ないし、その助手は余ったものを回収する。小間使いがこぼしたり、余分に使わせないようにカップボードにしまい込むのだ。

 

他に2人侍従を2人ダイニングルームのサイドボードにつかせる必要がある。スプーンを配ったり回収したり、ゴブレット(蓋付き、脚付きの)を配って注文のあったお客様にテーブルでワインを注いだり、容器を回収したりするのに必要である。

 

※ダイニングルームのテーブルに運んでいく料理、ワイン、カップをサイドボードにのせた。

 

2人の別のエキュワリィ(侍従)をワインセラーに配置する。地下室から運ばれてきたワインをサイドボードやテーブル等に運ぶのだ。下の者にワインを取って来させたりするのだ。

2人の最も正直で知識のあるエキュワリィに花婿に付き添って料理の出る場所に案内をさせる。

 

2人のスチュワードはお客様の席順ともてなしを受けもたせる。各テーブルには1人の食事を手配する係(sewer)2人のもてなし係が付く。彼らは食事の提供と撤去それに、残り物をバスケットの中に空けたり、ソースとブロスを桶やタブの中にいれるのだ。この者達はテーブルの上の物を持って来るように指示するだけで何も運ばない、そのように定められているのだ。

 

執事の仕事は塩の容器などをハイテーブルへ、ゴブレットを4ダース、金メッキのゴブレットを4つ、広口の水差しを6つ、銀のスプーンを4ダース、銀のクオートマグ(ポット)を4つ、施しのポットを2つ、糖菓の皿を2つ手配するのが仕事だ。

 

又、婦人の頭飾り職人は、結婚式の数日後と結婚式の当日に花輪を持ってくることになっている。

 

※結婚式後又は数日後に設定した食事会、又は宴会。

 

サーヴィングウーマンの役割はタペストリの手配をすることだ。清められたベッドと寝室を飾り立て,

その番をして祝福のためにその準備をする。

 

組(紐)髪に携わる洗い女。

 

又、ベッドが広い布で覆われているのであれば、きれいな羽毛の付いた上掛けがいるが、サージや刺繍又はベッドカヴァーがあれば、その必要は無い。

 

 

 

57. 9月の月に行われた、Hautecourt(オウトロー)(320)の結婚式の準備-20カバー(40名)

 

 

サーヴィスには;レーズン又は小さなパイ。

 

スープには;ブロス、野兎4羽と子牛。またはブラマンジェにシャポンを20羽、1つ当たり2スーと4デニールで。又はメンドリを用意する。

 

ローストには;豚を5匹、若いシャポンを20羽、一つ当たり2スーと4デニールで。ヤマウズラを40羽、一羽当たり2スーと4デニールで。

 

ゼリーには;若鶏を10羽、これには12デニール。若いウサギ10羽、豚1匹とカレイ150匹。

 

フルーメンティには;鹿肉、梨、ナッツ。註、フルーメンティには他に卵が300コが必要だ。

 

タルトレットと他のものには;ヒポクラスとウエファ、ワインとスパイスを用意する。

 

58. サパーには;スープに小鳥を12ダース又はダックを10羽、又は生鹿肉をラードしたブロス。

 

パイには;若いウサギを40羽と若ドリを12羽、ダリオールを40,又はタルトレットを60コそしてハトを40羽用意する。

 

註、一つのカバーには小鳥3羽で十分である。つまり、一人はシャポンの砂嚢を取り、あとは3羽の小鳥と砂嚢を半分各カバーに取る。

 

 

 

59. 上記の事柄に関する数量

 

 

ベイカーでは上の如く、前述の結婚式(祝宴)の通りだ。

 

ペイストリコックには上の如く行う。

 

ブドウ酒商人には上の如く行う。

 

肉屋では、付添人達のソップを作る為に3クオーターのマトンを、ラーデイングのために1クオートのベーコンを、ブラマンジェを作るのに4クオートの子牛を、そして従者には鹿肉を用意しておくこと。

 

ウエファ屋では、1ダース半の詰めのものをしたウエファを、これは良質の粉を卵で練り、薄いチーズを中に巻いたもの、それとは別に18つの他のウエファ、これは卵で練ったものでチーズが入っていないものを用意する。また、1ダース半のロールエウファー、これは、粉と卵とを練り、粉ジンジャーを混ぜ入れて、円筒形のソーセージくらいの大きさにして火の上にのった鉄の2枚の板の間に入れて焼いたものである。又、一ダース半の他のロールウエファーとこれを同じ数の平たいウエファを用意しておく。

 

又、前述の結婚式前夜には髪飾りとバイオリン弾きの返礼のためにそれを(上述のウエファの他に)50コのpommes de blandureuを用意しておく。

 

又、前述のエウファーは既に述べたように結婚式に先立って結婚式の日にサーヴィスする物である。

鳥屋には上述のローストと野鳥と鹿肉を用意させておく。

 

Porte-de-Paris の市場では、上で述べた必要なものを手に入れておく。

 

ソースメーカーにはディナーのためのキャメラインを1クオートとサパーのためにはマスタードを2クオート手配させておく。

 

薬屋では、寝室に置いておく為に、ローズシュガー、ナッツの糖衣、シトロン、manus-Christ(フルーツ又はアーモンド)の全てで4ポンドを用意する。

又、ヒポクラス、キッチンスパイスには、ホワイトパウダーを1ポンド、ファインパウダーを1/2ポンド、ブラマンジェに使うシナモンパウダーを1/2ポンド、スモールスパイスを2オンス、砂糖の塊を3ポンド、ザクロを3コ、赤と白の糖菓を1/2ポンド、アーモンドを6ポンド、米粉を1ポンド、麦(脱穀した)を1クオート手に入れておく。

 

ロウソク屋では、トーチとロウソクを1ポンド当たり3スーで購入するがあとで、2スーと6デニール戻ってくる。

 

又、リネンのレンタルには以下の物全てで56パリスーかかる。

テーブル6つ、銅の大きいポット3,ボール6ダース、湯沸かし2,ストレイナー2,モルタルとテストルをひと揃い、大きな台所用タオル6,大きな陶器のワインポット3,大きなスープ用陶器のポット1,木製のボール4,木のスプーン4,鉄の平鍋1,大きなハンドル付きの鉄ポット4,五徳2,穴あき鉄スプーン1

 

スズの容器には以下の物全てで16スーかかった。

ボール10ダース、小さなプレート6ダース、大きなプレート2 1/2ダース、クオートポット8,パイントポット2ダース、施しの鉢2

 

Greve(グレーヴ) で上と同様の他の結婚式があった。

 

註、彼らは未亡人なので明け方に黒衣で式を挙げ、その後別のものに着替えた。

 

60. 註、ジャンデュシェーヌで行う結婚式での特別の出費には、

料理人に4 1/4フラン、その介護人とポーターに1フラン、合計51/2フランである。ヴォーヴェの館の門番に4フラン、テーブル、架台などに5フラン、花の髪飾りに15フラン、水に20スー、吟詠詩人に8フラン、スプーンやチップは入っていない。彼らは食事中だけでなく結婚式前夜にもアクロバット等を演じているのだ。

門番に2フラン、グリーンハーヴに8スー、トーチとたいまつ10フラン、台所の容器、タオル、ナプキン、ガラス製品に7フラン、ピューターのポットに4フランかかるのだ。

 

 

 

 第五章  スープ、ブロス、ソース、その他のあらゆる料理の調理、計画、調整について述べる。 

 

 

上に記した料理を如何に準備するかをお話しよう。

 

1.しかし、その前にこの本のあちこちに見られる数々の専門語を頭に入れておくべきである。それらはパンや卵,でんぷん、粉などのスープのとろみ付けや濃いスープに関する内容である。

 

2.又は、あなたのスープが焦げ付かないようにポットの底までかき混ぜ、かきまぜ棒が底に触れないようにする。もしすでに焦げているのであればすぐにそれを別のポットに換えるべきである。

 

又、牛乳を腐敗から防ぐ。

 

又、火の上でポットをボイルさせない。

 

3.スープの中にはスパイスを非常にしっかりと挽いたものを加え、濾さない。

一番香りの強いときに用いる。ソースに入れる場合とゼリーの中に入れるのとは逆である。

 

4.スパイスについては第五章の上に述べている

 

5.又、豚を殺すには雄は11月に、雌は12月に殺すべきである。2月に若いメンドリを殺す例のように、まさにこの時がその時である。

 

6.又、ブラックプディングを作るにはきれいな水盤もしくは平鍋の中に豚の血を集める。そして、あなたの豚を解体しようという時で、その臓物をきれいに洗って料理に取り掛かるのであれば、すぐにクックして平鍋の底から粘りのある血の塊を取り出す。皮を剥いたタマネギを用意して、血の半分を刻む、腸の“entrecercle”と呼ばれる腸の間にある脂の半分をダイス大に切り、挽いた塩を少量血の中に入れる。そして、ジンジャー、クローヴ、少量のペッパーを挽いていっしょに入れる。よく洗った腸を用意し、よく洗って内側を外側にして流れる川の中で血を落とす。

湿り気を取って火にかけた平鍋の中に入れてかき混ぜる。塩を加える。これを2回行い3度目には洗って内側を外にして洗う。タオルの上で乾かす。揉んで絞って乾かす。(entrecercleというのは大きな脂で、その内側にはナイフを使って取り出す程の脂が詰まっている)。

血の半分のタマネギ、血の1/4の脂を用意したら総量を正しく調整してあなたのブラックプディングを腸に中に詰め込む。臓物から出た水を入れた平鍋の中でクックする。膨らんだ時にピンで突く、そうすると割れずにすむ。

 

註、血は2日間もつ。実を言うとスパイスを入れると3日間。スパイスはメグハッカ、large savory、ヒソップ、マジョラムの花が咲いた時に集めて干し、挽いてスパイスにしたものである。臓物は銅のポットに入れて火のうえでクックする、塩を入れずにしっかりとクックして管をポットの外に出しておくとクックした時に汁が濾されるのでそれをスープを作る時に使う。肝でブラックプディングを作るには肝を2葉、肺を2葉、脂を1片、血といっしょに腸に中に詰める。その他のものは上と同様である。

 

※第四章の薬屋の中で述べているが十分ではない。

 

(以下1.から6.まではGina Greco らによる訳である.上とは少し趣が異なるのであえてここに重ねて訳出しておいた。)

 

いよいよこれまでの料理の仕組みについて説明しよう。

 

 

1.     まず、一般的な用語に付いて知っておかねばならない。この本のあちこちから幅広く集める事のできる一般的な用語とは、例えば、ポタージュにとろみを付けるものとしてはパン、卵、デンプン、粉などがある。

 

2.     又、スープを焦げ付かせないようにするには、ポットの底までかき混ぜて、薪はポットの底に触れないようにしておく。もし焦げていたら、別のポットにすぐに移しかえること。

又、ミルクはグルグル回しておくこと。

又、ポットを火の上で沸騰させないこと。

 

3.スープの中にはスパイスをよく挽いて入れること。そうしてスープの場合は濾さないこと。ソースの中に入れる場合とゼリーの中に入れる場合とは逆である。

 

4.スパイスについて知ること――上の第5章にあるように。

 

5.又、去勢豚(hog)を殺す

例えば2月には若いめんどりと言われているように、雄豚は11月に、雌豚は12月に殺すべきであると言われている。

 

6.又、黒いプッディングを作るには豚の血をきれいな水盤や手鍋に集め、子豚をきれいに洗い、その臓物を非常にきれいに洗ってクックする。その間に水盤の底から血の塊を取りだしし捨てる。タマネギ(血の量の半分)の皮を剥きチョップし、それに腸の間にある脂を半分ダイスの大きさに切り、つぶした塩といっしょに血の中に入れる。ジンジャー、クローヴ、コショウを少量、いっしょに挽く。よく洗った小さな腸を流水のなかで内側をひっくり返して水分を絞り出す。鍋に入れて火にかける。かき混ぜて塩を加える。これを二回三回と繰り返す。そうして洗い、また腸をひっくり返して洗う。タオルで湿り気を取り、絞ったり、ねじって乾かす。( 大きな腸は中に脂肪があり、ナイフで切り取る。)その後、量を加減して血の半分のタマネギと血の1/4量の脂を用意する。黒いプディングで一杯になったら鍋に水を入れて臓物をボイルする。大きく膨らんで割れないようにピンで穴を空ける。

 

註、血は2日間もつ。実を言うとスパイスが中に入っていると3日間もつ。スパイスにはメグハッカ、キダチハッカ、ヒソップ、マジョラムを花の時に集め乾かしてスパイスの代わりに粉にする。臓物は銅の鍋に入れ、水を入れて火の上で塩を入れずにクックする。溝の長さ(ノド)の部分は、あとで濾してスープにするのでクックしたときに取り出しておく。

 

肝と一緒にブラックプディングを作るには、肝を2片、肺を2片、脂を1片、これらを腸の中に血といっしょに入れて、さらに残りのものを上のよう入れて作る。

 

註、ガチョウからはよいブラックプディングを作る事ができるが、それは薄くなる。というのは、薄い腸は脂よりも大きくなるからだ。

 

腸の内側を洗うにはどのようにして内側をひっくり返すかと問われると、私は、亜麻の糸と計測者が使う棒のような真鍮の針金を使っておこなうと答えている。

 

7.註。イースターの頃に豚を吊す者がいる。この頃の空気は豚を黄色くする。従って、塩をして保存するには良い時期でPicardy でするように塩をすると肉質が固くなくてもよい。黄色ではなく、白くてきれいなベーコンが得られる。白いベーコンは食卓にだしても黄色いものよりもはるかに旨い。どんなものでも黄色いのもは胸が悪くなるし、みただけでむかついてくる。

 

※“黄色いベーコンのように不快な”という言い回しがある。

 

8.小腸を使ったソーセージ ( chittering sausage ) の作り方

下の方の腸で作るか又は、別の大きな腸で作る。大きい腸のばあいは、普通のソーセージを作るものとは別のものを中に入れる。小さな腸は、小腸のソーセージを作る時は、4つの部分に分けて作る。又、短く切った腸で小腸のソーセージを作ったりもする。

又、あばらの下の肉、または、切れ端やその他の上で述べたブラックプディングで使った内臓。そして上で述べた以外のもの。下の方の腸、これらを小腸のソーセージのなかに詰める。コショウ1/2オンス、塩少々とスパイスをよく挽いて小腸のソーセージのなかに詰め、ベーコンと一緒に塩をしたものを用意してその上におく。

 

9.生の塩をしたショートリブはグリルでローストする。

 

10.背骨とハムは3日間、手を加えずにピーといっしょに塩をする。

 

11.註、ハムに1ヶ月塩がしてある場合、水が冷たい夜に浸けておくのがよい。次ぎの日に料理をする前に湯の中で擦って洗う。または、まず水とワインでクックしてこの最初の煮汁を捨てて、別の水でクックするとよい。

 

12.臓物屋で、7blancsで売っている豚のくず肉の特別の名前,全てについて述べておく。

 

まず、豚を殺すと、最初に、血の塊が得られる。これからブラックプディングが作られる。又、内臓には第一に脂、第二に小さな脾臓、第三胃に臓物が含まれる。脂は小腸と小さな脾臓の間にある。Hasletは肝、肺,心、舌を示し小さな脾臓は肝と腎に硬く付いている。肝は肺と心の間の内臓についている。臓物とは腸のことで腸のentrecereleと呼ばれている。この中に小腸があり、これでブラックプディングやソーセージを作る。胃もここに含まれる。

 

13.羊の臓物には膵臓と最後の胃、四足と頭が含まれていて、臓物屋では2パリblancsする。

 

14.子牛の内蔵は、頭、腸、胃、足が付いて臓物屋では2blancsする。

 

註、内臓は最後の胃(レンネットの取れる胃袋)を示し、――臓物屋はすべてきれいにして売っている。

水洗いし、新しい水で洗いリンスしてある。しかし、買い手は臓物屋の仕事に心配すべきではないが、2-3回湯で洗いそして、熱い塩水につけ、料理に当たっては水で再びきれいになるまで洗うとよい。Sheep’s water(羊水に入れた?) になじませ、ハーヴ、水、サフランを内臓といっしょに皿に入れる。牛の胃と同じように塩とヴェルジュで食べる。

 

15.註、内臓を示す用語は非常に複雑である。

豚の臓物とは肝、肺、心臓 を示す。羊の臓物とは頭、胃、最後の胃、足。子牛の臓物とは頭、腸、胃膵臓、四脚。牛の臓物とは第三胃、胃、第二胃、脾臓、肺、肝、足を示す。

又、鹿には別の名称がある。(その多様性故に全てをlightsと呼べばいいという者もいる。)

 

16.鹿肉または別の獣肉を夏に塩漬けにするのであれば洗濯桶またはバスタブの中で塩をする。粗塩を挽きそのあと日の下で乾かす。後肢と臀部、これは塩付けにした腰肉でまず水とワインの中でクックし塩を抜いてその後、肉のブイヨンの中で蕪といっしょにクックする。スライスして鹿肉と汁をデイッシュに入れてサーヴする。

 

又、若い蕪があれば、最初にボイルするときにはワインを入れずに水の中でクックする。水を捨ててスイートチェスナットといっしょに水とワインの中で少しクックする。栗がないときはセージを入れる。上のようにサーヴする。

 

1767月は、塩漬けの牛肉やマトンのピースを水の中でスキャリオンとクックすると旨い。塩漬け肉は朝から夜まで又は少なくも1日以上クックする。

 

18.パリの肉屋は、彼らの話によると牛は4つの主要な部分からなっている。2つの肩と2つの腿、そして前肢と後肢、そして体の前と後ろ。前肢、後肢の部分は牛が大きければそれぞれ2つに分けて運びやすくする。それで肩と腿の部分を外したら牛を半分にカットして前の部分を1つ、後の部分を1つ取る。こういう風にカットしたら店頭に運ぶが、これは牛が小さい時か中型の場合で大きいと前を2つに後を2つに切って運びやすくする。これで牛は6分割となる。

 

まず胸肉を2つにわける 。この肉は長さ3フィート、幅1フィートの広い肉で下の方からのびている。次ぎにサーロインを、これは厚さ2-3指である脇腹の肉を切る。次いでロイン(腰肉)だが、これは背骨に近いところにあって、これは握り拳の幅である。次いでヒレ肉だが、これはnumble とも呼ばれていて、1フィートの長さかこれ以下で、一方は首に、後一方は腎にまで伸びている。牛の脚をもっている者が牛の皮を剥いでそれを大きな肉屋の下で小さな露天を出して売る権利がある。それは安価なものである。

又、Porteでは牛の大きさに応じて牛をカットして売っている。1つの部位をいくつかのピースにしているところもあればもっと多くのピースにカットしているところもある。彼らは町の人達の正確な勘定が肉屋のツケの中にあることを知らない。よい肉は20ポンドするが、他の部位の肉は12ポンドである。

 

Porte-Parisで一番大きい肉屋。

 

又、臓物屋では牛のくず肉は8スー。これは臓物呼ばれるもので、肺、胃、第三胃、脾臓、肝と四つの足が含まれている。

 

19.又、Besiersでは、クリスマス前のセイント.アンドリュウスの日(1130日)から、羊は4つに切って塩漬けにして――塩をすり込んで、よくすり込み、それを何回も繰り返し、それを積み重ね8日間置いておき、ついで炉の中に入れる。

 

20. 仮に、冬に牛や羊を塩漬けにするなら、粗塩を平鍋に入れてよく乾かし、よく挽いて塩をする。

 

註、67月には、マトンは塩水に浸してから塩漬けにすべきである。

 

21.牛の舌を塩漬けするには、塩漬けの季節を外さずに行うこと。牛の舌を準備して牛の舌を少しボイルし、取り出す。皮を剥いで1つずつ塩をしていく。次いで塩の中に8-10ヶ日間漬けておき、炉の中に吊す。冬の間ずっとそうしておき、次いで乾いた場所に吊す。1又は2又は3又は4年間も。

 

22.ガチョウは勿論3日間塩に漬けておく。

 

23.オオバンは2日間、キャベツといっしょに漬けておくとよい。

ウッドダックも同じ、これは3年毎にやってくる。

 

24.野兎がイースターの2-3週間目に手に入ったら、或いは保存しておこうと思った時に手に入ったら、内臓を抜き、頭の皮をきり、割いて、頭に穴を開けて、脳みそを取りだし、その中に塩を入れる。そして、皮を縫っておく。耳を引っ掛けて吊っておくと1ヶ月はもつ。

 

25.註、ローストにしても、水でクックしても牛肉の一番よいところはkernelである。牛のkernel は首と肩の下の部分である。しかも、このピースをストライプにスライスした時が一番よい。ペイストリィの中に入れる。ペイストリィがクックした時に、ヤツメウナギのソースをかけると最上の味である。

 

26.ウナギ。塩の中に入れて殺し、丸3日間おいてから平鍋に取り出すとぬめりが取れている。ぶつ切りにして、水でクックして、スキャリオンといっしょに供する。夕方から朝にかけて塩をする場合には、皮を剥いて内臓を取り出し、ぶつ切りにして塩をし、強い塩でよくもむとよい。更に早くしようと思えば、挽いた塩でぶつ切りを互いに擦り合わせ、塩に中に入れておいて2つのボールで挟み込むとよい。上の如く料理し、マスタードで食べる。

 

27.ケッグヘリングはきれいな水の中に入れておき、33晩一杯に水を張っておく。そして3日目に洗い、更に2日間きれいな水の中に入れておく。しかも毎日2回水を取り換える。小さなものはそれ程必要ない。あるヘリングにはもともと他のヘリングよりも少なくてよいものがある。

 

レッドヘリング。味のよいものはすらりとしていて、背が太く、丸く、緑色をしている。よくないものは、油っぽく、黄色で、平たい、飾り気のない背をしている。

 

 

 

スパイスと、とろみ付けが入っていない普通のスープ

 

 

29.まず古いピーのスープ(Potage de pois vielz

皮を取るのが普通で、売っている人と場所からそのピーの採れた場所を知ることが大事である。(普通のピーは井戸水ではよくクックしないパリでよくやるように、場所によっては川の水や泉の水でよくクックする。他の地域では、Be’ziers(ブジエ)のように泉の水はまったく使わない。)

どこで採れたマメであるのかよく調べたうえで手桶の中で温水で洗い、温水の入ったポットの中に入れて火にかけ、割れるまでボイルする。

煮汁を取っておく。温水をピーのポットの中に入れ、火にかけ、ボイルする。煮汁が多くいる場合にはふたたび煮汁を取っておく。水を入れずに水分がなくなるまでボイルする。煮汁を取った後でポットの中にスプーンを入れてはいけない。ピーとポットを一緒にゆすって少しずつ温水を入れてゆくか、又は冷水ではなく温水よりも少し熱い湯を入れ、ボイルし温水以外のもの入れる前に完全にクックしておく。塩又はベーコンや調味料など完全によくクックするまではなにも入れてないけない。

完全に煮上がった時点で、ベーコンや水、肉から出た汁を入れることができるが、これらがよく煮えるまでは塩をスプーンの先ほども入れてはいけない。鍋全体を動かして絶えずかき混ぜる。

 

ミートディには煮汁を煮こぼして、ほとんどクックしたところで(ベーコンや肉から出た汁)seweを加える。ピーがほとんどクックしたところでベーコンを入れることができる。ピーからベーコンを取り出しこれを肉から出たseweの中で洗い、肉の上にスライスしておくと見栄えが良い。そうするとピーが肉に付かない。

 

フィッシュデイにはピーがクックしたらタマネギを用意するが、タマネギを前もってピーと同じポットの中で同じ時間クックしておき、ベーコンは別のポットでクックしておく。そして、直ぐに肉から出たseweをピーの中にかける。そのようにフィッシュデイには料理をする。

フィッシュデイにピーをポットに入れて火にかけたら、別のポットに刻んだタマネギを準備しておき、タマネギの中の熱い湯をピーの中に注ぐ。全てがクックしたらタマネギをフライしてその半分をピーといっしょに、他の半分をこれから先で述べるピーのピュレの中に入れ、塩を加える。フィッシュデイ又はレントの時には、塩漬けの鯨の肉(craspois)があれば、この鯨の肉を、ミートディにベーコンを料理するように使わねばならない。

 

30.新しいピーがあると、ミートディにミートのsewe中で一緒に料理するときはパセリのつぶしたものを入れてグリーンスープを作る。これがミートディの時で、フィッシュデイにはミルクの中にジンジャー、サフランを入れてクックする。

 

※若くて柔らかいピーではなく実の詰まった摘み立てのピー。

 

古い又は新しい、どちらのピーであろうと、細かい又は馬の毛のシーヴを通す。古いピーは挽いたサフランで黄色くせねばならない。ピーといっしょにサフランを水の中に入れピーからの汁といっしょにボイルする。

サヤに入った、残ったピーがあるとベーコンを加える。

 

又、a la cretonne’e についてはのちに述べる。

 

ピーから出た汁はミートデイには話しにならない。フィッシュデイとレントの時、前の章で述べたようにタマネギをフライして、タマネギをフライしている中に油を入れてブレッドクラムといっしょに挽いたジンジャー、クローヴ、グレインズオブパラダイスに酢とワインを振り、少量にサフランを加える。パンのフライでボールを飾る。

 

又、その汁でフィッシュデイのブロスを作るにはそれをかき混ぜずにすぐに火から下ろす。など、

 

その汁にビートに葉を混ぜるとそれは旨いスープになる。しかし、それ以上水を加えてはいけない。これがレントの料理である。

 

註、あなたのスープが固まっているのが解ったらそれを薄くする。勿論それが濃いためである。何かを入れる前にそれが固まっているポットの底から絶えずかき混ぜる。

 

如何にタマネギをクックすべきか:水の中に入れる時はピーの前に、長時間水がクックに使われるまで。それからピーの汁をクックするために加えて水の臭いを飛ばす。(ピーを加える前にしばらく水の中でボイルし、水を蒸発する。そうして十分にクックしたピーストックを加えて水の中に香りを移す。Greco

 

カキは最初に熱い湯で洗ってからゆっくりとボイルする。カキの香りがピーの汁の中に残るように少しピーの汁の中でボイルする。泡が立たないようにして、カキを取り出し、お望みであれば、カキをフライする。ボールに入れて、そのほかのものを入れて料理を作る。

 

古いビーンズはサヤに入ったままクックしてそのまま火の上に置いて早朝から夜通しポットの中に入れておく。水を捨てて別の水の中でクックする。ピーのように濾して強い臭いを取りのぞく。ミートストックの中でクックする。先にピーの汁で述べたようにベーコンといっしょにクックする。又は、フィッシュデイであれば新鮮な水の中であとで油を入れてタマネギから出た水を入れ、タマネギを加える。お望みであれば、ピーと同じ様にクックする。

 

又、ビーンズはイースターの頃には皺が寄っている(フラゼ;frase’es)かもしれない。即ちfeves であれば皮を取って洗い、水につけずに皮を全て取ってボイルした湯の中に入れて火にかけ、豆に皺がよってクックするまでボイルする。火からおろしスプーンの中に入れて皮を取り、豆の熱で水分を取りのぞく。一スプーンずつ冷水の中に入れていく。この後温水の中でピーにするように洗う。冷水からボイルし割れるまでボイルする。湯をこぼしてポットの湯を捨てる。ミートディならばミートブロスを入れる。フィッシュデイなら他の汁を入れる。オイル、よくクックしたタマネギをフライしたもの、又はバターで味を調え、生のビーンの葉を潰し、温水で水分を与えそれを濾して緑色にする。そして、他の(ピー)でするようにミートディならばベーコンで、フィッシュデイならそのように料理する。

 

又、新しいビーンズのクレトニイは次の章にある。

 

又、仮にあなたがビーンズの新しい香りと味を年中毎月味わいたいのであれば、毎月ビーンズを準備して植えると良い。そうすれば手に一杯土から生えた、もっとも柔らかいビーンズを手に入れる事ができる。チョップしてあなたのビーンズといっしょにすると、あなたのビーンズは色が明るくなって色がよくなり、新しいビーンズの味がする。

 

又、新しいビーンズは割れるまでクックしなければならない。それを分けて2指の厚さがある茶色のパンの大きなピースを入れた汁の中でボイルする。各(ボール)にはソップを2つとその上に塩をしておく。

 

又、ビーンズが割れて分かれた時それを肉の脂でフライすることができる。その上にパウダードスパイスを少しおく。

 

沼地で採れたビーンズは平たく、畑で採れたものは丸い。又、口の中に入れるとそれは甘くサヤは柔らかい。そうでないものは反対である。

 

又、新しいビーンズの殻を取るにはまずナイフで水平に十分に切ると手で剥ける。

 

註、8月になると人々は濾したビーンズを塩漬け肉といっしょに食べ始める。

 

ハムは3日間塩をせねばならない。そうすると旨い。

 

ポレイ(pore’e,:緑色の野菜を使ったスープ、ポタージュ)

ポレイには3種類ある。料理人によれば白、緑、黒のポレイがあって、ホワイトポレイは、つまりこれは白いリーク、背骨付きの肉、豚の小腸とハムから作り、冬と秋のミートディに作るものである。豚の脂以外に旨い脂はないと言うことを覚えておくとよい。

まず、まだ柔らかい夏にはリークを洗い、スライスして湯通しする。冬になって堅くなると湯通しする代わりにゆっくりとボイルする。フィッシュデイならば、熱湯の入ったポットの中に入れてボイルする。そしてタマネギをボイルしてからフライする。その後で既にフライしておいたタマネギといっしょにリークをフライする。レントの期間外でフィッシュデイならば牛乳が入ったポットの中に全てを入れてクックする。レント期間中であればアーモンドミルクを入れる。そしてミートディならば夏はリークを湯通しして冬ならば前もってゆっくりとボイルしておいてベーコンを少しと塩漬けもしくは塩漬けの豚肉から得たseweの入ったポットの中でクックする。

 

註。時にリークのとろみ付けにパンを入れる者がいる。

 

又、ビートのホワイトポレイは、上のように豚ではなく、マトンと牛のseweを混ぜて作る。そしてフィッシュデイは牛のミルク又はアーモンドミルクで作る。

又、レントの時にアーモンドミルクと作るクレスを用意し刻んだビートをひとつかみとゆっくりとボイルする。オイルでフライし、アーモンドミルクの中でボイルする。レント期間外であればラードとバターの中でクックするまでフライする。肉のseweで延ばす。又はチーズを入れて茶色にならないように素早くサーヴする。

この中にパセリを入れるのであれば湯通しするべきではない。

 

ホウレンソウのポレイというものがあって、それは長い葉で薄く、通常のポレイよりも緑色でレントの始めに食べる。

 

ビートのポレイはビートを洗って切り、ゆっくりとボイルしたものは最初にゆっくりとボイルしてチョップしたものに比べて緑色が濃い。しかし最も緑色のものは外側の葉を取りのぞいて洗い、非常に細かく刻み冷水の中を通したものだ。それで水を取り替え、キレイな水の中に浸しておく。よく水気を切り、ポットの中にベーコンとマトンのseweといっしょに入れ、一度ボイルする。少しボイルしてサーヴするようにする。

パセリを若干洗って切り、緑色のフェンネルといっしょに一度だけボイルしたものを添えてサーヴする。

 

ポレイは最小限にボイルしてゆっくりとボイルしない。この方法が一番緑色をしている。パセリはボイルすべきではないし、ボイルすると香りがなくなってしまうのでボイルしてもほんの少しにしておく。

 

51.フィッシュデイのグリーンのポレイ

外側の葉を取りのぞいて刻み、冷水で洗う。ゆっくりとボイルすることなくヴェルジュと少量の水でクックする。少量の塩をその中に入れてボイルして非常に濃く、澄んでいないものをサーヴする。ボールの底にポレイを入れ、その下に有塩バター又は生のバターを又はチーズあるいは古いヴェルジュを入れる。

スプラウトのポレイの季節は1月からイースターにかけてで、その後ずっと続く。

 

52.ブラックポレイはスパイスした細切りベーコンで作る。つまりポレイを摘んで、洗い、切って湯の中で湯通しして、ベーコン脂のスライスの中でフライする。ボイルしている湯で水気を与える(冷水の中で洗うと色が濃くなってより黒くなるという者がいる)各ボールの中にベーコンを2切れずつ入れてセットする。

 

53.キャベツ

キャベツには5種ある。一番良いものは霜にあたったもので、柔らかく直ぐにクックする。霜の時期はゆっくりとボイルする必要がない。しかし雨の時期はゆっくりとボイルせねばならない。(我々はキャベツと共にスタートする。なぜならばキャベツはその年の始めに大きくなり、そして4月を迎え、次いでブドウの収穫期となり、クリスマス、イースターへ到るのだ。JP

 

139213931394年はイースターから年が始まった。

 

ホワイトキャベツは8月の終わりにやってくる。

 

キャベツの頭はブドウの収穫期の終わりに採れる。中くらいの大きさになった時に採って切り株を引き抜いて新しい土に植え替えてやると大きく広がった葉が出てくる。だからキャベツは大きな場所がいる。このキャベツの頭はローマンキャベツといい、冬に食べる。切り株を移植すると小さな芽が出てきて、これはスプラウトといい、酢の中に入れて生のハーヴといっしょに食べる。たくさん採れたら外の葉を取って温水で洗いそのまま少量の水の中でクックする。クックしたら塩と油を加えて水を加えずに非常に濃くしてサーヴする。レントの時にはオリーヴオイルをかけて食べる。イースターキャベツというキャベツはイースターの頃に食べるからこういうのだけれど、これは8月にサーヴされる。種を植えて地面から1/2フィートになったら引き抜いて、他の場所に移植する。

又、上のキャベツは全てまず、植えて高さが1/2フィートになった時、収穫して再び移植する。

 

キャベツの頭に関して言えば、これは頭の葉を取って刻む、他のキャベツよりもゆっくりとボイルする。

ローマンキャベツは緑色の葉を小さく切って黄色い葉は背や葉脈の部分をモルタルですり潰していっしょに熱い湯の中で湯通しする。次いで水気を切り温水の入ったポットに入れる。肉のseweが十分にない時は脂の多い肉汁と潰したパンといっしょにサーヴする。

 

キャベツは非常に朝早く火にかけて、他のスープよりも非常に長い時間火にかけておく必要がある。強火でクックして、牛脂を入れ、他のものは入れない。これはキャベツの頭であろうと出始めのキャベツであろうと又は何であろうとスプラウトを除いて全てのように料理する。牛脂とマトンの脂が浮いた汁がこの料理には適しているが豚脂と合うのはリークだけである。

そして、フィッシュデイにはキャベツをゆっくりとボイルして、温水の中に油と塩を入れてクックする。

 

又ある者はオートミールを入れたり、又油の代わりにバターを入れる者もいる。

ミートディにはこの中にハト、ソーセージ、野兎、オオバンそしてたくさんのベーコンを加えることができる。

 

54.釜の中で非常に熱い湯の中で2-3回湯を取り替えて洗う。豚、牛又はマトンの肉のseweの中でクックする。又、Beauce ではクックしたらスライスして平鍋でフライし、パウダースパイスを上に振る。

 

55.小さい足

胃を取り、肝を取り、ワインと水でクックする。まず胃から最後に肝を皿にいれて、刻んだパセリと酢を入れる。

又、牛の足、マトンと子牛の足も同様とする。

 

※内臓の意味であろう。

 

56.グラムース(Gramoousse

この料理はディナーで残った冷めた肉とその肉のストックで作る。次の手順で。まず4-6コの卵を卵白と卵黄をいっしょに混ぜ、水のようになるまで混ぜる。そうしないと卵と同量のヴェルジュを入れた時に卵が固まってしまう。ストックといっしょにボイルし、一方で肉を細く切り1つのボールに2片入れる。そしてその上にブロスを入れる。

 

57.予期せぬ時の間に合わせで作るスープ(スープ ドウスープ;soupe depsourvue)

パセリをバターでフライし、熱湯をその上にかけてボイルする。塩を加え、ピュレの時のようにソップを添えてサーヴする。

又、冷めた牛肉があれば、非常に小さく切る。ヴェルジュに浸したパンを潰し、ストレイナーを通して皿に入れ、パウダードスパイスを上にかける。それを木炭の上で温めると3人分として十分なスープができる。

又、フィシュデイには、水の中にアーモンドを入れて茹でる。皮を剥き、挽いて温水でふやかす。濾して、パウダードジンジャーとサフランと一緒にボイルする。ボールに入れてサーヴする。各ボールにはフライした魚を入れておく。

又、ミートディには大釜から肉を若干取りだし、ミートストックの油のない所でパンを湿らせて、卵6コといっしょにつぶして濾し、油の多いストックの中にスパイス、ヴェルジュ、酢、サフランを加えて一旦ボイルし、ボールに入れてサーヴする。

又、宿屋にいる場合には急いでミートストックを見つけ、スパイスを入れてボイルすれば、スープを作ることができる。最後に卵を若干入れてサーヴする。

又、フィッシュデイにはパンを挽き、水とヴェルジュ、酢で湿らせる。火にかけてコトコト煮えたら火から下ろし卵黄を加える。火にかけて火を小さくしてボイルするまで熱を加える。パウダースパイスを好みで飾る。

又、ベーコンを少量ポットに入れて、ボイルする。半分クックしたところで、生のサバを切って入れてベーコンといっしょにクックする。その後、取りだし、刻んだパセリを加え、泡が出るまで一旦ボイルしてから、サーヴする。

 

58.よいチーズについて知る

よいチーズには6つの特性がある。

 

Non argus, nec Helena ,nec Maria,nec Magdalena ,sed Lazarus et Martuinus ,

respondens pontifici

 

色白のヘレンのように白くない、

涙ぐんだマグダラのマリアのように涙にくれず、

アルゴスのように無数の目を持っていない、

牡牛のように重いこと※、

弾力があって薄い黴の膜があること、

目がなく、水気がなく、白くなく、薄い膜が張って弾力があって十分な重さがあること。

 

肥った12世紀の法学者マルティーヌス・ゴシアが教皇に抵抗したように

 

59.7月にはハムや生の豚肉は黄色い水(サフランストックGreco)、グレインヴェルジュ、少量のジンジャーとパンの中でクックし、グレイテッドソースで食べる。

又、サパーに塩漬けの肉を朝に水とスキャリオンでクックする。肉には牛肉又はマトンを使う。

 

60.殻付きで新しいピーを食べるにはミートディにはベーコンを加え、フィッシュデイにはクックした豆があれば、その汁を取り出し、下に(上にGreco)溶かした塩バターを加えてそれを振って食べる。

 

 

 

薄いスパイスの入ったスープ

 

 

61.まず注意すべきは、スープの中に入れる。スパイスは潰しておくが、シーヴしないこと。但しゼリーを作るときはこの限りではない。スープの中にスパイスを入れる時はできるだけ遅らせて入れるのです。早めに入れるとスパイスの香りが飛んでしまうからです。そしてブレッドクラムは濾しておくこと。

 

62.フィッシュデイのためのスープは次の先頭のページを見ること。

 

又、アーモンドを茹でて皮を剥いて挽く。温水の中に混ぜて細かいサフランとパウダースパイスを入れてボイルする。フライしたシタビラメ1/2を各ボールに入れてその上にスープをかける。

 

63Gourds;皮を剥き、これが一番よい。中身が必要な場合には種を取り、皮の部分に価値があるとはいうけれど、皮を小さく切り、ゆっくりとボイルする。縦にチョップして牛脂の中に入れてクックする。最後にサフランを一本ずつ入れて、黄色にする。又は、一本ずつサフランをあちこちに入れる。料理人がサフランを飾る“とはこのことを言うのだ。

 

※ズッキーニに似たかぼちゃの類で中身は取りのぞいて食べた。

 

64.マトンの野菜シチュ(Hericot of mutton)

マトンは細かく切ってちょっとボイルする。次いでベーコンの脂でフライし、タマネギのみじん切りを入れていっしょにフライしクックする。そしてビーフストックと混ぜて、メイス、パセリ、ヒソップ、セージを加えて、一緒にボイルする。

 

65.ポットの中にマトンパイを作る

(マトンの)モモ肉を牛脂又は骨髄又は子牛のチョップとタマネギのみじん切りを蓋付きのポットに入れ、少量のミートストック又は、他の汁を入れて、スパイスを加えてボイルしクックする。少量の酢で味を引き締め、デイッシュにアレンジする。

 

66.又、暑い時に塩漬けのマトンを作るには前もって湿らせ、挽いた粗塩を振っておく。

 

67Auxerre mutton (オーゼール マトン:super mutton)

マトンを小さく切って、水洗いし、水の中でクックする。次いでたくさんのパセリとパンを挽きシーヴし、スパイスといっしょにポットの中に入れる。

 

68.黄色いマトン(Mouton au Jaunet

脚の生肉をピースにきり、水の中でクックする。そこに潰したジンジャー一塊とヴェルジュ、ワイン、酢で湿らせたサフランを若干入れる。

 

69.黄色い牛の胃

牛の胃をクックしようとすると、色が黒く変わるのでクックしている途中で塩を加えてはいけない。又、脚、尾、血は色が黒く、別々に分けてクックすべきである。膵臓を他の内臓などの色のついた内臓もまた、分けてクックすべきだ。

 

70.黄色い脚の牛

これは長時間かけてクックする。トリを2日早く殺した場合、又1日前に殺した場合はハーヴといっしょに長時間ボイルすべきである。それからサフランを加える。

 

71.小さい鴨のスープ

小さな鴨を非常に旨くクックし、フライするには、ジンジャー、クローヴ、グレインズ(オブパラダイス)、ロングペッパー、パセリ、少量のセージを挽き、肉のストック又は小さな鴨からのseweを入れて湿らせ、下ろしたチーズを加える。小さな鴨の肉を3片各ボールに入れてサーヴする。

 

72.シャポンのスープ(Brouet de chapons)

シャポンを水とワインの中でクックする。バラバラにして脂でフライする。シャポンの肝と内臓、アーモンドを挽きseweで湿らせてボイルする。ジンジャー、シナモン、クローヴ、ガリンゲイル、ロングペッパー、グレインズオブパラダイスを酢で湿らせてボイルする。サーヴするときはボールに肉を分けて入れ、スープをその上にかける。

 

73Herbed chicken –veal with herbs

冬、殺したトリを、湿らせて氷の中に6日間おいておく。夏には太陽を避けて殺してから2日間置くか、又は、マットレスの下に包む。水でクックし、ベーコンを入れて味を付ける。パセリ、セージ、卵の(殻?)、ヒソップと少量のヴェルジュを加えて味を引き締める。ジンジャーを非常に少量、サフランを加えて色を出す。これは冷たくしてサーヴするのに相応しいスープであり、熱くしてサーヴするにはトリも子牛も入れずにベーコンとサフランだけでよい。

 

74.小さいトリ又は他の肉のスープ。

乾いた状態で羽根をむしり、ベーコン脂をキューブに切って、平鍋に入れ、脂を出し、トリをフライする。そしてミートストックに入れてクックする。グリルで茶色にしたパンまたは、ミートストックと少量のワインで湿らせたパンクラムを用意し、ジンジャー、クローヴ、グレインズ(オブパラダイス)パウダードシナモン、肝を挽く。パンとストックをシーヴしてスパイスは細かく挽いてシーヴしない。ヴェルジュを少量入れ小さいトリと一緒にボイルする。

又、ブイヨンがない場合には、豆から出た汁を使う。

又、このスープは濃すぎず、しかし澄んでいてレバー又はパンだけでとろみを付ける。

 

75.ラグー(Grave’ ou seyme’

これは冬のスープである。タマネギの皮を取り、チョップしてクックする。ポットの中でフライする。トリの背を横に切り裂いて石炭の火の上でグリルして茶色に焼く。又は子牛で同様にする。子牛はピースに切って、トリは1/4に切る。ポットの中にタマネギといっしょに入れる。グリルで白いパンを茶色にトーストして他の肉のseweにつけて湿らせジンジャー、クローヴ、グレインズ(オブパラダイス)、ロングペッパーを挽き、ヴェルジュとワインを混ぜて(シーヴせずに)横に取っておく。パンをすり潰しシーヴしてスープの中に加える。全てを濾してボイルする。そしてサーヴする。

 

註。Sur-fry とはポットの中で、fry とは鉄の平鍋の中で料理することを言う。

 

76.ロブスター(又はザリガニ、同じ言葉である。JH)のスープ

エビをボイルし、ボイルしたら食べるときのように殻を剥く。食べられない部分を取り、アーモンドの皮を剥き、挽いて、豆の汁と混ぜ、篩を通す。茶色に焼いたパン又は、パンクラムを豆の汁で漬したものを挽いて、シーヴする。ジンジャー、シナモン、グレインズ(オブパラダイス)、クローヴを挽いて全てをポットに入れる。酢を少量入れ、一緒にボイルする。ボールに入れる。各ボールには油でフライしたロブスターと他のフライした魚を入れておく。

 

77.又、tuil d’ecrevisses’(トゥイ ドルクレース)を作るには、上のようにして料理するが、カレイの鱗は取っておくこと。

モルタルとペストルを利用するなら、ザリガニの殻をポットか土器の平鍋に入れてそれをオーヴンに入れて乾かす。そしてモルタルで挽いて、細かいメッシュで篩う。

残ったものを再びオーヴンに入れて挽きそして篩う。これをスープに入れる。あなたがやろうとしていることを信じなさい。(19世紀の編者は、このレシピには催淫効果があると信じていた。JH

 

78.アナウサギのスープ(rabbit boussac)

まず、Garenne(ガルーヌ)のコーニイはその首筋、つまり、耳から肩までの間が茶色と黄色の間の色をしているといわれており、足の内側、手の内側と腹は全て白で他の場所に白いところはないということで知られている。

又、1年目のものは手足のもとの小骨は短くてとがっている。年を取ったものは関節の骨はくっついていて、野兎や犬と同じである。

新鮮なものは目が落ちこんでいない。口を開くことができない。脚が真っ直ぐで自分の脚で支えている。クックしたとき、内臓がしっかりしたまま残っている。長くたったものは目が落ち込んでいて、口は簡単に開き、しっかりと持てない。クックすると、内臓はバラバラの小片になる。冬にはコーニイは8日前に用意するのがよい。夏は太陽のしたに置かなければ4日前に用意するのがよい。

アナウサギはよく選んで皮を剥き、四角のピースに切る。これをゆっくりとボイルし、冷水に漬ける。各ピースの側面に3枚ベーコンのピースを付けて水でボイルする。その後、ワインを入れる。ジンジャー、グレインズ(オブパラダイス)、クローヴをビーフストック又は、ウサギのストックに浸し、ヴェルジュを少し入れ、これをポットの中で肉に火が通るまでボイルする。

 

79.サルミ(seyme’)

サルミはこのように作る。しかし、フライしたタマネギと少量のパンのクラムをとろみ付けに使う。これはブロスである。

 

※野鳥類に焼き肉が入ったブロス

 

80.又、同様の方法でラードを入れた子牛や子ヤギ又は、鹿の粥を作る。

 

81.又、・・。

 

82.野兎のスープ(Hare boussac)

 

註、生の野兎はすぐに食べるべきである。肉質は保存しておいたものよりも柔らかい。

 

日光にさらさなければ野兎は15日前に取ったものが最上である。つまり、冬の真っ最中は15日間、日にさらさない夏には6-8日間かそれ以上と言われている。

 

又、生のものを食べた時はその肉は柔らかく、肉を洗う必要はないがその血といっしょにローストする。

 

83.アナウサギ又は野兎のスープはこのように作る

グリルするか串に刺してローストし、それをバラバラにする。それを脂又はベーコンでフライする。トーストしたパンクラムを牛ストックとワインに浸し、濾す。いっしょにボイルしてジンジャー、クローヴ、グレインズ(オブパラダイス)をヴェルジュに漬しダークブラウンにする。濃すぎないこと。

註、スパイスはパンを挽く前に挽いておくこと。

 

アナウサギは同じ方法で料理する。但し、アナウサギをゆっくりとボイルし冷水に浸けてからラードする。以下は同じ。

 

84.薔薇色の若いウサギ(Rose’ de Lappereaux etc.)、ラーク、小鳥またはヒヨコの料理

若いウサギは皮を剥いて、小さく切りゆっくりとボイルして冷水につけて、ラードする。ヒヨコは熱湯をかけて羽根を取り、冷水につけて小さく切ってラードする。ヒバリや小鳥はsewe の中でゆっくりとボイルして羽根を取る。ベーコンの脂を小さく四角に切り、手鍋に入れて火にかける。ラードの塊を取り除き、溶けた脂を残しておく。その中で貴方の肉をフライするか、又は貴方の肉を石炭の上でボイルしたものを脂といっしょにポットの中で何回もひっくり返す。この間アーモンド皮を剥きビーフブロスに入れて湿らせシーヴにかける。ジンジャー、クローヴの頭、赤い杉(Alexander)をビーフブロスに入れて濾す。クックしたら肉と全てのものをポットに入れたくさんの砂糖といっしょにボイルする。ボールに入れて茶色になったスパイスを上にのせる。赤い杉は木で、薬局で売っている。ナイフの柄を作る杉であると言われている。

 

85.鹿の肉

鹿肉は子鹿や山羊の肉よりも堅く、最初からラードしゆっくりとボイルしてクックせねばならない。たくさんのワインを入れ、少しクックしたところで、挽いたメイスを入れ、キャメラインで食べなければならない。又、ゆっくりとボイルしてラードしてペイストリィの中に入れて、冷ましてキャメラインで食べる。夏に塩漬けしたい時は、粗塩を水にとかし、ここに鹿肉を浸し、日の下で干す。

 

86.牛肉を鹿や熊味にしたい時には、熊のいる国に住んでいるのであれば内臓、 又は牛の脚をラードしてゆっくりとボイルする。串で刺してローストし、ボアの尾の(ソース)で食べる。牛肉をゆっくりとボイルし、その長さに沿ってラードし、小片に切り熱いボアの尾の(ソース)を皿に入れた牛肉の上にかける。

牛肉は最初にローストするか又は、ボイルしている水の中でボイルして、すぐに引き上げたものを使う。そうするとこの肉は鹿よりも柔らかい。

 

87.牛肉の熊肉もどき

牛の脚をジンジャー、クローヴ、ロングペッパー、グレインペッパー(グレインズオブパラダイスGreco)などの黒いソースの中に入れる。各ボールに2片ずつ入れて食べる。そうすると熊のような味になる。

 

88.とろみのない澄んだブロスに入れた野山羊の料理

野羊の皮を剥ぎ、ボイルしている湯の中でボイルし、すぐに引き出す。そうすると鹿肉よりも柔らかい。ラードし、脂の入っていないミートストック。その肉のまたは他の肉のストックで。ワイン、粗挽きのスパイスを入れ、あなたの肉をその中にアレンジする。又、野山羊は同様にして料理する。

 

89.生のワイルドボアはワインと水の中でクックしてホットペッパ-で食べる。塩漬けしたものは上で述べたようにマスタードで食べる。これは冬の真っ最中のことで、冬の初めにはツマ( garnishes)とスパイスで食べる。

 

903月の受胎告知の祭りの日(3/25日)には雄鹿の枝角が現れる。5月の中旬をハーフヘッド、6月中旬をハーフファット、マグダラのマリアの日をトウルーヴェニスンと言っている。鹿の枝角は半分位伸びているが、本当の枝角は5月のholy cross の日に始まり(5/3日が昔から鹿シーズンの始まりである)そして、この日からマグダラのマリアの日(6/22)にかけて鹿が大きく育つ。9月のholy cross(9/14) まで狩りができる。そして狩りのシーズンは終わる。

 

又、内臓を取った時に、最初にそのおいしいところを取る。その場所は(c….nsである.)

首と肩の間の部分で、心臓からの静脈や肝などを含む。これらのおいしい部分はゆっくりとボイルし、クックしてホットソースで食べる。(文字が抜けたいわゆるごちそうの部分は領主様のもので、狩りの後すぐによく食された)

 

又、鹿肉は肩、胸、腿、肝、内臓、腰、尾に切り分けられている。実際こういう形で取り扱われた。それに2つの脇腹、これで全てだ。

 

又、生の肉はゆっくりとボイルせずに沸いている湯の中に入れ、すぐに出して、ラードし、ボイルし、ラードする。それから、水の中でボイルする。このスープはスパイスと飾りものをしたラーデイスープと呼ばれている。

 

又、内臓はローストしてホットソースで食べる。

 

又、ロインは脇腹と脊柱の間の部分でペイストリィの中に入れると他のやり方よりも旨い。

 

又、生の鹿肉はローストしてホットソースで食べる。

 

又、鹿の頭と脚は領主に、これを食べないが、領主は種類と鹿の年を知るだけで食べることはない。しかし、食べる肉として領主様には性器と胸と2つの脇腹が贈られる。

 

又、尾は性的な器官と言われている。性器に塩をするには背の大部分の骨に囲まれている全ての骨を取りのぞかねばならない。

 

又、乳房は塩漬けすると旨いし、狩猟肉も牛肉と同じように塩をする。

 

又、肝を除いて、全ての内臓は犬をトレーニングする際の狩猟動物の代わりと狩猟動物のトレーニング犬に使用し、これを(けしかけるもの)と呼んでいる。

 

91.9月に黒い獣の狩りが始まり冬のセントマーティンデイまで続く。

又、豚では全ての四肢はハムと呼ばれている。又、ワイルドボアは頭、脇腹肉、背骨、内臓と4つのハムから成っている。又内臓はsubtle English broth を作るのに適している肝以外明記するものがない。

 

※ボア、狼、狐。

 

Bourbelier は内臓である。(だから、この地域では、ある者は片方の手に内臓が、そして、もう一方の手にはbourbelierを)という。

 

又、ワイルドボアは塩漬けをして、フルーメンティといっしょに食べる。頭は水とワインを同量入れた中で丸ごとクックし、喉の垂れ肉はスライスしてグリルの上で焼くと旨い。

 

92.雌鹿

野生の雌鹿はとろみを付けない澄んだブロスにする。皮を剥ぎ、ボイルしている水の中でボイルし、すぐに出す。そうすると鹿よりも柔らかい。それにラードし、脂分のない鹿肉のストックに入れてクックする。または、別のストックとワイン、グランドスパイスと一緒にクックする。肉をその中に入れてアレンジする。

 

 

 

別のとろみを付けたミートスープ

 

 

93.去勢した豚の内臓のスープ

ジンジャー、クローヴ、グレイン(オブパラダイス)、酢などを挽き、酢とワインの中に混ぜる。次いで、トーストしたパンを酢で湿らせ、挽いてシーヴする。全てを一緒にして、内臓をクックする。小さくピースにしてスイートオイルでフライする。血のプディングを大鍋に入れ、又は大鍋の中にポットを入れ、スパイスを挽いた後でパンを挽きボイルする。ポットの中にフライしたピースを入れボイルするまで加熱する。サーヴする。

 

sweetとは新しい、きれいなを意味する.Daniel Myers

 

94.新しいビーンズ

割れるまでボイルし、たくさんのパセリとセージを少量とヒソップを用意し細かく挽く。その後パンを挽き、同じ皮を剥いて挽いたたビーンズを一握りとパンをとろみ付けに使う。シーヴする。

ミートディにはベーコンの脂の中でフライし、フィッシュデイならば油かバターで、ミートディにはあなたのビーンズをミートストックの中に入れて、又はフィッシュデイならビーンズの汁の中に入れる。

 

95.新しいピーまたは新しいビーンズのクレトニイ(Cretonne’e de pois Nouveaulx ou fe’ves Nouvelles)

ほとんどピュレになるまでクックして煮汁から出し、非常に新鮮な牛の乳を用意する。牛の乳を貴女に売る婦人に告げておきなさい。牛乳の中に水を入れて売っているのが、貴女に対してではないにしても、しばしば水で薄めているようであれば、その牛乳は新鮮ではないし、直ぐに腐るのです。そして、牛乳の中に何かを入れる前にボイルしていればこれも返しなさい。最初に食欲を増すジンジャーを挽きそして黄色の色を付けるサフラン、とろみを付けようとすれば、卵黄をゆっくりと上から注ぎ入れる。卵黄は十分な色を付けるし、つなぎにもなる、しかし、色付けのためのサフランとパンのつなぎを使ったときよりもミルクの中に卵黄を入れたときの方が早とろみがつく。つなぎの目的でパンを使うのならば、膨らませていない白いパンをミルクとミートブロスを入れたボールの中に入れて湿らせ潰してシーヴする。パンを濾すがスパイスは濾さない。ピーといっしょに入れてボイルし全てがクックしたらそこにミルクとサフランをいれる。

また、別のとろみつけの方法がある。それはピー又はビーンズを潰して濾すのだが、どの豆を使うかは貴女の好み次第だ。

とろみに卵黄を使うときはよくときほぐし、シーヴしてゆっくりとミルクの中に注ぐ。新しいピー又はビーンズとスパイスの入ったミルクがよくボイルしたら火から下ろす。

最も確かな方法は、少量のミルクを取ってボールの中で卵黄と混ぜ少しずつミルクを加えて卵黄に混ぜていく。スプーンを使ってたくさんの牛乳と卵黄が混ざるまで繰り返し混ぜる。これをポットに入れ火から離して置く。そうすると、スープは固まらない。もしスープが濃いと肉のseweで少し延ばす。これができたら1/4に切ったトリ又は子牛又はカモ(gosling)を用意し、ボイルしてからフライする。各ボールの中に2-3切れの肉を入れ、その上にスープをかける。

 

96.フィッシュデイのためのクレトニイ

テンチ(コイ)、カワカマス、シタビラメ、スナガレイのフライしたものを使う

 

97.去勢豚のくず肉

実際には内臓を使う。川で内容物を洗い出し、温水の中で2回洗う。平鍋に入れて塩でよくもみ、水洗いする。再び温水で洗う。――ある者は、塩と酢で洗い次いで酢で又は、酢を入れずによく洗う。小さく切り、串に刺してグリルの上で焼く。グレインヴェルジュで食べる。スープにしたいときはホールを土鍋に入れてクックする。水気を切って皿にあけ、小さいピースに切る。そしてベーコンの脂でフライする。

そしてまず、パンを挽き、メイス、ガリンゲイル、サフラン、ジンジャー、クローヴ、グレインズ(オブパラダイス)、シナモンを挽く。ストックで湿らせ、横に置いておく。次いで、トーストしたパンクラムを挽き、くず肉に混ぜて、シーヴにかける。これをミートストック又はくず肉のストックの中に入れる。または、半々の中に入れて赤ワイン、ヴェルジュ、酢で一緒にボイルする。冬は褐色でなければならない、そして、上のようにサーヴする。

夏はもっと澄んでもっと黄色く、グレインヴェルジュを袋に入れてまたは、グースベリーを袋に入れて水の中でクックする。ボールを用意したら6-8口のくず肉を入れ、スープを上にかける。そして6又は8のグレインヴェルジュ又はグースベリーを各ボールに入れる。ある者はスパイスとミルクで上のようにスープを作り、それをクレトニイと呼んでいる。

 

註、塩や酢は新鮮さを取りのぞくものである。それで私はくず肉は7月に食べる様に、そして12月にはカバブにする様に言っている。肝や肺やその他のくず肉は道端で顔洗い桶で料理する貧乏人のものである。

 

※夜に準備をして翌日早く、黄色い銅のボールの中に入れて通りで小売をする貧しい婦人に売り渡された。

 

98.チキンコミニイ(Commine’e de poulaille;クミンで香りをつけたチキン)

ピースに切ったものを水と少量のワインの中に入れてクックする。そして脂の中でフライする。パンを少量取り、あなたのブロスで湿らせる。まず、ジンジャー、クミンをヴェルジュといっしょに挽く。シーヴして肉又はトリのブロスの中に全て入れる。サフランで色を付けるか又は卵又は卵黄のいずれかをストレイナーにかけて火から下ろしてからスープの中に入れる。私が前に言ったように一番よい方法はミルクを使うことだ。スパイスを挽いた後でパンを挽く。スープの中で固まらないように最初にミルクを沸かし、スパイスを挽いた後でパンを挽き、スープができたらミルクをワインの中に入れる。理由は見あたらないが、そしてフライする。フライしないと言う者がたくさんいるが、一般にはフライした方が味がよいと言われている。

(パンはとろみ付けに使う。クレトニイの項で彼が言っているように卵も別のとろみ付けであると述べられている。)

(ヴェルジュとワイン、ミルクでスープを作る時にはワインとヴェルジュを使う必要はない。)

 

99.フィッシュデイに作るコミニイ

魚をフライする。アーモンドの皮を取り、潰す。ピュレ又は魚のブロスで延ばしアーモンドミルクを作る。病人の体にはよくないが牛のミルクは食欲をそそるので、そして余分のアーモンドがないとこれを使う者がいる。又、ミートディにミルクがない場合にはアーモンドミルクの料理を作り、そして上のように肉といっしょに使う。

 

100.シャポンゲイムスープ

1/4に切り水でクックする。ベーコン脂でフライし、その間ジンジャー、シナモン、クローヴ、グレインズ(オブパラダイス)を挽く。グリルでパンを茶色に焼く。スパイスの後でパンを挽く。ヴェルジュで湿らせ、パンをシーヴに通して全てを一緒にボイルする。サーヴするときにはボールに入れ熱いスープを上にかける。

 

101.ゲイムバード

ホットポットはこのようにして作り、澄んでいるべきではない。カモが固くてやせている時はローストすると脂がなくなるので、小さくピースに切らねばならない。又、年の取ったアヒル、固い牛も同様に料理する。

 

102.シナモンスープ(Brouet de canelle

トリ又は他の肉を切り、水とワインを入れてくつくつと煮る。そしてフライする。生の皮を付けたアーモンドとたくさんのシナモンをよく潰し、これをあなたのブロス又はあなたのミートブロスで湿らせあなたの肉といっしょにボイルする。そしてジンジャー、クローヴ、グレインズ(オブパラダイス)などを挽く。そして濃い黄色ないし茶色(赤)にする。

 

※濃いスープ又は薄いブロス様の汁で、boruetとはスープでもなく肉のソースでもない。

 

103.ジョージスープ(Brouet Houssi’e;パセリで飾ったスープ)

トリを1/4に切り、又は子牛又は使おうとする肉をピースに切る。ベーコンと一緒にボイルする。ポットの片隅に血(脂Greco)を入れて、タマネギのみじん切りをフライしてクックする。又、パンをグリルでトーストして肉のブロスとワインで湿らせる。ジンジャー、シナモン、ロングペッパー、サフラン、クローヴ、グレインズ(オブパラダイス)、肝を全てシフトする必要がないほどよく挽き、ヴェルジュ、ワイン、酢で湿らせる。スパイスをモルタルから取りだし、パンを挽く。シーヴを通し好みでパセリの葉を入れて、脂とタマネギを入れてボイルする。それからあなたの肉をフライする。

このポタージュは()脂のような茶色をしており、Soringueの様に濃くなくてはいけない。

 

註、いつも最初にスパイスを挽き、ブロスと一緒にスパイスはシフトしない。その後、パンを挽いてシーヴすること。

(私はワインと酢は必要であるとは思わない)

 

註、これはパセリを使ったパセリレイストスープと言うただ一つのものだ。“サフランで飾った”と言うのと同じように料理人はこのようにいうのだ。

 

104.ルセットスープ(Brouet rousse

ルセットスープは上のジョージスープのように作る。ただサフラン、ワイン又は酢を入れないで作る。非常に厳選したたくさんのシナモンを入れて、タマネギを丸くスライスする。

 

105.ヴィネグレッテ(Une vinaigrette)

豚の脾臓を用意し、よく洗い湯通しする。グリルで半焼きしてピースに切っておく。脂と丸くスライスしたタマネギを土鍋にいっしょに入れて火の上にかける。時々鍋を振って、十分にフライするかクックしたらビーフブロスを加えてボイルする。トーストを挽きジンジャー、グレインズ(オブパラダイス)、サフランなどを挽く、これをワインと酢で湿らせて、全てを一緒にしてボイルする。茶色になっていること。

(茶色。何故茶色になっているのか、もし、トーストしたパンがなければ。私はこの料理は濃くなければいけないと思う。それに、とろみを付けたスープの項でこれを見た。この二つの理由で、とろみを付け色を茶色にするためにトーストしたパンを用意していると思う)

 

106.ホワイトスープ(Brouet blanc)

シャポン、若いメンドリ又はニワトリを前もって殺しておく。ホール、1/2のカット又は1/4にカットしたニワトリと子牛のピースを水とワインの中でベーコンといっしょにクックする。クックしたら取りだし、アーモンドの皮を剥いて挽く。トリのseweで湿らせる。汁は澄んでいてかすがなく、濃くない。これらをシーヴに通し、ホワイトジンジャーの皮を剥き、グレインズオブパラダイスといっしょに上のように湿らせて非常に細かいシーヴを濾す。アーモンドミルクと混ぜる。十分に濃くないとボイルした小麦又は米の粉を濾して、ヴェルジュで味をつけてたくさんの白砂糖を入れる。用意が整ったら各ボールに肉を入れ、この上にスパイスを振る。スパイスとして知られている赤いコリアンダー、ザクロの種、アーモンドの糖果とフライしたアーモンドを各ボールの縁にセットする。この料理は下のブラマンジェと関連性がある。

 

107.病人の為のシャポンのブラマンジェ

よくクックするまで十分な量の水の中でクックする。アーモンドをたくさん挽き、シャポンの肝を挽く。よく挽いてあなたのブロスと混ぜる。シーヴを通す。柔らかで濃くなるまでボイルし、ホワイトジンジャー、とホワイトスープのレシピに含まれるその他のスパイスをいっしょに挽く。

 

108.ジャーマンスープ(Brouet D’Alemaigne

アナウサギの生肉,家禽又は子牛の肉をピースに切る。水の中で半分クックするまでボイルする。ベーコン脂でフライする。みじん切りのタマネギをポットに入れ、石炭にかけ、脂を若干ポットに入れ、時々ポットをゆする。ジンジャー、シナモン、グレインオブパラダイス、ナツメグ、肝を金串に刺してグリルの上でローストしたもの、サフランを挽いてヴルジュと混ぜる。これで黄色の色づけをして、とろみを付ける。そして、まずパンをグリルで焼いて茶色にし、挽いてシーヴする。サーヴする時には3-4ピースのあなたの肉をボースに入れてその上にスープをかける。そしてその上に砂糖をかける。

 

(註、これは彼の間違いだ。ジャーマンスープが黄色い色をしているべきであるとは誰一人料理人は言っていない。黄色でなければならないならサフランをシーヴにかけるべきではない。挽いてスープの中に入れて混ぜるべきである。シーヴすれば色が出るし、上に散らせばフリンジング(fraingie’)というはずだ。)

 

109.繊細なイングランドスープ(Soubtle brouet d’Angleterre)

皮を取ってクックした栗を用意し、これと同じ又は少し多目の固ゆでした卵黄と豚の肝を用意する。全てを挽く。温水と混ぜて、シーヴを通す。ジンジャー、シナモン、クローヴ、グレインズ(オブパラダイス)、ロングペッパー、ガリンゲイル、色を付けるサフランを挽き一緒にボイルする。

 

110.サヴォイスープ(Brouet de savoie)

シャポン又はメンドリを用意し、脂身の少ないベーコンとその肝と一緒にボイルする。半分クックしたところで取りだし、seweで湿らせたパンクラムを入れ、ジンジャー、シナモン、サフランを挽く。それらを取りだし、たくさんのパセリと肝を挽きシーヴする。その後パンを挽いてシーヴする。そして全てを一緒にボイルする。

 

(註、パセリはスープを緑色にし、サフランは黄色にする。それで出来上がりはひどい色になる。しかし私はパンをトーストしておくと色はよくなると思う。トーストしたパンとサフランを一緒にすれば緑色になるし、パセリを入れても緑色になると思う。)

 

111.ヴェルジュとトリのスープ(これは夏のものだ)

トリを1/4カットしたもの又は、子牛又はヒヨコをストックの中で、又は、他の汁の中に入れ、ベーコン、ワインとヴェルジュといっしょにヴェルジュの味がしみ込むまでクックする。それから良質のスイートファットの中で肉をフライする。卵黄とパウダーハーヴを強くかき混ぜシーヴを通す。そして貴方の卵をポットの、貴方のストックの中に入れる。細長い糸のように上から注ぎながらスプーンで勢いよく混ぜる。ポットを火の後にやる。スプーンの中のミーとストックの中でパセリの葉とグレインヴェルジュをボイルするか、もしくは緑色を取るために澄んだ水を入れたポットの中でボイルする。肉をサーヴしてスープをその上にかける。上にパセリとボイルしたグレインヴェルジュを上にかける。

 

112.明るい緑色のスープ

好みの肉を水でクックするか少量のワインでまたは、ミートストックの中でクックし、ワインとベーコンの香りを付ける。次いで肉をフライし、ジンジャー、サフラン、パセリを挽き好みでセージを少量入れる。そして、卵黄を細い穴の開いたスプーンでゆっくりと注ぎ入れる。生のものをとろみ付けに、又は、ストックに浸けて湿らせたパンを入れる。ヴェルジュと一緒に全てをボイルする。ある者はチーズを加えるが、それは全く正しいことだ。

 

113.おろしたスープ(Ra’ppe’

あなたの肉をクックし、脂でフライする。グレインズ(オブパラダイス)、ジンジャー等を挽きヴェルジュを加える。ミートストックで湿らせたパンを用意し、挽いてシーヴを通す。そして、スパイスとパン、そして、全てを一緒に大鍋に入れてボイルする。

グレインヴェルジュ又はグースベリーを平鍋の中でボイルしたもの又は他の汁を最初の味の鋭さを取る為に布の中、ストレイナー又は他のもので濾す。そして肉をボールに入れ、スープを上にかける。その上にグレインヴェルジュをかけてサーヴする。

 

114Geneste’はいわゆる(Planta genista)の黄色の花のように黄色なので、genest(ジュヌスト)と呼ばれている。卵黄とサフランで色を付けciveyの代わりに夏に作る。作り方は以下に述べるがタマネギは使わない。

 

  一般に魚又は肉の中にタマネギを入れてとろみを付けたスープをciveycyveye などと言う、ここではブロスと訳している。

 

115.子牛のブロス(Veal civet)

水洗いもゆっくりとボイルすることもしないで、串に刺すか又はグリルの上でクックする。そして、ピースに切って前もってクックしておいたたくさんのタマネギと一緒に脂でフライする。そして、少し茶色にしたパンかトーストしていないパンのクラムをそうしないと子牛のブロスには茶色過ぎる。(この少し茶色にしたパンは野兎のブロスによいと言われている)そしてこのパンをビーフストックと少量のワイン又は、クックしたピーからの水で湿らせる。その間、ジンジャー、シナモン、クローヴ、グレインズオブパラダイスと主に黄色に色づけるサフランを挽く。ヴェルジュ、ワイン、酢を混ぜそれからパンを挽いてシーヴを通す。

スパイスを加え、そしてシーヴを通したパンを大鍋に入れ、全てを一緒にボイルする。茶色よりも黄色になるべきで酢を効かせ、たくさんのスパイスを入れる。

 

註、サフランをたくさん使ってスープを赤くするクローヴ又はシナモンは加えない。

 

116.野兎のブロス(cive’ de lie’vre)

まずウサギを胸のところで切る。生肉ならば、生肉にしてから1-2日しか経っていないと,洗わずにグリルにのせ、ローストする。良質の石炭の火の上にのせるか、串に刺してローストする。ポットの中にクックしたタマネギと脂を入れ、この中にピースに切った野兎のピースを加えて火の上でフライする。絶えずポットをゆする、又は鉄板の上でフライする。

そして、トーストしたパンを酢とワインをseweの中に入れて、湿らせる。ジンジャー、グレインズ(オブパラダイス)、クローヴ、ロングペッパー、ナツメグ、シナモンをあらかじめ挽いておいたシナモンを用意して挽き、ヴェルジュと酢または、ミートブロスに混ぜる。それらを集めて横に置いておく。あなたのパンを挽き、ブロスで湿らせてパンを濾す。(スパイスは濾さない)ブロスとタマネギと脂、スパイス、トーストパンをいっしょにクックする。野兎も同じようにする。ブロスは茶色であること。酢で味をシャープにして塩とスパイスを混ぜる。

 

註、年をとると穴の数が多くなるので野兎の年は尾の下の穴で判る。

 

117.アナウサギのcivetは上のように作る。

 

118.肉の瓦(Tuile de Char

淡水産の料理したザリガニ(ロブスターのこと)を用意し、尾から肉を取り出す。そして残りの、つまり殻と尾を長時間かけて挽く。その後挽いていないアーモンドを用意し殻を取って、ピーのように熱い水できれいに洗って殻といっしょに潰す。それとグリルで茶色にしたパンクラムを入れてよく挽く。シャポン,ニワトリ、メンドリを生で1/4に切ったものまたは子牛を一口大に切ったものを用意してクックする。Seweの中でクックして湿らせ潰したものをストレイナーに通す。(ストレイナーに残った)カスを潰し、再びストレイナーにかける。

次いで、ジンジャー、シナモン、クローヴとロングペッパーを酢に入れずにヴェルジュで湿らせ全てを一緒にボイルする。肉は豚脂の中でピース、又は、1/4に切ったものをクックする。肉はボールに入れブロスを上からかける。各ボールに中に、又は4-5のロブスター(又は、ザリガニ)の尾を入れ、上に砂糖を振っておく。

 

119.肉の細切りを入れたブロスは予定以上のお客様が見えたときサパーとして急いで作ることのできる料理です。(Meat housse’barre’)

10のボールに対して牛の脚の肉とディナーで残ったコールドミートの細片を20用意する。肉の細片はベーコンのスライスのように小さくして,火にかけた鉄板の上の脂の中でフライする。又、卵黄6コと少量のホワイトワインを用意して疲れるまでかき混ぜる。その中にミートストックと、新しいものは変質するので古いヴェルジュを入れてボイルする。肉を入れずにボイルする。そして各ボールの中にアレンジする。各ボールに肉の細片を2つ入れる。ある者はボールの中にブロスを入れ、皿の上に、4人のお客様の前に5つの肉のスライスと若干のブロスをおく者もいる。これは予想以上に人が来て肉が少ない時の対処方である。

 

120.魚の細切りを入れたブロス(Fish housse’barre’)

カレイを洗い、二枚のタオルの間に挟んで水気を取り、フライして2つを別々のデイッシュにのせる。これで2でイッシュできる。又、2オンスのコリアンダー、箱の中に入れておいたものではなく、これは1オンス、1ブランする。これを挽いて、ワインとヴェルジュで湿らせボイルし、2つのデイッシュの上にかける。

 

※おそらく潰れたチャービルであろう。

 

121.ロンバルドスープ

肉がクックしたら取り出して、ストックは別のポットに入れておく。少量の骨や焦げを濾し取るように気を付ける。卵黄をヴェルジュとパウダースパイスの中で長時間よくかき混ぜ、上のポットの中にかき混ぜながら注ぎ入れる。これであなたのスープができた。

 

 

 

肉の入っていない更に濃いスープ

 

 

122.緑色のウナギのシチュウ

ウナギを蒸して皮を取るか単に皮を剥いて、非常に小さく切って水とワインの中でクックする。パセリと黒くトーストしたパンを挽き、シーヴに通し。前もって挽いておいたジンジャーとサフランを入れ、全てをいっしょにボイルする。ほとんどクックしたら小さい四角に切ったチーズを加える。

 

123.サラセンブロス

ウナギの皮を剥き、小さく切る。挽いた塩を振り、油でフライする。ジンジャー、シナモン、クローヴ、グレイン、ガリンゲイル、ロングペッパーを挽き、色づけのサフランとヴェルジュを入れウナギと一緒にボイルする。ウナギ自身がとろみとなる。

 

124.卵とチーズのグリーンブロス

パセリと少量のチーズ、非常に少量のサフラン、湿らせたパンを用意し、料理したピーから出た汁とまぜる。又は、ストックと混ぜて挽いて濾す。挽いたジンジャーとワインを用意し、ボイルする。そしてチーズと水の中でポーチした卵を加え、鮮やかな緑色にする。又、パンを加えずにパンの代わりにベーコンを入れる者もいる。

 

125.油の中にポーチした卵のジャーマンブロス

アーモンドの皮を剥き、挽いてシーヴする。タマネギをスライスし、水のなかでクックする。次いで油でフライし、全てをボイルする。ジンジャー、シナモン、クローヴ、サフランを少量挽き、ヴェルジュと混ぜる。最後にスパイスをスープの中に加え、泡が出るまでボイルする。このブロスは非常に濃いが、黄色すぎてはいけない。

 

126.ホワイトブロスはローチ、カープ、パーチから作る。上のトリで述べた方法で作る。

 

127.シチュウにしたウナギ(Soringue d’Anguilles

ウナギの皮を取って切る。スライスしてクックしたタマネギとパセリの葉、全てを油でフライする。ジンジャー、シナモン、クローヴ、グレインズ(オブパラダイス)、サフランを挽いてヴェルジュに浸し、モルタルから取り出す。黒く茶色にトーストしたパンを用意してクックしたピーから出た水で湿らせストレイナーに通す。ピーの水を加え、全てをボイルする。ワイン、ヴェルジュ、酢で香りを付ける。汁は澄んでいなければならない。

 

128.ドジョウのラグー又は、寒魚又は暖魚を使ったラグーである。パーチ又はこのような種類の魚のスープである。(Gravelly soup of loach or other cold or hot fish)粉を付けずに油の中でフライし火の正面に置いておく。その前に、まず黒く焼いたパンを挽き、これを少量のワイン、ストック又はピーから出た水に混ぜておく。シーヴを通し、ポットの中に入れる。次いでジンジャー、シナモン、クローヴ、グレインズ(オブパラダイス)、色を付けるサフランを挽き、酢に浸ける。刻んだタマネギをクックし油の中でフライして、ポットに全てのものを入れ、ピーをクックしたときに出た水又はストックでボイルする。但し、ドジョウをフライした場合はこれを6又は8匹それ以上のドジョウを各ボールに入れてその上にブロスをかける。これは黄色ではなく赤であること。

 

129.パイクのホットポットChaudree)

パイクを用意し耳から(鰓からGreco)内臓を取り出す。そして苦い所を取りのぞいて、再び内臓をパイクの中に戻す。グリルの上でローストする。パイクが小さければそのままローストしてもよい。大きいものであれば、横にいくつかスライスしてローストする。たくさんのサフラン、ロングペッパー、クローヴ、グレインズ(オブパラダイス)を用意しよく挽いてヴェルジュ、ワインそれに非常に少量の酢、ほとんどない位の量を、混ぜてから挽いて、モルタルから取りだす。トーストしたパンを豆の水又は魚のストックで又は同量のワインとヴェルジュで湿らせてから挽く。シーヴを通す。全てが整ったらボイルしてディッシュの上にパイクを置いてその上にかける。黄色い色をしていること。

 

同じ方法で冷たい魚のギャランティーンを作ることができる。但し豆をクックした時に出た水を加えないこと。と言うのも、この水は日持ちしないからだ。その代わりに魚の脂を加えておく。

 

130.オイスターブロス

熱湯をかけてオイスターをよく洗い、ボイルするまでクックする。水分を切って、油の中でクックしたタマネギといっしょにフライする。トーストしたパン又はたくさんのパンのクラムを用意しそれを豆の水又はオイスターをボイルした水それにスイートワインを加えて浸して濾す。シナモン、クローヴ、ロングペッパー、グレインズ(オブパラダイス)、色づけのサフランを用意して挽き、ヴェルジュと酢で湿らせて挽く。これを横に取っておく。トーストしたパン又はパンのクラムをクックした豆から出た水、又はオイスターから出た水いっしょに挽く。オイスターが十分にクックしていない時にはオイスターを加えていっしょに挽く。

 

131.エッグブロス

オイルの中で卵をポーチして、スライスしてクックしたタマネギを用意してオイルの中でフライする。ワイン、ヴェルジュ、酢の中で全ていっしょにボイルする。各ボールの中に3又は4コの卵を入れてその上にあなたのブロスをかける。ブロスは濃くしない。

 

132.マスタードの入ったソップ

あなたの卵をポーチした油を若干と、ワイン、水をいっしょに鉄鍋の中でボイルする。パンのクラストを用意しグリルの上で茶色にする。これを四角く切る。ボイルを続ける。外に取り出してデイッシュの中に入れて水分を取る。ブイヨンの中にマスタードを入れてボイルする。ボールの中にあなたのソップを入れて、その上にあなたのブイヨンをかける。

 

133

牛乳を注意深く選び、濃くしたミートスープの項で述べたように、コトコト煮るようにボイルする。火から下ろし、シーヴした大量の卵黄をその中に入れる。ジンジャーを一握りとサフランを挽いて入れ、火にかけて熱くしておく。水の中でポーチした卵を用意し、各ボールに2-3コポーチした卵を入れ上からミルクをかける。

 

134.ボラのEspinbescheEspinbesche de Rougets

貴方のボラをゆっくりとボイルし、ローストする。ヴェルジュとパウダースパイス、シナモン、パセリを用意し、全てを一緒にボイルしボラの上にかける。

 

135.熱い又は冷たい魚の上にかけるイエロースープ又はイエローソース(potage jaunet ou sausse jaunette)

油で粉を付けずにフライする。パイク、皮を取ったパーチ又はこの種に似た魚を使う。

アーモンドを潰し、ワインとヴェルジュに混ぜてシーヴする。火にかける。ジンジャー、クローヴ、グレインズ(オブパラダイス)、サフランをあなたのブロスと混ぜて、スープがボイルしたらあなたのスパイスを加える。サーヴするときに砂糖をかける。ソースは濃くなくてはならない。

 

136.きび

きびは3回水を換えてよく洗う。鉄鍋に入れて火の上で乾かす。燃えないようによくゆすってコトコト煮えているミルクの中に入れてよくボイルするまでスプーンを入れないこと。火から下ろしスプーンの背で非常に濃くなるまでかき混ぜる。

 

   “火の後ろに置いて少量のサフランを加え“が抜けている。

64.キビ。(Le Viandier ) 

3回湯を取り替えて洗う。トロトロと煮ている牛の乳の中に入れる。スプーンをボイルするまで入れないこと。火の先端から動かし、サフランを少量加える。火が通るまでボイルし、ボールに入れて供する。

 

137.(牛の)乳の性情は次のようなものである。きれいで非常に清潔な容れ物又は土や木やピューターに入れておけば銅や真鍮(青銅)でなくても容器をあちこちに移動せずに入れ替えもしないなら1 1/2-2日間はよくもって、ボイルしたとき少しも変化しない。ミルクがボイルしようと動き出した時に、かき混ぜるのであれば、火からおろすまで塩を入れてはならない。又、少なくともミルクの中にソップ(パンの片はし)を入れるのであれば、膨らませたパンの片はし又はその他のパンをいれることができる。というのも、私の言ったとおりにミルクを扱えばミルクは変化することはないからだ。又、ミルクが新鮮でなく又は、鍋の中でミルクが変化するかも知れないと思った時には少量の小麦粉を混ぜてよくかき混ぜるとミルクは変化しない。

ミルクをボイルする時は(ミルクでストックかブイヨンを作る時、JH)まず、小麦粉とミルクを混ぜて若干塩を入れてボイルしよく混ぜるとよい。ミルクでスープを作るときには、ミルク1パイントに付き1/21/4の卵黄を加えて胚を取りのぞいてよく混ぜ、それからミルクとよく混ぜる。それをゆっくりと平鍋の中に流していく。ボイルしているミルクを非常によく混ぜる。そしてソップを作る。好みでジンジャー、サフランを混ぜるのもよい。

 

 

 

ローストミート

 

 

138.新鮮な舌はゆっくりとボイルして、皮を剥き、ラードし、ローストする。そしてキャメラインソースで食べる。

又、年取った牛の舌は若いものよりも旨い。ということをあなたは知っておくとよい。しかし、逆だと言う者もいる。

ガスコニィでは、寒くなると、牛の舌を買う。そしてゆっくりとボイルし、皮を剥いて、塩を舌の上に、そして別の舌の上にして、塩漬け桶の中に重ねて入れ、8日間置いておく。冬中、そして夏になっても煙突に吊す。乾くと10年間はもつ。水の中で、好みでワインを加えてクックする。マスタードで食べる。

 

又年取った牛の舌はゆっくりとボイルし、皮を剥き、きれいにすべきである。そして、串に刺しクローヴを突き刺しローストする。そしてキャメラインソースで食べる。

 

139.牛のサーロイン(Allouyaux of beef)

牛の脚の肉を細長く切って内側に骨髄と牛脂を巻く。串に刺してローストし塩で食べる。

 

140.マトン

塩を少々又はヴェルジュと酢でローストする。肩肉は串に刺し、脂が溶け出すまで、ひっくり返さない。そしてパセリと一緒にラードする。2つの理由から早すぎてはいけない。一つはラードしやすいこと。第二に肉をラードするのが早すぎると肉ができる前にパセリが焼けてしまうからだ。

 

141.豚は湯通しして串に刺してローストする。鍋に新しい脂を置き、串の端に何かの羽を付けておく。焦げたり固くならないように肉の表面や皮に脂をすり込む。あるいはラードする。若い豚にも同じ方法を取か、又はラードする。グレインヴェルジュ又は古いヴェルジュとスキャリオンで食べる。

 

142.スタッフした子豚(pourcelet farci)

喉を切って殺し、ボイルする湯の中で湯通しする。皮を剥き、子豚の脂と内臓は取り、豚肉を水の中でクックする。卵を20コ用意し、固くクックする。スイートチェスナットを水でクックし皮を剥く。

卵黄、スイートチェスナット、良質な古いチーズとクックした豚の脚を刻む。たくさんのサフランを挽きパウダージンジャーと肉を混ぜる。肉が固い場合は卵黄を混ぜてあなたの子豚の腹を開かないでできるだけ小さな穴を空けて串を刺す。それから豚の中にスタッフィングを詰めて大きな針で穴を縫っておく。そして冬ならイローペッパーで、夏ならキャメラインソースで食べる。

 

註、スタッフした子豚を時々見かけるが、非常に良い味である。今も同じ方法で料理している。ハトは今も同じ方法を取っている。

 

143.アナウサギはゆっくりとボイルした後ラードして、ローストする。キャメラインソースで食べる。

 

144.子牛のロースト

洗わずにくしを刺して火にかざし茶色にすべきである。そしてラードしてからローストする。キャメラインソースで食べる。ある者はゆっくりとボイルしてラードし串に刺す。これがこの料理にやり方だ。

 

145.子ヤギ、ラム

ボイルしている湯の中に入れて直ぐに取り出す。串に刺してローストし茶色にして、キャメラインソースで食べる。

 

146.野豚(ブールブリエ;bourbelierBoars’ umbles de Sanglier

まず、ボイルした湯の中に入れ、それを直ぐに取り出さねばならない。クローヴを突き刺し、スパイスで作ったソースを塗りながらローストする。そのスパイスはジンジャー、シナモン、クローヴ、グレインズ(オブパラダイス)、ロングペッパー、ナツメグをヴェルジュ、ワイン、酢に混ぜボイルせずに塗って使う。ローストしたら全ていっしょにボイルする。このソースはボアの尾と言う。後でわかるが、(そこではパンでとろみ付けをしているがここではそうではない)

 

147.牛肉で作る熊、鹿肉のもどき料理

脇腹肉を用意する。ロインシチュウ用に大きく切って、下ゆでしラードし、ローストする。雄豚の尾をボイルし、牛肉を少し茹でる。皿全体にソースをかける。生の鹿で付け焼きしないものはキャメラインソースで食べる。

 

※香りを重視する料理なのでソースではなく実際の尾の料理である。

 

148.ガチョウは夏にホワイトガーリックでローストして食べるか、又は、イエローペッパーと一緒にサーヴする。

又、註89月はガチョウのヒナが両親位の大きさになっており、このヒナは親指でそのくちばしを押すとつぶれるので他のガチョウと区別できる。

 

又、註 ガチョウのヒナは非常に狭い篭の中で飼われている。9日間くらいは太っているがその後やせてくる。しかしガチョウはいつも太っていて脂が少なくなることはない。太っているか脂があるかどちらかである。ガチョウはいつも乾燥して足がぬれないようにしておく。又ぬれた敷きわらを与えずに、よく乾いた状態にしておき、水遊びをさせずに、緑色の餌をやらずに、はっきり物が見えない様にしておく。少しクックした餌をやり、薄いミルク又は、クックした餌が入った水をやって、他の飲み物をやってはいけない。そして細かいオートを少しやる。

 

149.シャポン、メンドリ

2-3日間吊しておく。串を刺し、火であぶり、ローストする。シャポンやメンドリの脂の中にヴェルジュを入れてボイルし、ポワトウスタイルのソース(poitevin sauce)又はイエローペッパーで食べる。

 

150.ヒヨコ

7月になると若いめんどりくらいの大きさになっている。2日間前に殺しておく。ローストし、火であぶり、ワイン、ヴェルジュ、たくさんの砂糖で作ったマストで常に食べるべきである。

 

トリを熟成させるには、血を抜いて直ちに桶に入れた非常に冷たい水の中につけて殺さなければならない。朝にこのように殺すと2日前に殺したトリと同じになる。

 

151.小鳥

乾いた状態で羽をむしって脚は残して体に串を刺す。それぞれを葉のような茶色のベーコン脂で挟む。

 

※茶色になって皮のように硬く薄くなった。

 

152.川ガモ

川ガモは冬がシーズンで若いものは、等。

 

※野生のカモ。

 

又、川のマガモの羽を乾いた状態で剥き、炎の上にかざす。首を切り、脚を残しておく。スライスしたパンを串に刺して、肉から出る脂を受ける様にする。そして、タマネギをマガモの脂でフライする。トリがクックしたらベーコンとパセリをパンと一緒にして、全て一緒にボイルする。クルトンを若干入れておく。トリをピースにして細かい塩で食べる。

 

又、別の方法で料理することができる。

既に述べたようにタマネギをパンの上にのせ、そしてトリがクックしたらパンの上に少量のヴェルジュとワイン、酢を等量ずつ置いて置いて、全て一緒にボイルする。皿にクルトンを加える。この最後のソースはsaupiquet と言われている。

 

153. クジャク、キジ、白鳥、サギ、野ガン、ツル、ライチョウ、サンコノゴイ、鵜は乾いた状態で羽を抜くか又は、白鳥の様に血を抜く。頭と尾を残すものと、頭と脚を残しておくものがある。残りのトリは白鳥と同じように扱う。

又、尾を取ったキジはローストするときは背に2-3本の羽を残しておき、後で添えてサーヴする。

 

※鳥は鷹狩で手に入れることが多く、狩をした鷹の分け前として与えた部位が欠けた鳥がテーブルに上がることはよくあることであった。ヤマウズラとアヒルの頭、鶴の腿は鷹の分け前であった。この習慣が料理のルールになったのである。しかし、私はかって尾のない鳥の記憶はない。なぜならサギや他の鳥の尾は領主のものだからである。(JP) 

 

154.ノバトは冬がシーズンであり、飛羽根を見ると年が判る。年取ったものはこの羽根が黒く、若い。一年経ったものはその羽根の先端が灰色で残りの部分は黒い。ペイストリィにするとよく、冷たいキャメラインソース又は熱い川鳥のソース又は長時間牛肉の様にローストして塩で食べると旨い。又はa la dodine でピースにして皿の上で川鳥の様に食べるのもよい。

 

註、Besiers では2種類のノバトを売っている。一つは小さく、最上のものではない。大きくて豚のように森の中でドングリを食べたものは香りもよく、これらはアナウサギのようにau boussacで食べる。1/4に切って、時々若いノガモのソースで食べる。ローストしたものはa la dodine で。又は、保存するなら、ラードをしたペイストリィの中に入れる。そうするとシーズンのSt.Andrews’Day11-30)からレントまで食べられる。このトリは3年毎にしか手に入らない。

 

155.チドリ、ヤマシギは乾いた状態で羽根を抜いて、毛焼きして、脚を残しておく。ローストして塩で食べる。

又、註、3種のトリがある。腹を割かずにローストする。これはヒバリ、タートルダヴ、チドリで、これらのトリの内臓は甘く、糞がないからだ。ヒバリは小石や砂しか食べないし、タートルダヴはジャニパーシードとスイートな香りのハーヴしか食べないからだ。それにチドリは風を食べている。

 

156.ヤマウズラは2月中旬にかけてつがう。そして2羽ずついっしょに飛ぶ。イースターには水でクックし、牛肉を入れてよくボイルし、そのあと取り出してローストする。

 

又、ヤマウズラは乾いた状態で羽根を取らねばならない。かぎ爪と頭を切り落としボイルしている水の中に入れる。仮に鹿肉が手元にあれば一緒に串に刺す。又は、ベーコンを刺し、細かい塩をつけて食べる。又は、冷水とローズウォーターと少量のワイン、又はローズウォーター3,オレンジジュースとワイン4の中に入れる。

 

157.白鳥

鳥やガチョウのように羽根を取り、湯通しするか又はボイルして4カ所に串を刺して脚とくちばしをつけてローストする。頭の羽根は抜かずに残しておく。イエローペッパーソースで食べる。

又、好みで金箔を貼ることもできる。

又、殺した時に頭から肩まで割いておく。

又、時には皮を剥いで再び羽根を被せる。

 

158.再び羽根をつけた白鳥

皮に羽根を全部つけておく。肩の中央を裂き、胃にかけて割く。そして、肩のところを切って、首から皮を剥ぐ。体を脚で支え、串を刺してそして金串を刺して金箔を貼る。クックしたら皮を被せ、首をきれいにして、真っ直ぐに立てる。又は、横にする。イエローペッパーソースで食べる。

 

 

 

ペイストリィ

 

 

159.ヒヨコ

ヒヨコはペイストリィの中に入れ、背を下に、胸を上にして、その上にベーコンの幅の広いスライスをのせて、カバーする。

又、ロンバルディではヒヨコの羽を取って、溶き卵(つまり、卵白と卵黄)とヴェルジュ、パウダースパイスを混ぜてその中にヒヨコを浸ける。上のようにベーコンのスライスと一緒にペイストリィの中に入れる。

 

160.マシュルーム

一晩して上が閉じて小さくて中が赤いものものが一番旨い。皮を剥いて湯で洗い湯の中でゆっくりとボイルする。ペイストリィの中に入れるのであれば油、チーズとパウダードスパイスを加える。5月末から6月に手に入る。

 

161.エンダイブ

湯を2-3回取り替えてその中で洗う。粉を付けてオイルでフライする。又その後たくさんのタマネギとパウダースパイス、ウナギまたは、ニシンのぶつ切りをペイストリィの中に入れる。

 

162.註。パイはたくさんの肉を入れるだけの大きさでなければならない。

 

163.生鹿肉のパスティ

鹿肉を湯の中でゆっくりとボイルし、ごしごし洗う。ラードし、ペイストリィを作る。あらゆる種類の、生のベニスンのパスティはこのように作る。ローリングピンのように大きくて長く切っておくべきである。これはラードしボイルした肉のパスティ(paste’ de bouly larde’)と呼ばれている。

 

164.牛肉のパスティ

良質の若い牛肉を用意し、脂肪を全て取り、(品質の劣る箇所はピースに切ってストックに使う。JH)赤身の肉をピースにして一旦ボイルしてミンチしておく。脂と骨髄を合わせてパスティにする。

 

牛の脚の肉はスライスしてペイストリィの中に入れペイストリィがクックしたらノガモのソースをその中に入れるとよい。

 

165.マトンのパスティ

スキャリオンと一緒に、非常に細かくチョップする。

 

166.子牛のパスティ

腿肉を用意し、これをほとんど同量の牛脂と一緒にしておく。これで大皿に6つのよいパスティが作れる。

 

 

 

                  淡水魚

 

 

167.魚をクックする時は若干の水を塩と一緒に用意し、頭を少し入れてボイルする。そして尾を入れていっしょにボイルする。そして残りの部分を入れる。新鮮な内に死んだ魚は親指で押さえると固く、赤い耳(えら)をしている。死んで時間の経ったものは乾燥している。

 

168.スズキは、水の中でクックしグリーンソースでたべる。

 

169.ニゴイはヴェルジュでローストする。小さい冬のニゴイはスープやフライにしてイエローペッパーで食べる。又、冬にはシャープ又はイエローペッパーの中に入れるがこの2つは同じものである。

 

171.パーチ

鱗を取らずに水の中でクックする。その後皮を取る。酢とパセリを加えてもよい。フライしたものはソースの中に入れる。

 

172.テンチは鱗を取り、ウナギの様にぬめりを取って、水の中でクックする。グリーンソースで食べる。フライし、シチュウに入れる。順序が逆なのだが、それからローストしてパウダードシナモンを振り、酢と油の中に入れてクックし、キャメラインソースで食べる。

 

註、これは順序が逆なのだが、背中に沿って頭まで全て切って内側に開いて(腹開きにする)木の棒を両側のエラに入れて木の棒を糸で縛ってローストする。

 

173.ブリーム

水でクックし、グリーンソースで食べる。ローストしたものはヴェルジュで食べる。

 

174.ドジョウはワインを少し入れた湯の中でコトコトとクックすべきである。まず、頭を入れ、それから尾を入れる。水がボイルするまで入れておく。そして残りの部分を入れる。水の中でクックしたものはグリーンソースで食べる。時に、スープやフライにする。フライにしたものはイローペッパーで食べる。半分は水の中でクックして食べ、残ったドジョウは1-2日間塩漬けにすると8日間くらいはもつ。この場合は塩抜きをせねばならない。ゆっくりとボイルして水気を取って、フライしてイエローペッパーで食べる。ディナーでの残った生きたドジョウはサパーでミンチにして利用できる。

 

175.カワカマスはau chaudumee にすると旨い。

 

カワカマスの柔らかい卵は固い卵よりも価値がある。固い卵を潰して肉団子にして揚げた場合は別である。

 

176.シャドの塩漬けは水でクックしマスタードで食べる。または、ワインでクックしてスキャリオンと一緒に食べる。生のものは3月がシーズンである。耳を持って、鱗を取り水の中でクックするキャメラインといっしょに食べる。パイする場合はまず鱗を取り、パイに入れ、パイがほとんどクックしたところできれいなキャメラインソースをパイの中に入れて、このソースをボイルさせる。

又、シャッドを上のように用意し、鱗を取らずにパセリ、ヴェルジュを1/2,ワインと酢をそれぞれ1/2ずつと一緒にオーヴンの中でローストする。この料理は2月から6月がシーズンである。

 

177.Fenesはシャドのように料理する

 

178.コイ

柔らかい卵を持ったコイを好む者もいれば、硬い卵を待ったコイを好む者もそれぞれだけれど。

註、いずれにしても柔らかい卵も硬い卵も、卵はない方がコイは価値がある。

 

又、コイの準備をする時に、喉の後の胆嚢を取りのぞいておく。そうしておくと、頭を丸ごときれいに料理できる。苦い所が取れないと頭は血なまぐさく、苦い味になる。この部分を潰さないでそっくり取らないと、その部分を塩でこすって全て取りきれないと、洗う必要も何をする必要もない。しかしボイルするには頭を先に、その後すぐに尾を入れる。そしてその後残りの部分をボイルして小さい火の上でゆっくりとボイルする。コイはグリーンソースで食べる。残ったものはガランティーヌの中に入れる。

 

又、蒸したコイ(Carpe A L’Estouffe’e

ポットの中で水を入れてタマネギのミジン切りをボイルする。よくクックしたらコイの頭を入れ、その後直ぐに尾を入れて、その後直ぐに(魚の)チャンクを入れて、蒸気が漏れないようによく蓋をしておく。クックしたらワインと少量のヴェルジュ、つまりワインとヴェルジュは13の割合で、湿り気を与えたジンジャー、シナモン、サフランを入れる。よく蓋をする。ボールに入れてサーヴする。

 

註、ドイツ人はフランス人をみて、十分に火の通っていないコイを食べるので非常に危険であると言っている。仮にフランス人とドイツ人がフランス人の料理人を雇っていてコイを料理したとすると、フランス流で料理したコイをドイツ人は自分に与えられたコイの料理をもう一度クックし直すし、フランス人はそうはしない。

 

179.マス

5月にシーズンが始まる。(マスのシーズンは3-9月まで)、マスは口蓋に少し黒い静脈があり、深紅色をしている。

 

マスは水の中に赤ワインをたくさん入れてクックする。キャメラインで食べるべきである。指2本の厚さに切って料理するべきである。ミートディにはパイに入れて幅広に切ったベーコンでカバーする。

 

180.ウナギ

生のものは皮を剥いてチャンクに切り、パセリをたくさん入れた水の中でクックする。そしておろしたチーズを加える。チャンクを取り出して、ソップを作る。各ボールの中にチャンクを4つ入れる。又は、タマネギをクックして、この水の中でウナギをクックする。そして、少量のスパイスとサフランとタマネギをポットに入れてスープを作る

 

大きいウナギはパセリを入れた水の中でクックし、ホワイトガーリックで食べる。パセリの中にチーズ、細かいパウダースパイスを入れる。逆さまにしたウナギはヤツメウナギの様に、ホットソースの中に入れる。ウナギを保存するには丸3日間塩の中に入れて殺し、その後、鱗を取り、ぬめりを取り、チャンクに切り、スキャリオンと一緒に水の中でクックする。ほとんど最後にワインを加えてクックする。朝から夕方までに塩漬けにするには、準備をしておいてウナギをチャンクに切り、粗塩の中に入れる。更に急ぐ場合には、黒塩を挽いてでチャンクをもむ。2つのボールの間に挟んだ塩の中に埋めておく。

 

逆さまにしたウナギ(Anguille Renverse’e)

大きなウナギを用意し、両側の背骨に沿って切り裂く。この方法で背骨を取り、一つのピースにする。頭と尾、全ていっしょに洗って内側を外側に、つまり肉の方を外側にする。腰と腰を(間を空けてGreco)肉を縛って赤ワインの中でクックする。取り出してナイフ又ははさみで糸を切り、タイルの上で冷やす。ジンジャー、シナモン、クローヴ、パウダーシナモン、グレインズ(オブパラダイス)、ナツメグを潰し、置いておく。茶色に焼いたパンをよく潰して非常によく挽く。篩にかけずに、ウナギをクックしたワインに漬し平鍋に入れて火にかけてボイルする。ヴェルジュ、ワイン、酢をくわえる。それをウナギの上にかける。

 

181.コバンアジは、きれいな光る肌をしており、ウナギの様にぬめりがない。ぬめりを取らずに鱗を取って、ローストする。それは生のもので、塩をして干したものはローストしてヴェルジュで食べる。

 

ドジョウは水の中でパセリ、良質のチーズを入れてクックする。マスタードで食べる。フライしたものはシチュウにして、グリーンガーリックでたべる。水の中でクックしたものはマスタードでたべる。フライするには粉をまぶしてフライする。

 

183Gaimel( Waymel,Gine Greco)は水の中でクックし、マスタードで食べる。又は、好みでグリーンガーリックでたべる。

 

184.小さいヤツメウナギは、よくローストし、下のヤツメウナギのところで述べるホットソースで食べる。水の中でクックした時にはマスタードで食べる。ペイストリィに入れてクックするには、パイの上にホットソースを入れる。そしてボイルする。

 

185.ヤツメウナギ

皮を取って(蒸すと訳す人もいるがここは皮を取るにした)から血を抜き取る又は、血を抜いてから皮を取る者もいる。血を抜くには手をよく洗い、顎からその先にかけて、つまり下の舌とつながっているところに指を入れ、舌を引っ張り出し、ディッシュの中にヤツメウナギの血を入れる。小さい金串を口の中に突き刺すとよく血が出る。指や手に血がついたら、洗って傷も酢で、これでソースを作るのでディッシュの中に流し入れて血を取っておく。

皮を剥くには湯を用意し、火にかけてコトコト煮る。そしてウナギのように皮を剥く。きれの悪いナイフで喉の内側を剥がして皮を剥いていく。串を刺してよくローストする。

濃いソース(boe)を作るには、ジンジャー、シナモン、ロングペッパー、グレインズ(オブパラダイス)、ナツメグを潰し、これを取っておく。黒く焼いたパンを用意し挽いて酢を混ぜてシーヴをかけて濾す。血をボイルしてスパイスとパンをいっしょに入れ、全てを入れて一旦ボイルする。酢が強すぎる場合はワイン又はヴェルジュを加える。濃いソースで黒くて、濃すぎないようにする。酢がわずかに強い程度にして、少し塩を加える。これを熱しておいてヤツメウナギの上にかけて漬しておく。

 

又は、もっと簡単な別のソースを作ることができる。血と酢、塩を用意し、ヤツメウナギをよくローストしたらソースが少しボイルするまでボイルし、あなたのヤツメウナギの上にかけて2枚のデイッシュの間に浸しておく。

 

又、茹でたヤツメウナギ

上のように血を抜き、その血は取っておく。それを酢、ワイン、少量の水でよくクックし、クックしたら火から下ろしタオルの上でさましておく。トーストしたパンを用意しあなたのブイヨンと混ぜ、ストレイナーを通し、血と一緒にボイルする。焦げないようによくかき混ぜる。ボイルしたらモルタル又はきれいな鉢に入れ冷めるまでかき混ぜる。挽いたジンジャー、シナモン、パウダードシナモン、クローヴ、グレインズオブパラダイス、ナツメグ、ロングペッパーをブイヨンと混ぜ、上で述べたようにデイッシュの中に入れる。これは黒くなければならない。

 

 

 

                丸い海水魚

 

 

190.冬には丸い海水魚、夏には平たい海水魚。

 

註、雨の多い又は、湿度の高い時期に獲った海の魚の味は悪い。

 

191Brette.

ボラの様に準備をして、シビレエイのように皮を剥いてクックする。キャメライン水で食べる。Brette Dog fishによく似ているがそれよりも小型で甘く、味がよい。

Brette Dog fish のメスであると言う者もいる。Bretteは背が黒くdog fish は小豆色をしている。

 

192Dog fish (小型のサメ).

Bretteに似ている。肝はbretteと同様、パイに入れると旨い。細かいパウダードスパイスで食べるとよい。チーズを加える者もいるが味がよい。

 

193.ボラ

ラングドックではmigonとも言われている。コイの様に鱗を取り、腹を割き、パセリをのせて水の中でボイルする。そして、その煮汁の中で冷やす。グリーンソースで食べる。オレンジソースなら尚旨い。又、パイに入れると旨い。

 

194.タラ(morue

Tournay では塩漬けでなければ話題に出ない。生のものはcabillauと呼ばれていて、下のタラのところで述べる同じ方法でクックして食べる。

 

又、遠く離れた海で取ったタラを10-20年間保存するには、火や煙で燻すのではなく内臓、頭を、太陽の下で干す。干したものを貯蔵魚という。保存したものを食べる場合にはたっぷり1時間は木槌で叩き、温水の中にたっぷり12時間又はそれ以上入れ、クックする。牛肉の時の様によくアクを取り、マスタードで食べるか又はバターにひたして食べる。夕方に残ると、糸くずのように細かくほぐし、フライしてパウダードスパイスをかけて食べる。

 

   塩漬けして干したもの。

 

生のタラや、次の日や、夕方に残ったタラはどの部分でも小さくチョップして、少量のバターでフライして、フライパンから取りだす。何も残らないようにフライパンからバターを取りのぞき、再びその中でフライして、からっと仕上げる。溶き卵をタラの上にしたたらせる。それをプラター又はデイッシュに入れて、細かいパウダードスパイスを上に振りかける。卵はなければそれはそれで旨い。

 

生のタラ

ホウボウの様に白ワインでクックし、イエローソースで食べる。塩漬けしたタラはバターかマスタードで食べる。塩漬けした魚は、軽く浸したもの、塩辛いもの、長期間塩をしたものは味が悪いので買う時には小片を少し食べてみる。

 

195.生のサバ

6月からシーズンに入るが、3月ごろから現れる。肛門から内臓を出し、きれいな布の上で乾かす。そして、まったく洗わずにローストする。少量の塩又はキャメラインソースで食べる。塩付けにしたサバはワインとシャロットで食べる。パイの中に入れたらその上にパウダードスパイスをかける。

 

196Tunny

ラングドックの一部の塩湖で見かける魚である。背骨以外に骨がないが、堅い皮があって、水の中でクックし、イエローペッパーで食べるべきである。

 

197.イセエビはザリガニの大きいもので、水の中でクックすると旨い。アゴと脚は潰しておき、尾を立てて引っ張って身を抜く、汁が出てくる他の部分からも身を抜き、水の中で又は、オーヴンの中でクックして酢で食べる。全く同じようにオーヴンの中でローストする場合はイセエビを立てる必要はないが、上下をひっくり返してクックするとよい。

 

198.アナゴ

ウナギと同じように皮を剥き、鱗を取って鍋の中に入れ、赤ボラの様に塩をする。牛肉の様に長時間ボイルする。ほとんどできたところでパセリを入れてボイルする。(冷やしてから)再びその汁の中でクックし、サーヴしてグリーンソースでたべる。グリルの上でクックする者もいる。

 

199.ボラ、tumbe,red mullet, gurnet , red gurnet

腹から内臓を取り出しよく洗う。塩をかけてフライパンに入れ、冷水を入れて(海水魚はこのようにして料理する。一方淡水魚はボイルした湯を入れて料理せねばならない)、小さい火の上でクックする。火から下ろす。再び水の中でクックして、キャメラインソースで食べる。Red gurnet はいつも夏には背開きにしてグリルの上でローストする。バターをかけてヴェルジュで食べる。

 

註、tumbeは一番大きいもので、イギリスの海で獲れる。Gurnetは二番目に大きい魚で両方とも褐色をしている。Red mullet は一番小さく一番赤い色をしている。red gurnet は一番薄くて褐色をしていて斑点があり、様々な色をしている。この4つの魚は同種のもので同じ香りをしている。

 

又、red mullet はヴェルジュ、パウダードスパイスとサフランでクックすると旨い。

 

200.生のサーモンは、スモークにするべきである。ローストする場合は骨を残しておく。スライスして水の中でボイルし、クックしている間にワインと塩を入れる。イエローペッパー又はキャメラインソースで食べる。ペイストリィの中に入れて好みのスパイスを振ってクックする。塩漬けのものはワインとスライスしたスキャリオンで食べる。

 

   Le Viandier とまったく同じ内容である。

119.生のサーモン。(Le Viandier) 

スモーク(ローストするために背骨を残しておく)したものは厚い切り身にして水でクックする。クックしている間、ワインと塩を(加える)。イエローペッパー(ソース)又はキャメライン(ソース)で食べる。グリルで再び干して(食べる)者もいる。(お望みであれば)スパイスを振ってパイに入れたものは、キャメライン(ソース)で食べる。

  塩漬けしたものは塩を入れずに水でクックしてワインと刻んだスキャリオンといっしょに食べる。

 

201.ハドックは、赤ボラと同じように用意し(内臓を取り出し)クックして煮汁の中で冷ましておく。a la Jance で食べる。(Du Fait de Cuisineにレシピがある)

 

※シカールの料理書にも同じソースがあり、アーモンド、パン、ワイン、ガーリック,酢、スパイスで作る。(JP)

 

202.シーパイク(海ウナギの種でノルマンディ沿岸で獲れる。JP

肛門から内臓を抜き、水の中でクックする。キャメラインソースで食べる。又はチャンクに切り、その上に細かいパウダードスパイスとオリーヴオイルをかける。

 

203.ネズミイルカの種類は全て同じ方法で豚のように腹を割き、肝と内臓は豚の様にブロスやスープを作る。又、 豚の様に背に沿って切り、時には串に刺して付けないでローストする。そして、冬にソースブルー(sauce brule)で食べるように、ホットソースで食べる。

又、水の中でクックして、ワインを加え次いでパウダードスパイスとサフランを入れる。鹿の肉のように煮汁をデイッシュに取る。ジンジャー、シナモン、グレイン、ロングペッパー、サフランを挽きあなたのブイヨンに浸す。一部をモルタルの中から取り出す。又、パン(トーストした?)を挽き魚から出た汁の中に入れてシーヴを通す。全てを入れてボイルする。汁は澄んでいなければならない。鹿肉の様にサーヴする。

または、黒コショウを挽き魚を洗わずにワインと水同量の中でクックする。デイッシュにのせギャランティーンソースの様にあなたのソースをかける。食べる時には少し冷めたソースを用意し、水又は煮汁又は酢などを加えて火の上の置いて温める。

 

204.干し魚はチェカーボードの様に四角く切る。水に一晩だけ浸けて、水から出し布の上で乾かす。貴方の油をボイルし少量の油の中で貴方の魚のピースをフライにする。マスタード又は、ガーリックソースで食べる。魚の干物は明らかにタラから作っている。

 

205.チョウザメ

熱湯に漬け、ぬめりを取る。頭を落とし二つに切る。豚のように腹に沿って縦に切り、内臓を取りのぞき、チャンクにして、水とワインに中でクックする。ワインを飛ばす。ワインがボイルしてなくなったら更にワインを追加する。クックしたら皮が少し持ちあがるのでわかる。鹿肉と同様、スパイスを加えて熱くして食べる。冷めるまで置いておくのであれば、パセリと酢で食べる。

 

206.チョウザメに似せた子牛の料理、6皿分

夕方前に又は朝早く子牛の頭を6つ皮を取らずに、豚の様に熱い湯の中で湯通しし、ワインの中でクックし、1/2Lの酢と若干の塩を加える。骨から身が取れるまでボイルする。頭を冷やして骨を取る。良質の粗布を用意し、その中に全てを入れる。つまり、できるだけ小さいスペースの中に一つ一つ重ねて、四角い枕のように、良質の強い糸で縫っていく。それを厚い板の間に強く挟んで地下室に一夜寝かせておく。鹿肉のように外側に皮を付けてスライスする。パセリと鹿肉を添えて各皿に2枚だけ入れる。又頭の数が十分でない時は、(皮を剥いた?)子牛を使う。

 

207Graspois

これは塩漬けした鯨で、生のままスライスしてベーコンのように水の中でクックする。ピーを添えてサーヴする。

 

208.小ダラは腹が白くてヒレが全部そろっているものがよい。バター、ヴェルジュとマスタードの中でクックすると旨い。生の小ダラはフライしてa la Jance で食べる。

 

209Sting fish(Vive)は触れると危ない箇所が3つある。頭に近い背と耳の両側である。ナイフを使ってそこから全てを取り出す。そして肛門から内臓を出す。横に数カ所切ってローストする。ヴェルジュとバターで食べるか又は、ヴェルジュと少量のパウダードスパイスで食べる。もしくは少量の水でクックしてバターでフライし、その後残りのバターを入れてヴェルジュの中でボイルし、その上に(スパイス)を振る。

 

 

 

                平たい海の魚

 

 

210.エイ

へそから内臓を出し、肝を取っておく。ピースに切り、カレイの様にクックする。皮を取ってキャメラインガーリックソースで食べる。

エイは9月が旬で10月になると生のニシンを食べるのでよりおいしくなる。尾が1つのものをnotreeと言い、数本あるものは別の種類である。

エイに似た別の魚にtire がいるが、エイよりも大きく、背に棘がなく黒い、エイよりもたくさんの小さな斑点がある。

 

夏に作るエイの冷肉料理(Galantine) 

夏にアーモンドを挽いて、熱湯に浸す。シーヴを通す。ジンジャー、ガーリックを挽いてこのアーモンドミルクの中にひたしてシーヴを通し、全て一緒にボイルする。エイのピースにかける。

一度クックしたものを粉を付けずにフライにして温めてキャメラインソースで食べると冷めたギャランティーンよりも旨い。

エイは数回水で洗う。少量のブイヨンの中でクックして4つに切り、皮を取って冷ましておく。塩を入れずに熱湯でゆっくりとボイルして取り出し、皮を取って良く洗う者もいる。それを火にかけた(鉄又はバター、例えば良質のバターを入れて、JH)平鍋に入れる。水と挽いた塩を入れて弱火でクックする。お望みであれば、一部分を湯でゆっくりとボイルしフライにすると8日間はよくもつ。

 

211Plaice carreltはどちらもほとんど同種の魚で、大きい方はplaice 、小さいものをcarrelet という。Carrreltは背に赤い斑点があり、3月の満潮時が旨い、4月の満潮時には更に味はよくなる。肛門から背にかけて内臓を取り、よく洗って塩を入れてred mullet の様に鍋に入れた水の中でクックする。ワインと塩で食べる。

又、carrelet は粉を付けてフライにしてグリーンソースでたべると旨い。

 

212.砂ガレイは背に小豆色又は黄色の斑点がある。肛門にかけて次第に色が薄くなっている。粉をしてフライにしてグリーンソースでたべる。又は半分フライした後シチュウかブロスに入れて食べる。

 

213Pole sole は同じものである。Pole は背に黒い斑点がある。カレイと同様に鱗を取り、内臓を取る。水で洗い平鍋に入れる。塩をして水を入れてクックする。ほとんどクックしたところでパセリを入れ、同じ汁の中で再びクックして、グリーンソースで食べる。又は若干の熱い煮汁とバター又は、ソースの中に古いヴェルジュ、マスタード、熱いバターをいっしょに入れる。

 

又、グリルで二枚の濡れたフェルトに挟んでローストする者もいる。これは鱗を取る必要がなくギシギシのヴェルジュで食べる。

又は、フライにする者は鱗を取ってフライにする。そして粉を振ってフライする。そしてグリーンソースで食べる。そしてブロスかグレイヴィの中にいれる。

 

※プレートの上に置いて上から見たとき、左側に口があるのがpoleで、右側にあるのがsoleである。(JP) 

 

214.大ヒラメは、Besiersではront と言う。鱗を取り、上のように用意してグリーンソースで食べる、又は(ガリンゲイル)ソースの中に入れる。これは2日間冷やした方が旨い。

 

※ラテン語のrhombaからきた。

 

215Brill は鱗を取って上のようにクックして食べる。これは同じ種類のもので味も同じである。

但し、Brill は小型、turbot は大型で味がよい。

 

216.ブリーム、baitteは鱗を取って水の中でクックする。A la Cameline で食べる、又は、ペイストリィの中に入れてパウダードスパイスで食べる。

 

217.テンチは水の中でクックするか焼いてヴェルジュで食べる。

 

218Dorryは縦に割き、水の中でクックする、又は焼いてヴェルジュで食べる。

 

219Aleen filopant (細切りにして)で焼き、マスタードで食べる。又は、皮を取って水の中で少しクックし、粉をして油の中でフライし、a la Jance 又はスキャリオンといっしょに食べる。

 

220Flounder

この魚に対して注意を払う必要はない。Carrelet地面の得うにいる時だけがシーズンである。この魚はcarreletのように背に赤い斑点がなく、背はかなり黒い色をしている。

 

221.ホタテ貝

註、バラバラになっているのではなく、一塊になっているものは新鮮で赤や生き生きした色をしていて新鮮である。塊りではなくバラバラになっているものは採ってから時間が経ったもので死んだ色をしている。ピックアップしてたくさんの熱い水で2-3回よく洗い更に冷水で洗う。タオルで水気を取り火で乾かす。クックしたタマネギと一緒に油の中でフライしスパイスを振ってほとんど傷のない葉、小麦の芽又は、ギシギシの芽や葉又は、(チコリ)と一緒に食べる。

 

222.カラス貝は塩の入っていない少量の水とワインの中で非常に強い火ですばやくクックする。酢で食べる。又は、古いヴェルジュとパセリで料理した時は、新鮮なバターを加えるとよい味のスープになる。

カラス貝は3月初めのものは味が一番よい。Cayeuxのものは赤く横に丸長で、ノルマンディのものは色が黒い。

 

Picardy coastにある。(JP)

 

223.淡水のザリガニは水とワインの中でクックする。水よりもワインの量を多くする。皮を取り、少量の塩を加える(塩を入れると黒くなるので塩を入れない者もいると私は聞いている)

 

ロブスターはオーヴンの中でクックする。ザリガニをロブスターという者もいる。オーヴンの穴を全て塞いでクックする。酢とスキャリオンで食べるべきである。

 

224.イカは皮を剥いてピースにして、平鍋の中に入れ、火にかける。塩を若干入れてよく乾くまで時々かき混ぜる。布の中に入れ絞って布で水分を取る。これに粉をして、たくさんの油の中でフライする。タマネギは入れても入れなくてもよい。上にスパイスを振り発芽した小麦の葉といっしょに食べる。

 

又、皮を取ってピースに切り、平鍋に入れて長時間混ぜて出てくる汁と湿り気を取りのぞいて濾す。汁が出て来なくなったら上で述べた方法で水気を取り、たくさんの油の中で豚のクラッキングの様にカリカリしてしわが寄るまで長時間フライする。そして、それを皿に取り、上にパウダードスパイスを振って食べる。平鍋の中に熱い油を入れて火にかける。油の中にイカの香りが移る。イカは価値がなくなるが、油を冷たいワインの中に入れると蒸気が出ると共にイカの味がワインに付く。油にはスープを旨くするものが残り、料理で使わなかった他の油よりも味がよい。

又、イカ以外に他の肉類がない場合には、上のようにタマネギといっしょにフライする。ボイルしたガーリックで作った旨いソースといっしょに2つのデイッシュに入れる。これはまずまずの料理である。

 

生のイカはよく洗って平鍋に入れ、水とヴェルジュ、油、新しいスキャリオンと共にオーヴンの中に入れてクックする。しかし、最初に骨と苦い部分をとっておかねばならない。

 

   貧しい人々の食べ物で、レントの時に致し方なく食べたのであろう。

 

 

 

                様々な卵料理

 

 

225Herbolace(エボラース;Arboulastre)を一枚又は卵を2

Coq(dittany?)の葉を2枚取り、ヘンルーダの葉、覚えていると思うがこの葉はきつくて苦いから1/2枚又は0枚、セロリ、ヨモギ菊、ミント、セージの葉を各4枚かそれ以下、スイートマジョラムをもう少し多く、フェンネルの葉をやや多くパセリをもう少し多く、ホワイトビートの葉とビート、スミレの葉、ホウレンソウ、レタス、オニサルビアこれらの葉は同じ量取って、全部で2握程度の量を用意する。掃除をして、冷水ですすぎ洗いをして水分をすべて取っておく。ジンジャー22を潰し、ハーヴを2-3回に分けてモルタルの中に入れて上のジンジャーもいっしょに挽く。16コの卵を卵黄、卵白共に溶きほぐしてハーヴと一緒にモルタルの中に入れてでかき混ぜ2つに分ける。次ぎの方法でフライした厚いオムレツを2つ作る。

まず、平鍋に油、バター又は好みの脂を若干入れて熱する。全体に、特に柄の方まで非常に熱くなったら平鍋の上に卵を流す。フリッパーで時々ひっくり返し、その上に良質のおろしたチーズをかける。これでこの料理ができたのだが、以上のことを覚えていてほしい。

ハーヴと卵と一緒にチーズをおろして平鍋に入れてクックすると底のチーズが平鍋にくっついてしまう。つまり、卵の中にチーズを入れてオムレツにするとこうなるのだ。それで最初に平鍋の中に卵を入れその上にチーズをのせる。そして卵の端を折り返すのはこういった理由なのだ。このようにしないとチーズが平鍋にくっついてしまう。平鍋の中でハーヴをフライすると切って四角や丸いハーヴ料理にすることができるし、食べる時には熱すぎることも、冷たくなっていることもない。

 

226.ロストエッグ

殻を割って卵白と卵黄を石炭又は熱い残り火の上に放り投げる。きれいにして食べる。

 

227.ヘルメットの形をした卵

卵の殻の端を破り卵白を取り出す。中に卵黄を残し、穴を上にしてtileの上に置く。

 

※平たい石炭?(JH) 

 

228.砂糖でフライしたオムレツ

卵白を全て取り出して、卵黄を溶きほぐす。フライパンに砂糖を若干入れて溶かし、そこへ卵黄を入れる。皿に取り砂糖を上にかける。

 

229.ロストエッグ

卵黄を4つ溶きほぐして、塊になった砂糖と粉にした砂糖を入れて非常によく一緒にかき混ぜる。ストレイナーを通し、鉄の平鍋の上でフライする。その後菱型に切る。この菱形と別に作ったポーチトエッグのオムレツをいっしょにデイッシュにのせて細かいパウダードスパイスを上に振る。

 

230.卵を使った見栄えのよいオムレツの作り方

卵を7コ用意して、卵白を2個取りのぞきボールに入れて潰す。そこに、卵黄を2コ入れて溶きほぐす。そしてフライする。黄色い色をしている。

 

又は、卵を6コ又は、12コ用意し、卵白は取りのぞいておく。卵黄を溶きほぐし油の中でフライする。平鍋の上でよく広げて菱形に切る。菱形にフライした卵をフリッパーで一つ一つひっくり返す。普通にフライしたオムレツを半分と菱形にフライした卵黄を4つと通常の方法でフライした砂糖をのせる。

 

231.ペイストリィを平鍋に入れて調理したハーヴ料理 (Arboulastre in a tart)

卵、ハーヴ、以前に述べたジンジャーのピースをいっしょに上で述べた様に挽いて混ぜる。ペイストリィを若干パイの底に使うように練って油又は他の脂を平鍋に入れて熱する。

練ったペイストリィを平鍋の底に入れその上におろしたチーズを十分に入れたパイのフィリングを入れる。下はタルトの底の形をしたペイストリィで底は、上側を少し熱するその前にクックしておく。底を熱した平鍋を別に用意し、この底をきれいに拭く。平鍋の中に熱した石炭を一杯に入れ、これを最初の平鍋の内側に入れてフィリングの上にのせ、ペイストリィとフィリングの両方が乾いてクックするまで熱す。

 

232.ヨモギギクの卵料理

ジンジャーを少量とヨモギギクを若干挽いて、酢でしめらせて濾す。堅くクックして皮を剥いた卵を入れたデイッシュの中に入れる。

 

233.註。卵の性質。卵をボイルしている水の中に入れてクックしても、最初に冷水の中に入れておかない限り卵黄は固まらない。冷水の中に入れてひどくボイルしている水の中に入れると確実に(卵黄は)固くなる。又、ボイルしている水の中に入れて火の上に置いておけば(卵黄は)いつも固くなる。また、固かろうが柔らかかろうがクックして直ぐに冷水の中に入れると、皮は簡単に剥ける。

 

 

 

アントルメ、フライした料理、飾った料理(Doureures

 

 

234.フルーメンティ(Froumente’e)

まず、大麦の殻と同様に小麦の殻を取り、10のボールに殻を取った小麦を1ポンド用意する。スパイスショップで時々殻を取った小麦を1ポンド当たり1ブランで売っているのを見かける。夕方にきれいにして水の中でクックし、火の傍の温水の中で蓋をして一晩置いておく。取り出して洗う。平鍋の中でミルクをボイルし、変質するのでかき混ぜない。すぐにきれいなポットの中に入れる。冷えた時は上のクリームはフルーメンティにならないので取りのぞく。少量の小麦をほんの少し入れて再びミルクをボイルする。

卵黄を用意し、その中に入れる。つまり、100コの卵を6つに分けたのミルクの中に入れるのだ。次いでボイルしているミルクを用意し、このミルクと卵をかき混ぜる。このポットを火から外してかき混ぜた卵を入れる。(ミルクが)変化しているのが判る。ポットを水を張った平鍋の中に入れる。フィッシュデイにはミルクを使い、ミートディにはミートブロスを使う。卵黄の色が十分でないとサフランを入れて調整する。

又、ジンジャーを1/2ピース使う。

 

235.穀物に似せた料理(Faulx grenon)

水とワインの中で肝とトリの臓物をクックする。又は子牛の肉あるいは豚やマトンの脚を使う。これを非常に細かく刻みラードでフライする。

ジンジャー、シナモン、クローヴ、グレインズ(オブパラダイス)を潰し、ワイン、ヴェルジュ、ビーフブロス又は(料理に)使っている肉の肉汁、たくさんの量の卵黄を肉の上にかける。いっしょによくボイルする。サフランを色付けに使う者がいて、その場合は黄色くなればならない。また焦がしたパンを挽いてシーヴを通したものを加える者がいる。その場合はこの料理は卵やパンで濃くてヴェルジュで酸っぱくなくてはいけない。

サーヴするときは各ボールの上に粉にしたシナモンを振りかける。

 

236Mortereulfaulx grenonのように作るが、シナモンスパイスといっしょに肉をモルタルの中で潰し、パンは入れずに、シナモンパウダーが振ってある。

 

237.レントの時にサーヴするTaillis

良質のレーズン、ボイルしたアーモンドミルク、eschaude’s、ガレット、白いパンのクラスト、小さく四角に切ったリンゴを用意し、ミルクをボイルする。サフランで色を付ける。砂糖など全てを入れて、切れる程度にまで濃くする。この料理はレントの時に米の代わりにサーヴする。

 

※ペイストリィの一種。

 

238.詰め物をしたヒナ

ヒナは生きている間に首を絞めて殺す。首を絞めて、縛って殺す。湯をかけて羽根を取り、内臓を取り、再びスタッフといっしょに中に戻す。

 

又、別の方法として、串を刺したら内臓を取り出した穴から指で肉から皮をはがして、指の先を使ってそこに詰め物をする。穴の所を肉と皮をいっしょにして縫う。串に刺す。

 

註、詰め物はパセリ、セージを少量、固ゆで卵、バターを全てチョップし、パウダードスパイスもいっしょにしておく。各ヒナに卵を卵白も含めて3コ使う。

 

239.ヒナを肥やすには窓のない場所に入れる。餌入れ又は水のみのボールを1日に9-10回洗ってやる。その都度新鮮な餌をやり、新しい水をやり、餌には砕けたオートやミルクやカードにひたしたオートをやる。そして、9日の間足を乾いた状態にしてやる。

 

240.3日間でガチョウを肥やすには、バターミルクに浸した温かいパンくずをやる。

 

241.ヒナから若いヤマウズラを作るには、小さい若いめんどりを用意し、1-2日前に殺しておく。その脚と首を叩き切り、内臓を出して捨てる。胃袋を割き、モモの上の上の肉が短くなるようにする。ローストして飾り、ヤマウズラの様に塩で食べる。

 

242.別の方法で詰め物をしたトリ料理(Poulaille Farce’e

メンドリを用意し、喉を切って、湯をかけて羽毛を取る。羽毛を取る時に皮フを破らない様に気を付ける。再び水の中につけて(身と皮の間に鋭い刃で切れ込みを入れる。JH)羽軸を取り、それを皮と身の間に差し込んでその間に空気を吹き込む。両肩の間を裂き大きな穴を作らない。内臓と取りだしモモ、手羽、首、頭全体と脚の皮を残しておく。

詰め物を作る。マトン、子牛、ニワトリを用意する。全ての肉を一緒に刻む。モルタルの中で全卵とチーズ、たっぷりのパウダードスパイス、ほんの少量のサフラン、適度な量の塩を入れて挽く。

ニワトリの中に詰め、穴を縫っておく。残った詰め物で大青のサイズの(錠剤の大きさの)ボールを作る。ビーフブロス又は、ボイルしているきれいな湯の中でボイルする。たくさんのサフランを入れて、バラバラにならない様に激しくボイルしない。非常に細い串を刺す。たくさんの卵黄、サフランを少量入れて混ぜ、それを塗って、黄金色にする。金箔を貼る。

 

   タイユヴァンのレシピに中にあるが一部異なる( JP)

65.詰め物をしたニワトリ。(Le Viandier )

あなたのニワトリを用意し、そのノドを切る。羽を湯に浸けて取り、皮が破れていないことを確かめる。水の中で洗わない。ストロー又は他の道具を用意して、肉と皮の間に差し込んで、皮を膨らませる。大きな穴を開けずに肩に切れ目を入れる。モモ、脚、羽根、首、頭の皮はそのまま残しておく。スタッフを作るには、マトン、子牛、豚と若いめんどりのモモ肉を用意する。全ていっしょにチョップして、モルタルの中で生卵、取れたばかりのチーズ、良質のスパイスパウダー、ごく少量のサフラン、味付けのための塩を入れて潰す。ニワトリの中に詰めて肩の切れ目を縫っておく。残ったスタッフィングを大青(woad)の形にして、肉団子を作る。サフランをたくさん入れたビーフブロスと湯の中でクックする。激しく煮ると煮くずれるで気を付けること。ニワトリと肉団子に非常に(細い?)太い鉄の串をさしてミドリ色又は黄色にグレイズする。黄色又は緑色にグレイズする。黄色のグレイズは、たくさんの卵黄を用意してサフランを少量入れてよく混ぜる。グレイズを皿又はそのほかの皿に入れる。緑色のグレイズには、卵といっしょに野菜をすりつぶす。ニワトリと肉団子がクックしたら、焼き串をグレイズの入った皿の上に置いて肉にグレイズをかける。

火の上に戻し、グレイズが全体につくまで焼く。この作業を2-3回繰り返す。グレイズが焦げないように炎が大きくないか確認する。

 

※錠剤に固めた青の染料。

 

緑色にしたい場合には、緑色のハーヴを挽き、たくさんの卵黄をシーヴに通してグリーンの中に入れる。あなたのニワトリに塗る。あなたのミートボールと同じようにクックする。(ミートボールを突き刺したこの)細長い串をグレイズの入った容器に入れてその周りにグレイズを流し金箔を貼る。火の中に入れる。この作業を2-3回繰り返し串の周りにかけたグレイズの上に金箔をくっつけていく。グレイズが熱くなる前に燃えないように気を付ける。(火で金箔を加熱しすぎて焦がさないように気を付ける。)

 

米はミートディに料理する。米を選米し熱湯を2-3回取り替えて洗う。それを火の上で乾かす。ボイルしている牛のミルクの中に入れる。黄色くするためにサフランを挽きミルクに漬す。そしてビーフストックの脂の中に入れる。

 

   (タイユヴァンのレシピ中にみられる)

66.ミートディのための色を付けた米料理。(Le Viandier)

米をより分け、熱い湯でよく洗う。火のちかくで乾かす。牛の乳でコトコトとクックする。サフランを砕き(赤くするために)牛乳に浸し、ポットのストックを加える。

 

 

243.別の方法で作る米の料理(Riz engoule’ for a meat day)

選米して熱湯の中で2-3回取り替えて水がきれいになるまで洗う。上のように半分クックしたところでピュレし、デイッシュの中に置いた木皿の上に移し火の正面で乾かして水気を取る。サフランを入れた牛の脂汁と一緒に濃くなるまでクックする。これはミートディのものである。フィシュデイには肉汁を入れないでその代わりによく挽いたシーヴをしていないアーモンドを加え、甘くするがサフランは使わない。

 

244.コールドセージ(Une Froide Sauce

トリを用意し4つに切る。塩を入れた水の中でクックする。これを冷ましておく。ジンジャー、シナモンスティック、グレインズ(オブパラダイス)、クローヴをよく潰し、シーヴにかけない。ニワトリのブロスで湿らせたパン、たくさんのパセリ、セージを若干、緑色を増すために少量のサフランと一緒に挽き、シーヴを通す。(固ゆでした卵黄を一緒にシーヴに通す者もいる)そして、たっぷりの酢に浸す。スパイスが湿ったら、これをトリの上にかける。同時にこのトリに4つに切った固ゆで卵をのせて全体にソースをかける。

 

別の方法では、ニワトリを用意し、羽毛を抜き塩を入れた水の中でクックするまでボイルする。これを取り出して4つに切り、冷ましておく。固ゆで卵を水の中でクックし、ヴェルジュとワイン又は、酢の中に浸したパンを加える。

酢又はヴェルジュとワインの量は同じ量にしておく。パセリとセージを用意し、ジンジャー、グレインズ(オブパラダイス)を潰してシーヴにかける。卵黄をシーヴに通し、4つに切った固ゆで卵をニワトリの上にのせる。そしてその上にソースをかける。

 

245.子豚のソースはセージをベースにしたソースと同じように作るか、卵ないしセージ、パンは入れない。これはよく毛を取った鼻、耳、尾、膝の肉、四肢をよくクックして作る。

挽いたパセリ、酢、スパイスをソースの中に入れる。

 

246.一部分に色を付けたスープ又は穀物に似せた料理(Pottage parti, fauz grenon)

マトンのモモ又は肝とニワトリの砂肝を用意し、水とワインの中でよくクックする。四角く切る。ジンジャー、シナモン、クローヴ、サフランを少量、グレインズオブパラダイスを挽いてワインとヴェルジュ、ミートブイヨンの中に浸す。(同様に肉もクックしておく)モルタルの中から取りだしトーストしたパンをワインとヴェルジュを非常に細かく挽き、その後シーヴを通す。全てを一緒にボイルする。肉を用意し脂の中でフライする。取り出す。シーヴにかけた卵黄を入れてとろみを付ける。ボールの中にアレンジしてパウダードシナモンと砂糖を振る。つまり、シナモンと砂糖はボールの中の半分に振って片方の半分に方には振らないのでそれを“一部分色を付けたスープ”と呼ぶ。

 

247.レントに食べるフラン(Flanons en Karesme

ウナギを殺して皮を剥ぐ(又は蒸す)。熱い湯の中でクックして身をだけを残らず取り、頭と尾を残す。モルタルの中でサフランを潰し、そこにウナギの身を入れて潰す。ホワイトワインに浸し、これでフランを作る。その上に砂糖を振りかける。

 

又、フランをローチ又は、コイの柔らかい卵で作る時には、チーズ味のフランにする。挽いたアーモンド又は、デンプンとワインに浸したサフランとたくさんの砂糖をフランの上にかける。

 

又、テンチ、ドジョウ、コイの身、デンプンとホワイトワインの中に浸したサフランでフランを作り、砂糖を上にかける。

 

248.ジャコバンタルト

ウナギを用意し、皮を取り、指の半分以下の太さに短く切る。ジンジャー、粉々にしたチーズを用意してこれをオーヴンに運びタルトを作る。底にチーズを振りその上にウナギをのせる、そしてチーズを層にして、ザリガニの尾の層を作る。次々に材料がなくなるまで層を重ねる。そして塩をミルクの中に若干入れて、タルトに蓋をしない。タルトの中にザリガニの脚を突き刺してきれいな蓋を別に作って、タルトがクックしたらその上にのせる。

 

※ドミニコ会の修士、St.Jaequesの食習慣に由来する。

 

249.別のタルト,註、豚の詰め物で蓋をしたタルトを作ることができる。詰め物は旨く作っておく。

 

250.タルトを作る(Tourte)

ビートの葉を4握、パセリを2握、チャービルを1握、フェンネルの若枝を1本(又は蕪の葉を少量、JH)、ほうれん草を2握きれいにして、冷水の中で洗う。非常に小さくチョップする。2種類のチーズ、一つは固い、もう一つは中くらいのチーズをおろす。卵を卵黄と卵白をチーズといっしょに混ぜる。モルタルの中にハーヴを入れ、一緒に挽く。パウダースパイスを若干加える。又は,この代わりにモルタルの中でジンジャーを2ピース潰しておき、その次ぎにチーズと卵とハーヴを挽く。そして挽いた又はおろした古いチーズ又はそのようなものをハーヴの上においてオーヴンへ運ぶ。タルトを作って熱くして食べる。

 

251.ミートゼリーを4皿作る(Gele’e de Char

豚、子牛の脚4本、羽毛を取ったヒナを2羽、やせた若いウサギを2羽、皮を剥いて用意する。脂を取って真ん中まで2つに割く。豚は一口大に切っておく。平鍋の中にホワイトワインを3クォート、又は、クラレットを3クォート、酢を1パイント、ヴェルジュを1/2パイントボイルしてアクを取る。小さな閉じた布袋にこはく色の色を付けるためにサフランを1/4オンスをボイルして強く泡立てる。口を閉めた袋の中に琥珀色を出すためにサフランを1/4オンス入れたものと塩を少量入れて肉と一緒にボイルする。

ホワイトジンジャーを10又は、12片又はガリンガレを5又は6片、グレインズオブパラダイスを1/2オンス、メイスの葉を2又は3ピース、杜松を2blancs分、クベブ 、甘松を3blancs分、ベイリーフ、ナツメグを6コ、これらをモルタルの中で潰し、袋に入れて肉と一緒にクックするまでボイルする。袋を取り出し白いぬのの上で乾かす。脚、鼻、耳を入れるのに最上のプレートを用意するその他の部分には別のプレートを用意する。

 

 

良質の柄がついたネットを用意し,ポットの中のものを全部注ぎ入れる。スパイスは(手で)取っておく。取り出したものはポタージュ用に濾して澄むまでかき混ぜない。きれいに濾せないない場合は、あちこち熱するとうまく濾せる。澄むまで2-3回濾すか、布を3回折って濾す。あなたのデイッシュを用意し、その中にあなたの肉をアレンジする。クックしたザリガニの脚と尾を肉の上に置く。あなたのゼリーは(再加熱し)、肉が被る程度の十分な量を注いでおく。肉は少しでよい。これを地下室に一晩置いて冷やす。朝、クローヴとベイリーフ、シナモンスティックを突き刺す。そして赤いアニスを振る。

 

註、2時間以内で作るには、カリンの種(又は肉)philicon、チェリーの木の樹脂、これらを一緒に押し潰し、リネンの袋に入れて肉と一緒にボイルする。

 

※おそらく収斂性のあるシダの仲間。

 

又、フィシュデイには、上のようにローチ、テンチ、ブリーム、ウナギ、ザリガニ、バーチでゼリーを作る。魚がクックしたら水気を切り、白いきれいな布の上で乾かす。皮を取りきれいにする。そしてその皮をブロスの中に入れる。

 

252.又、青色のゼリーを作るには、上で述べたブイヨンを用意し、肉又は魚のどちらかをきれいな平鍋に入れて火の上で再びボイルする。薬局からターンソールを2オンス買い求め、きれいな色が出るまでボイルする。それを取りだし、ローチを1パイント用意して、別にクックする。あなたのデイッシュの上にローチを広げる。ブイヨンを上のように濾し、冷ましておく。

又これは青いゼリーをつくる方法であるが、このゼリーの上に紋章を作るのがお望みであれば、満足が得られる金又は銀を選び、羽根の上に卵白で紋章を描き、その上に筆(ピンセット?)で金箔を置いていく。

 

253.更にゼリーを20皿作る。

やせた若いウサギを10羽、やせたヒナを10羽、 ローチを3スー分、必ずしもMarne 産のものでなくてもよいが、ザリガニを6スー分100匹、やせた豚を1匹3スー8デニール分、(そしてやせていても皮と肉の間の脂を取りのぞき、小さく四角に切っておく)、子牛の肩肉を3つ、4スー分、子牛の肉は全てワインの中でクックするのでワインを8クォート、酢を2クォート、麻布を1/2エル(45インチ/2)を2スー分。

 

   20匹。JP

 

又、皮を全て取った子牛の肉をワインと酢の中で塩を加えてクックせねばならない。

(子牛の肉を)取り出して、ウサギとニワトリをクックする。アクを取る。サフランとベイリーフ半分を布の中に入れる。又はバッグの中に入れていっしょにクックする。スパイスを挽いて粉にする。又は、石のモルタルの中でスパイスを挽いて全ていっしょにクックする。全てがクックしたらシーヴを通し、布で濾し、澄むまで繰り返す。ローチを別にクックする。ザリガニを別にクックする。ザリガニの尾を取っておく。ウサギを半分、ニワトリを半分、ドジョウを6匹、ザリガニの尾をあなたのデイッシュに入れてそれを地下室にいれる。あなたのデイッシュを非常に真っ直ぐにセットしてゼリーを上にかけて一杯にする。翌日各プレートの上に白いヴァイオレット、ザクロ、赤く糖衣したアーモンド、ベイリーフを4枚おく。

 

254.夏の小腸のソーセージ(Summer andouille)

ラム又は子山羊の臓物を用意する。腸管膜をとり、残りのものは塩を少量入れて水の中でクックする。クックしたら非常に細かくチョップする。又は、挽く。卵黄を6コ、パウダードスパイス、銀のテーブルスプーンを一本、全てを一緒にボールの中に入れかき混ぜる。臓物の中にあなたの卵黄とスパイスを混ぜ、それを全て大網膜又は網の上に広げる。ソーセージの要領で巻いていく。糸で緩く縦に絞る。次いで斜めに縛って口を塞いでおく。グリルの上でローストする。糸を取って、サーヴする。又は大網膜でボールを作りこれをきれいな豚脂の中でフライする。

 

255.ボール(ポモー;Pommeaulx

マトンのモモから脂身の少ない生肉を取り、同様に豚のモモから肉を取る。全てを非常に細かく一緒にチョップする。モルタルでジンジャー、グレインズ(オブパラダイス)、クローヴを潰し、チョップした肉の中に混ぜる。卵黄を入れずに卵白で湿り気を与え、手でスパイスと生肉を練ってリンゴの形にまとめる。うまく形が取れたら塩を入れた水の中でクックする。取り出す。ハシバミの木の串を突き刺してローストする。茶色になったら、潰してシーヴしたパセリを用意して粉といっしょに混ぜる。濃くもなく薄くもないものを作る。あなたのボールを火からとってデイッシュを下に敷き、その上で串をまわす。あなたのボールにうまく塗り、火に戻す。何度もうまくできるまで繰り返す。

 

256.カエル

肉の餌又は赤い糸をつけた釣り針と糸でカエルを取る。カエルのモモのあたりで横に切り、背中の先端にあるものを出す。モモを2本取り、足を切り落とす。モモの皮を取る。冷水で洗う。モモを一晩中冷水の中に入れておくと味がよくなり柔らかくなる。これをすすいだ後、温かい水で洗う。布で水気を取る。洗って乾かしたモモを粉の中で転がし、粉をして油、脂又は、他の液体の中でフライする。ボールの中に入れ、その上にパウダードスパイスを振る。

 

257.エスカルゴ(escalgols)で知られるカタツムリは朝に取る。若くて小さくて黒っぽい殻のもので蔓や低木の間にいるものを用意する。ヌメリ(又は泡)がなくなるまでたくさんの水で洗う。いったん塩と酢で洗ってから水の中でクックする。殻からカタツムリをピンや針の端を使って引き出す。そして黒い尾を取り出しておかねばならない。これは黒いカタツムリの糞だからだ。それを洗って水の中でボイルしてクックする。身の部分を取りだしデイッシュ又はボールの中に入れる。パンと一緒に食べる。タマネギをオイルの中でフライするか又は、別の汁を加えて油の中でフライして、上のようにクックしてパウダードスパイスで食べるという者がいるがこれは金持ちの食べ方である。

 

258.ノースパイ(Paste’s Norrois)はタラの肝で作り、時々刻んだ魚を入れる。

まず、ゆっくりとボイルし、細かくチョップする。3ペニー貨大の小さなパスティの中に入れる。その中にパウダードスパイスを上に振る。パイ職人がクックしていない(パイを)オーヴンのところへもって行き、フッシュデイには、丸ごと油の中でフライする。ミートディには、牛の骨髄から作り、穴の開いたスプーンの中に入れミートポットのブロスの中に、羽根を取っていないニワトリを湯通しするために湯の中に入れておく位の時間入れておく。次いで冷水の中に入れ、骨髄を切って小さな弾丸又は、小さな丸いボールの大きさに切る。これをパイ職人の所に持って行く。職人はパスティの中に3-4コを入れて上にパウダードスパイスを振る。オーヴンの中でクックせずに油の中でクックする。

骨髄のドーナッツを作るには、上のように準備して粉と卵黄を用意してペイストを作る。骨髄の各ピースを油の中でフライする。残りのものでドーナッツを作ることができる。

 

 

 

              その他アントルメ

 

 

259.ラーディミルク(Lait Larde’

牛又は、羊のミルクを用意し、火の中でボイルする。若干のサフランとベーコン少量を入れる。卵を用意し、つまり卵白と卵黄の両方をよく溶きほぐし、かき混ぜずに一気に入れる。全てを一緒にボイルする。火から下ろし固まらせる。又は、卵を入れずにヴェルジュを入れて固まらせる。冷えたら布の又は、ネットの中にきつく結んで貴方のお望みの形にする。平たい又は長い形にして、一晩中サイドボードの上で大きな石を重しにして冷ます。翌日重しを取って好みの脂又は脂を入れずにそのまま鉄鍋でフライする。デイッシュの中又はボールの中にベーコンのスライスのようにセットしてクローヴとpignon(カサ松)の実を突き刺す。緑色がお望みであればターンソールを使う。

 

260.フィッシュデイの肉団子

栗を弱火の上でクックし、皮を剥く。固ゆで卵と皮を剥いたチーズを用意し、全てを小さくチョップする。これを卵黄の中に入れパウダードハーヴと非常に細かい塩を混ぜてあなたの肉団子を作る。たくさんの油の中でフライし、砂糖をまぶす。

 

註、レントの時は卵とチーズの代わりにクックした小ダラと非常に小さくチョップしたsiaena (skirret root;ムカゴニンジン)又は、パイクの身又は、ウナギと刻んだイチジクとデイツを入れる。

 

又、平日には、イチジク、ブドウ、チョップしたリンゴ、殻を取ってカサ松の実に似せて作ったナッツ、パウダードスパイスで作る。ドウは非常にサフランを効かせておく。次いで、油の中でフライする。とろみ付けが必要な場合にはデンプン、米を使う。又、ロブスターの身を肉の代わりに使うと旨い。

 

261.ミートディの肉団子は季節のもので、セイントレミイデイ(10/1)から始まる。豚のモモ肉を用意し、全ての脂を取りのぞく。脂身のない肉をたくさんの塩と一緒にポットの中に入れる。ほとんどクックしたところで肉を取りだし固ゆで卵を用意して卵白と卵黄をチョップする。他の場所であなたの肉を非常に細かくチョップし、卵と肉をいっしょに混ぜる。その上にパウダードスパイスを振る。これをペイストリィの中に入れ、この肉の脂でフライする。

 

註、これは豚の詰め物に特有のもので、いつでも料理人は肉屋で豚の詰め物を作るときはこれを買う。しかし、いつも豚に詰め物をするときは古い良質のチーズを加えるとうまい。

 

又、マンセニュール・デ・ベリー(Monseigneur de Berry)公のような領主の宮廷では、その為に牛を殺して、その骨髄で肉団子を作るのだ。

 

262.クレープ(crespes)

粉を用意して、卵白、卵黄の両方と混ぜる。卵の胚は捨てて、水で湿らせて塩、ワインを加えて長時間一緒に混ぜる。小さな鉄の平鍋の中に若干脂を入れて火の上で、又は、脂とフレシュバターを半分ずつ入れてジュウジュウと音を立てる。あなたの小さい指の大きさの穴を開けたボールを用意し、その中に初めは半分位のバターを入れ、平鍋の全面に流れ出るようにする。プレートの上に置き、その上に粉砂糖を振る。鉄又は真鍮(又は銅)の平鍋は3 1/2パイントの大きさのもので縁は指半分の高さで、上と底が同じ広さで、広くもなく、狭くもない大きさのものを使う。

 

263Tournay スタイルのクレープ(Crespes a la Geise de Tournay

まず、1クオートの大きさの真鍮の平鍋を使わねばならない。上部は底よりもほんの少し狭く、縁は3指又は4指の高さがあること。

又、有塩バターを用意し、溶かしてアクを取りきれいにする。別の平鍋に入れて塩と新しい脂を非常にきれいな必要な量を残しておく。卵を用意してフライする。フライした半分の卵白を取りだし、残りの卵白と卵黄をかき混ぜる。その1/3-1/4の温かいホワイトワインといっしょに混ぜる。手に入る一番よい小麦を用意し、1人ないし2人で一度に混ぜてうんざりする程十分に混ぜる。濃くもなく薄くもない、あなたの小さな指の大きさの穴からゆっくりと流れ出るペイストを作る。バターと脂を同量ずつ火の上に一緒にボイルして、あなたのペイストを、あなたの油を火にかける。どちらも同じ量を用意してあなたのバターをボールに入れるか又は大きな穴の開いた木のスプーンに入れ、あなたの脂の中に注ぎ入れる。

まず、平鍋の中央に、次いで平鍋が一杯になるように円を描いて、バターを続け様にとぎれることなく混ぜてたくさんのクレープを作る。

平鍋の中のこのクレープを金串又はフォークで持ちあげ、ひっくり返してクックする。外に取り出してプレートの上にのせる。次のペイストに取りかかって常にペイストが途切れることなくペイストを混ぜ続けねばならない。

 

264.詰め物をした筒(Pipefarces)

卵黄と粉、塩、ワインを少量用意し、一緒に強く混ぜる。チーズを薄くスライスして、ペイストでチーズを巻いて,油(脂、Eileen Power)を入れた,鉄平鍋の中でフライする。この料理は牛の骨髄で作ることもできる。

 

265.4人分のハーヴを効かせた肉料理(A meat Arboulastre for 4 people)

山羊を殺したら、第一胃の料理を作ることができる。(他の胃の料理は?)など。イエローソースの中にベーコンと肝、肺、臓物、そして他の胃袋を入れて水の中でこれらを非常によくクックする。2本のナイフでピュレを作る時のようにチョップする。非常に小さくチョップする。又は、モルタルの中にセージ、又はミントなどのハーヴといっしょに挽く、等。上と同様に料理する。

 

註、山羊の腸は臓物としては豚(を殺した)の時ほど残らない。それは豚の腸は幅があって内側をひっくり返して川の中で洗うことができるが山羊の腸はそれができないからだ。しかし豚と同じように全てのものが残っている。頭や食道、喉、首、肝、肺、全てのものが1つにまとまって残っており、小さな膵臓や心臓全てを一緒にして、臓物と呼ぶが、これは豚と同じである。

 

266.また、我々が7月に食べる豚の串肉について述べると,これは塩と酢の中に浸して置くのだが、これは幅の広い腸を使い4指の長さのピースにチョップして、新しいヴェルジュで食べるものである。

 

267.シェルビス1月、2月に地面に現れ新しい取り立てのものが一番である。新鮮なものは潰れやすく、古いものは地面から抜くと曲がっている。きれいにして蕪のように傷んだところを取りのぞき、温水でよく洗う。少しゆっくりとボイルしてタオルの上で水気を取る。粉をしてフライする。小さなプレートの上にきれいにアレンジして上に砂糖をのせる。

 

※マッシュルームの一種?JH

 

又、パイにする場合には、上のようにフライにする準備をしたら、これをペイストリィの中に入れる。一番長いものは2つのピースにして、上で述べた砂糖の代わりに小さくチョップしたイチジクと葡萄を入れる。

 

268.卵とドジョウをディープフライする

塩の入った水の中に卵を入れてよくクックする。冷やしてピースに切って、ペイストリィで包んで油の中でクックする。

 

 

 

              ボイルしないで作るソース

 

 

269.マスタード

長期間マスタードを保存するには、収穫時のサヤの柔らかい時期に作る。サヤはボイルするべきだと言う者もいる。(又は、長期間マスタードを保存するにはマストの甘い、葡萄の刈り入れの時期に行うべきである。このマストをボイルすべきであると言う者もいる。JH)村の中で急いで作るにはモルタルの中でマスタードの種を挽いて酢に漬してストレイナーを通す。更に急いで準備するにはポットの中に入れたマスタードを火の正面に置いておく。十分に時間をかけて作るには、マスタードの種を一晩たっぷりの酢の中に浸けておき、ミルの中に入れて細かく挽いて少しずつ酢で湿らせてゆく。ゼリー、ブロス、ヒポクラスやソースを作るときに残ったスパイスがあればマスタードを挽く時までそのままにしておく。

 

270.ギシギシのヴェルジュ

ギシギシを非常に細かく枝を除いて挽き、古いホワイトヴェルジュの中に濾さずに漬しておく。しかし、細かく挽いておく。又は、パセリとギシギシを又は、小麦の葉を挽く。

又、葡萄の芽、つまり枝のない若くて柔らかい芽を使う。

 

271.キャメライン

註、Tournais ではキャメラインを作るのにジンジャー、シナモン、サフラン、ナツメグを半分一緒に挽いてワインの中に浸す。モルタルから取り出し、トーストしてない冷水で湿らせた白いパンクラムを用意し冷たい水といっしょにモルタルの中で挽く。ワインに浸して濾す。全てをボイルし、最後に赤い砂糖を加える。これが冬のキャメラインである。夏には同じ方法で作るがボイルはしない。

 

実は、私の味覚では、冬の作り方は旨いが、次の方法の方が(夏に)はるかに味がよい。ジンジャーを少量、たくさんのシナモンを挽き、取りだした後でトーストしたパン又はたくさんのパンクラムを酢の中に入れて挽いて濾す。

 

※スパイスで色をつけた砂糖。

 

272.註、メチュジンジャー(Gingeembre de messche)とコロンバインジンジャー(colombine )の間には3つの違いがある。メチュジンジャーは皮が黒く楽にナイフで切れる。そしてコロンバインジンジャーに比べて中が白い。又、味がよく常に高価である。

 

ガリンゲイルは切ると更に赤-紫色をしているものが一番よい。ナツメグは重くて、切った時に実がしまっているものが一番よい。ガリンガレの切るとしっかりしているものが重い腐ったものは枯れたもののように軽く赤い。これは味がよくない。栗の木(又は木の実)のようにナイフで切るとしっかりとしまっていて重いものは味がよい。

 

273.シビレエイのためのガーリックキャメラインソース

ジンジャー、ガーリック、酢に付けたホワイトブレッドのクラスト、又はトーストしたパンを酢に漬す。肝を加えると更に美味しくなる。

 

274.コガモ又は牛肉のためのホワイト又はグリーンガーリックソース。

ガリンゲイル一片、トーストしていないブレッドクラムをホワイトヴェルジュに浸す。グリーンの魚のソースがお望みであればパセリを若干とギシギシ又はその内の一つ又はローズマリーを入れて挽く。

 

275.生のニシンのためのマストの入ったソース(Aulx Moussus)

ガーリックの皮を剥かずにほんの少し挽き、マストの中に浸す。皮と一緒にアレンジする。

 

276.スパイスの入ったグリーンソース

クローヴ、グレインズ(オブパラダイス)、ジンジャーを非常に細かく挽き、モルタルから取り出す。次いでパセリ、又はウツボグサ(allheal)、ギシギシ、マジョラム又は4つのうち1つ又は、2つとヴェルジュに浸したホワイトブレッドクラムを、濾して再び非常に細かく挽く。再び濾して全てを一緒に入れて酢で香りをつける。

 

註、これはゼリーの料理によいがその時には、ブレッドクラムは除いておく。

註、あらゆるスパイスの代わりにローズマリーの葉だけを入れてソースにする者がいる。

 

277.海水魚を保存する緑色の縞の付くソース(soucie’ vergay)

パセリ、セージ、allheal(又はherb bennet)、酢を用意して濾す。しかしその前にcoq、ヒソップ、ギシギシ、オニサルビア 、マジョラム、ジンジャー、シナモンスティック、ロングペッパー、クローヴ、グレインズ(オブパラダイス)を挽き、全てをモルタルから取り出す。全てが整ったら魚にかける。そうすると魚に緑色の縞がつく。ナデシコ、その根及びその他を全て加える者もいる。

 

註、ゼリードソースといわれるものはそれが豚の足の様に準備するからだ。

 

淡水魚のchawdon(ソース)は同じ方法で作るがいかなるハーヴも入れない。ハーヴの代わりにサフラン、ナツメグ、ヴェルジュを入れ、その色はきれいな黄色をしており、冷たい魚の上に熱くしてかける。

 

横に切って串に刺しグリルの上でローストする。

 

278.ローストしたシャポンのソースはシャポンをバラバラにして塩とヴェルジュと1/3のホワイトワインに又はレッドワインを、関節の上にのせて、ニワトリにしたように強く圧迫する。

 

又は、夏にはローストチキンのソースは酢、ローズウォーターを同量混ぜて冷す。等々。又、オレンジジュースをその上にかけると旨い。

 

 

 

                ボイルしたソース

 

 

279.註、7月には古いヴェルジュは弱く、新しいヴェルジュは未熟過ぎる。従ってこのぶどう狩りのシーズンは古いものと新しいものを半分ずつ混ぜたものが一番旨い。又、シチュウの中に入れてピュレで弱めると良い。しかし12月...は新しい物が一番旨い。

 

280.キャメラインのTournais(トゥールネ;ベルギー西部)スタイル

前の章を見よ。

 

281.イエロー又は、ビターペッパー

ジンジャー、サフランを用意する。肉のsewe(キャベツのseweに入れると更に旨い)の中に浸したトーストを用意する。ボイルする。そしてボイルしたときに酢を加える。

 

282.ブラックペッパー(Black poivre)

クローヴ、少量のペッパー、ジンジャーを用意して、非常に細かく挽く。キャベツの汁を少量、又は、これが一番旨いのだが、肉のsewe又は薄い野菜の汁、の中に浸したトーストしたパンを挽く。鉄の平鍋の中でボイルし、ボイルした時に酢を加える。ポットの中に入れ火にかけて熱しておく。又この中にシナモンを加える者もいる。

 

283.コイのギャランティーン

サフラン、ジンジャー、ロングペッパー、ナツメグを挽き、コイをクックした脂っぽいseweの中に浸す。そこにヴェルジュ、ワイン、酢を加える。少しトーストしたパンを加えて濃くする。よく潰す。シーヴはしない。(シーヴしたパンはソースの味をよくする)そして全てをボイルし、クックした魚の上にかける。そしてデイッシュの中に入れる。グリルの上でデイッシュの上の魚を加熱すると冷たいものよりも旨い。註、サフランを入れないと旨いし見場もよい。註、各プレートにはコイのスライスを2つとフライしたgudgeon(セイヨウカマツカ;コイ科)を4つのせると十分である。

 

284.ウサギ又は、川鳥又は、森の鳩のソース

たっぷりの油の中でタマネギをフライするか、又はタマネギをみじん切りにして、肉のseweと一緒にドリッピングパンの中でクックする。ボイルするまで酢もヴェルジュも加えない。その後、ヴェルジュを半量とワインと半量と酢を少量加え、スパイス効かせる。ワインを半量とヴェルジュを半量と少量の酢を用意し、ドリッピンググパンに入れたウサギ、鳩、又は川鳥の下に全てを入れる。それらがクックしたらソースをボイルし、トーストしたパンを若干用意し、トリといっしょにソースの中に入れる。

 

285Calimafr’ee 又は、レイジィソース(saulce paressuse)

マスタード、パウダードジンジャー、酢を少量、コイの脂っぽいseweと一緒にボイルする。シャポンのためにこのソースを作るのがお望みであれば、コイの脂とseweの代わりにヴェルジュと酢とシャポンの脂を加える。

 

286.牛のミルクで作るジャンス

ジンジャーを挽き、(胚を取りのぞいた)卵黄を牛のミルクと一緒にシーヴに通す。又は、変質するのが心配ならクックした卵黄を用意してから(ジンジャーを)挽いてシーヴを通す。牛のミルクに浸してよくボイルする。

 

287.ガーリックジャンス(Jance a aulx)

ジンジャー、ガーリック、アーモンドを挽き、たっぷりのヴェルジュの中に浸してボイルする。1/3量のワインを入れる者もいる。

 

288.ジャンスはこの方法で作る

アーモンドを用意し、湯の中に入れ、皮を剥いて挽く。そして、ジンジャーを2片又はパウダードスパイスと(それに)ガーリックを少量、トーストしていないホワイトブレッドをアーモンドよりもほんの少し多めにホワイトヴェルジュと1/4量のホワイトワインの中に浸す。濾して、非常によくボイルする。ボールの中にサーヴする。このソースは他のソースよりもたくさんサーヴすべきである。

 

289Poitevine ソース

ジンジャー、クローヴ、グレインズ(オブパラダイス)、若干の肝を挽き、モルタルから取り出す。トーストしたパンを挽く。各1/3量ずつのワイン、ヴェルジュ、水を(入れて)ボイルする。ローストした時の脂を加える。ボールに中に入れてサーヴするかあなたのローストした肉の上にかけてサーヴする。

 

290.若いシャポンのためのマストソース(Moust pour He’toudeaux)

ブラックグレープを用意し、モルタルの中で押しつぶす。ブイヨンをボイルし、シーヴを通す。パウダードスパイス、少量のジンジャー、多めのシナモン又は、シナモンだけを、この方が味がよい、をふりかけ、銀のスプーンで少しかき混ぜる。クラスト又はトーストしたパン又は卵又は栗を入れて濃くする。赤い砂糖を入れてサーヴする。

 

(註、最初の方でアルカネットとは、赤い色を付けるためのスパイスでガリンゲイルのようなものであり、ワインと肉汁に浸した後、挽くということを知っておくとよい)

又、このマストソースはセイントジョーンズデイの後に作るのがお望みであれば、前もってどんな葡萄でもいいから見つけておき、チェリー、野生のチェリー、ハートミザクラ、マルベリーワイン、これにパウダードシナモン、ジンジャーを少しも入れずに、上のようにボイルして砂糖を振る。

 

又、葡萄が全く見あたらなくなってからは、11月頃に、マストソースを作るには、野生のリンボクの種を取り、モルタルの中で潰すか挽いて、その皮と一緒にボイルする。シーヴを通し、パウダードスパイスを加えて後は上と同様に料理する。

 

291.シャポンのための手短に作れるソース

質のよいきれいな水を用意し、ローストしている間シャポンの下に置いているドリッピングパンの中に入れておく。シャポンに時々水をかけながら、ガーリックを挽いて水の中に浸してボイルする。これをサーヴする。このソースはジャンスと同様旨いし、これよりも旨いソースはない。

 

292.若い野生のカモ、コガモ、若いウサギ、野ウサギのパイの中に入れてボイルするソース

質のよいシナモンをたくさん、ジンジャー、クローヴ、グレインズ(オブパラダイス)、ナツメグを1/2,メイス、ガリンゲイルを非常によく挽き、ヴェルジュを半量、酢を半量の中に浸す。ソースは澄んでいること。パイがちょうどクックしたところでその中にソースを入れ再びオーヴンの中に入れて一度ボイルする。

 

(註、若い野生のカモは8月の雨に濡れるまでは飛ぶことができない)

註、冬にはスパイスの中でもジンジャーを効かせておく。冬は夏よりも全てのソースにスパイスを利かせるべきである。)

 

293.ボアの尾(Une queue de Sanglier)のソース

豚の内臓、野兎、川鳥を用意し、下にドリッピングパンを置いて串に刺す。良質のワイン、若干の酢を入れる。グレインズ(オブパラダイス)、ジンジャー、クローヴ、ナツメグ、ロングペッパー、シナモンを用意して挽く。モルタルから出し、トーストして良質のワインの中に浸したパンを挽いてシーヴを通す。ドリッピングパンの中に全てを入れる。スパイスとパンを鉄鍋又は、ポットの中に肉のseweと一緒に入れる。この中に全体にクローヴを突きしたローストした肉を入れる。

上のようにしてボアの胸肉のソースを作ることもできる。

 

註、ナツメグ、メイス、ガリンゲイルは頭痛をもたらす。

 

294Rapee ソース

ヴェルジュの房を3-4枝湯通しし、一部分潰して、このヴェルジュの残渣を取りのぞく。ジンジャーを挽いて、このヴェルジュと混ぜ、ボールの中に入れる。前もって潰しておいたヴェルジュの皮を挽いて、ホワイトヴェルジュで湿らせて、濾す。全てのものをボールに入れて、全部一緒に混ぜ、シーヴして上にグレインを振る。註、7月になって、ヴェルジュは大きくなると、ハム又は豚の脚と一緒に使うことができる。

 

※ここではヴェルジュを作る葡萄をヴェルジュと呼んでいる。(EGC)

 

295.シャポン又はメンドリのソース

非常に少量のホワイトブレッドクラムをヴェルジュとサフランの中に浸して、挽く。これをドリッピングパンの中に入れ、ヴェルジュ4,シャポン又はメンドリから出る脂5,これ以上入れると多すぎるのでこれ以上入れない。これをドリッピンググパンの中でボイルし、ボールに入れてサーヴする。

 

296.油の中でポーチした卵のソース

キャベツと同じくらいゆっくりと長時間ボイルしてクックしたタマネギを用意し、フライする。タマネギを取りだしその中であとに何も残らないように卵をフライする。パンの中に水とタマネギ、酢を1/4入れる。つまり、酢を入れて全体を1クオートにする。ボイルして卵の上にかける。

 

 

 

               傷病者のための飲み物

 

 

297Tizanne doulce.

水を用意して、ボイルする。1sester(8パイント、あるいは、1/6ガロン)の水が入った各ボールの中にたっぷり一杯の大麦を入れる。大麦の殻が付いているかいないかは問題ではない。そして2 parisis 2 1/2d. の価値のある甘草又は、イチジクを入れて大麦が割れるまでボイルする。これを2又は3枚の布で濾し、各ゴブレットにたくさんのロックシュガーを入れる。この大麦はトリを太らせるのに適している。

 

註、質のよい甘草は最も若いもので、切ると生き生きとした緑色をしている。古くなると風味はなくなり枯れて乾燥している。

 

298.ブイヨン(Bouillon)

4/6のブイヨンを作るには1デニールする3日かかって持ちあげたイーストの茶色のパンが1/2コ必要である。又、3.25Lのふすまに、5/6ガロンの水を平鍋に入れてボイルしたとき、ふすまを水の中に入れて、ふすまが1/5又はそれ以上になるまでボイルする。火から下ろし温かくなるまで冷ましておく。シーヴ又は布で濾す。膨らませたパンを水に浸して樽に入れる。2-3日放置して発酵させる。地下室に入れて澄むのを待って飲む。

又、味よく作るには、1パイントのよくボイルし、よくアクを取った良い蜂蜜を入れる。

 

※約18オンスであろう。(JP) 

 

299Bouchet.

6/6ガロン(1/6ガロンを1sesterと言い、ここは6sestersと記されているので6/6と言う表現になった)のBouchet を作るには良質の蜂蜜を6パイント用意し、大釜に入れ火にかける。ボイルして大きく盛りあがって来るまで絶えず混ぜる。黒い蒸気が少し出て小さな泡が割れてはじけるまで混ぜる。火から下ろし7/6ガロンの水を加える。それが6/6ガロンになるまでボイルする。桶の水の中に入れてちょうど温かくなるまで冷ます。布袋を通して濾す。樽に入れ、ビールイーストを1chopine( 1/2リットル)入れる。そうするとピッリッとした味になる。(仮にパンのイーストを使うと、色は悪いがあなたがその味がお好きであれば、)準備ができたらしっかりとカバーをして、温かくし覆いをしておく。非常に旨く作るのがお望みであれば、この中にジンジャー1オンスとロングペッパー、グレインズオブパラダイス、クローヴを各等量入れるが、クローヴを少し減らすべきである。

これを布袋に入れて、樽の中に入れておく。2-3日後ピリッとした味がして,bouchetの匂いがしてスパイスのきつい香りがすれば、スパイス袋を取り出して絞る。そうして次の樽に入れる。このようにして3-4回この同じスパイスを使うことができる。

 

又、4年間保存できるbouchet の作り方

一度に少なくとも(一工程分JH)1queue※作るには、水3と蜂蜜1をアクを取りボイルして1/10量にする。それを樽に移す。再びポットの中を満たし十分な量を得るまで同じことを繰り返す。冷やして一工程分にする。あなたのbouchet は活動しているマストのような匂いがする。できればそれが匂いを発するように連続して入れる。6週又は1カ月後にオリを取りのぞき、銅の樽又は他の容器に入れ換える。樽板に穴を開け、樽板を取り替え、湯をかけて洗う。樽栓を取り替え残っていた物を入れて保存する。それがbouchetであれば温めない。

 

   樽,桶又は秤量の1単位。

 

4 1/2オンスのパウダードシナモンと1/2オンスのクローヴ、グレインズ(オブパラダイス)1オンスを混ぜて布袋に入れたものを用意し。栓から紐で下げておく。

 

註、取りのぞいたスカム1ポットに対して122ポットの水を用意していっしょにボイルする。これは召し使いにあてがうbouchet として素晴らしいものである。又、蜂蜜からすくい取ったどんなスカムも同じ比率で使うことができる。

 

300.シャポンの水

あなたのシャポン又は、メンドリをきれいなポットに入れる。このポットは漏れないように新しくきれいにスズをかけたものでこの中に平鍋一杯分の水を入れてポットの中のシャポン又はメンドリがクックするまでボイルする。シャポン又はメンドリを取り出す。ポットに残ったトリから出た汁を病人に飲ませる。

 

301.ヘーゼルナッツの飲みもの

ゆっくりとボイルして皮を剥き、冷水の中に入れる。熱湯と混ぜて挽いて濾す。挽いて濾すの動作を2回繰り返し、地下室に入れて冷やす。これはtisane(はと麦)よりも旨い。

 

302.アーモンドの飲み物

上と同様に作る。

 

 

 

               病人のためのスープ

 

 

303.フランダースのスープ(Chaudeau flament)

ポットに水を入れてボイルする。各ボールに卵黄4とホワイトワインを混ぜ水の中に滴らせる。よくかき混ぜる。味付けに塩を入れる。よくボイルしたら火の後に引っ張っておく。

 

註、病人一人のために1ボール分を作るには、卵黄を5コ入れねばならない。

 

89ランドル地方のコードル(caudle;病人用の滋養飲料)。(Le Viandier)

少量の水をボイルする。卵白の入っていない卵黄を用意し、適量の白ワインと混ぜて調整する。これをあなたの水の中にたらし込み、固まらないように非常によく混ぜる。塩を加え(それを移動して)、火の後に置く。ヴェルジュをほんの少量入れる者もいる。

 

304.大麦の粥

大麦を約1 1/2時間、桶の中に浸す。押しつぶして銅のモルタルに入れ木のすりこぎで押しつぶす。これを乾かす。乾いたら保存する。ブロスを作る時には小さなポットの中に水を入れてクックする。はじけたら押しつぶしてアーモンドミルクと一緒にボイルする。これを濾す者もいる。又、砂糖をたくさん入れる。

 

305.アーモンドミルク

アーモンドをゆっくりとボイルして、皮を剥く。次いで冷水に入れ、挽く。タマネギをクックした汁に浸し、シーヴにかける。タマネギはフライし、塩少量を加え、火の上でボイルする。ソップを加える。病人のアーモンドミルクを作るにはタマネギを加えない。上で述べたようにタマネギをクックした汁をつかってアーモンドを浸すのではなく、きれいな温かい水に浸し、ボイルして、塩を入れずにたくさんの砂糖を入れる。飲むのがお望みであれば、シーヴを通すか2枚の布を使って濾して、たくさんの砂糖を入れる。

 

306.くたくたになるまで料理した若いメンドリ(Coulis d’un Poulet)

バラバラになるまでクックする。骨と一緒にモルタルの中で挽く。これをクックした汁の中に戻して濾し砂糖を入れる。註、骨を最初にボイルしてモルタルから取りだし、濾してモルタルをキレイにする。それから肉を挽き、たくさんの砂糖を加える。

 

307.くたくたに料理したスズキ、テンチ、ソウル、ザリガニ。

水でボイルし、汁は取っておく。アーモンドとパーチをいっしょに挽く。汁の中に入れて濾す。全てをボイルする。あなたのパーチにたくさんの砂糖を上にかけてサーヴする。これは澄んでいてたくさんの砂糖をかけねばならない。

 

308.ミートディに食べる一番上手に濾した肉はヒナの首と若いメンドリで作る。首を挽き頭と骨を一緒にして再び挽き、牛の頬と脚をボイルした汁の中に入れて濾す。

 

309.註、暑い6月以降スパイスを効かせたスープの時期になる。10/1のセイントレミイデイ以降は子牛、野兎、オイスターなどのブロスの時期になる。

 

310.粥

粥は割れるまでクックして、ピュレして、アーモンドミルクといっしょにクックする。大麦の粥のレシピの初めに述べたようにたくさんの砂糖を入れる。

 

※オートミール( EG )

 

311.米の粥

米の粥は掃除をしてよく洗う――――――。

 

 

 

            その他の欠かすことのできない小料理

 

 

312.これがコンポートの作り方である

註、624日のセイントジョーンズデイに用意を始めねばならない。

 

まず、新しいくるみ500コをセイントジョーンズデイに向けて用意し殻と実が熟していないか、また殻は固くもなく柔らかすぎもしないか確認をしておく。周りの殻を取り、穴を真っ直ぐに、又は交差して開ける。水(セーヌ又は泉から取った水)に浸す。毎日水を取り替え黒くなって、あなたが囓っても渋味がまったくなくなるまで10-12日間浸けておかねばならない。砂糖水に入れて少しボイルする。ミゼレーレを唱える時間程度、ボイルする。そして貴方がみて固くも柔らかくもない、ちょうどよい固さになるまでボイルする。水をこぼして網の上に空ける。1/6ガロンの蜂蜜、または、ひたひたになる程度の量の蜂蜜をボイルする。蜂蜜は濾してアクを取る。冷えて温かくなったらくるみを入れ、2-3日間そのままにしておく。くるみを引き出す。くるみが浸る量の蜂蜜を火にかけボイルして、アクを取り火から外す。くるみにあけた穴の片方にクローヴ1コとあと片方の穴にジンジャーの小片をつっこむ。蜂蜜が暖かくなったら中に入れる。1日に2-3回かき混ぜ、3日目の終わりに取り出す。この蜂蜜をふたたび集めて量が十分でないと蜂蜜を追加してボイルし、濾してアクを取りボイルする。くるみをこの中に入れて1ヶ月間毎週このように繰り返す。そして、くるみを陶器のポット又は小さな樽にいれ、1週間に1回かき混ぜる。

 

万聖節(11/1)の頃、大きな蕪を用意し皮を剥き1/4に切る。水の中でクックする。少しクックしたら取り出して柔らかくするために冷水に浸ける。水気を取る。蜂蜜を用意し、くるみと同じ様に料理する。あなたの蕪をクックしすぎないように気を付ける。

 

又、万聖節に必要な量のニンジンを用意して、きれいにしてピースに切る。カブと同じようにクックする。(ニンジンは赤い根がありHallesでは篭に入れて売っている、一かご1ブランする)

 

又、choke –pear Poires d’angoisse)を用意し1/4に切り蕪のようにクックする。皮を剥かない。そして蕪と同じようにクックするだけである。

 

又、ひょうたん(又はカボチャ?)の時期には-堅くも柔らかすぎもしないものを用意し皮を剥いて種を取り出し1/4に切る。蕪と同様に料理する。

また、モモは時期になると最も堅いものを用意し、皮を剥いて切る。

 

又、セイントアンドリュウスデイ(11/30.)に向けて、パセリの根とフェンネルの根の皮を剥いて小さいピースにチョップする。フェンネルを割いて堅い芯を取りのぞく。パセリはこの作業はしない。そして、上で述べたまったく同じ方法で準備する。

 

そして全てのプリザーブの用意ができたら、次ぎの料理に、それを使うことができる。

 

まず、くるみ500コに対しマスタードシードを1ポンド、アニスを1/2ポンド、フェンネルを1/2ポンドの1/4,コリアンダーを1/2ポンドの1/4,キャラウエイを1/2ポンドの1/4この種はドラジェにして食べる。これら全てを挽いて、粉にする。全てマスタードミルに入れて挽く。非常によい酢の中に浸し、土器のポットの中に入れる。薬屋で売っているホースラディッシュを、つまり、薬屋で売っている根を1/2ポンド用意する。これを擦り取ってできるだけ小さく徹底的にチョップしてマスタードミルの中に入れて挽く。酢で湿らせる。

 

又、クローヴの茎を1/2ポンドの1/4,メチェジンジャーを1/21/4、ナツメグを1/21/4,グレインズオブパラダイスを1/21/4 (シナモンを1/21/4,ペッパーを1/21/4,ジンジャーを1/21/4JH ) 全てを挽いて粉にする。

 

又、Ort産のサフラン1/2オンスを用意して、乾かして粉にする。“ナイフの柄に使う”といわれている赤い杉の根を薬草商で1オンス買う。固くて白い良質の蜂蜜を12ポンド用意して火の上で溶かす。よくクックしたらアクを取り、静止して濾す。そして再びクックする。スカムが出たらもう一度濾す。これが都合悪ければ冷やして、マスタードを各々等量のよい赤ワインと酢で湿らせ、蜂蜜の中に入れておく。パウダードスパイスをワインと酢の中に入れ、それを蜂蜜の中に入れる。暑いワインの中で杉のピースを少しボイルし、サフランと他のもの、それと粗塩を一握り加える。又、次いでDigne 葡萄で知られる葡萄を2ポンド用意する。即ち小さくて種が中になく生のものを用意し,モルタルの中でよく潰す。良質の酢で湿らせ、ストレイナーで濾す。他のものを入れる。又この中に4-5パイントのマスト又はボイルしたワインを加えるとこのソースの味は更によくなる。

 

saffron wort;園芸用のサフランであろう。

 

313.カリンのマーマレードを作る(Quince marmalade)

カリンの皮を剥いて1/4にカットする。eyeと種を取る。良質の赤ワインの中でボイルしてストレイナーを通す。蜂蜜を用意し長時間ボイルしてカスを取り、カリンをその中に入れる。よくかき混ぜ、蜂蜜が1/2量になるまでボイルする。この中に粉にしたヒポクラスを入れてよく冷えるまで混ぜる。ピースに切って保存する。

 

※先端のこぶ。ヘタの反対側。( JP)

 

314.ファイン(スパイス)パウダー

ホワイトジンジャーを1オンスと1ドラムdrachma;1/16オンス)、厳選したシナモンを1/4オンス、クローヴとグレンズズ(オブパラダイス)を1/21/44オンス、ロックシュガーを1/4オンスを用意し挽いて粉にする。

 

※銀貨、重量単位。

 

315.くるみのプリザーヴ

セイントジョーンズデイの前に、生のくるみを用意し皮を剥く。穴を開けて9日間冷水の中に浸す。毎日水を取り替え、乾かす。穴にクローヴとジンジャーを詰め、蜂蜜の中でボイルする。プリザーヴとして保存する。

 

316.テーブルで手を洗う水を用意する

セージをボイルして水を濾す。温かくなるまで冷やす。又は、カモミール又は、マジョラム又は、ローズマリーを入れる。そしてオレンジの皮と一緒にボイルする。ベイリーフも又適している。

 

317.粉にしたヒポクラスを作るには、非常に細かいシナモンで味をみて厳選したものを1/4オンス、非常に細かいジンジャー(gingermbre de mesche)1オンス、グレインズ(オブパラダイス)を1オンス、ナツメグ、ガリンゲイルを各1/6オンスを用意して全てを一緒に粉砕する。ヒポクラスを作るのがお望みであれば上から1/2オンス又は少し多めの粉を取り1/2オンスの砂糖を混ぜ、それをパリ秤でいう1クオートのワインに溶かす。

 

註、この粉と砂糖をいっしょに混ぜると(Hight)Duke’s Powder になる。

 

Be’ziers,Carcassonne 又はMontpelier で使っている秤量(通常1ポンドは13オンスであるが、Be’ziersの秤量ではパリで採用している1ポンド364gを使っている)で1クオート又は1/4オンスのヒポクラスを作るには、よく選んだシナモンを5ドラム、皮を剥いたホワイトジンジャーを3ドラム、クローヴ、カルダモン、メイス、ガリンゲイル、ナツメグ、nardを各々1と1/4ドラム。最初のものは多く、他のものはそれよりも少なく、後に従って量を減らしていく。砂糖の塊を重い方の秤量でいう1ポンドと1/21/4オンス入れて潰し、上のスパイスと混ぜる。砂糖とワインを皿に入れて火にかけて溶かす。粉を入れて混ぜる。ストレイナー袋に入れて濾しキレイな色になるまで濾す。

 

註、シナモンと砂糖を利かせること。

 

Midiでは1ポンドは13オンス、ここでは先に述べられているBizierの意味であろうからパリ秤のこと。(JP) 

 

318.セージ(Sauge’)

セージを1ポット(1poinconG.G.作るにはセージを2ポンド用意し、茎を取り、葉をポットの中に入れる。1/2オンスのクローヴを布袋に入れてヒモでポットの中につり下げておく。

又、ローレル1/2オンスをその中に入れる。又は、1/2オンスの1/4のメチェジンジャー、1/2オンスの1/4のロングペッパー、1/2オンスの1/4のローレルを入れる。冬にセージをテーブルに準備したいのなら、水差しにセージ水を用意して、それをゴブレットに入れたホワイトワインの中に入れる。

 

※入れ物の大きさ。

 

319.テーブルでホワイトワインを赤い色にするには、夏に大麦の中に生える赤い花、ローズマロウ(花を特定するのは困難)あるいは別の名で、呼ばれる花を粉々になるまで乾燥して粉にする。ワインの入ったグラスの中に密かに垂らすとそのワインが赤に変わる。

 

perseau( percele:コーンフラワー)。青、赤、ローズと様々な色を持つ花で挽いたものを入れると白ワインが赤くなる。

 

320.格子棚にあるヴェルジュでクリスマスにヴェルジュを得るには、葡萄に花が咲く前に成長する花序を元のところで摘み取り、3度目にはクリスマスまで待っておおきくする。

Master Jehan de Hautecourt は花序の下で葡萄の茎を切るとその下から新しい花序が出てくると述べている。

 

3211112月に赤いチョークペアを得るには、干し草を用意し、蒸気が漏れないようにポットの上にかぶせる。註、新しいワインの中でボイルしてから干したフェンネルの種又は糖衣したアーモンドを梨の上にのせておく。

 

322.塩を白くするには、粗塩を1パイント、水を3パイント、塩が溶けるまで火の上に置き、布かストレイナーで濾す。再び火に戻してよく沸騰させてアクを取る。全て蒸発するまでボイルし続け、水の小さな粒が乾いた状態になったら平鍋から塩を取りだし、布の上に置いて太陽の下で乾かす。

 

323.紙に火をかざさなければ誰も読むことのできない手紙を書くには、塩化アンモニウムを湿らせて水に溶かし、これで文字を書いて乾かす。約8日間効果がある。

 

324.とりもちを作るには、セイヨウヒイラギの皮を樹液のある時期に(通常5-8月の間に)剥いて、水の中でその幹の外皮が剥がれるまでボイルする。残ったものをdwarf-elder,seun又は他の木の幅の広い葉で巻いて冷たい場所;地下室のような又は土の中に又は糞の山の中に9日間あるいはそれ以上の期間、腐るまで入れておく。キャベツのピュレのように粉砕して大青のような丸い塊にする。次々に塊を洗って、ロウのように切る。最初は水の中で洗い過ぎない。又その水は固すぎないこと。その後流水の中で固めて全て切る。ポットに入れてしっかりカバーをして保存する。

水溶性のとりもちを作るには、少量の油を熱し、その中にとりもちを溶かすと、とりもちは液状になる。

又、大麦からもとりもちを作ることができる。

 

   クロウメモドキ属の低木、ハンノキに似た葉を付ける。

   不明。

※水に似たもの。

 

325.薔薇を赤く保つ

蕾を12コ用意し、束にして球になるようにリネンで縛る。一塊に紐で硬く縛る。好きな数だけ薔薇の束を作る。どこにでもある粘土で作ったものではない、ヴォーヴェ(Beauvais)製の壺に入れ、ヴェルジュを満たす。ヴェルジュが減ったら、非常に旨く作ったヴェルジュを追加する。花の咲いた薔薇がお望みであれば蕾を外に出して温かい水の中に入れ少し浸けておく。

 

薔薇を保存しておく別の方法

望みの数だけ蕾を取り,ボォーヴェの壺に入れられるだけ入れておく。手に入る最もきれいな、できるだけたくさんの砂を入れる。何も入らないあるいは出ないように蓋をして、水の流れの中に入れておく。1年間は保存できる。

 

326.鉛の蒸留器をつかわないでローズウォーターを作る

床屋の桶を用意し、ハンカチをドラムのように張り、その上に薔薇をのせる。薔薇の上に別の水盤の底をセットする。その中に熱い灰と共に燃えている石炭を入れておく。

 

蒸留器又は火をつかわないでローズウォーターを作る

前に述べた様に2つのグラスボールを用意し、灰と石炭の代わりに太陽の下に出す、その太陽の熱でローズウォーター様のものができる。

 

327.衣の中に入れるにはプロバンスの薔薇が一番である。しかしそれは干して、8月中旬にスクリーンに上に花を置いてスクリーンから虫が落ちるように篩う。そのあと衣の上に薔薇を広げておく。

 

328.ダマスクローズウォータを作るには薔薇の花びらの上に潰した薔薇を置く。又は、最初のローズウォーターの蒸留物を次の、そしてその次の、その又次のという風に四回通して赤いローズウォーターを得る。

 

329.赤いローズウォーターを得るにはガラス瓶を用意し、そこに半分きれいなローズウォーターを入れ、口のところまで赤い薔薇を入れる。つまり白い先端を切った若い花びらを入れる。陽の下で昼夜9日間置いておいて濾す。

 

330.トリに卵を産ませ、孵して、飼育場で育てる

この地域で一番大きい飼育場のHesdinSainto-Polの王様の飼育場、Messire  Hugues Aubrioのどの飼育場でもトリに卵を産ませ、孵化させていない。後になって小さい鳥を飼育している。Chariot の飼育場では卵を産ませて抱いてそれを孵している。

 

AstoisにありDuke of Burgundy ガ居住している。

※パリにある。

※パリ市長。

※パリ市民。

 

第一のケースの失敗は、麻の実で若いトリを飼っている点にある。麻の実は熱と乾であるが、飲み水が置いてないからだ。第二のケースでは、ここではヒヨコ草(はこべ)又はノボロギク、ノアザミを常に新しい水の中に入れてあり、一日に3回取り替えている。鉛の入れ物はきれいで、そこにヒヨコ草、ノボロギク、ノアザミを,時間を待たずに前もって水に入れて立ててある。

   Saint Aubrioのように孵化できないところ。

   トリは卵を抱き...Chrlotのような

 

麻の実は殻を取り、挽き割りにして殻を取ったものを水に浸している。又、篭の中に巣が作れるように羊の毛を立てたものや、羽毛を入れてやる。そうするとキジバト、ムネアカヒワ、ゴシキヒワなどが元気に育ち卵を産みヒナを育てる。

又、芋虫やこむし、ハエ、コオロギ、バッタ、蝶、新鮮な麻の実などを入れて新鮮な草を入れて湿り気を与える。

又、クモ、芋虫などは柔らかく、小さな傷つきやすい若いトリのくちばしにもよい。

 

又、このようなことに気を付けていれば、クジュクのヒナを育てることができるのだ。よく見かけるだろうが、メンドリがクジャクの卵を自分の卵といっしょに抱き、しかもメンドリは同じ期間卵を抱いているのだ。しかし、クジャクのヒナはくちばしが弱く長くニワトリと一緒にしておくことはできない。ニワトリはその性癖上クジャクのヒナに柔らかいものを与えることができないし、ニワトリは穀物や柔らかいペイストで生きていくのだが、これらはクジャクに合った栄養分ではないからだ。

又、ニワトリにはよく篩った大麦がよいし、虫やハエを捜して食べている。 

又、4月末、森に入り、3ッ又になった枝を見つけ壁に立てかけ、それを青葉で覆ってやる。すると、三ッ又のなった枝のところに巣を作る。

 

331.歯痛を治療する

蓋付きの陶器のポット又は、蓋のないポットを用意し皿で蓋をする。水を満たしてボイルする。裸になって横になり頭をよく覆い、蓋をしたポットを準備して、しっかりと全体を包み、真ん中に小さな穴を開けておく。又は、真ん中に穴を開けた皿で蓋をしておく。大きく口を開けて(痛む)歯を穴の上に向け、穴から出る蒸気が吸入できるように姿勢を保つ。セージ又は他のハーヴをポットの中に入れてポットをしっかりと包んでおく。

 

332.砂時計の砂を作る。(この頃既にゼンマイ仕掛けの時計があった)

大きな墓の黒大理石を挽いたときに出る大理石の挽き砂、それはグリスで固まっているのだが、を用意し、肉のピースのようによくボイルしアクを取る。そして太陽光下で乾かす。そして又、ボイルしカスをとり、乾かす。これを9回繰り返す。このようにして砂を作る。

 

333.イノシシ又は鹿を殺す毒

青い花のトリカブトの根を用意する。モルタルの中で根を挽き、袋又は布の中に入れて汁を搾る。この汁をボールに入れ太陽の下に置く。夜は水や他の液体が入らないように蓋をする。太陽の熱がはいるように野外に置き、ネベネバしてゴム状になるまでおいておき、密閉した箱に入れる。石弓を射ようとする時には、獣にやじりが刺さった時毒が肉の中に入るように、やじりの逆棘と管の間に若干塗る。仮に他の場所に塗ると獣の皮の中に入り薬は皮膚の下に留まり矢は失敗に終わる。

 

334.犬又は他の怒り狂った獣の咬み傷を治す薬

パンくずを用意し次のように書くとよい。

 

Bestrabestienaybrigonaydicterasagraganesdominafiatfiatfiat

 

fiatとは“それがあるように”の意味。(JH)

 

335.ボアを旨い豚にする

2年かそれくらい経ったイノシシを選び5月か6月に去勢する。イノシシの狩りの時期にイノシシを捕り、ボアのように毛焼きをしてボアのように殺す。又は、飼いならした豚を用意して湯通しして水、ワイン各等量を入れ、の中でクックする。デイッシュの中にシチュウ、蕪、栗、肉を入れてサーヴする。このようにして3番目の・・・・・。(以下空欄)

 

※続いて鹿狩りが始まる。9月中旬から春まで。(JP )

※おそらく3番目のレシピがこの行につづく。(JP)

 

註、ロウソクをぬかの中に入れておくと非常に火持ちがよい。註、ロウソクを作る場合まず、芯を火で徹底的に乾かしておくことが大切だ。

 

337.ワインから水を抜く方法

コップに水とワインを入れておく。綿の糸を用意しておき、糸の端をカップの底にいれておく。一方の端はコップの外に出しておくと糸の端を伝って色の付いていない水がしずくのように落ちるのが分かる。水が全て出てしまうと次ぎに赤ワインがおりてくるのが見える。(桶に入ったワインも同じようにできる。)

 

338.クックしたワインを作るには、最初のプレスの時に樽から又は、大樽からワインを赤、白別に必要な量を取りだし、陶器の中に入れる。よく乾燥したきれいな炎の上で少しの煙も立てずにとろとろとゆっくりとボイルする。金属のスプーンではなく木の穴の開いたスプーンでアクを取る。葡萄がその年緑色であれば1/3になるまでボイルし、成熟した葡萄であれば1/4までボイルする。樽やその他のきれいな木の桶の中で冷まし、冷めたら大樽の中に入れる。最初の年のものよりも3-4年経ったものが旨い。暑くもなく寒くもないちょうど良い場所に保存しておく。ボイルしたワインを若干小さな容器の中に入れておき、時折継ぎ足して一杯にしておくように。

 

339.黄色のソースで臓物をサーヴする

生又はクックした臓物を用意する。生の場合はポットの中に水と入れて、塩を入れずに、クックする。そして別の場所で塩を入れずに牛の脚、腿のピースをクックしたものを用意する。2つのポットがボイルしてきたところで牛から臓物のポットの方へ肉汁を加え、牛肉よりも長い間臓物をクックする。臓物がほとんどクックしたら、ベーコンを若干加え、ボイルし、一緒にクックする。臓物をポットから取り出す用意ができたら、サフランを加え、十分に黄色になったところで臓物を取り出す。好みで塩を水に加える。クックした臓物を買った時には塩を入れずにストックの中でゆっくりとボイルして上のように料理する。

 

貴方が臓物などをクックするのがお望みならば、

 

340.ハリネズミは喉を切り、毛焼きをして内臓を取り出す。若いメンドリのように手、足を糸で縛りよく水気が取れるまでタオルの中で押す。ローストしてキャメラインソースで食べる。又は、ノガモのソースと一緒にペイストリィの中に入れる。註、丸まったハリネズミが戻らない時には、熱い湯の中に入れると真っ直ぐになる。

 

341.リスは毛焼きして、内臓を取り、ウサギのように糸で縛り、ローストするか又は、ペイストリィに入れてキャメラインソースで食べる。又は、ペイストリィの中に入れてノガモのソースで食べる。

 

342.キジバトはローストして、ペイストリィの中に入れると旨い。9月が旬であり、8月からシーズンが始まる。ローストすると常に香りがよい。たくさんいて、餌をやって飼おうと思えば、尾は刈るか又は引き抜いておくとよい。そうでないと飛び去って、片輪になって死んでしまう。

 

343.ワッフル(Gauffres)を作るには4つの方法がある

第一の方法はボールの中で卵をほぐし、塩、ワインを加え、粉を入れて混ぜる。これを2枚の鉄板の上に少しずつスライスチーズと同じくらいの量のバター(粉のまぜもの)を2枚の鉄板の間に挟み込み両面をクックする。鉄板にくっついて容易に取れない場合は、前もって油又は脂をしみこませた小さい布で油を引いておく。

第二の方法は最初の方法と似ている。しかしチーズを加える。つまりタルトやパイを作る時のようにバターを延ばし、チーズのスライスを真ん中に挟み両端を塞いでおく。(バターでJH) ちょうどチーズが2つのバターの間に入っているように、このようにして2つの鉄板の間にセットする。

第三の方法は濾したワッフル(Gauffres coule’issesGina Greco)というもので、濾しているのでこのように呼ばれている。バターは挽いたチーズを散らして全ていっしょに混ぜるので澄んだスープのように澄んでいる。

第四の方法は粉に水、塩、ワインを入れて作るが卵とチーズのどちらかを入れない方法だ。

 

344.ワッフル屋が作る別の種類のもので、大きなスティク“(gros bastons)というものは粉を卵とパウダージンジャーに混ぜてペイストにして、2枚の鉄板の間で豚や子牛の小腸を料理する方法でペイストをスティクの大きさにして作るものだ。(Gina Greco)

 

 

 

 

どこにも属さず別章で取り上げることもないもの。

 

 

345.全てのスープから追加、除去することなく塩を取りのぞくには、白い布を用意し、貴方のポットの中に入れて頻繁に取り替える。ポットは火から外しておくこと

 

※タイユヴァンのレシピの中にある(JP)

 

346.スープから焦げを取りのぞくには新しいポットを用意し、スープをその中に入れる。パン種を少量用意し白い布の中に縛る。それをポットの中に入れる。長くは置かない。

 

347.布に印を付けるための溶液を作るには、汚れた脂、例えばものを運ぶ車軸の両端にある黒い油にインクと油と酢を入れ、いっしょにボイルする。印章を温めてその中に浸し、リネンの上にスタンプする。

 

348.金属(火打ち石)で火をつけるためのよい木片を作ろうとすれば、古いくるみ材を用意し非常に濃い灰汁の中に浸けておく。くるみ材をそのまま又は、指2本の大きさにして、好きな大きさのものを少なくとも2日間夜も連続してボイルする。灰汁がない時はたっぷりの灰を水と混ぜ、”charree”(濃い水と灰の混合物で容れ物の底に貯まったようなもの、ドロドロしたペイスト状のもの。)を作る。

木ぎれをその中に入れ、上で述べた時間ボイルする。ボイルしたままで混ぜる。アクの中でボイルしているのであればアクを混ぜ、灰の中でボイルしているのであれば水を入れて混ぜる。どちらであれ、常にボイルし続ける。新鮮な獣の尿があるならそれを入れると更によい。十分にボイルしたところで、圧迫して、水分を取り、きれいな水で洗って、日光の下か暖炉の隅で乾燥する。火から離して燃えないようにゆっくりと時間をかけて乾燥する。乾いた時に誰か貴方を助けてくれる者がいれば、スポンジのようになるまで木槌で叩く。火をつける時には、その者に豆粒大のものを取り出させ火打ち石の上におく。そうすると直ぐに火がつく。その者はイオウの付け木さえあればよい。ロウソクに火をつけることができる。貴方は非常にきれいな乾燥した場所に保管するとよい。

 

349.オオバンは非常によくローストしないといけない。そして、ローストするよりもスープでクックした方が旨い。ローストすると乾燥しすぎる。それで肉から出てくる脂をかけながら火の正面で焼かなければならない。又、生肉とキャベツは非常によく合う。又、小さなポットの中にタマネギとオオバンを水に入れて牛肉のピースのようにボイルする。そして小さいピースに挽いてヴェルジュ2,酢1の割合のものを混ぜる。そうするとよいシチュウができる。又、2日間塩をしたオオバンシはシチュウにすると旨い。

 

350.註、皮と尾のついた鹿の尻肉は、生肉であれば、夏は水の中にワイン、スパイス、サフラン、ブロスを入れてクックする。冬はペッパーを入れ、ボアの生肉と同じように料理する。

 

3513パイントのインクを作るには、胆汁2オンス、アラビアゴム2オンス、硫酸3オンスを用意し胆嚢を破ってこれらを3日間浸けておく。3クオート(1,130 l/q)の雨水又はよどんだ池の水(流水ではない)をボイルする。十分にボイルして、約1/2量になったら、つまり3パイントになったら、火から下ろし硫酸とアラビアゴムを加えて冷えるまでかきまぜる。冷所、湿った場所に置く。3週間経つと質が悪くなる。

 

352.オレンジ皮の砂糖漬けを作るには、オレンジの皮を剥き、5つに分ける。内側の白い所をナイフで取る。良質のきれいな水に9日間浸ける。毎日水を取り替える。水に入れボイルするまでクックする。きれいな水の中に入れ、布の上に並べよく乾かす。ポットの中に入れ十分に浸るまで蜂蜜を入れる。ゆっくりとボイルし、アクを取る。蜂蜜がクックしたと思ったら(クックしたらスプーンに水をすこし取り、この中に蜂蜜を一滴入れる。これが広がったら未だできていない。蜂蜜が広がらずに水の中に残ったらそれはクックしている)貴方のオレンジピールを取りだし、ピールを一層に並べ、ジンジャーパウダーをその上に振る。別の層を並べ、そして振る。等々。そのようにして1ヶ月又はそれ以上置いておく。そして食べる。

 

353.ソーセージを作る

貴方の豚を殺した時に、チョップを、まず、アバラ肉とその反対側からもチョップを取り上質の脂を同じ量だけ貴女が作ろうとするソーセージの量に応じて用意する。ペイストリィの料理人に細かく刻ませる。フェンネル、良質の塩を少量挽き、次いで挽いたフェンネルとフェンネルの1/4の量のパウダードスパイスをよく混ぜる。次いで肉とスパイス、フェンネルと一緒によく混ぜ腸に詰める。つまり、小さい腸に。(年取った豚の腸の方が大きいので若い豚の腸よりもよい)その後4日間又はそれ以上スモークし、食べようと思った時に熱い湯に入れ、一旦ボイルしてからグリルの上にのせる。

 

354.バターから塩分を抜くには、バターをボールに入れ、火にかけて溶かす。そうすると塩はボールの底に沈む。この様に得た塩はシチュウに使うと旨い。残りのバターからは塩分が抜けている。

もしくは、塩のバターを新鮮な美味しい水に入れ、その中で,手で揉んで練る。そうすると塩は水の中に移る。(又、バターや古い塩の入った脂を馬にこすりつけるとハエが寄ってこない。)

 

355Burbot(うろこのあるウナギ)はleachと同じ形をしているか、それともいくらか大きい。水でクックする。そしてスズキのように皮を剥いて、キャメラインかギャランティーンをボイルし、上にかける。又は、パウダードスパイスと一緒に焼いてペイストリィの中に入れて焼く。

 

356.梨のシーズンの10-11月初めには、新しい実は堅いので、水の中でクックしなければならない。チョークペアの場合、その色がきれいになるように梨をクックしたポットの中に枯れ草を入れてその後焼く。しかしその後の湿度の高くなる、2-3月にはしおれてカビが生えるので水の中でクックせずに単にグリルするのがよい。

 

357.カササギ、カラス、コクマルガラス

これらが枝に止まっている時には軽い石弓を使い、先端の尖っていない幅の広い矢で、なまくらの弱い石弓で殺す。巣の中にいる時には強い太弓で巣毎壊して手に入れる。毛を焼いて、ベーコンと一緒にゆっくりとボイルして小さくピースに切って細長く切った肉(charpies)のように卵と一緒にフライする。

 

358.羊の頭はよくクックしないといけない。骨を取り、残りのものを非常に細かく切ってパウダードハーヴをふりかける。

 

359.酢を前もって作っておかねばならない時は古い酢の樽を空にして、水や湯ではなく非常に良質の酢でよく洗う。洗ったものを銅や鉄ではなく陶器や木の容器の中に入れ、ここに洗浄した汚れた液を入れておき、静置する。澄んだ液を再び樽に返し良い酢を追加しておく。日光下に置き湿った天候や夜はカバーをする。日が再び照ってきたらカバーを外して再び日光を又当てる。

 

360Rique-manger

2個分かそれより少し大きいリンゴを2つ用意する。皮を剥いて種を取り小さくピースにチョップする。鉄鍋の中でボイルして水を飛ばしてrique-mangerを乾かす。フライする為にバターを加え、そこに卵を2コ割り入れてかき混ぜる。卵がクックしたらファインスパイスパウダー、サフランをかけ9月中はパンといっしょに食べる。

 

361.焼いた野兎

私は豚の内臓の大網膜で野兎を包んで焼いているのをみたことがある、これだと3blancsの費用でできる、この方法だと脂を必要としない。又、ラードしたものも見たことがある。

 

362.牛の腿など、

 

363Pig Hashは洗う以外手間が要らない。串に刺して布で包み長時間クックする。

 

364.色を付けたり金箔を貼った、道化のメンドリ

まず皮を剥き内側の肉を全て取りのぞき、その中に他の肉を入れる。金箔を張ったりいろんな色に染める。しかしこれは大変な仕事である。これは中産階級や騎士階級の料理人の仕事ではない。それでこの項はこのままにしておく。

 

365.又、同じ羊の肩肉料理も困難で疲れるだけだ。

 

366.又、マトンの臓物で作るハリネズミの料理は非常に高価で骨が折れるが見返りが少ないのでこれ位にしておく。

 

367.新しいアーモンドを用意し、ナイフで注意深く皮を取り、真ん中に穴を開ける。穴が開いたら水の中に入れ5-6日間水の中に浸けておく。毎日水を取り替える。5-6日経ったら水から取りだし丸1日中そのままにして(布の上に?)置いて水分を取り,乾かす。次ぎに特別の蜂蜜を十分に用意する。ボイルしてよくクックする。アクをよく取る。クックしたら冷まして、各アーモンドの穴にクローヴを詰める。これを陶器のポットの中に入れ(又、他に用意した木の実があれば――しかし、いずれの木の実も水の中に9日間入れておき毎日水を取り替えたものであること)クックした蜂蜜をアーモンドがかぶるように十分に入れる。2ヶ月後に食べることができる。(いくつかの奇妙な理由からこのレシピはラテンで書いてある。JH)

 

368.牛の乳房

牛肉と一緒にクックし、牛肉と同様に食べる。

又、塩漬けのものはマスタードソースと一緒に食べる。又、生肉は細長く切ってグリルでローストする。

 

369.ムクドリ

ムクドリはそのまま羽を抜いて内臓を取り、頭と足を切り離し糸で形を整えておく。ペイストリの中にベーコン2切れを肉の上に置いて入れる。あるいはニワトリのように各パーツをピースにしてミンスミートのように扱う。即ち骨を各ピースにつけたまま腿を3つに切り、羽も、各部分も同様にする。そしてミンスミート(ハンバーグ)のように卵と一緒に平鍋の中でフライする。フライする前に肉を半分クックしておくのは良い考えだ。

 

※湯に浸けずに。(JP)

 

370.ヒバリのロースト

乾いたままで羽を抜いて、頭をおとす。内臓は取らずに背で糸で形を整えておく。脚は切らずに、2枚のベーコンで挟んで串をクロスに挿して焼く又は、頭と脚を取り、内臓も取って中にチーズをいれ、ペイストリィの中に入れる。塩をつけて食べる。

 

371.野兎はゆっくりとボイスしてラードし、パウダードスパイスを振ってペイストリィの中に入れる。キャメラインソースで食べる。これは夏の肉料理である。

 

372.ウサギは夏だ

 

373.豚はペイストリの中に入れてグレイプヴェルジュをかける。

 

374.ガチョウ、ニワトリ、シャポンはピースに切り、ペイストリィに入れる。非常に太った去勢ドリはピースに切らない。一羽のガチョウで3つのパイができる。

 

375.川鳥

ペイストリに入れる。クックしたらキャメラインソース(で食べる)又は、クックしてペイストリィの中に入れると更に旨い。頭、足、脚は取り除いておく。

 

376.鳩のペイストリ

頭と足は取って、上にベーコンスライスを2枚のせてペイストリィの中に入れる。又は、ローストしてラードする。

 

377.大麦、小麦をフルーメンティをつくるためにきれいにする

非常に熱湯を用意し、小麦又は大麦をこの中に入れ、長時間徹底的に洗って擦る。水を全て捨て、麦や大麦を乾かし、木の棒ですり潰す。そして洗い桶の中で籾殻を取りのぞく。

 

378.ハシバミの実で作る飲み物

湯通しして、皮を剥き、冷水の中に入れる。よく挽いてボイルした湯の中に浸す。そしてシーヴを通す。

 

379.サーディン

内蔵を取って水の中でクックし、マスタードソースで食べる。

 

380.新しいニシンは4月に始まり、セイントレミイデイまで続く。この時期が始まった時は水の中でクックし、古いヴェルジュといっしょに食べるように、栄養豊富なスープを作る。しかし、クックしたら直ぐに平鍋から出し、たっぷりの新鮮な水の中に入れて洗い、鱗、頭、尾を取る。

 

※きわめて限られた地域を示している。



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