Le Vinadier de Taillevent and Enseignements


                                                          Translated by Yosinori Satoh  
 
                          http://www.telusplanet.net/public/prescotj/data/viandier/viandier1.htmlから閲覧できます。

                                                                                                                                 
                                                       Copyright©2010佐藤義範

 

 

 

 

 

 

Le Viandier de Taillevent

 

 

 

ジェイムス・プレスコット ( James Prescott )が翻訳した、バチカン図書館所蔵の写本Vatican Library Manuscript VAT : Manuscrit du Vatican ),テレンス・スカリィ ( Trence Scully )The Viandier of Taillevent を参考にした。VATの中でレシピの内容が前後で繋がらないもの、欠語、転写ミス等は単語、フレーズ等を括弧内に補った。文章で補足した箇所は略語で引用先を明示した。

 

 

 

 

Here begins the Viandier of Taillevent, 

the master cook of the King of France,

in which are contained the following things:

ここからフランス王に仕える

総料理長、タイユヴァンの

料理が始まる

 

 

 

 

 

Firstly

始めに。

 

 

1. あらゆる種類のポタージュから塩分を取り除く方法。

2.ポタージュの焦げ味を取る方法。

2A. 同上。

3. ボイルした肉の大きな塊。

4. マトンのアリコ。

5.ラードしてボイルしたミート。

6. 生の野生のアカ鹿とノロシカの肉。

7. ボアーヴェニスン。

8. ノロジカ。

9. シャポン又は仔牛をハーブで。

 

 

Thick Pottages

濃いポタージュ

 

 

10. 豚の腸。

11. 新エンドウ豆のクレトン。

11A. 新ソラマメのクレトン。

12. ニワトリのクミン料理。

13. アーモンドとクミンの料理。

14. シナモンスープ。

15. ジョージィスープ。

16. ルセ スープ。

17. 酢の下味をつけた料理。

18. 小さな鳥或いは好みの肉のラグー。

19. 白いシャポンのスープ。

20. 野兎或いは兎のビスク。

21. シャポンのウードン。

22. (ミートデイのための)兎とニワトリのジャーマンミートスープ。

23. ニワトリのホッチポッチ。

24. 手の込んだイングリッシュスープ。

25. ニワトリあるいは好みの肉のヴェルジュスープ。

26. 明るいミドリ色のスープ。

27. ブドウの料理。

28. 仔牛のシチュ。

29. 野兎のシチュ。

30. 兎のシチュ。

 

 

Here Follow Roast Meats

ミートロースト

 

 

31. ローストポーク。

32. 仔牛のロースト。

33. チャーピィ。

34. ローストマトン。

35. 仔ヤギ、ラム。

36. ガチョウとガチョウのヒナのロースト。

37. 若いめんどりとヒナのロースト。

38. シャポン、若いめんどり、若いおんどりのロースト。

39. 兎、若い兎のロースト。

40. 肥育したシャポン。

41. 野兎のロースト。

42. 生の野生のボアの胸肉。

43. 生の鹿肉(又は鹿肉に似た獣の肉)。

44. ハト。

45. 小さな鳥、例えばヒバリ、ウズラ、ツグミのロースト。

46. チドリとヤマシギのロースト。

47. ヤマウズラのロースト。

48. キジバトのロースト。

49. 白鳥のロースト。

50. クジャクのロースト。

51. キジのロースト。

52. コウノトリのロースト。

53. サギのロースト

54. 川のマガモのロースト

55. 野ガン、ツルのロースト

56. 大きなサンカノゴイのロースト

57. のロースト

58. ヘラサギ及び水鳥のような鳥のロースト

59. コガモのロースト

60. 詰め物をした仔豚或いは豚のロースト。

 

 

Here Folow the Entremets

アントルメ

 

 

61. フォ グレノン。

62.(ガチョウの)小さい脚、肝と砂肝。

63. フルーメンティ。

64. スライス。

65. キビ。

66. 詰め物をしたニワトリ。

67.レシピ名がない。

68. ぬるぬるした魚と肉のゼリー。

69. 生のヤツメウナギとホットソース。

70. ヤツメウナギのギャランティーヌ。

71. ミートデイのための色を付けた米料理。

72. 羽毛の付いた皮を被せた白鳥のアントルメ。

73. コールドセージ。

74. 仔豚のソース。

 

 

Thick Meatless Pottages

肉の入らない濃いポタージュ

 

 

75. 魚のクミン料理。

76. ウナギの鮮やかな緑色のスープ。

77. ドジョウのシチュ。

78. カワカマスのチャウダー。

79. ソリンギュ。

80. サラセンスープ。

81. 河ヤツメウナギ。

82. オイスターシチュ。

83. マスタードのソップ。

84. 卵のシチュ。

85. ジャーマン エッグ スープ。

86. どろどろにした牛の乳。

87. 緑色の卵とチーズのスープ。

88. イエローソース。

89. パーチのシチュ。

 

 

Dishes for the Sick. Brewets and Other Things

病人のためのスープとその他の料理

 

 

90. 若いめんどりのマッシュ。

91. シャポン又はニワトリから出る露。

92. ランドル地方のコードル。

93. 外皮を取った大麦のかゆ。

94. パーチのマッシュ。

95. 病人のためのシャポンの白い料理。

96. 魚のクミン料理。

 

 

Here Follows about Freshwater Fish

淡水魚。

 

 

97. 大きなカワカマス。

98. カワカマス。

99. バーベル。

100. バス。

101. 淡水のシャッド。

102. コイ。

103. パーチ。

104. テンチ。

105. ブリーム。

106. ローチ。

107. ウナギ。

108. ウグイ。

109. マス。

110. 小さい種類のウナギ。

111. ドジョウ。

112. ガジャン。

113. ハゼ、ウグイの類。

114. 小さなヤツメウナギ。

115. 川のヤツメウナギ。

116. ブリーク。

117. ザリガニ。

 

 

Round SeaFish

丸い海の魚。

 

 

118. ネズミイルカ。

119. 生のサバ。

120.(赤い)ホウボウ、赤いボラ、(灰色)のホウボウ。

121. アナゴ。

122. メルルーサ。

123. ドッグフィッシュ。

124. 生のサーモン。

125. グレイムレット。

126. 生のタラ。

127. ハナゴンドウ。

128. 小ダラとハドック。

129. ガーフィッシュ。

130. 小型のサメ。

131. シトウダラ。

132. ニジマス。

 

 

 

Flat SeaFish

平たい海水魚

 

 

133. カレイ。

134. ヒラメ。

135. シタビラメ。

136. エイ。

137. 大ヒラメ。

138. ブリル。

139. ブリーム。

140. 小ガレイ。

141. マトウダイ。

142. ニジマス。

143. 海水魚のシャッド。

144. アンチョビ。

145. ワカサギ。

146. チョウザメ。

147. コウイカ。

148. 牡蛎。

149. ホタテ。

150. ムラサキイガイ。

151. 海のザリガニ(ロブスター)。

 

 

Other Dishes

その他の料理

 

 

152. レント中にフラン、又はタルトを作る。

153. クレソン。

154. その他のちょっとしたポタージュ ( VAT )

 

 

Unboiled Sauces and How to Make Them

ボイルしないソースの作り方( VALMAZ,  BN,  VAT

 

 

155. キャメラインソース。

156. ガーリックキャメラインソース。

157. ホワイトガーリックソース。

158. グリーンガーリックソース。

159. 生のヘリングのためのガーリックソース。

160. (名が付いていない)

161. グリーンソース。

162.    海の魚を保存するためのソース。

 

 

Boiles Sauces

ボイルしたソース

 

 

163.    バルベロバートソース。

164. イエローペッパーソース。

165. ブラックペッパーソース。

166. カウズ ミルク ジャンスソース。

167. ガーリック ジャンスソース。

168. ジンジャー ジャンスソース。

169. ポワトゥソース。

170. この料理書に必要なスパイス。

 

 

Additional Recipes ( MAZ )

追加のレシピ

 

 

171. キャメラインマスタードソース。

172.マジョラムソース。

173.家禽のシチュ。

174.マトンのシチュ。

175.ハーブとチーズと卵のパイ。

176.卵料理。

177. クラリィのフリッター。

 

 

Here follow some remedies and experiments touching the making of wines

and other things ( VAT )

ここからはワインの改良、改善、その他様々な試みを述べる。

 

 

178. 発酵中のブドウ汁あるいは、新しいワインを早く売る為に改良し、赤くする方法。

179. ねばねばして(濁った)ワインに対して。

180. あらゆるワインのねばねばを取る。

181. ねばねばになったワインを救済する。

182. ねばねばになったワイン、又は木の樽の臭いやジャコウ臭のするワインを救済する。

183. 酸っぱくなったワインを救済する。

184. カビ臭くなったワインを救済する。

185. 活力のなくなったワインに対して。

186. 冬に赤ワインを澄ませる。

187. 赤ワインを澄ませる。

 

 

Additional Recipes

追加のレシピ( VAT ; 188220

 

 

188. マンジョワールというポタージュ。

189. 白いシャポンのレース。

190. ザリガニのシチュ。

191. ミートデイのためのピンク料理。

192. ヤマウズラのトリモレット。

193. 鹿狩りのシーズンに作る赤鹿の睾丸のスープ。

194. キッシュフラン

 

 

金箔を貼った料理 ( Doreures )

 

 

饗宴又は皇族の宴に、例えば日曜日、火曜日、木曜日といったその週の3ミートデイにお出しするアントルメである。

 

195. 金箔で飾ったニワトリとクネル。

196. ヘルメットを被ったコック。

197. パルマタルト。

199. 部分的に色を付けた白い料理。

200. ラードで固めた牛乳。

201. ミルクタルト。

201.A. フリッターと骨髄のリソール。(空欄)

202. 大きいクリスプと小さいクリスプ。

203. Pipesfarces 中身の詰まったチューヴ )。

204. 骨髄、脂の肉ロール。

205. Diapered ( 模様の付いた料理 )

206. タユ( スライスしたもの )。

207 .四旬節のスライス。

208. ノースパイ

209. ロリー( 小さなバグパイプの一種に形が似ているパスティ)。

210. ハリネズミとスパニッシュポット。

211. スパニシュポット( Petz d’Espaigne )。

212. マトンの肩の詰め物、モッテとマンゴネル。

213. 皮をかぶり直した白鳥。

214. クジャク。

 

 

生々しく再現したアントルメ

 

 

215. 白鳥のナイト。

216. 塔。

217. セイント・ジョージの像とヴァージン。

218. セイント・マルタの像を作る。

219. ちょっとしたアントルメ。

220. 太ったシャポンのソース。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Here follows how one makes the Things mentioned

 

 Firstly

  はじめに                                            

 

 

 

 

1. あらゆる種類のポタージュから塩分を取り除く方法 ( Pour dessaller )

何も加えることなく、又取り除く事なくあらゆる塩辛いポタージュから塩を取り除くには、非常に白い布を用意し、ポットの上に広げ、布を何度もひっくり返す。ポットは火から下ろしておく。( VALには記載がない。)

 

 

2.ポタージュの焦げ味を取る方法 ( Pour oster l’arsure….)

焦げたポタージュの焦げ味を取るには、(まずポタージュを新しいポットに空け)、ブレッド種を少量小さな白い布きれにくくりつけて、ポットの中に入れる。長い間そのままにしておかないこと。( VALには記載がない。)

 

 

2A. 同上 ( Pour ce mesme )

(クルミを用意してよく挽き、それを洗って貴方の(焦げた)料理といっしょにボイルする。MAZ ( VAL, BN, VATには記載がない。)

 

 

3. ボイルした肉の大きな塊 ( Bouliture de grosse chair )

大きな肉、例えば牛、豚または、マトンを水と塩でクックする。牛肉は夏にはグリーンガーリック(ソース)で、冬にはホワイトガーリック(ソース)で食べる。豚とマトンは(生であれば)ワインが入っていない( パセリ、セイジ、ヒソップのMAZ )良質のグリーンソースで、塩漬けのものはマスタード(ソース)で食べる。( VALには記載がない。)

 

 

4. マトンのアリコ( Haricoc de mouton;マトンと野菜のシチュ)。

生の羊肉を用意し、小さく切る。タマネギのみじん切りと共にラードで軽くフライする。それをビーフブロスにつけ、ワイン、ヴェルジュ、メイス、ヒソップ、(パセリ、セージ、又ご希望であればサフラン MAZ )を加えていっしょによくボイルする。(マトンの首、肩、胸の肉はこの料理方法が合う。MAZ) ( VALには記載がない。)

 

 

5.ラードしてボイルしたミート ( Bouli larde’ )

貴方の肉を用意する。それが家畜であろうと狩猟肉であろうと、その肉をラードして水とワインに若干のメイスのみを加える。貴方が望むならばいくらかのサフランを加えてクックする。

 

 

6. 生の野生のアカ鹿とノロシカの肉 ( Venoison de cerf fresche )

ゆっくりとボイルし、全体(肉の内側にラードし、水を取り替えてボイルする)若干のメイスとたくさんのワインを加えて、よくクックする。キャメライン(ソース)で食べる。又はゆっくりとボイルしてラードしたものを(ファインスパイスパウダーといっしょに)、パイの中に入れて、キャメライン(ソース)で食べる。( BNには記載がない。)

 

 

7. ボアーヴェニスン( Sanglier )。

ワインと水でクックする。(再びボイルして)キャメライン(ソース)とサワーペッパー(ソース)で、塩漬けしたものは(貴方の肉を浸して洗い、最初のブイヨンを捨てる。新鮮な水で洗い布の上で冷ます。スライスして等じ割合の水とワインの中ですばやくボイルする。ローストした栗の皮を剥きプレートの上に置く。ブロスといっしょに肉をセットする。VAL, MAZ )マスタード(ソース)で食べる。

 

 

8. ノロジカ( Chevreau sauvage )。

( 準備をして牡鹿の同じ様に食べる。茹でてラードしパイに入れて上と同様に食べる。VAL, MAZ, BN ) ( VATには記載がない。)

 

 

 

9. シャポン又は仔牛をハーブで ( Chappons, veel, aux herbes )

水の中に豚脂、パセリ、セージ、ヒソップ、コストメアリィ、ワイン、ヴェルジュ、サフラン、ジンジャーを貴方の好みで入れてクックする。( VAL, MAZには記載がない。)

 

 

 

 

 

Thick Pottages

濃いポタージュ

 

 

 

10. 豚の腸 ( Chaudon de porc )

水でクックする。一口大に切る。それをラードと豚脂でフライする。ビーフブロス(豚の腸のブロスは糞の臭いがするので)の中にジンジャー、ロングペッパー、サフラン、茶色に焼いたブレッドを浸す。又は(代わりに)牛乳の中に浸す。チーズクロスで濾し,サーヴする直前に、その中にボイルした熟れていない葡萄と卵黄を入れてボイルする。

 

 

11. 新エンドウ豆のクレトン( Cretonnee de pois nouveaulx ; スープ)。

ほとんどかゆ状になるまでクックして、水気を取って、ラードでフライする。牛の乳を少しボイルし、ブレッドを浸す。ジンジャーとサフランを潰して牛乳に浸してボイルする。水でクックしたニワトリを用意して4つに切り分けフライする。それに牛乳を加えてボイルする。火の後に下ろし、卵黄をたくさんたらし入れる。

 

 

11A. 新ソラマメのクレトン ( Cretonnee de feves nouvelles )

エンドウマメに同じ。( VALには記載がない。)

 

 

12. ニワトリのクミン料理 ( Comminee de poullaille )

ワインと水でクックする。4つに切り分け、ラードでフライする。少量のブレッドをブロスで湿らせて濾し、貴方の肉といっしょにボイルする。少量のジンジャーとクミン加え、卵黄をたくさん用意してそれをよく混ぜ、火の後でポタージュの中にたらし入れる。固まっていないことを確かめる。

 

 

13. アーモンドとクミンの料理 ( Comminee d’almandes )

ニワトリを水の中でよくクックして、4つに切る。ラードで褐色に焼く。アーモンドを用意し、砕いて貴方のブロスに浸し、貴方の肉といっしょにボイルする。ワインとヴェルジュに浸したジンジャーとクミンを加える。この料理は常にねっとりとしている。( MAZには記載がない。)

 

 

14. シナモンスープ ( Brouet de canelle )

ニワトリ(好みで何の肉でもよいが)をワインと水でクックする。4つに切る。(ラードで)褐色に焼く。皮を取らずにクックした、よく乾燥したアーモンドを用意してたくさんのシナモンといっしょに砕いて篩いにかける。これをビーフブロスに浸して濾す。貴方の肉とヴェルジュを(入れて)よくボイルする。挽いた(ジンジャー)、クローヴ、グレインオブパラダイスを加える。スープは濃くて強い香りのものでなければいけない。

 

 

15. ジョージィスープ ( Brouet georgie’ )

好みの家禽を用意し、それを小さく切る。細かく刻んだタマネギとパセリの葉といっしょにラードで軽くフライする。(ニワトリの)肝と茶色に焼いたブレッドを用意し、ワインとビーフブロスに浸す。それぞれ良くボイルする。挽いたジンジャー、(クローヴ)とサフランを加えヴェルジュに浸す。貴方のブロスはソリンギュ(Soringue;サラセンのウナギ料理 のようにライトブラウンでなくてならない。

 

 

16. ルセ スープ( Brouet rousset;小豆色のスープ )。

好みの肉を用意し、フライスしたタマネギとパセリの葉といっしょにラードで軽くフライする。ブレッドと(ニワトリの)肝を用意し、ビーフブロスとワインで濾し、肉をボイルする。挽いたジンジャー、シナモン、クローヴ、グレインズオブパラダイス、カシアの蕾を入れてヴェルジュに浸す。赤い色をしていること。

 

 

17. 酢の下味をつけた料理 Haste menue de porc / Une vinaigrette )。

豚の( 脾臓とその他の臓物 )を用意し、(串に刺して)ローストする。しかし、クックしすぎないこと。(ローストしたものを)切って、タマネギをスライスして臓物の脂、又は他の脂でいっしょに、ポットに入れて弱火で軽くフライする。十分にフライしたら、ビーフブロスと(主に)ワインを肉に加えてボイルする。(ジンジャー)、グレインオブパラダイスとサフラン少量を挽いて酢に浸す。すべてをいっしょにボイルする。汁は濃く茶色っぽいこと。

 

 

18. 小さな鳥或いは好みの肉のラグー ( Grave’ de menus oiseaux )

ラードでよくフライする。グリルしたブレッドを用意してビーフブロスに浸して濾し、肉といっしょにする。挽いたジンジャー、シナモンを加えヴェルジュを少量入れていっしょにボイルする。デリケートな味で濃すぎないこと。

 

 

19. 白いシャポンのスープ ( Blanc brouet de chappons )

ワインと水でクックし、切り分けて、ラードでフライする。アーモンドをシャポンの肝とダークミート(モモ肉)といっしょに潰し、貴方のブロスに浸してボイルする。ジンジャー、(シナモン)クローヴ、ガリンゲイル、ロングペッパー、グレインズオブパラダイスを挽いていっしょによくボイルする。よくほぐした(混ぜて濾した)卵黄をたらし入れる。十分に濃いスープであること。

 

 

20. 野兎或いは兎のビスク ( Boussac de lievres, connins )

串に刺す又はグリルで茶色に焼く。切り分けてラードでフライする。グリルで焼いたブレッド、ビーフブロスとワインを用意し濾して、いっしょにボイルする。挽いたジンジャー、シナモン、クローヴ、グレインオブパラダイスを用意してヴェルジュに浸す。濃い茶色ではあるが濃すぎないこと。

 

 

21. シャポンのウードン( Hondous de chappons;シチュ )。

水とワインでクックし、切り分けてラードで褐色に焼く。グリルしたブレッドを少量用意し、貴方のブロスに浸し、貴方の肉といっしょにボイルする。ジンジャー、シナモン、クローヴ、グレインオブパラダイスを挽き、ヴェルジュにつける。濃すぎないこと。

 

 

22. (ミートデイのための)兎とニワトリのジャーマンミートスープ ( Brouet d’Alemangne de char )

貴方の肉を用意して切る。細かく切ったタマネギといっしょにラードで軽くフライする。たくさんのアーモンドを挽いて、ワインとビーフブロスに浸す。そして貴方の肉といっしょにボイルする。挽いたジンジャー、シナモン、クローヴ、グレインオブパラダイス、ナツメグ、少量のサフランを加えヴェルジュに浸す。やや黄色くて濃いこと。

 

 

23. ニワトリのホッチポッチ ( Hochepot de poullaille;肉と野菜のシチュ )

貴方のニワトリを用意し、切り分けて、軽くラードでフライする。少しグリルしたブレッドと、ニワトリのレバーをワインとビーフブロスの中に浸す。貴方の肉といっしょにボイルする。挽いたジンジャー、シナモン、グレインズオブパラダイスをヴェルジュに浸ける。ヴェルジュは澄んでいて黒いが(濃?)すぎないこと。

 

 

24. 手の込んだイングリッシュスープ ( Soutil brouet d’Angleterre )

クックして皮を剥いた栗、ワインでクックした卵黄、豚のレバーを少量用意する。すべてをいっしょに潰し、少量の暖かい湯の中に浸して濾す。ジンジャー、(シナモン)、クローヴ、(ロングペッパー、グレインズオブパラダイス、ガリンゲイル、スパイクナード VAL, MAZ )、サフラン(色づけに)をいっしょにボイルする。

 

 

25. ニワトリあるいは好みの肉のヴェルジュスープ ( Brouet de verjus )

ワインと水、それに合わせた量のヴェルジュの中でクックする。ヴェルジュの味が全てにおいて勝っているようにヴェルジュの量を調整する。味付けに豚脂を料理中に加えてニワトリに味を付ける(肉を焼いて茶色にする)。ジンジャーを挽き(少量のブレッドをブイヨンで湿らせ)たくさんの生の卵黄を潰し、すべてをチーズクロスで濾す。これをボイルして(茶色に焼いた)肉の上にかける。 ( MAZには記載がない。)

 

 

26. 明るいミドリ色のスープ ( Brouet vergay )

好みの肉をワイン、水とビーフブロスの中でボイルする。味付けに豚脂を入れる。肉を茶色に焼く。ジンジャー、サフラン、パセリ、(好みで)セージを少量、生の卵黄、ブレッドを挽き、すべてをチーズクロスで濾す。これを貴方のブロスの中に入れる。少量のヴェルジュとブイヨンで湿らせる。(好みで)良質のチーズを入れる。

 

 

27. ブドウの料理( Rappe’ )。

貴方の肉を串に刺し)軽くラードでフライする。ブレッドを用意しビーフブロスに浸して、チーズクロスで濾す。これを肉の上にかける。ジンジャーを挽き、ヴェルジュとワインに浸し、肉の上にかける。そして、グースベリー(groiselles 又は熟れていない葡萄が手に入れば(水でボイルしてボールの中の肉に)添える。

 

 

28. 仔牛のシチュ( Civé de veel )。

串に刺して又はグリルの上でローストする。焼き過ぎないこと。ピースに分けて、非常に細かく切ったタマネギといっしょにラードで軽くフライする。グリルしたブレッドを用意しワインとビーフブロス又はエンドウ豆のピュレに浸し、肉をボイルする。挽いたジンジャー、カシア、クローヴ、グレインオブパラダイス、(色づけの)サフランをヴェルジュと酢に浸す。タマネギの量が十分であり、ブレッドは茶色で濃く、酢で酸っぱく、スパイシィでゴールド色をしていること。

 

 

29. 野兎のシチュ(Civé de lievres )。

黒色であること。よくグリルしたブレッドで色を付け、仔牛のシチュと同じ材料で作る。野兎を洗う必要はない。

 

 

30. 兎のシチュ( Civé de connins )。

スパイシィにすること。野兎のシチュ程黒くなくてよい。又、仔牛のシチュ程黄色くないこと。しかし、ちょうど2つの中間で仔牛のシチュと同じ材料で作る。( VAL, MAZ には記載がない。)

 

 

 

Here Follow Roast Meats

ミートロースト

 

 

 

 

31. ローストポーク (  Porc rosti  )

ヴェルジュで食べる。ガーリック、タマネギ、ワインとヴェルジュを平鍋にローストのデッピングといっしょに入れてソースを作る者がいる。又、パイに(サフラン、スパイスパウダーといっしょに)入れてヴェルジュで食べる。

 

 

32. 仔牛のロースト ( Veel rosti )

強く(Fort)ボイルして、ラードし、ローストしたものはキャメライン(ソース)で食べる。パイにスパイスパウダー、豚脂、サフランといっしょに入れる。ヴェルジュで食べる。( VALには記載がない。)

 

 

33. チャーピィ( Fraise de eel / Charpie;細かく切った仔ウシの料理 )。

貴方の肉を用意し、完全にクックしたら非常に細かく刻みラードでフライする。ジンジャーとサフランを挽く。生卵を溶きほぐし、パンの肉の上に細かくたらし入れる。スパイスを砕き、スパイスパウダーを加える。しかし、どんなスパイスパウダーも入れたくない者はグリーンヴェルジュ(ソース)で食べる。

 

 

34. ローストマトン (  Mouton rosti  )

細かい塩、キャメライン(ソース)又はヴェルジュで食べる。

 

 

35. 仔ヤギ、ラム (  Chevreaux, aigneaux  )

ボイルしている湯の中に肉を入れてきれいにする。すぐに引き出して串を刺し少し茶色に焼き色を付けてからラードする。(ローストする。)キャメライン(ソース)で食べる。

 

 

 

36. ガチョウとガチョウのヒナのロースト ( Oyes )

ホワイトガーリック(ソース)、グリーンガーリック(ソース)、ブラックペッパー(ソース)又はジャンス(ソース)で食べる。或る者は、セイントメアリーソース(つまりガーリックをガチョウストックに浸したものあるいは、貴方の手持ちのそのほかのストックの中にガーリックを浸したもの)で食べる。

こんな美食家もいる。ガチョウ又はガチョウのヒナを焼いて、これをセイントメリーグースロースター又はセイントセブリンスクウェアー又はバウデスゲイトへカットしてもらいに行く。ここでは一口大に切った肉に皮と骨を付けて切り分け、これを非常に上手にするということだ。(臓物は塩水で23度洗る。ガチョウの内臓とは-肝、頭、羽、脚とその他の内臓を言う。これらは塩漬け肉といっしょにポットに入れてクックする。冷ましてから酢、パセリで食べる。ガチョウがローストする前に食べるものなのでこれをガチョウの胃袋と呼ぶ。MAZ

 

 

37. 若いめんどりとヒナのロースト (  Poule’s rostis  )

(湯通しをして、ラードしてローストする)。ローストしたものはコールドセージ(ソース)で食べる。パイに入れたものは夏にグリーンヴェルジュ(ソース)で食べる、又は冬はスパイスなしで食べる。

 

 

38. シャポン、若いめんどり、若いおんどりのロースト ( Chappons de haulte gresse )

夏にはマストソース( 発酵中の葡萄のソース )で食べ、冬にはポワトウ(ソース)又はジャンス(ソース)で食べる。冬にはジャンスソースをマストソースに似せて(つまり、ワインと砂糖をいっしょにボイルして)ソースを作る。

 

 

39. 兎、若い兎のロースト (  Comnins rostis  )

ゆっくりとボイルしてラードし、ローストしたものは、キャメライン(ソース)で食べる。パイにする時はゆっくりとボイルしてからラードし、丸ごと又は 大きな切り身にスパイスパウダーを加えてパイにする。キャメライン(ソース)又はヴェルジュで食べる。

 

 

40. 肥育したシャポン (  Chappons de haulte gresse  )

ラードしないでパイに入れる。脂を取り出して平鍋の上にのせ、ドッディン(ソース)を作る。(つまり鉄鍋の中に脂を入れパセリ、ワイン、ヴェルジュと

いっしょにボイルする)ソースに合わせて長い又は平たい又は小さなソップを作り、トーストしない。 VAL, MAZ, BNには記載がない。)

 

 

41. 野兎のロースト (  Lievres en rost  )

洗わずにラードして、(金串の上で焦がして)ラードして(ロースト)する。キャメライン(ソース)またはソウピクイット( Saupiquet )(ソース)(つまり、平鍋の中のドリッピング(垂れた肉汁)にタマネギのみじん切り、ワイン、ヴェルジュと少量の酢を加える)で食べる。ローストした時にソースを兎にかけるか、又はソースをボールの中に入れておく。(ローストする時に野豚のブールブリエ(Bourblier)と同じソースをかける者がいる。VAL, BN )野兎の大きな塊をゆっくりとボイルしてラードしてパイに入れたものはキャメライン(ソース)で(又はスパイスパウダーを振って)食べる。

 

 

42. 生の野生のボアの胸肉( Bourblier de sanglier )。

胸肉をボイルしている湯の中に入れ、すぐに引き出す。(金串の上にセットして)ローストする。スパイスで作ったソースつまり、ジンジャー、シナモン、クローヴ、グレインオブパラダイスとグリルしたブレッドをワイン、ヴェルジュと酢につけたもの(を濾す))をかけながらローストする。(クックしたら一口大に切り分けてソースの中でボイルする)。透明で黒いソースに仕上げること。

 

 

43. 生の鹿肉( Toute venoison fresche ; 又は鹿肉に似た獣の肉 )。

生の狩猟肉は普通肉汁をかけずにローストする。キャメライン(ソース)で食べる。( VALには記載がない。)

 

 

44. ハト (  Pijons restis  )

足は取って頭は付けたままローストしたものは細かい塩で食べる。パイに入れたものは細かい塩、又はワイン又はスキャリオンとパイから出た脂といっしょに食べる。( MAZ には記載がない。)

 

 

45. 小さな鳥、例えばヒバリ、ウズラ、ツグミのロースト ( Msenus oiseaux  )

水でぬらさずに羽根を取り、(砂肝とはらわたを抜き)少しボイルする。足と頭を串に刺し(縦ではなく串を交差させて)若干の豚脂のスライス又はクラッキング又はソーセージ、(ベイリーフ)を間に挟む。(トリの腹に味の濃いチーズとウシの骨髄を入れる。)細かい塩で食べる。(テーブルにサーヴする時には2つのボール又は2枚のプレートの間に置く。MAZ )パイの中には取れたばかりのチーズを鳥の腹に詰め込む。

 

 

46. チドリとヤマシギのロースト (  Plouviers, videcoqs  )

濡らさず羽根を抜き、(表面を焦がして)頭と脚を付けて、縦に串を刺す。細かい塩をつけて食べる。キャメライン(ソース)で食べる者もいる。チーズを入れずに(細かい塩を入れてパイにする。)( VAL, MAZには記載がない。)

 

 

47. ヤマウズラのロースト (  Perdris  )

濡らさずに羽根を抜く。(砂肝を取り)頭と足を取って、ボイルしている湯の中できれいにし、ラードしてローストする。細かい塩で食べる。パイに入れて細かい塩で食べる者がいる。又、或る者は小さく一口大にスライスして2枚の鉄板の間に冷水と塩で挟み、水がボイルするまで石炭の上で熱する。そうして食べる。これは非常にいいソースであると言っている。

 

 

48. キジバトのロースト (  Turturelles  )

濡らさずに羽毛を抜き、ボイルしている湯の中できれいにし、ラードせずにローストする。細かい塩で食べる。頭を取ってパイに入れる。( VAL, MAZには記載がない。)

 

 

49. 白鳥のロースト (  Cygres  )

(ガチョウの様に濡らさずに羽毛を抜き金串の上にのせて脚を付けたままロースとする。頭から肩にかけて喉を切って殺す。グレイズしてもよい。イエローペッパーソースで食べる。MAZ

 

 

50. クジャクのロースト (  Paons  )

ガチョウと同様に殺す。頭と尾は取っておく。ラードするか、バードして金串の上にのせてきつね色にローストして細かい塩で食べる。(暖かいよりも冷ましたほうが旨い。長く日持ちする。)料理後少なくとも1ヶ月は持つ。表面にかびが生えたら、カビを取ってそのカビが白ければ中身が充実していてよい状態にある。(クジャクは3通の肉を楽しめる;1つ目は牛肉、2つ目は野兎、3つ目はヤマウズラの肉として。MAX

 

 

51. キジのロースト (  Faisans  )

濡らさずに羽毛を取る。バトンかバードして金串の上にのせる。お望みであれば湯の中できれいにする。羽根をむしっていない頭と尾は湿った布で包み焼けないようにしてローストする。又は、太ってよい状態であればラードせずに頭、尾、羽根を取り、ローストする。(サーヴする時は)平皿の上に置いて、頭、尾、羽根を然るべき場所に木ぎれで(ロースとしていない頭と尾を)付ける。細かい塩で食べる。

 

 

52. コウノトリのロースト (  Cigognes  )

ガチョウのように羽根を取り,(ボイルしている湯につけ、羽根を切り落とし)脚、尾、頭を取っておく。金串の上でローストする。バードして表面を焼く。細かい塩で食べる。

 

 

53. サギのロースト (  Herons  )

放血し、白鳥やクジャクのように(喉を)肩にかけて割き、コウノトリのように調理する。(又は、濡らさずに羽根を取り湯につける。翼、脚、頭金串の上にのせて焼く。MAZ )細かい塩又はキャメライン(ソース)で食べる。

 

 

54. 川のマガモのロースト (  Malars de riviere  )

濡らさずに羽毛を取る。頭と足(又は羽根を)を取ってスピットの上に置く。ドッディン(ソース)を作ために脂を受ける。このソースはミルク又はワイン又はヴェルジュ(脂、ヴェルジュ、タマネギ、ワイ)とパセリ(とスパイスパウダー)で作る。長くて薄い、グリルしたソップを(ドッディンを注いだ上に、又はッドディンで4つに切った鳥をボイルする。VAL )。細かい塩で食べる。

 

 

 

55. 野ガン、ツルのロースト (  Outardes, gentes , gures  )

コウノトリのようにローストする。細かい塩で食べる。ツルも同様である。

 

 

 

56. 大きなサンカノゴイのロースト (  Butors  )

コウノトリのように料理して細かい塩で食べる。( VAL, MAZには記載がなrい。)

 

 

57. ウのロースト (  Cormorans  )

サギと同様に料理して細かい塩で食べる。(  MAZには記載がない。)

 

 

58. Poches。ヘラサギ及び水鳥のような鳥のロースト (  Poches  )

サギと同様。( VAL, MAZ, BNには記載がない。)

 

 

59. コガモのロースト( Sarcelle )

川のマガモと同様。(  VAL, MAZ, BNには記載がない。)

 

 

60. 詰め物をした仔豚或いは豚のロースト (  Pourcelet farci  )

湯通しして、よく洗いスピットの上にのせる。スタッフィングは仔豚の内臓、クックした豚肉、(クックした)卵黄、取れたばかりのチーズ、クックして皮を剥いた栗、良質のスパイスパウダーで作る。全ての材料を(いっしょに挽き)仔豚の腹に詰め込み割れ目を縫い合わせローストする。スプーンで酢と良質のボイリングドリッピング、(塩)をかけ回しながらローストする。熱くしてイエローペッパー(ソース)で食べる。怠け者はキャメライン(ソース)で食べる。

 

 

 

 

  Entremės

アントルメ

 

 

 

61. フォ グレノン( Faux grenon ; スパイスを利かせたひき肉のペースト)。

(ニワトリ)の肝、鶏の砂肝又は仔の肉をワインと水の中でクックする。非常に小さく切って、ラードでフライする。ジンジャー、シナモン、クローヴ、グレインオブパラダイスを挽き、ワイン、ヴェルジュ、ビーフブロスと肝、砂肝、仔牛から出るブロスの中に浸す。たくさんの卵黄を加え、肉の上にかける。そしていっしょによくボイルする。少量のブレッドとサフランを加える者もいる。汁は非常に濃く、黄色でヴェルジュで酸っぱくしておく。ボールの中にセッティングするときは、上にシナモンパウダーを振る。

 

 

62.(ガチョウの)小さい脚、肝と砂肝 (  Menus drois  )

水とワインで非常に良くクックして皿にのせ、パセリと酢を上にかける。(又はパセリ、酢の代わりに卵黄とブレッドで濃くしたミルク、スパイスパウダー、少量のサフランをのせ、ボールに入れてサーヴする。パセリと酢はかけない。BN )(MAZには記載が無い。)

 

 

63. フルーメンティ( Frumentee )。

小麦を用意し(暖かい水に入れて布で蓋をして籾殻が全て取れるまでペーストルでよく混ぜる。BN )洗う。水でクックする。クックしたら(すり潰す。)牛の乳を少しボイルし小麦を加える。少しボイルする。火の後に移動し、時々かき混ぜる。(よく混ぜた) 大量の卵黄を糸状にたらし入れる。(入れる時に熱すぎないこと)スパイス、(少量の)サフラン、ベニソンのストックを加える者もいる。黄色で十分に濃いこと。

 

 

64. スライス( Garklins / Taillis / Slices;小麦粉に砂糖、スパイス、その他の材料を入れて作ったブレッドプディング様のケーキ )。

イチジク、レーズン、ボイルしたアーモンドミルク、ビスケット eschaudez )、ガレット( gallet )、白いブレッドのクラストを小さく四角に切ったものを用意しておく。ミルクにクラストを入れてをボイルし(色付けに)サフラン、砂糖を入れる。上の材料全てを濃く、スライスできるまでボイルする。ボールの中に入れる。

 

 

65. キビ (  Millet  )

3回湯を取り替えて洗う。トロトロと煮ている牛の乳の中に入れる。スプーンをボイルするまで入れない。火から動かし(スプーンの背で混ぜる)。サフランを少量加える。ボイルして(濃くなるまで)ボイルし、ボールに入れる。

 

 

66. 詰め物をしたニワトリ (  Poullaille farcie  )

貴方のニワトリを用意し、そのノドを切る。羽を湯に浸けて取り、皮が破れていないことを確かめる。水の中で洗わない。ストロー又は他の(同じ働きをする)道具を用意して、肉と皮の間に差し込んで、皮を膨らませる。大きな穴を開けずに肩(の間に)に切れ目を入れる。脚(足をつけて)、翼、首(頭をつけて)、頭の皮はそのまま残しておく。

スタッフを作るには、マトン、仔牛、豚と(クックした)若いめんどりのモモ肉を用意する。全て生のままいっしょにチョップして、モルタルの中で(たくさんの)生卵、(クックしたクルミ)取れたばかりのチーズ、良質のスパイスパウダー、ごく少量のサフラン、味付けのための塩を入れて潰す。ニワトリの中に詰めて肩の切れ目を縫う。

残ったスタッフィングにサフランをたくさん入れ、大青(woad)の大きさの肉団仔を作る。ビーフブロスと湯の中でクックする。激しく煮ると煮くずれるで気を付けること。

ニワトリと肉団仔に非常に細い鉄の串を刺す。ミドリ色又は黄色にグレイズする。黄色のグレイズは、たくさんの卵黄を用意してサフランを少量入れてよく混ぜる。グレイズを皿又は(その用を成す)入れ物に入れる。緑色のグレイズには(サフランを入れずに)卵といっしょに野菜をすりつぶす。(これをストレイナーで濾して使う)

ニワトリと肉団仔がクックしたら、焼き串をグレイズの入った皿の上に置いて肉にグレイズをかける。火の上に戻し、グレイズが全体につく様に焼く。この作業を23回繰り返す。グレイズが焦げないように炎が大きくないか確認する。

 

 

67.レシピ名がない。

(ニワトリを4つに切ってクラッキングといっしょにポットの中でソテーする。絶えずかき混ぜて蓋をしっかりとする。フライしたらビーフブロスを用意してかき混ぜた卵黄、ヴェルジュ、サフランを入れてクックする。濃く作ること。プレートに脚一本を付けた切り身をのせ、各プレートにクラッキングをのせてブロスをその上に注ぐ。 MAZ )( VAL, BN, VATには記載がない。)

 

 

68. ぬるぬるした魚と肉のゼリー (  Gelee de poisson  )

( ぬるぬるした皮の付いた魚又は肉を用意してBN  )ワイン、ヴェルジュと酢でクックする。水をすこし加える者もいる。ジンジャー、シナモン、クローヴ、グレインオブパラダイス、ロングペッパー(ナツメグ、サフラン)を挽き用意しブロスに浸けてチーズクロスで濾す。そして肉といっしょにボイルする。ベイリーフ、スパイクラヴェンダー( espic )、ガリンゲイル、メイスを用意しチーズクロスに入れて縛る。これを洗わずに(他のスパイスの澱といっしょに)肉といっしょにボイルする。火にかけている間は蓋をして、火から下ろしたら食事の用意が整うまでアクをすくい取る。

クックしたら(濾して)ブロスが澄むまできれいな木の皿に移す。肉を白い布の上にのせる。魚の場合には皮を取ってきれいにする。皮は最後に濾すまでブロスの中に入れておく。ブロスが澄んできれいであることを確かめる。(熱い内に濾す)肉をボールに入れる。ブロスを火の上に置き、きれいな皿に入れて(絶えずアクを取りながら)ボイルする。ボイルしているものを肉にかける。カシアの蕾とメイスを肉とブロスを置いた平皿の上又はボールの上に振りかける。そしてその平皿を冷たい場所に置く。ゼリーを作る場合は泊り込む必要はない。ブロスが非常に澄んでいてきれいでなければ白い布を23枚重ねて濾す。(塩で味を付け)肉の上に置く。フィッシュデイにはザリガニの頭と脚、クックしたドジョウを置く。

 

 

69. 生のヤツメウナギとホットソース (  Lamproie fresche a la saulce chaude  )

口から放血し、(串を口の中に入れて放血する方法がよい)舌を抜く。(舌を串で突いて血を出す)血は油なので取っておく。ウナギのように湯通しして、非常に細いスピットを(横に12回突き)刺してロースとする。ジンジャー、シナモン、クローヴ、グレインズオブパラダイス、ナツメグ、血と酢に浸し、少しグリルしたブレッド、お望みであれば少量のワイン、全てをいっしょに浸して、少しボイルする。ついでヤツメウナギをそのままホールで加える。ソースは澄んでいる場合には黒くしすぎないこと。しかし、泥といわれる程濃い時には黒くしておく。ヤツメウナギをソースといっしょにボイルする必要はない。この場合テーブルの前では完全に乾いていること。ソースは澄んでいるか、泥の状態でヤツメウナギにかけておく。又は、ボールの中に入れておく。ヤツメウナギを縦にピースに切り、プレートにのせてテーブルに運ぶ。何となれば、食通の者はヤツメウナギの乾いた状態を好み、その状態でヤツメウナギのドリッピングと細かい塩で作ったソースを同じプレートにのせて運ばせたいからだ。( MAZには記載がない。)

 

 

70. ヤツメウナギのギャランティーヌ (  Lamproie a la galentine  )

前に述べたように血を抜き、血は取っておく。魚を酢、ワインと少量の水でクックする。クックしたらこれを布の上に置いて冷やす。グリルしたブレッドを貴方のブロスに浸し、チーズクロスで(濾す)。血といっしょにボイルして焦げないようによくかき混ぜる。よくボイルしたら、モルタル又はきれいな(木の)鉢に入れて、冷えるまで混ぜ続ける。ジンジャー、カシアフラワー、クローヴ、グレインオブパラダイス、ナツメグ、ロングペッパーを挽いてブロスに浸ける。前と同じように貴方の魚といっしょに鉢にいれておく。鉢を木又はスズの皿にのせる。このようにするとよいギャランティーヌ(冷肉料理)ができる。

 

 

71. ミートデイのための色を付けた米料理 (  Ris engoule’  )

米をより分け、熱い湯でよく洗う。火のちかくで乾かす。牛の乳でコトコトとクックする。(赤くするために)挽いたサフランを加え牛乳に浸し、( 脂っぽいウシの ) ブロスを加える。( MAZには記載がない。)

 

 

72. 羽毛の付いた皮を被せた白鳥のアントルメ (  Cigne resvestu  )

白鳥を用意し、(詰め物をしたトリのように)肩から空気を入れて皮を膨らませる。腹に沿って切れ目を入れる。肩のあたりで首を切り、皮をいっしょに取る。脚は体のほうに残して串に刺してバードしグレイズする。クックしたら皮付き羽毛を被せ、首をまっすぐに立てる。イエローペッパー(ソース)で食べる。

( MAZには記載がない。)

 

 

73. コールドセージソース (  Froide sauge  )

ニワトリを用意し水でクックして冷やす。ジンジャー、カシアフラワー、グレインオブパラダイス、クローヴを砕く。シーヴにかけない。ブレッド、パセリ、セージ、グリーンを挽き、(穏やかな緑色にするのであれば)少量のサフランをチーズクロスで濾す。又、卵黄の固ゆでにしたものを酢の中に浸し、この中に入れて濾す者もいる。(ボイルしない)ニワトリを1/21/4又は脚と手羽をカットして、平皿にのせ、ソース(と固ゆでした卵白を)上にかける。固ゆでした卵があれば手でなくナイフで小さく切る。

 

 

74. 仔豚のソース (  Soux de pourclet  )

( 仔豚の脚,尾、耳、鼻を用意して塩、ワイン、水でよくクックする。MAZ )サフラン又は卵をまったく加えずにコールドセージ(ソース)のように作る。それでパセリよりもセージの量の方が少ないようにする。( 貴方の肉が冷めたらソースを上にかける。MAZ

 

 

 

 

Thick Meatless Pottages

肉の入らない濃いポタージュ

 

 

 

75. 魚のクミン料理 (  Comminee de poisson  )

魚を水でクックするか、油でフライする。アーモンドを挽き、貴方のブロスに(浸す)、エンドウ豆のピュレ又はボイルした湯で(アーモンド)ミルクを作(ってボイルする。)る。ジンジャーとクミンを挽きワインとヴェルジュに浸し、ミルクといっしょにボイルする。病弱者には砂糖をその中に入れる。

 

 

76. ウナギの鮮やかな緑色のスープ (  Brouet vergay d’anguilles  )

皮を剥くか湯通しして、ワインと水でクックする。ブレッド、パセリを挽いてその中に(明るい緑色にするために)ほんの少量のサフランを入れて、貴方のブロスの中に浸す。ジンジャーを挽いてヴェルジュに浸し、全ての材料をいっしょにボイルする。お望みであれば良質のチーズを小さく四角に切って加えることができる。(  MAZには記載がない。)

 

 

77. ドジョウのシチュ (  Grave’ de loche  )

茶色に焼いたブレッド、ワイン、エンドウ豆のピュレ又はボイルした湯を用意する。チーズクロスで全てを濾してボイルする。挽いたジンジャー、シナモン、クローヴ、グレインオブパラダイス、サフラン(色を付けるため)を挽き全てを酢に浸す。刻んだタマネギを用意し、油でフライし、全てをいっしょにボイルする。ドジョウは粉を付けずに(油で)フライし、ボイルせずにボールに入れてブロスを上にかける。( 皮の油をきれいに洗う。MAZ )黄色であること。

 

 

78. カワカマスのチャウダー (  Chaudumet a becquet / beschet  )

貴方の魚を(グリルで)ローストする。ブレッド、ジンジャー、サフランを挽いて、エンドウ豆のピュレ、またはボイルした湯、ワイン、ヴェルジュに浸して濾す。ボイルする。魚の上にかける。お望みであればほんの少量の酢をかける。黄色い色をしていること。

 

 

79. ソリンギュ( Une soringne / soringue、サラセン由来の料理 )。

湯通しするか又は皮を取ったウナギを縦に切り、パセリの葉とスライスしたタマネギといっしょに(弱火でポットに蓋をして)軽く油でフライする。茶色に焼いたブレッド、エンドウ豆のピュレ又はボイルした湯、ワイン(主として)を用意し、濾してウナギといっしょにボイルする。挽いたジンジャー、シナモン、クローヴ、グレインズオブパラダイス、サフラン(色をつけるため)を用意してヴェルジュに浸し、ウナギといっしょにボイルする。酢で味をつける。( MAZには記載がない。)

 

 

80. サラセンスープ( Brouet sarrasinois )。

( ウナギの皮を剥き縦に切ってウナギのスライスに塩をまぶさないで油でフライする。ジンジャー、クローヴ、グレインズオブパラダイス、ガリンゲイル MAZ  )、シナモン、ロングペッパーを挽く。サフラン(色を付けるため)を用意し、ワインとヴェルジュに浸ける。貴方のウナギといっしょに全てをボイルする。それ自体でとろみが付いているので濃すぎないようにする。( BNには記載がない。)

 

 

81. 河ヤツメウナギ (  Lemprions  )

(河ヤツメウナギを用意して湯通ししてきれいにする。油でフライする。バスタードワイン、マスタード又は他のレッドワインと砂糖を用意してバスタードワインは甘いので砂糖はいらないそこにジンジャー、たくさんのカシアの蕾を加えていっしょに濾す。これをボイルしていない河ヤツメウナギの上にかける。MAZ ( VAL, BN, VATには記載がない。)

 

 

82. オイスターシチュ( Cive’ d’oistres )。

湯通しして、よく洗う。(少し茹でて)油で(チョップしたタマネギといっしょに)フライする。茶色に焼いたブレッド、エンドウ豆のピュレ又はオイスターを湯通しした湯(又はその他のボイルした湯)、ワインを適量、(ヴェルジュ)を用意して濾す。挽いたシナモン、ジンジャー、クローヴ、グレインオブパラダイス、サフラン(色づけに)を用意し、酢に浸ける。油でフライしたタマネギを加えていっしょにボイルする。非常に濃 (く黄色いこと。塩で味を付ける。) いこと。オイスターをボイルしない者もいる。

 

 

83. マスタードのソップ ( Soupe en moustarde )

ワイン、水、(殻をとらずに)卵をフライ又はポーチした油を用意し、全てを鉄鍋に入れてボイルする。ブレッドのクラストをグリルで茶色に焼いてブレッドのさいころを作る。これをブロスでボイルする。ブロスを除いてソップを再び乾かし、プレートに移す。非常に濃いマスタード(ソース)を少量、貴方のブロスといっしょに平鍋に入れていっしょにボイルする。(それをソップの上にかける BN ) ( VALには記載がない。)

 

 

84. 卵のシチュ Cive’ d’oeufs

卵を油の中でポーチする。丸くスライスしたタマネギを油の中でフライしてワイン、ヴェルジュ、酢といっしょに(卵を)ボイルする。全ての材料をいっしょにボイルする。貴方のブロスがセットしたら、貴方の肉の上にかける。濃くしない。そして上で述べたマスタードソップを作る。( VALには記載がない。)

 

 

85. ジャーマン エッグ スープ (  Brouet d’Alenagne d’oeufs  )

卵を油の中でポーチする。ボイルしたアーモンドミルクと、油の中でフライした輪切りのタマネギをいっしょにボイルする。ジンジャー、シナモン、クローヴ、グレインオブパラダイスを挽き、少量のサフラン全てをヴェルジュに浸しボイルしすぎたものを加えないこと。非常に濃いが、黄色過ぎないこと。お望みであれば(上の)マスタードソップを添える。

 

 

86. どろどろにした牛の乳 (  Lait de prouvance / Lait lie’  )

少しボイルして火から下ろす。(少し冷えたら)たくさんの卵黄を(直接)又はチーズクロスから糸のようにたらし込む。非常に濃く黄色い色になるが(黄色?)過ぎないこと。水の中に卵をポーチし、ボイルしないで、それを加える。

 

 

87. 緑色の卵とチーズのスープ (  Brouet vert d’oeufs et de fromage  )

パセリ、少量のセージ、ごく少量のサフランをブレッドにしみこませ(エンドウマメの)ピユーレ又はボイルした湯に浸す。挽いたジンジャーを加えてワインに浸す。ボイルする。水の中でポーチした卵とチーズを加える。濃くて鮮やかな緑色をしていること。ブレッドを加えずにアーモンドミルクを加える者もいる。

 

 

88. イエローソース (  Une saulce jaunette de poisson  )

粉を付けずに油でフライした冷めた魚のためのイエローソース。(皮を取ってフライしたカワカマス又はパーチを)粉を付けずにフライする。フライアーモンドを挽き、ワイン(主に)とヴェルジュに浸し、濾してボイルする。挽いたジンジャー、(シナモン)、クローヴ、グレインオブパラダイス、サフラン少量を加えて貴方のブロスに浸す。砂糖を入れてボイルする。非常に濃いこと。

 

 

89. パーチのシチュ (  Grave’ de perche  )

パーチ又は他の魚(例えばドジョウ)をクックして皮を取り、粉を付けずにフライする。ドジョウのシチュのようにそれ程黄色っぽくなく、むしろ赤く非常に濃く作る。

 

 

 

 

 

 

Dishes for the Sick. Brewets and Other Things

病人のためのスープとその他の料理

 

 

 

90. 若いめんどりのマッシュ( Couleis d’un poulet ))。

水でクックしてほとんどドロドロになるまでクックする。(骨ごと)モルタルの中で潰し、貴方のブロスに浸して濾す。お望みであれば挽いた砂糖の粉を上に振る。濃すぎないこと。

 

 

91. シャポン又はニワトリから出る露 ( Eaue rose d’un chappon ou poulle )

ニワトリ又はシャポン(完全に血を抜いた)を新しい、上薬をかけた非常にきれいな陶器のポットの中に入れる。(一滴の水も入れずにサフランだけを入れて)蓋をして蒸気が出ないようにしておく。このポットを水を(ポットの肩にまで)入れた平鍋の中に置いてポットの中で(蒸気が逃げない様に)シャポンがクックするまでボイルする。シャポンを取りだし、完全に血を抜いた(上で述べた)シャポンから出た水をポットから取り出す。(シャポンから出た水を)これを病人に与える。これは身体を強くし、体に必要な全てのものをここから取ることができる。

 

 

92 ランドル地方のコードル( Chaudeau flamnet ; 病人用の滋養飲料 )。

少量の水をボイルする。卵白の入っていない卵黄を用意し、適量の白ワインと混ぜて貴方の水の中にゆっくりとたらし込む。(ボイルしたら少し冷まし、再びボイルする。焦げないように気を付けて固まらないようによく混ぜる。火から下ろしたら塩を加える。ヴェルジュをほんの少量入れる者もいる。

 

 

93 外皮を取った大麦のかゆ ( Gryuyan )

殻を取っていないなら、その準備をする。モルタルの中で粉々に(小麦のように)砕く。それをクックして、水を捨て、アーモンドミルク、 塩、砂糖といっしょにボイルする。潰して濾す者もいる。濃すぎないこと。

 

 

94 パーチのマッシュ ( Couleis de perche )

水でクックしてそのブロスを取っておく。パーチとアーモンドを砕き、ブロスにつける。全てをボイルして濾し、砂糖を少し加える。薄く、澄んでいること。お望みであれば少量のホワイトワインを加える。

 

 

95 病人のためのシャポンの白い料理 ( Blanc mengier d’um chappon )

よくクックするまで水でクックする。シャポンのダークミート(モモ肉)といっしょにたくさんの十分な量のアーモンドを潰し、貴方のブロスに浸し、全てをチーズクロスで濾す。スライスできるほど濃くなるまでボイルする。これをボールに入れる。皮を剥いたアーモンドを半ダース(ラードの中で)茶色に焼き、ディッシュの半分に入れる。残りの半分には上に砂糖を振ったザクロの種を入れる。

 

 

96魚のクミン料理 (Comminee de poisson )。

肉の入らない濃いポタージュ参照。( VAL, BN, MAZには記載がない。)

 

 

 

 

 

Here Follows about Freshwater Fish

淡水魚。

 

 

 

97. 大きなカワカマス ( Lux : Pike )

(水でクックして、)グリーンソースでたべる。キャメライン(ソース)のように作ってギャランティーンにする。

 

 

98. カワカマス ( Brochet : Pickerel )

ローストしたものはチャウダーに入れる。フライにしたものはポタージュの中に入れるか又は、ジャンス(ソース)で食べる。(ローストして塩、ワイン、スパイスパウダーで食べる。VAL )

 

 

99. バーベル( Barbillons : Barbel ; ニゴイの一種 )。

水でクックしたものはサワーペッパー(ソース)で食べる。ローストしたものはヴェルジュで食べる。フライにしたものはポタージュに、又はジャンス(ソース)で食べる。

 

 

100. バス ( Bar : Bass )

水でクックしたものは、グリーンソースで食べる。

 

 

101. 淡水のシャッド( Alose : Shad )。

スモークしたもの、塩漬けしたものは水でクックし、マスタード(ソース)又は、スキャリオンとワインで、又はグリーンソースでたべる。ローストしたものはキャメライン(ソース)で食べる。

オーヴンに入れて焼く際にドリッピングパンを使った時は、少量のワイン、(ヴェルジュ)、スパイスパウダーでソースを作って食べる。(キャメライン(ソース)を加えて他に何も入れない者もいる)。( VALには記載がない。)

 

 

102. コイ ( Carpe : Carp )

水でクックしたものはグリーンソースで食べる。又はヤツメウナギのようにギャンティーンにする。

 

 

103. パーチ。( Perche : Perch )

水でクックして皮を剥いたものは、酢又はパセリ、あるいはパーチマッシュ( Perch Mash )にして食べる。フライにしたものはシチュにする。

 

 

104.テンチ ( Tanche : Tench )

湯通しをして、(クックしたものは)グリーンソースでたべる。フライにしたものは、ポタージュにする。内側を外にしてローストしたものは、シナモンパウダー(塩、ファインスパイスパウダー、糸で端をくくり付けてグリルの上で魚をローストする。MAZ )を振り、酢に漬けて(少量のクルミ)オイルを付けて( ロースト )する。キャメラインソースで食べる。 ( BNには記載がない。)

 

 

105. ブリーム ( Bresme : Bream )

水でクック( 又はロースト )したものはグリーンソースで食べる。ローストしたものはヴェルジュで食べる。スパイスを振ってパイに入れたものは、細かい塩で食べる。(水、ワインでクックしたものはヴィネガーで食べる。MAZ  )

 

 

106. ローチ( Poulaille, Rossaille, Roach )。

水でクックしたものはグリーンソースでたべる。ローストしたものはヴェルジュで食べる。(フライしたものはジャンス又はポタージュにして食べる。VAL,  MA, BN )

 

 

107. ウナギ ( Anguilles : Eels )

水でクックしたものは、グリーンガーリック(ソース)で食べる。塩漬けしたものはマスタード(ソース)で食べる。ローストしたものは、ホワイトガーリック(ソース)(又はヴェルジュ)で食べる。内側を外にして(赤ワイン)でクックしたものは生のヤツメウナギのようにホットソースで食べる。スパイスを振ってパイに入れたものは、ホワイトガーリック(ソース)で食べる。時にはポタージュにする(上のポタージュのように)。

 

 

108. ウグイ  Chevesne : Chub )。

( 水でクックしてグリーンソースで食べる。ローストしてヴェルジュで食べる。VAL, MAZ  ) ( VAT, BNには記載がない。)

 

 

109.マス ( Truite : Trout )

水でクックたものはキャメライン(ソース)で食べる。パイに入れたものは細かい塩 (又はスパイスパウダー) で食べる。

 

110. 小さい種類のウナギ ( Pinperneaulx )

湯通ししてローストしたものは、グリーンヴェルジュ(又はホワイトヴェルジュ)(ソース)で食べる。

 

 

111. ドジョウ (Loache)

(水でクックする。まづチーズ、パセリ、少量のワインで少しクックしてどじょうを茹でる。そしてチーズでボイルする。MAZ  ) マスタード(ソース)で食べる。( ヴェルジュの葡萄又は水でクックしたカラントを添えてサーヴする。MAZ  )チーズを入れる者もいる。フライしたものはチーズを入れてポタージュにする。( BNには記載がない。)

 

 

112. ガジャン(Gaymeaux : Waymel; カマツカ、コイ科)。

刻んだタマネギといっしょに水でクックして、マスタード(ソース)で食べる。( MAZには記載がない。)

 

 

113. ハゼ、ウグイの類 ( Meinuise )

刻んだタマネギといっしょに水でクックしてグリーンソース又は良質の(グリーン?ホワイト?)ガーリック(ソース)で食べる。( VAL, MAZ, BNには記載がない。)

 

 

114. 小さなヤツメウナギ ( Lamproions : Lampern )

(水でクックする、又はフライしたものは細かい塩でスパイスを使わずに)ヤツメウナギのようにホットソースで食べる。水でクックしたものは、マスタード(ソース)で食べる。水で(クックしたものは)マスタードソースで食べる。スパイスパウダーを振ってパイに入れたものはパイの中にキャメライン(ソース)を入れて食べる。( フライしたものはキャメラインソースで食べる。MAZ  )

 

 

 

115. 川のヤツメウナギ ( Santoilles: Lampern )

上のポタージュの項にある同様のレシピを使って料理しなさい。( パイに入れたものは )、キャメライン(ソース)で食べる。( VAL, MAZ, BNには記載がない。)

 

 

116. ブリーク (Ables : Bleak )

(パセリといっしょに)水でクックしたものは、マスタード(ソース)で食べる。

 

 

117. ザリガニ ( Escrevices: Crayfish )

水とワインでクックしたものは、酢で食べる。( MAZには記載がない。)

 

 

 

 

 

Round SeaFish

丸い海の魚。

 

 

 

118. ネズミイルカ ( Porc de mer : Porpoise )

背に沿って割き、水でクックする。鹿肉のように細長くスライスする。ワインと貴方の魚から出た汁を用意する。ジンジャー、シナモン、クローヴ、グレインオブパラダイス、ロングペッパー、少量のサフラン、(ブレッドを挽き、(ボイルする)そして、澄んだブロスを作る。黄色過ぎないこと。白い料理といっしょに(アントルメのように、又は上に)サーヴする。

 

 

119. 生のサバ ( Maquerel frais: Fresh Mackerel )

えらの辺りをきれいにして、グリルでローストしたものはキャメライン(ソース)( 又はヴィネガー、ファインスパイスパウダー)で食べる。(潰れないように周りに網を巻きつける。) スパイスを振ってパイに入れたものはキャメライン(ソ-ス)( 又は細かい塩 )で食べる。

塩漬けしたものは、水でクックしてワインとスキャリオン又はシャロット又はマスタード(ソース)で食べる。

 

 

120.(赤い)ホウボウ、赤いボラ、(灰色)のホウボウ ( Gournault, rouget, grimondin : Gurnard, Red Mullet, RedGurnard )

腹面にかけてきれいにして非常によく洗う。表面に塩をして平鍋に入れ、水を入れてクックする。キャメライン(ソース)で食べる。ローストして召し上がるのがお望みであれば背に沿って肩まで切り裂いて洗ってローストする。ヴェルジュの中に何度も押し込んで、上にスパイスパウダーを振りヴェルジュ(と酢)で食べる。パイに入れるのがお望みであればキャメライン(ソース)で食べる。

 

 

121. アナゴ( Congre : Conger Eel )。

ウナギのように湯通しして、水でクックする。赤いボラのように塩をする。ある者はクックしたらグリルでローストして(グリーン)ソースでたべる。好みでオーヴンに入れても良い。

 

 

122. メルルーサ( Merluz ; 干物 )。

水の中に3日間浸けて非常によく洗い、粉を付けずに油でフライする。エイのようにガーリック(ソース)で食べる。狩猟肉を食べるように、魚から出た汁で食べる者がいる。マスタード(ソース)で食べる。( BNには記載がない。)

 

 

123. ドッグフィッシュ( Chien de mer : Dog fish ; 小型のサメ )。

赤いボラのようにきれいにして、水でクックする。クックしたらエイのように皮を剥いて、キャメラインガーリック(ソース)で食べる。

 

124. 生のサーモン ( Saumn frais : Fresh Salmon )

(ラードする。) ローストするために背骨を残しておく。厚い切り身にして水でクックする。クックしている間、ワインと塩を(加える)。イエローペッパー(ソース)又はキャメライン(ソース)で食べる。グリルで再び干して(食べる)者もいる。(お望みであれば)スパイスを振ってパイに入れたものは、キャメライン(ソース)で食べる。

塩漬けしたものは塩を入れずに水でクックしてワインと刻んだスキャリオンといっしょに食べる。

 

 

125. グレイムレット ( mullet : Grey Mullet )

サバのように料理する。

 

 

126. 生のタラ ( Morue fraiche : Fresh Cod )

赤ボラのようにきれいにしてクックする。クックしている途中でワインを(加え)ジャンス(ソース)で食べる。好みでガーリックを入れるが、入れない者もいる。

塩漬けしたものはマスタード(ソース)又は新鮮な溶かしバター(をかけて)で食べる。

 

 

127 . ハナゴンドウ( Grapois )。

生は細長く切り、水でクックして豚の様にエンドウ豆といっしょにサーヴする)。火の上で少し乾かす者もいる。ブイヨンに入れるにはエンドウ豆がよい。

( BNには記載がない。)

 

 

128. 小ダラとハドック( Egreffin : Codling and Haddock )。

タラのように(料理)する。(ハドックは赤いホウボウの様にクックする。フライしたものはジャンスソースで食べる。)( BNには記載がない。)

 

 

129. ガーフィッシュ( Orfin : Garfish )。

エラのあたりをきれいにして、ローストしたものは、キャメライン(ソ-ス)で食べる。( VAL, MAZ, BNには記載がない。)

 

130. 小型のサメ( Brete : Brett )。

エイのように( 赤いホウボウの様に )クックする。(キャメラインガーリックソースで食べる。)( BNには記載がない。)

 

 

131 . シトウダラ  ( Colin : Coalfish )

タラのように。 VAL, BN, MAZには記載がない。)

 

 

132. ニジマス ( Truite saulmonoise : Salmon Trout )

切り分けて水とワインでクックしてキャメライン(ソース)で食べる。( MAZ, BNには記載がない。)

 

 

 

 

 

Flat SeaFish

平たい海水魚

 

 

 

133. カレイ( Pleis : Plaice ; 又はヒラメ )。

背からエラの辺りをきれいにして、よく洗い、赤いボラのようにクックしたものは塩を振ってワインソースで食べる。ポタージュの中に入れるのがお望みであれば粉を付けずにクックする。( VAL, MAZには記載がない。)

 

 

134. ヒラメ( Flais : flounder ; 又はカレイの類 )。

カレイのように調理したものはグリーンソースでたべる。カレイのように湯通しする。( VAL, MAZには記載がない。)

 

 

135. シタビラメ ( Solles : Sole )

湯通しし、きれいにしてカレイのように水でクックする。( Chaudume’にして)グリーンソースで食べる。好みで湯通しせずに(ある者は魚の背の皮を剥いて)ローストしたものは(ソレル)ヴェルジュで食べる。( 粉を付けずに )脂でフライしたものはヴェルジュで食べる。( VALには記載がない。)

 

 

136. エイ ( Raie : Ray )

へその当たりをきれいにして(肝はとっておく)ピースに切る。カレイのようにクックして皮を剥いて少し温めてガーリクキャメライン(ソース)で食べる。肝のスライスをトーストして、作ったばかりのチーズを非常に薄く切ってその上にのせる者がいる。これは旨く味わい深い食べ物である。

 

 

137. 大ヒラメ ( Turbot : Turbot )

きれいにしてヒラメのようにクックし、背の皮を剥いて、ピースに切ったものはグリーソース(ソース)又はピクリングソース( souz )で食べる。

 

 

138. ブリル( Barbue : Brill )。

大ひらめのように準備する。好みでエイのように皮を剥きグリーンソース又はピクリングソース( souz )で食べる。

 

 

139. ブリーム ( Bresme : Bream )

湯通しして、ターボットのように水でクックしたものは、キャメライン(ソース)で食べる。湯通しせずにローストしたものはヴェルジュで食べる。湯通ししてスパイスパウダーを振りパイに入れたものはキャメライン(ソース)で食べる。

 

 

140. 小ガレイ ( Lymande : Dab )

きれいにしてカレイのようにクックしたものはワインソースと塩で食べる。又はシチュにする。( BNには記載がない。)

 

 

141. マトウダイ ( Doree : John Dory )

きれいにしてブリルのように水でクックしたものは、キャメラインソースで食べる。頭から縦に切ってローストしたものはヴェルジュで食べる。スパイスを振ってパイに入れたものはキャメライン(ソース)で食べる。( MAZ, BNには記載がない。)

 

 

142. ニジマス ( Truitte saumonneresse : Salmon Trout )

頭と全ての皮を剥き、水でクックするか又はローストする。ヴェルジュで食べる。( VAL, MAZ, BNには記載がない。)

 

 

143. 海水魚のシャッド ( Alose de mer : Shad )

上に述べた(淡水魚)と同様。( 茹でてグリルでローストする。又は茹でないで金串に指してローストする。キャメラインソースで食べる。 MAZ, BN )(ブリークのように)フライする。

 

 

144. アンチョビ( Ables, Alles de mer : Anchovies )。

切り身にしてローストしたものは、マスタード(ソース)又はワインソースで食べる。( MAZ, VALには記載がない。)

 

 

145. ワカサギ( Esperlans : Smelt )。

パイの中に入れてクックし、その中からワカサギを取りだし、粉をして油でフライする。そしてジャンス(ソース)又はグリーンガーリック(ソース)で食べる。単にフライにしたものはマスタード(ソース)で食べる。( BNには記載がない。)

 

 

146. チョウザメ ( Esturjon : Sturgeon )

湯通しして腹部に沿って割き、頭を切り落として2つに割く。他の部分も全て分割できるところは切り分けてワインの味が勝るように水を入れてクックする。引き上げて冷まし、後で酢とパセリの中に入れる。

 

 

147. コウイカ ( Seiche : Cuttlefish )

皮を取り、一口大に切る。鉄鍋の中に入れ(水を入れずに)塩をして火にかけ(てフライする。)かき混ぜてはらわたが抜けるまで数回ひっくり返す。布の中に入れ十分に水気がなくなるまで絞る。油でフライ(タマネギは茶色になりすぎないように後で入れる)する。粉をする者もいる。セッティングする時に上にスパイスパウダーを振る。酢に漬けたホワイトガーリック(ソース)といっしょに食べる。お望みであればシチュやポタージュ(又はヴェルジュといっしょに)に入れて食べることもできる。

 

 

148. 牡蛎 ( Oestres : Oysters )

水でクックし、タマネギといっしょに油でフライにする。オイスターラグー又は(スパイス)パウダー又はガーリック(ソース)でたべる。( VAL, MAZ, BNには記載がない。)

 

 

149. ホタテ( Hanons : Cockles )。

汚れを取り除き、湯通しして洗う。オイルでタマネギのミジン切りとスパイスパウダーといっしょに茶色になるまで炒め、良質のホワイトガーリック(ソース)で食べる。

 

 

150. ムラサキイガイ ( Moules : Mussels )

(汚れを落とし34回洗う。)水と酢(お望みであれば)ミントを入れてクックする。セッティングする時にはスパイスパウダーを加える。(新鮮な)バターを入れる者もいる。酢又はグリーンヴェルジュ(ソース)又はグリーンガーリック(ソース)で食べる。お望みであればこれでラグーを作ることができる。

 

 

151. 海のザリガニ(Escrevices de mer : Lobsters ; ロブスター)。

ワインと水で又はオーヴンの中でクックしたものは酢で食べる。( VAL, MAZ

には記載がない。) 

 

 

 

 

 

Other Dishes

その他の料理

 

 

 

152. レント中にフラン、又はタルトを作る(Flans, tartes in Karesme )。

レント中に(チーズ味のする)フラン、又はタルトを作る。テンチ、カワカマス、コイ(の卵と白仔)、アーモンド、サフラン(色付けに少し)を用意し、全てをいっしょに潰して白ワインの中に浸し、貴方のフラン、タルトに(砂糖、骨を取った魚と卵をいっしょに)入れる。クックしたら砂糖を上にかける。(別の方法では、ウナギを用意して頭を取り、尾まで(骨を)取り除く。残った(身)を挽きサフランといっしょに少量のホワイトワインに浸す。そしてフランの中に入れる。クックしたら砂糖を振る。BN

 

 

153. クレソン(Poree de cresson)。

クレソンを用意しひとつかみのフダンソウといっしょにボイルする。チョップして油できつね色にいためる。(お望みであれば)(アーモンド)ミルクでボイルする。ミートデイにはミートストック(又はバターを入れて又はチーズを入れて)又は何も入れずにボイルする。(塩で味を付ける。ガーデンクレソンは抜いて取る。)腎結石に効く。

 

 

154. その他のちょっとしたポタージュ( D’autres menuz potaiges )。

(例えば、イエロー(ソース)に入れて作る、フダンソウ、キャベツ、蕪、リーク、仔牛で作るちょっとしたポタージュ。スキャリオンの他に何も入らないポタージュ、豆、フレンチトビーンズ、マッシュトビーンズ、裏ごししたビーンズ又はサヤのついたもの、豚の腸、豚の臓物のスープ(ご婦人はこれらに関してはよくご存じであり、如何に作るかよく存じておられる)。臓腑については如何に食べるかよく知られているので私のヴィアンディエの中には入れなかった。VAT  ( VAL, MAZ, BNには記載がない。)

 

 

 

 

 

Unboiled Sauces and How to Make Them

ボイルしないソースの作り方( VALMAZ,  BN,  VAT

 

 

 

155. キャメラインソース ( Cameline )

ジンジャー、多量のシナモン、クローヴ、グレインズオブパラダイス、マスティックタイム(Thymus mastichina)、ロングペッパー(好みで)を挽き、酢に浸したブレッドをシーヴする。(チーズクロスで)濾し、塩で味を付ける。

 

 

156. ガーリックキャメラインソース ( Aulx camelins )

ガーリック、シナモン、ブレッドを砕き、酢、(ヴェルジュ)に浸す。(これといっしょにエイの肝をいっしょに挽く。VAL, MAZ

 

 

157. ホワイトガーリックソース ( Aulx blans )

ガーリック、ブレッドを砕き、ヴェルジュに浸す。( VAL, MAZには記載がない。)

 

 

158.グリーンガーリックソース ( Aulux vers )

ガーリック、ブレッド、グリーン(緑色の野菜)を砕き、いっしょに(ヴェルジュに)に浸ける。

 

 

159. 生のヘリングのためのガーリックソース ( Aulx a harens frais )

(皮を剥いていないガーリックを)マスト又はヴェルジュに(ヘリングの頭といっしょに)浸す。(それをガーリックの皮といっしょにサーヴする。)

 

 

160. (名が付いていない、アーモンドガーリックソース?)。

(ガーリックとアーモンドを挽いてヴェルジュに浸す。MAZ )( VAL, BNVATには記載がない。)

 

161. グリーンソース ( Saulce vert )

トーストしていないホワイトブレッド,たくさんのパセリの葉を挽く。ジンジャー、セイジをいっしょにヴィネガーと少量のヴェルジュの浸して濾す。

 

 

162. 海の魚を保存するためのソース ( Saulce a garder poisson / Une soussie )

ブレッド、パセリ、セージ、ベネット(アヴェンス)、酢、ジンジャー、カシアの蕾、ロングペッパー、クローヴ、グレインズオブパラダイス、サフランパウダー、ナツメグを挽く。それをワイン、ヴェルジュに浸し、濾す。貴方の魚にかける。黄色身を帯びたグリーン色をしていること。ここに根の付いたベンネット(アヴェンス)をそのまま入れる者もいる。( VAL, MAZ, BN )

 

 

 

 

Boiles Sauces

ボイルしたソース

 

 

 

163. バルベロバートソース ( La barbe Robert )又はタイユマスルソースと

 Taillemaslee と呼ばれている。

(小さなタマネギを用意し、ラードで(またはその日に応じてバターで)フライし、ヴェルジュ、酢、マスタード、スモールスパイスと塩でフライする。全ていっしょにボイルする。 VATには料理の名前だけが記載されており、レシピは空欄になっているので 1583 cookbook Pichon et,al.,p109より引用した ( VAL, MAZ, BNには記載がない。)

 

 

164. イエローペッパーソース ( Poivre jaunet )

ジンジャー、ロングペッペー、サフラン、ここにヴェルジュをクローヴを加える者がいる。トーストを入れて酢に漬け、肉をサーヴする時にボイルする。

 

 

165. ブラックペッパーソース ( Poivre noir )

ジンジャー、ラウンドペッパー、焦がしたブレッドとペッパーを挽き、酢とヴェルジュに浸す。そしてボイルする。

 

 

166. カウズ ミルク ジャンスソース ( Saulce / Jance de lait de vache)

(ジンジャー、卵黄を挽き、牛乳に浸してボイルする。VAL, MAZ, BM

VATには記載がない。)

 

 

167. ガーリック ジャンスソース ( Sauce / Jance aux aulx )

(ジンジャー、ガーリック、アーモンドを挽き、良質のヴェルジュに浸してボイルする。ホワイトワインを入れる。VAL, MAZ, BN ) VATには記載がない。)

 

 

168. ジンジャー ジャンスソース ( Jance de gingembre )

(ジンジャー、アーモンド、ガーリックは入れない、を挽き、ヴェルジュに浸してボイルする。これに白ワインを加える者もいる。BN ) ( VAL, MAZ, VATには記載がない。)

 

 

169. ポワトゥソース( Une poitevine )。

(ジンジャー、クローヴ、グレインオブパラダイス、(ニワトリの)肝、焼いたブレッドを挽き、(ワイン)、ヴェルジュに浸し、ローストした(シャポン)から出たいくらかの脂といっしょにボイルする。これをロースト肉に塗りボールに入れてサーヴする。VAL. MAZ, BN

 

 

170. この料理書に必要なスパイス ( Espices qu’ll fault a ce present vinadier )

ジンジャー、シナモン、クローヴ、グレインオブパラダイス、ロングペッパー、スパイクラヴェンダー、ラウンドペッパー、カシアの蕾、サフラン、ナツメグ、ベイリーフ、ガリンゲイル、メイス、ローレルの葉(lores?)、クミン、砂糖、アーモンド、ガーリック、タマネギ、スキャリオン、シャロット。

 

緑色を発するハーブには、パセリ、アヴェンス、ソレル、ブドウの葉又は新芽、グースベリー、緑色の冬の小麦。

 スパイスを浸す液には、白ワイン、ヴェルジュ、酢、水、脂の多いブロス、牛の乳、アーモンドミルク。( VAL, MAZには記載がない。)

 

 

 

 

 

Additional Recipes ( MAZ )

追加のレシピ

 

 

 

171. キャメラインマスタードソース

( マスタード、レッドワイン、シナモンパウダー、砂糖を用意していっしょに混ぜる。シナモンの様に濃いこと。どんなローストにも使える。MAZ ) ( VAL, BN, VATには記載がない。)

 

 

172.マジョラムソース。

( スイートマジョラムの汁、同量の水、ホワイトワインを用意してそこにジンジャー、ワイン、少量のクローヴ、シナモン、砂糖を加える。MAZ )  ( VAL, BN, VATには記載がない。)

 

 

173.家禽のシチュ。

( ウシの膝関節の骨髄を片側に寄せてしっかりとクックする。肉を取り出し、脂のアクをポットから取り除く。残った脂のないブイヨンの中にシャポン、ヒナ、ハト、ヤマウズラ、その他の好みの肉を入れてクックする。ラウンドペッパーのホール、ホールのレーズン、ウシの骨髄を入れてクックする。トーストしていないホワイトブレッドを入れて濾す。ジンジャー、シナモン、ナツメグ、クローヴを挽き、たくさんのホワイトワイン、ヴェルジュを入れ、サフラン砂糖を加える。ホールの家禽の上にブロスをかける。MAZ )  ( VAL, BN, VATには記載がない。)

 

 

174.マトンのシチュ。

( マトンの肉を用意してポットの中に少量の水を入れてクックする。ワイン、細かくチョップしたタマネギ、細かくチョップしたパセリ、ファインスパイスパウダー、サフラン、ヴェルジュ、少量の酢を加える。MAZ )  ( VAL, BN, VATには記載がない。)

 

 

175.ハーブとチーズと卵のパイ。

( パセリ、ミント、チャード、ホウレンソウ、レタス、マジョラム、バジル、ワイルドタイムを用意して全ていっしょにモルタルの中で挽く。水で湿らせて汁を絞る。たくさんの卵を汁の中に割り入れパウダーにしたジンジャー、シナモン、ロングペッパー、挽いたチーズを適量,塩を入れる。いっしょに混ぜる。非常に薄い、ディッシュの大きさの、非常に薄いペーストリィをディッシュの中に作り、貴方のディッシュの中に敷き込む。ディッシュの内側に豚の脂を塗りその中にペーストリィを入れて貴方のディッシュを炭の上にのせる。再びペーストリィの内側に豚の脂を塗りそれが溶けたら貴方のフィリングをペーストリィの中に入れる。他のディッシュで蓋をして上と下に炭を乗せて少し乾かす。蓋を取って卵黄を5個入れ、パイの上にファインスパイスパウダーをふる。前回したようにディッシュを元の場所に置いて弱火でゆっくりとクックする。クックしすぎていないか時々確認する。砂糖を上に振ってサーヴする。MAZ ) ( VAL, BN, VATには記載がない。)

 

 

176.卵料理。

( ホワイトケーキ又はしっかりと乾かしたホワイトブレッドを用意して挽く。牛又は家禽のブイヨンをきれいなポットに入れて弱火の炭の上にセットする。サフラン、挽いた良質のチーズを加え、ボイルしたらブイヨンの中にブレッドを入れる。サーヴする時には卵を濾して米の様に濃くして挽いたチーズを卵の上に飾る。MAZ )  ( VAL, BN, VATには記載がない。)

 

 

177. クラリィのフリッター。

( クラリィを用意して挽く。水に浸してよく篩った粉を混ぜる。蜂蜜、少量のホワイトワインを加え滑らかになるまで混ぜる。小さなスプーンの量を油でフライするとフリッターができる。ローズマリーをそれぞれのフリッターの上にのせる。フリッターを二枚の刃で絞って油を濾す。それをきれいな新しいポットの中に入れ火の傍に置く。砂糖でプレートを飾る。MAZ )  ( VAL, BN, VATには記載がない。)

 

 

 

 

 

Here follow some remedies and experiments touching the making of wines

and other things ( VAT ) ( VAL, MAZ, BNには記載がない。)

ここからはワインの改良、改善、その他様々な試みを述べる。

 

 

 

178. 発酵中のブドウ汁あるいは、新しいワインを早く売る為に改良し、赤くする方法 ( Pour amender moust ou vin mouvel … )

パリの尺度で、大樽(240L)1樽分のワインに対して粉々にしたサフランを3デニール(重さ)を同じ量のブドウ汁にひたす。蜂蜜を1ポット分2デニール、ワインを16デニール平鍋に入れてボイルする。よく混ぜて冷ます。小麦粉を1ボール用意して、これら3つをいっしょに、(樽の中に入れる。)ワインは澄んで飲めるようなり、すぐに売ってもよいものとなる。

 

 

179. ぬるぬるして(濁った)ワインに対して( Pour garder vin d’engresser

 …)

大樽のワイン1樽に対してボール1杯の干した葡萄の種を加えてボイルする。白ワインのオリを乾かし燃やして灰にする。ボール1杯の灰を樽の中に入れてかき混ぜない。

 

 

180. あらゆるワインのぬるぬるを取る ( Pour tous vins degresser )

赤ワインのブドウの種を(干して粉にしたものを)ボール一杯、ワインの色又は見かけのためにボール一杯の脂、ブレッドのイーストを1デニール、ミョウバンを1/2ポンド、ジンジャーを2 bells(塊)、葡萄の種の灰を少量、この6つをよく挽いて混ぜて、樽の中に入れる。(泡が)がでるように短い棒(先端を4つに割いたもの)で混ぜる。棒は樽の内側に1フィート入るだけの長さにしておく。そしてワインを濾す。

 

 

181. ねばねばになったワインを救済する ( Pour garir vin boucte’ )

パリサイズの大樽に対して、はじけるまでボイルした小麦を1ポット用意して水気を切り、冷ましておく。よくかき混ぜて浮遊物をすくい取ってきれいにした卵白を用意し、これらを樽の中に入れる。澱をかき混ぜないように、樽の底に沈んだ澱に届かない長さの短い棒(先端を4つに割ったもの)でかき混ぜる。樽の次ぎ口に糸で、布の匂い袋に挽いたバスタードラヴィジ(南欧産の薬草;Laserpitium  latifolium)を1ポンド入れて吊しておく。

 

 

182. ねばねばになったワイン、又は木の樽の臭いやジャコウ臭,(ジャコウの味)のするワインを救済する ( Pour gariri vin boute’ … )

2デニールの価値のジンジャー、2デニールの価値のターメリックをよく混ぜ、この粉を2クオートのワインでボイルする。よく濾して、熱いままワインの樽の中に入れる。底までよく混ぜる。よく栓をして、落ち着くまでそのままにしておく。

 

 

183. 酸っぱくなったワインを救済する ( Pour garir vin qui trait a aigreur )

大樽のワイン1樽に対して、その大樽のワイン1パイントボイルし、挽いた(ベイリーフ)1/2オンスを熱いワインの中に浸す。まったくかき混ぜずに樽の中に入れて濾す。

 

 

184. 木の臭いの付いたワインを救済する ( Pour garir vin enfuste’ )

大樽のワイン1樽に対して(ワインを若干)、砂糖を1/2ポンド、砂糖を2オンス。粉にした(ベイリーフ)を1/2オンスを用意し、全てをいっしょに浸し混ぜずに樽の中に入れる。同時に(252ガロン)の大樽の中に火の付いた石炭を入れる。栓をしっかりとして3日間このままにしておく。

 

 

185. 活力のなくなったワインに対して ( Pour vin qui a la seive brisiee )

ボール1杯のタンニン、エンドウ豆を一握りいっしょに樽の中に入れ、かき混ぜずに濾す。

 

 

186. 冬に赤ワインを澄ませる ( Pour esclarcir vin roux en yver )

大樽1樽に対して問題のワインの中に浸した新しいアーモンド1/2ポンドを用意し、混ぜないで樽の中に入れる。夏に赤ワインから赤身を消すには野生のマルベリーの葉2握りを樽に入れ、かき混ぜずに樽に入れて濾す。

 

 

187. 赤ワインを澄ませる ( Pour vin vermeil esclarcir )

Tun252ガロンの樽)によく混ぜて浮遊物を漉くってきれいにした卵白を40コ、それに塩を1握り、ブラックペッパーをひいたもの2オンスをいっしょに問題のワインに浸す。全てを、澱を含め全ての物をいっしょによくかき混ぜ、栓をしてそのまま休ませておく。濾す。

 

 

 

 

 

Additional Recipes

追加のレシピ( VAT ; 188220 ( VAL, MAZ, BNには記載がない。)

 

 

 

 

188. マンジョワールというポタージュ ( Potaige appelle’ menjoire )

まず、若いクジャク、キジ又はヤマウズラの肉が必要であるが、どれも手に入らなければチドリ、ツル、ヒバリまたはその他の小さい鳥でもよい。串に刺して焼き、ほとんど火が通ったところで特に大きな鳥若いクジャク、キジ、ヤマウズラは手羽と脚に解体して鉄鍋の中にラードを入れてフライする。そして作ろうとしている貴方のポタージュのポットの中にそれを入れる。

ブロスを作るには白いブレッドをグリルで焼いて茶色にし、牛のすね肉のブロスの中に散らして浸す。そしてチーズクロスで濾す。カシアの蕾、シナモン、メカジンジャー、クローヴを少量、ロングペッパー、グレインオブパラダイス、ヒポクラス(作ろうとしているポタージュの量に応じて)を用意する。スパイスとヒポクラスをいっしょに肉とブロスの入っているポットの中に入れる。全てをいっしょにボイルする。酢を少量加えるが、長くはボイルしない。砂糖を加えて味を付ける。はやりでセッティングの時にポタージュの上に金箔をかぶせたウェファーをのせる。又は赤や白のアニス又はザクロの種をのせる。

 

フィッシュデイに作る場合には皮の付いたホールアーモンドを用意し非常によく洗って潰し、モルタルで挽く。それをチーズクロスで濾す。十分な量が取れない場合には白いブレッドを少量又は、ブレッドクラムを2又は3つの白いブレッドの塊から取り出しておく。豆が大きく破裂していない(エンドウ豆の)澄んだピュレ、白又は赤ワインを少量、ヴェルジュを少量用意してアーモンドとブレッドをこの中に浸し、全ての材料をチーズクロスで濾す。上で述べた同じスパイスが必要である。

全ての魚をフライする。即ち、パーチ、カワカマスの幼魚、ザリガニの( )、ドジョウなど見て一番よいものを選ぶ。(塩をしていないバター又は塩を入れたバターは塩を抜いて)フライする。魚をプレートの上にセットして、上にブロスをかける。白又は赤アニス、又はザクロ(の種)、又は皮を剥いて少量のフレシュバターの中に入れ、火にかけて少し茶色にしたアーモンドを飾る。

 

 

189. 白いシャポンのレース ( Lassis de blanc de chappon )

牛のすね肉といっしょにシャポンをクックする。全てのシャポンの白い肉を用意して羊毛のように細かく割く。手足の肉をピースに切り、ラードで少し茶色になるまでフライする。プレートの上にセットし、細かく割いた(白い)肉を上にのせる。アーモンドの皮を取り砕き貴方のブロスに浸す。ホワイトワインとヴェルジュを加える。皮を剥いたメカジンジャー1とグレインオブパラダイス2を用意し粉にする。砂糖を加えて味を付ける。砂糖で甘くしておく。皮を剥いた白いアーモンドをラードでフライするか、又は柔らかい豚脂の中でフライし、ポタージュの中に突き刺しておく。セティングするときには(ポタージュはアーモンドが真っ直ぐにささる位に濃くしておく。)上に赤いアニスを振る。

 

 

190. ザリガニのシチュ。( Gravé d’escrevisses )

アーモンドを用意し皮を剥かずに又は湯がかずに挽く。ピーの薄いピューレを用意する。立派な大きなザリガニを用意し、水2、ワイン1の割合の中で、お好みであれば、酢を少量入れてクックする。水気を取って冷やす。爪と尾を取って(殻を)外し身を取り外す。身のない骨組みの部分を(アーモンドのように)よく叩いて砕く。エンドウ豆の澄んだピュレとワインヴェルジュの中に全て入れてチーズクロスで濾す。ザリガニの爪と尾を少量のバターで、フライしたドジョウのようにフライしてブレッドの中、又はきれいなポットの中でボイルする。ジンジャー、シナモンを少量、グレインオブパラダイスを少量、更に少量のクローヴ、少量のロングペッパーを用意し少量のワインとヴェルジュの中に浸す。そして砂糖を気前よく加える。塩を軽く入れて全てをいっしょにボイルする。お望みならばフライした魚を加えることができる。(その時は)肉を覆うだけの濃さにしておくこと。

 

 

191. ミートデイのためのピンク料理 ( Ung roze’ a chair )

皮を剥いていないアーモンドをよく砕き、ビーフブロス、ワイン、ヴェルジュに浸けてチーズクロスで濾す。貴方の肉を用意する。つまり、仔牛の胸肉又は、牛の脛肉又はほかの少しのよい肉といっしょにクックしたニワトリのホール又は1/4に切ったものをラードで茶色になるまでフライする。良質のシナモン(たくさんではない)、ホワイトメカジンンジャーと、グレインオブパラダイスのようなスモールスパイス、クローヴ、ロングペッパーを用意する。色をつけるためにターンソウル又はアルカネットを使う。もし見つけられたらアルカネットはターンソウルと同様に使える。勿論ターンソウル同様の生き生きとした色がないのだが。ぬるま湯よりも少し熱い少量の湯の中に34時間浸し、ポタージュがボイルしたらその中に入れる。薔薇に似た色になるまで非常によく混ぜる。

 

 

192. ヤマウズラのトリモレット( Une trimolette de perdrix )。

ヤマウズラを用意し串を刺してほとんど火が通るまでローストする。串を取って、1/4に切るかそのままの大きさできれいな新しいポットに移す。タマネギをできるだけ細かく切り、少量のラードでフライしてビーフブロスに入れる。時々ポットを揺らしながらヤマウズラの上にかける。ニワトリの肝とグリルで茶色に焼いた少量のブレッドを用意し(ビーフブロスに)浸ける。チーズクロスで濾した後ポットの中のヤマウズラの肉にかける。そののち細かいシナモン、ジンジャーを少量、少し多めのホールのクローヴ、グレインオブパラダイスとロングペッパーを用意しこれらを良質のヒポクラスの中に浸す。そして全てをポットの中に入れ、砂糖を上にかける。蒸気が漏れないようにしっかりと蓋をする。火から下ろす時にほんの少量の酢を加え、それ以上ボイルしない。

 

 

193. 鹿狩りのシーズンに作る赤鹿の睾丸のスープ ( Brouet de daintiers de cerf et veryvoisons )

湯通し、ボイルしている湯の中で赤鹿の睾丸を良く洗う。よくクックして、冷やしておく。(小さすぎず大きすぎず、)四角にスライスする。ラードでフライする。同じ平鍋にビーフブロスとパセリの葉を加える。ファインパウダーを(スパイスが利きすぎないように、)適度にいれる。液状になるように少量のキャメライン(ソース)又は、ニワトリのレバーを12とホワイトブレッド(ビーフブロスに浸す)をシーヴしてキャメライン(ソース)の代わりにする。少量の酢を入れる。(12のワインとヴェルジュの中にスパイスを入れて濾す。又はヴェルジュの代わりにカラントジュースを使い)塩で味を付ける。

 

 

194. キッシュフラン( Flaons cochus )

クリームとよくときほぐした卵黄を混ぜる。(通常よりも大きめの)パイクラストを用意する。ファインスパイスパウダー又は、ホワイトスパイスパイダーを卵とクリームの中に入れる。こぶし大のウナギを湯通しし、よくローストする。ぶつ切りにして、フランの中に切り口を下にして入れ、1つのフランに34個入れる。クックしたら砂糖をよく振り、冷やす。

 

金箔を貼った料理 ( Doreures )

饗宴又は皇族の宴に、日曜日、火曜日、木曜日といったその週の3ミートデイにお出しするアントルメである。

 

 

195. 金箔で飾ったニワトリとクネル(quenelles;肉ボール)。

ニワトリを殺した後、頭部の皮フを少し破り、羽根の管で体が一杯に膨らむまで空気を吹き込む。湯をかけ、腹に沿って切れ目を入れて皮を剥ぎ、その屠体を取っておく。

スタッフィングと肉ボールを作るのに生の豚肉を用意し(どんな種類の肉でもよい)豚脂といっしょにチップする。白い(ニワトリの肉)、卵、良質のファインパウダー、松の実のペーストとカラントを用意する。ニワトリの皮にこれを詰めて(大きく膨れるので一杯に詰め込まないこと)その切れ目を縫っておく。火の上に置いたパンの中で(少し)ボイルして、細い金串の上にのせる。肉ボールができたらニワトリといっしょにクックし堅くなったら取っておく。肉ボールにはニワトリの串の半分の厚み、またはそれよりも細い串を用意する。

その後卵で作った、平鍋の中に盛り上がる位に堅いバター (batter) を用意する。ニワトリと肉ボールがほとんどクックしたらニワトリを移動してバター(batter)の上に置く。バター(batter)ときれいなスプーンを準備して絶えずかき混ぜながらニワトリの表面と肉ボールの上にかける。きれいに表面を覆うまで23回行う。金箔又は銀箔を用意して、それらを箔で巻く。(箔が付きやすいように卵白を少量振りかける。)

 

 

196. ヘルメットを被ったコック ( Coqz heaumez )

仔豚、(年を取ったメンドリやオンドリのような家禽)をローストする。豚をローストする一方、他方ではニワトリに詰めものをして(お望みであれば皮を取らずに)ときほぐした卵のバター(batter)で(グレイズする)。グレイズしたら紙を貼り付けたヘルメットを被せ胸のところで槍を持たせたニワトリを仔豚の上にまたがらせてセットする。領主様にお出しするときには金か銀箔でニワトリを飾り、(その他の方々の時には)白、赤又は緑色のスズの箔で飾る。

 

 

197. パルマタルト ( Tourtes parmeriennes )

マトン、仔牛又は豚肉を用意しクックする。適当な大きさにチョップして(トリをボイルして4つに切る)他の肉はチョップする前にクックしておく。ファインパウダーを肉の上に注意深く振り、ラードでフライする。その後小さいプラターのサイズで普通よりも縁の高い、銃眼(ギザギザ)のある形に作る。肉を詰めるので丈夫なペーストリーにする。お望みであれば松の実のペーストとカラントを肉に混ぜ、上に砂糖をボロボロと振ることもできる。少しボイルして1/4に割ったニワトリを用意し各々のパイに34つ入れ、出席なさる領主の方々の旗とフランスの旗をその中に立てる。より魅力的になるようにサフランをふって金色にしておく。ニワトリを使いたくない場合には、ローストかボイルした豚又はマトンの平たい肉を使う。パイの中が肉で一杯にしたら、肉の表面を卵黄と卵白をいっしょに混ぜたもので肉が固くくっついて旗がちゃんと固定されるようにグレイズする。バナーをセットする前に金箔と銀箔又はスズの箔を用意してパイを飾る。

 

 

198. 金色のトースト ( Tostees dorees )

金色のトーストを作るには固くて白いブレッドを用意してスライスして四角いトーストにする。グリルで少しローストし、溶きほぐした卵黄を非常によく塗って火にかけた熱い良質のラードの中できれいな金色になるまで焼く。平鍋から移してプレートにのせ砂糖を上に振る。

 

 

199. 部分的に色を付けた白い料理 ( Blanc mengier party )

湯がいて皮を剥いたアーモンドを用意し非常によく砕き、熱湯につける。(そしてアーモンドミルクを作る)とろみ付けにデンプン又は砕いた米を使う。ミルクがボイルしたら、いくつかに分けて、2つのポットに(2色にするなら)又は(お望みであれば)3又は4つに分けておく。ボールやプレートの上に置いたときに広がらないようにフルーメンティ位の固さにしておく。アルカネット、ターンソウル、良質のアズール、パセリ又はアヴェンスを用意する。ボイルした時発色がいいようにサフラン少量を緑色の(野菜)に混ぜてシーヴする。アルカネット又はターンソウルとアズールも同様にラードの中に混ぜておく。ミルクがボイルしたら砂糖を入れる。それを(火の)後ろに移して、塩を入れ、濃くなって得たい色が出るまで強く混ぜる。

 

 

200. ラードで固めた牛乳(Layt lardé)。

(牛の)乳を用意し、火にかけてボイルする。火から下ろしたら23つの石炭の上にかける。混ぜた卵を糸のようにたらし込む。ミートデイに作ろうとするならばラードン(脂身の細片)を23に切って牛乳の中に入れてボイルする。フィシュディならばラードンを入れずにワインとヴェルジュを火らおろす前に入れて固める。火からおろしたら白布の中に入れて水気を切る。23重に布を巻き、牛のレバーのように固くなるまで押す。テーブルにのせて、てのひら又は指3本分の大きさに細長くスライスする。ホールクローブを突き刺して茶色になるまでフライする。セッティングして上に砂糖を振る。

 

 

201. ミルクタルト ( Tourtes de layt )

(牛の)乳を用意し、石炭の小さい火の上でボイルする。卵を入れて(お望みであれば卵白も入れて)ボイルしたら、2つの皿に分ける。パセリの葉を貴方の卵黄半分といっしょに濾す。よく固まるようにワインとヴェルジュを入る。手で持てるまで冷やす。2フィートの長さのチーズクロスを用意して1スプーンの牛乳又は2スプーンを用意し、23回チーズクロスでまく。手で十分にそしてはげしく揉んで固まったらチーズクロスから取り出す。冷やしてホールクローブを23列突き刺す。その後ラードで小豆色になるまでフライする。ラードして固めた牛乳といっしょに半分ずつ皿にサーヴする。

 

 

201.A. フリッターと骨髄のリソール ( Buignetz et roysolles de mouelle )

 

 

202. 大きいクリスプと小さいクリスプ ( Crepes grandes et petites )

大きいクリスプを少し熱いラードの中でシロップポット又は真鍮のキャセロールの中でクックする。(卵黄)と細かい粉をいっしょに混ぜて作る。濃すぎてはいけない。木の深いボールを用意し、バター(batter)をいくらかボールの中に入れる。(ラードの中にバター(batter)を入れながら)熱いラードの上で平鍋の内側で手をまわす。焦げないようにする。

小さいクリスプは鉄の平鍋の中でクックする。卵白と卵黄と細かい粉をよく混ぜる。大きいクリスプのバター(batter)よりも少し固めに作る。(ラードが熱くなるまで小さい火にかける)。底に穴の開いた木のボールを用意して、バター(batter)を入れる。すべての用意ができたら、(ボールの穴からバター(batter)を糸のように)たらし込み、小さい(又は大きい)輪を作る。(これにクロスさせて、バックルの舌を同じバター(batter)で作る。)ラードの中で膨らむまでクックする。

 

 

203. 中身の詰まったチューヴ ( Pipesfarces )。

詰め物をしたチューヴをいくつか作るには、できたばかりの良質のチーズを用意し指の太さの棒状にする。小さいクリスプのバター( batter )で覆って、熱いラードの中に入れ焦げないようにする。水分が蒸発して黄色くなったらクリスプといっしょにセットする。

 

 

204. 骨髄、脂の肉ロール( Alouyaulx )。

牛の骨髄又は腎の周りの脂を用意し、男の指の長さと太さにスライスする。熱湯で洗い、脂は念入りによく洗っておくが骨髄はそのままにして取り除くことも差し入れることもしない。仔牛のすねを用意し、できるだけそのままの形で肉を骨から取り外す。厚いワッフルのように薄くすね肉を細長く切る。それをきれいな調理台の上に置いておく。骨髄を少量の塩とファインパウダー、又はホワイトパウダーをつけた仔牛のすね肉で巻く。非常に細い串を用意して突き刺す。小さいクリスプに使うバター(batter)を用意し、骨髄がよくクックしたらそれをバター(batter)で覆う。

 

 

205.  模様の付いた料理 ( Dyapre’/Diapered )

上の(アーモンドを使った)ミートデイのためのピンク料理 ( Ung roze’ a chair )と非常によく似ているが、強い色をつけない。それに、ロージィ(Rosy)程ポットの中で混ぜない。そしてもう一方のポタージュと同じ位に砂糖を十分に使う。他方のポタージュと同様、ラードでフライしたたくさんの肉を用意する。

 

 

206. タユ( Taille’ ;スライスしたもの )。

皮を剥いていないアーモンドを用意し、洗い、非常によく砕き、ワインとヴェルジュ、ビーフブロスに浸ける。ミートデイのためのピンク料理 ( Ung roze’ a chair )Diaperedで使ったスパイスを加える。但しカシアとシナモンは多めに入れる。ニワトリの肉、ラードでフライした仔ウシ、十分な砂糖を使い砂糖で甘くする。

 

(フィッシュデイに)。

これらのポタージュをフィッシュデイの料理に変えようとするならば、そしてヴェルジュが無ければ、ボイルした湯を用いて皮を剥いていないアーモンドを漬ける。肉にはパーチとカワカマスを使う。鱗が取れるまでボイルして新しいバターでフライする。Diapered とミートデイのためのピンク料理 ( Ung roze’ a chair )で使ったスパイス、ジンジャー、シナモン、スモールスパイス、を用意する。淡水魚が手に入らなければソレル、プライスやダブを用意する。上で述べたミートデイのためのポタージュよりもたくさんの砂糖を使う。塩で適度に味をつける。

 

 

207 .四旬節のスライス ( Tailliz de Karesme )

皮を剥いたアーモンドを用意し、モルタルの中で非常によく潰し、ボイルした湯の中に浸し、ぬるま湯になるまで冷ましてチーズクロスで濾す。ほんの2個ほどの石炭の火の上でアーモンドミルクをボイルする。作って12日経ったビスケット( eschaudez を用意し、ダイスくらいに小さく切る。イチジク、デイツ、ディーニョ産のレーズンを用意する。イチジク、デイツをビスケットのようにスライスする。全てを(ミルク)の中に入れ、フルーメンティのようにとろみをつけ、砂糖を入れてボイルする。フルーメンティのようにサフランを入れて色をつける。穏やかな塩味がすること。

 

 

208. ノースパイ Pastez nourroys )。

非常に小さく切りクックした肉、松の実のペースト、カラント、できたばかりのチーズを非常に小さいクラム状にしたもの、ほんの少しの砂糖、少量の塩を用意する。

 

 

209. ロリー( Petis pastez lorez ; 小さなバグパイプの一種に形が似ているパスティ)。

小さいロリーペーストリィを作るにはペーストリィをBlank5デニールコイン、直径が指3本の長さ)又は、それよりも小さいサイズにしてフライする。ペーストリィはそんなに高く(厚く?)しない。レタスと小さい耳(レタス状のあるいは耳の形をしたペーストリィ)を作るには蓋のペーストリィを作り、大きいものや小さいものを作り、オーヴンでクックした時と同じ硬さになるまでラードでの中でフライする。お望みであれば金箔又は銀箔、或いはサフランで飾る。

 

 

210. ハリネズミとスパニッシュポット ( Herissons et petz d’Espaigne )

生肉を用意し、できるだけ細かく切る。ディーニョ( Digne )レーズンとできたてのチーズのクランブルをファインパウダーといっしょに混ぜる。マトンのレンネットの胃を用意し湯通ししてよく洗う。(しわがあるので水ではなく湯で洗う。)胃の中に刻んだ肉を詰め、木の小さな串で口を縫う。

 

 

211. スパニシュポット( Petz d’Espaigne )。

スパニシュポットを作ろうと思えば小さな水差しの形をした小さな陶器の内側に詰めものが旨く入る(又は、付く)ように卵白を塗って中身を詰め、平鍋か釜の中に入れて火にかけてボイルする。よくクックしたら陶器を取りだし、水分を抜く。冷えたら(中の肉は切らないように)陶器を割る。細い串を用意する。(ハリネズミの料理のものよりも小さくない)小さい肉団仔を作り、23コを鉄の焼き串に刺して(卵)のバター(batter)と細かい粉で金箔を貼る。

 

 

212. マトンの肩の詰め物、モッテとマンゴネル( Espaules de mouton farcies, Motes et mangonneaulx )。

マトン(の肩肉を)パンに入れて火の上でクックする。マトン又は豚の脚を同じようにクックする)クックしすぎない。それを冷やして骨の周りから肉を外す。非常に小さく切る。マンゴネルの肉とモッテに似せた肉を(用意しておく)。松の実のペーストを若干とカラントを用意する。白い豚脂でフライした大きな卵のオムレツを用意しておく。(焦げていないか確認しておく)それを大きなダイス大にスライスしておく。全ての材料を混ぜたものと取れたばかりのチーズクランブルを用意する。全てをきれいな平鍋、又はベイスンに入れて非常によく混ぜる。マトンの大網を用意して広げる。骨とファインパウダーを内側に(スタッフィングを入れずに)置いて、骨をスタッフィングの中に包む。これをマトンの大網で包む。一人前の料理人ならよく知っている方法で、木の串で大網を縫って肩の周りから肉が落ちないようにする。モッテ(小さいタルトレットの方法で作る)とマンゴネルは(小さいソーセージの長さにして)大網で包んで、グレイズをよくかけて、卵で仕上げる。又、その場に合わせて( 円筒状のもの;a siege in miniature? )を作る。

 

 

213. 皮をかぶり直した白鳥 ( Cignes revestuz )

ふくらませて、湯通しし、腹にそってスリットを入れ皮をむいて、屠体を取り外す。屠体を串に刺してローストし卵黄と卵白で溶きほぐしたバター(batter)を(回しながら)グレイズする。串から外して冷やす。(お望みであれば)皮を被せる。首に小さな串を刺して生きているかのように首を真っ直ぐに立てる。宴会の(サーヴの)第2のコースで出す。

 

 

214. クジャク ( Paons )

吹いて白鳥のように膨らませる。同じようにローストしてグレイズする。最後のコースで出す。皮を被せた時は、薄くて細い木の串を尾の羽根の間に突き刺す、又は真鍮のワイヤーでクジャクが尾羽を広げているようにセッティングする。

 

 

 

 

 

生々しく再現したアントルメ

 

 

 

215. 白鳥のナイト( le Chevalier au cigne )

白鳥のナイトをまるで生きているように作る時は、軽い木を12本用意する。その内4本は他の物よりもしっかりとした、真っ直ぐな物を選ぶ。釘でしっかりと固定して組み立てる。長さが3フィートの、同じ幅の鉛のシートを(少なくとも2 – 3枚用意する)。手桶23杯の水が入る深さが約1フィートの小さな容器を作る。羊皮紙をのりで張って白鳥のナイトの像が入る小さな帆船を作る。

リスの毛又は白いダウンで覆った羊皮紙をノリで貼って小さい白鳥に似せたものを作る。金に似た小さなチェーンを作り白鳥の首から垂らし、鉛の箱の中に入れた帆船に結び付けておく。(箱をあちこちに押せるように4つの車輪と4つの車軸をつける)。波のように塗ったリネンを用意する。それを釘で箱の上に止め、下にいる人が見えないようにする。

 

 

216. ( une tour )

石造建築物のような塔を作るには塗った布で覆い、塔の4隅に4つの窓をつける。サラセンやムーア人に似せた人を用意し、彼らを攻め立てているワイルドマンに火を放っているようにする。ワイルドマンはハンサムで、背が高く、すっとしていて、色を塗った麻縄(のひも)が付いたローブをかぶり、タイツと靴と全てが一体になったリネンのローブを着せる。塔の中には若いワイルドボーイに扮した若い従者を用意する。彼にはワイルドマンに向かって投げつける、羊毛の毛を立てて丸めそれを染めて石に似せた皮のボールを持たせる。

 

 

217. セイント・ジョージの像とヴァージン ( Saint George et sa pucelle )

ペーストリーか軽い木(楯を作るときのような)で大きなテラスを作る。セイント・ジョージが馬に乗っている像と鞍と轡をつけた馬の像を作る。馬の蹄の下にドラゴンを置き、ヴァージンが彼女のガードルで竜の首を縛り押さえているように作る。

 

 

218. セイント・マルタの像を作る ( Saincte Marthe )

セイント・マルタ像を作り、実物大の竜が彼女のそばに横たわり、金のチェーンが竜の首に結ばれ-セイント.マルタが竜を征服したのでそういうことになっている-その首をセイント・マルタがつかんでいるようにしておく。この像は2人の人間を使って作ることができるし、描写すれば思うとおりの高さとサイズに作ることができる。

 

 

219. ちょっとしたアントルメ ( Entremetz plus legiers )

茶色のブレッドでテラスを作り、少女をそのテラスに座らせておく。テラスは緑色の草やハーブに似せて塗ったブリキの葉で覆う。少女の膝元にライオンの2本の前足と頭を作って置く。ライオンはブラスで口を作り、薄いブラスで舌を作る。紙で歯を作ってのりで口に付ける。樟脳と綿を少し口の中に入れて、領主様の前に出したときそれに火を付ける。

同じようにオオカミや熊、縞模様のロバ(シマウマ)、大きな蛇その他の野生の又は飼いならした野獣を、ライオンに相応するものを作る場合、それぞれにやり方がある。

 

 

220. 太ったシャポンのソース( La poulse pour ung chappon gras )。

シャポンから脂と肝を集め、ビーフブロスといっしょにチーズクロスで濾す。少量のジンジャーをヴェルジュに浸す。全てを平鍋の中でいっしょにボイルする。卵黄を混ぜ、たくさんの砂糖でとろみを付ける。シャポンの羽根と腿を持ち上げ、上にソースを注ぐ。

 

 

 

 

 

 

 

           Enseignements教本

 

 

 

 

“Enseignements qui enseingnent a apareillier toutes manieres de viandes 略してEnseignements はフランス王フィリップ世の外科医であったヘンリー・デ・モンドヴィル( Henri de Mondeville,  c. 12601320 ) が所有していた料理書である。( 現在Bibliothe’que de France, Ms. Lat. 7131. 所蔵 Daniel Myersの翻訳を参考にした。1300年初めの約50レシピから成る教本で少し後になって出たLe Viandier とは密接な関係がある。Enseignementsにはレシピが肉、家禽、アントルメ、魚の順でレイアウトされている事, 又、肉に関する料理が豚、牛、仔牛、マトン、仔ヤギ、ラムの順で配置されている事、レシピの内容がLe Viandierと似ていること等からViandierEnseignements の間には密接な繋がりがあると考えられている。ViandierEnseignementsの著書は共にApiciusを読みこれを参考にして書いたのではないか、又はApiciusの内容を人づてに聞いたり見たりしたことがあるのではないかと思わせる雰囲気が二つの料理書にある。Enseignementsと他書との関係をできるだけたくさん紹介したので参考にしていただきたい。

 

 

 ヘンリー・デ・モンドヴィル( Henri de Mondeville c. 1260 – 1320  ) は、フィリップ, ( Philip IV, 端麗王1268/461314/11/29 )とルイ世(1289/10/4 – 1316/6/5 )のお抱え医者。                                                    

フランス外科医の父と呼ばれている。

出生はノルマンディのモンドヴィル( Mandeville )又はモンド( Émondeville )

パリのモンペリエ( Montpellier で医学を修めた後、外科治療で名声を得ていたイタリアのテオドリック・ボルゴニョーニ( Theodoric Borgognoni )の元で研鑽を積む。中世初の外科治療書Cyrurgia  ( Surgery、外科 ) 1312年著を残す。肺結核で亡くなった。

 

 

 

 

         

目次

 

 

 

 

あらゆる種類の肉に関する調理方法を伝授しよう。

 

1-12.Vez ci les enseingnemenz….; 

あらゆる種類の肉に関する調理方法をここにきしておこう:

13-18.Char de porc:

; ローストした豚の腰肉

19-29(L)es autres membres de porc fres:

生の豚肉のその他の部分

30-31.por char de buef:

牛肉; 生の牛肉

32-38.por char de veel;

仔牛; 仔牛のロースト

39-41.por char de mouton:

; 羊の生肉

42-45.por chevreaus e aingneaus:

仔山羊とラム

46-52.Char de porcelez en rost:

ローストした仔豚

53-61.por chapons e gelines:

シャポンとメンドリ

62-67.por fere faus guernon:

ひき肉で作るfalse guernon

68-69.por oues:

ガチョウ; ガチョウ

70-72.Mallarz e anes privees au poivre chaut:

アヒルの雄と雌

73-74.Oiseaus sauvages,comme grues,….:

鶴、雷鳥、サギのような野生の鳥

75.Macroles, colandes, noncelles,….:

雄のアカライチョウ、オオバンnoncelles(狩猟鳥)、チドリ

76-79.Perdris, tuertereles, gelines….;

ヤマウズラ、キジバト、野生のめんどり、鵜

80-88.Touz cignes, poons:

白鳥、クジャク

89-92.Touz conins e touz lievres sont bons en paste’:

全ての兎と全ての野ウサギ

93-96.Char de chevrel:

ノロ鹿; 腰肉

97-100.por blanc douchet

白いdouchet-白いdouchet

101-104.pour comine(e) de gelines:

めんどりのクミン料理(cominee’

105-110.Por fere blanc brouet de gelines…:

めんどりの白いシチュウ

111-114.por soutil brouet d’Engleterre:

手の込んだイングリシュスープ

115-118.por grave’ de menus oiseaus:

小鳥のラグ; 小鳥の

119-124.por blanc mengier:

ブラマンジェ

125-128.commence de poissons de mer e d’eve douche:

海と河の魚の料理について

129-130.(S)e vos volez fere comminee de pesson,…:

魚のクミン料理

131-136.Se vos volez fere sarraginee,…:

saragineeがお望みであればウナギを用意して

137-140.por let de Provence:

プロヴァンスのミルク

141-143.Se vos volez fere galentine a luis,..:

カワカマスのギャランティーン(ゼリー状の肉の冷たい料理)

144-153.Se vos volez fere galentine a la lampree,…:

ヤツメウナギのギャランティーン

154-160.Se vos volez fere gelee de pesson,…:

魚のゼリーを作る

161-165.Se vos volez fere blanc mengier en Caresme,…:

クリーム状のブラマンジェを作る

166-169.Se vos volez fere flaons en Caresme,…:

クリームフランを作る

170-173.Por fere pastez norreis,…:

ノースパイ

174-178.Se vos volez fere pastez qui aient savor de fromage,…:

チーズのよい香りのするパイ又はクリームフラン

179-180.ici enseigne des pessens reaus e des autres vinades

 

 

ここから魚の卵とその他の肉のレッスンがはじまる。

 

181.Saumon fres au poivre charut.:

生のサーモン

182-185.Luz a lassausse verte….;

カワカマス

186.Perches a lassausse de vin.

パーチ

187-189.Anguilles en pastez:

ウナギはパイ

190-192.Por bresnes cuites en eve,…:

ブリーム

193.Loches e chavesoz a lassausse verte;

ドジョウ

194.Hanons au cyve’ ou cuiz en eve...;

ホタテ貝

195-196.Raie, chien de mer,…:

エイ、ドッグフィシュ(小型のサメ)、カワカマス, brotele(?) 

197.Esp(e)llens au poivre aigre,…:

ワカサギ

198-200.Bars d’eve douce rostiz sus le greil,…:

河のコルビナ(Bars)

201-205.Maquereaus fres sont bons en paste’,…:

生の鯖

206-208.Morue fresche doit estre...;

生の鱈

209-211.Plaiz, flondres, cuites en eve,a lassause de vin.:

カレイ、ヒラメ

212-213.Mellens fres as aus de pain e desfaiz de verjus de grain.:

生の小鱈

214-215.Gornars cuiz en eve a la sausse cameline:

ホウボウ

216-217.Harens fres e poudre’s a l’ail.:

生のニシン

218-219.Seiches blaches a l’aillie de vin aigre.:

ホワイトコウイカ

220-221.Oistres en cive’,…:

カキ

222.Metez esturjon e cen qui …:

チョウザメ

223-225.Quiconques veut servir en bon ostel,:

どんなバカものであっても

226-228.Ci fenist le traitie’ de faire …:

ワイン、クラレット、murrey、その他たくさんの飲み物

 

 

 

 

 

 

あらゆる種類の肉に関する調理方法を伝授しよう。

 

 

1-12.Vez ci les enseingnemenz….; 

あらゆる種類の肉に関する調理方法をここに記しておく:

まずいろいろな肉とその肉に相応しいソースを。豚肉、仔牛、牛肉、そして小さな、仔山羊、ラム、仔豚。それとあらゆる種類の鳥。例えば、シャポン、めすのニワトリ、ガチョウ、あひるや鴨。狩猟鳥である鶴、雷鳥、青サギ、バン、オオバン、noncelles(狩猟鳥の一種)、鵜、ヤマウズラ、キジバト、野生のメンドリ、千鳥そしてこれらに相応しいソースを。ニワトリのciveysについて述べたあと、野ウサギ、兎のciveysとシチュ、そしてスープが作れるように。そして、その後に海と河の魚を取り上げ、そのソースがいろいろな形で作れるようにお教えしよう。

 

Terence Scullyは自書The Viandier of Taillevent の中でEnseignementsのレシピが肉、家禽、アントルメ、魚の順でレイアウトされている事。又、肉に関する料理が豚、牛、仔牛、マトン、仔ヤギ、ラムの順で配置されていることなどから、ViandierEnseignements の間には密接な繋がりがあると述べている。

Civeys; 細かいタマネギなどでとろみを付けたソース. Le Viandier 28.Cive’ de veel ではタマネギを、29.Cive’de lievres ではパンを、30.Cive’de connis ではパンを、82.Cive’ d’oistres ではタマネギを、84.Cive’ d’oeufs ではタマネギを使っている。)

Noncelles;狩猟鳥の一種。

 

 

 

13-18.Char de porc:

; ローストした豚の腰肉は、冬と夏共にグリーンガーリックソースを添える。肉汁の中に入れるのがお望みであればピースに切り、脂でタマネギをクックする。コショウとその他のスパイスを挽き、トーストしたパンをモルタルに入れて挽く。それを、豚をクックした汁で調え、ボイルする。ピースに切り分け塩をした肉の上にかけてこれをボールに入れ、その上に肉汁をかける。

 

Charとはヴェニスンと区別して家畜の肉を指す。

Le Viandier には豚肉のレシピは少ない。Le Viandier 3.のボイルした牛、豚、マトンの大きな肉の塊の料理方法の中で出てくるだけである。

メナジェでは、湯通ししてから串に刺し、ローストする方法を取っている。肉の表面にラードしてローストし、グレインヴェルジュ又は古いヴェルジュとスキャリオンで食べるよう勧めている。いずれの料理書にも豚,仔牛、マトンの肉は、肉そのものではなく、パルマタルト、ヘルメットを被ったコックやモッテスとマンゴネルのように手間をかけたアントルメ料理に多く見られる。

 

 

 

19-29(L)es autres membres de porc fres:

生の豚肉のその他の部分は冬、夏共にガーリックを除いた、コショウ、ジンジャー、パセリ、セージをヴェルジュ又は酢又は良質のワインで味を調えたグリーンソースといっしょに出す。塩漬けの豚肉はマスタードソースといっしょに出す。四つの足と耳、喉の垂れ肉はパセリとスパイスを酢で味を調えたソースと出す。内臓肉はよくローストしてガーリックソースとヴェルジュソースといっしょに出す。

シチュにする膵臓は、ピースに切り分けて少量の水と平鍋に入れクックし、その煮汁をとっておく。レバーとパン、コショウ、スパイスをいっしょにすり潰す。パンはトーストしないものを使う。それをクックした水で調える。私が今までにお話しした方法でサーヴする。酢を用意してトーストしたパンといっしょにモルタルの中でよく混ぜる。

 

グリーンソースは次の2つの料理書で見られる。

Menagier de Paris 276.スパイスの入ったグリーンソース。クローヴ、グレインズオブパラダイス、ジンジャーを非常に細かく挽き、モルタルから取り出す。次いでパセリ、又はウツボグサ( allheal )、ソレル、マジョラム又は4つのうち1つ又は2つとヴェルジュに浸したホワイトブレッドクラムを、濾して再び非常に細かく挽く。再び濾して全てをいっしょに入れて酢で香りをつける。

註、これはゼリーの料理によいがその時には、ブレッドクラムは除いておく。

註、あらゆるスパイスの代わりにローズマリーの葉だけを入れてソースにする者が多い。

Le Viandier 161. グリーンソース ( Saulce vert )

 

 

ウツボグサ Prunella vulgaris、シソ科ウツボグサ属の多年生草 )肺病や胃腸の病,又サラダ、スープ、シチュに用いた。ビタミンC, A, Kに富む。Prunella. All-Heal. Hook-Heal. Slough-Heal. Brunella. Heart of the Earth. Blue Curlsの別名がある。内部に生じた傷、外部にできた傷、いづれの傷にも効果があり、内部の傷にはシロップにして、外部の傷には軟膏,膏薬にして手当をすることができる。それ故にあらゆる傷に効く薬草の名が付いているのだと、カルペッパーが述べている。

 

 

 

30-31.por char de buef:

牛肉; 生の牛肉はホワイトガーリックソースと、塩漬け肉はマスタードソースといっしょに出す。よくラードした牛の内臓肉はパイに入れると旨い。

 

豚の臓物又は仔牛の臓物に関するレシピは下にしめすようにLe Viandier に存在するが、さすがに30-31.にあるような成牛に関するレシピは見られない。

Le Viandier 9.豚の腸。Le Viandier 33.チャーピィ(charpie;細かく切った肉の料理)参。

 

 

 

32-38.por char de veel;

仔牛; 仔牛のローストは腰肉を半茹でにしてラードしグリーンガーリックソース又はペッパーソースといっしょに食べる。ミンスするのがお望みであれば、半茹でしてピースに切って平鍋で脂またはベーコン脂といっしょにフライする。その中に溶き卵を入れコショウを振りかける。これがミンスした肉の料理である。

パイの中に入れるには半茹でした後ラードし、ピースにスライスしてそれをパイの中に入れる。

 

Le Viandier 32.に仔牛のレシピがあり、そこで使うキャメラインソースのレシピはLe Viandier  152.

 

 

 

39-41.por char de mouton:

; 羊の生肉は夏も冬もセージ、ヒッソプ、パセリといっしょにクックせねばならない。そしてグリーンソースといっしょに食べる。塩漬け肉はマスタードソースといっしょに出す。脇腹肉はローストして上に述べたソースで食べることができる。

 

大きな肉のレシピはLe Viandier  3.ボイルした肉の大きな塊、Le Viandier  34.ローストマトン

 

 

 

42-45.por chevreaus e aingneaus:

仔山羊とラム; 仔山羊とラムの肉はローストするのがよい。しかし、まず半ゆでしてラードを少しする。サワーペッパーのソースといっしょに食べることができる。クックしてヴェルジュ又はリンゴジュース、又はブラックペッパーソースで味を調える。

 

仔山羊とラムのレシピはLe Viandier 35.

 

 

 

46-52.Char de porcelez en rost:

ローストした仔豚。まず内臓に熱湯をかけ、水気を取って全てをいっしょにクックする。

卵をボイルして、堅い卵黄を作り、火の中で栗を焼き、五月のチーズをスライスしてSaint Riulle 又はQuaillouelの梨を石炭の上でクックする。それから全てを細かく刻み、挽いたシナモン(カシアのこと)、コショウ、ジンジャーとその他のスパイス、塩を振りかける。仔豚の1/3に砂糖をふりかけ、これを4つに切り分ける。スタッフィングとして食べるのが一番である。

 

五月のチーズとは五月に作ったチーズ。似た表現にmay cake , may butter

Saint Riulle, Quaillouel:いずれも地名。

ローストした仔豚のレシピはLe Viandier 31.ローストポーク

 

 

 

53-61.por chapons e gelines:

シャポンとメンドリ; シャポンとメンドリはローストするとよい。夏はワインソースを、冬はガーリック、シナモン、ジンジャーをアーモンドミルク又は羊のミルクで調えたaillieソースを(ガーリックソースの一種)添える。又、メンドリを生のハーブと塩で料理する。又シャポンとメンドリをシナモン、ジンジャー、その他のスパイスでつくったブロス(brouet)のなかにいれ、かき混ぜた卵黄を加え、肉を細かくピースに切り脂でフライする。パンを挽く前にサフラン、その他のスパイス、肝、を挽き、ブロスで調えてタオルで濾す。そしてボイルする。溶き卵とサフランとスパイスを良質のワインで味を調える。

 

Le Viandier では夏にはマストソースで冬にはポワトウソース又はジャンスソースで。そしてマストのない冬にはそれに似たソース、つまりワインに砂糖を入れてボイルしたソースを提案している。

Le Viandier  38.若いめんどりとヒナ, Le Viandier  39.シャポン、若いめんどり、若いおんどりのロースト参。

 

 

 

62-67.por fere faus guernon:

ひき肉で作るfalse guernon; ひき肉でアントルメを作るのがお望みであれば、肝と砂嚢を用意し、細かく刻み、パンを挽いてブロスで調え、ボイルする。溶き卵の黄身とサフランを加えワインで調え、フライした後、ミルクを加え、脂の中で肉を細かく刻んで脂状にする。そしてボイルする。ずうっとかき混ぜ、卵とサフランを加える。ボールに入れて混ぜる。挽いたシナモン、ジンジャー、クローヴをそこに加える。

 

faus guernon:スパイスを利かせたひき肉のペースト。

Le  Viandier 60. フォ グレノン( Faulx grenon; スパイスを利かせたひき肉のペースト。アンルメとして紹介している

 

 

 

68-69.por oues:

ガチョウ; ガチョウは 夏はガーリックソースで、冬はホットペッパーソースといっしょに出す。塩漬けのガチョウはスープに入れてマスタードソースといっしょに食べる。

 

ガチョウとガチョウのヒナのローストはLe Viandier  37.

 

 

 

70-72.Mallarz e anes privees au poivre chaut:

アヒルの雄と雌はホットペッパーソースを添え、野生の雄と雌の鴨はセージソースとパセリソース、シナモンソース、コショウを抜いたジンジャーソースで供する。又塩漬けの鴨はマスタードソースを添える。

 

 

 

73-74.Oiseaus sauvages,comme grues,….:

鶴、雷鳥、サギのような野生の鳥は脚と頭を付けたままローストする。

 

Le Viandier 53.サギ、Le Viandier  54.野ガン、ツル。コウノトリ、Le Viandier 52.コウノトリ。ガチョウ参。

 

 

 

75.Macroles, colandes, noncelles,….:

雄のアカライチョウ、オオバンnoncelles (狩猟鳥)、チドリはローストしてホットペッパーソースを添える。

 

チドリとヤマシギのレシピはLe Viandier 47.、ヤマウズラはLe Viandier 48.、キジバトはLe Viandier  49.

 

 

 

76-79.Perdris, tuertereles, gelines….;

ヤマウズラ、キジバト、野生のめんどり、鵜はどれも少しラードし、ローストする。コショウを抜いてワインで調えたシナモンとジンジャーのソースを添える。

又、ヤマウズラとキジバトはパイに入れる。

野生のめんどりは9月、10月にサワーペッパーソースを添える。

 

ヤマウズラのレシピはメナジェには一つだけ、鹿肉又はベーコンといっしょに串に刺して焼き、塩を振って食べるとある。ヤマウズラは入手が困難で次のようなレシピがある。

Menagier de Paris 241.ヒナから若いヤマウズラを作るには、小さい若いめんどりを用意し、1-2日前に殺しておく。その脚と首を叩き切り、内臓を出して捨てる。胃袋を割き、モモの上の上の肉が短くなるようにする。ローストして飾り、ヤマウズラの様に塩で食べる。

 

 

 

80-88.Touz cignes, poons:

白鳥、クジャク; まず頭のところで血を抜き、肩の辺りの後ろを切り、内臓を取り出す。頭と脚を金串で突き刺す。サフランと白いパンを挽いて、ワインで調えた後、卵黄とサフランを挽いて羽根で鳥の上に塗る。その上にスパイス、ガジュッツ、ハートワートの粉をふりかける。白鳥、クジャクがクックしたら押して水分を取りタオルで包みテーブルへ運び領主様に、首と頭をそして羽根と腿をそしてその他の部分をお出しする。

 

クジャク、白鳥は、Le Viandier 50.

Menagier de Paris 153. クジャク、キジ、白鳥、サギ、野ガン、ツル、ライチョウ、サンコノゴイ、鵜は乾いた状態で羽を抜くか又は、白鳥の様に血を抜く。頭と尾を残すものと、頭と脚を残しておくものがある。残りのトリは白鳥と同じように扱う。

又、尾を取ったキジはローストするときは背に2-3本の羽を残しておき、後で添えてサーヴする。

 

野鳥は鷹狩で手に入れるため、狩をした鷹の分け前として与えた部位が欠けた鳥がテーブルに上がることはよくあることであった。ヤマウズラとアヒルの頭、鶴の腿は鷹の分け前であった。この習慣が料理のルールになったのである。しかし、私はかって尾のない鳥の記憶はない。なぜならサギや他の鳥の尾は領主のものだからである。

 

 

 

89-92.Touz conins e touz lievres sont bons en paste’:

全ての兎と全ての野ウサギはパイに入れるのがよい。兎は脚も付けたままローストし、ホットソース又はサワーペッパーソースを添える。夏にローストした野ウサギは匂いがきつくてよくない。野ウサギは薄くラードしてパイに入れるとよい。なまの肉はホットペッパーソースを添え、塩漬の肉はマスタードソースを添える。

 

兎はLe Viandier 40.、野兎のローストはLe Viandier  42.

 

 

 

93-96.Char de chevrel:

ノロ鹿; 腰肉は薄くラードをしてローストするかパイにしてホットペッパーソースで又は冬にはガーリックソースを添える。ガーリックソースはガーリックとシナモン、ジンジャーをアーモンドミルクで調えたものである。アーモンドは暖かい湯に浸しておく脂又はベーコン脂でフライしてそこにソースをかける。

 

レッド鹿とノロシカはLe Viandier 6.

 

 

 

97-100.por blanc douchet:白いdouchet-白いdouchetがお望みであれば冬にめんどりを用意して水でクックする。脂のアクを取り、めんどりの白い肉を用意してよく挽く。火にかけてクックした卵黄を用意して少量のアミドン(amidon:小麦またはライ麦のでんぷん)といっしょにクックする。カワカマスやパーチで作ることができる。それは魚の料理である。

 

病人のためのシャポンの白い料理はLe Viandier 92.

 

 

 

101-104.pour comine(e) de gelines:

めんどりのクミン料理(cominee’; めんどりのクミン料理を作るにはめんどりを用意してワインと水でクックする。ボイルして脂のアクを取り、めんどりを切り分け卵黄をブロスとよく混ぜてクミンを混ぜる。全てを入れる。これがめんどりのクミン料理である。

 

ニワトリのクミン料理はLe Viandier 12.

 

 

 

105-110.Por fere blanc brouet de gelines…:

めんどりの白いシチュウを作るにはめんどりをワインと水でクックする。

アーモンドを用意して挽きブロスで調えポットの中でクックする。めんどりをピースに切りフライする。ポットの中に全て入れボイルする。アーモンド、クローヴ、シナモン、ロングペッパー、orage ,ガリンゲイル、サフランと砂糖を用意して少量の酢で味を調え、全てをいっしょに提供する。これでよいシチュが出来る。

 

病人のためのシャポンの白い料理はLe Viandier 92.

 

 

 

111-114.por soutil brouet d’Engleterre:

手の込んだイングリシュスープがお望みであればメンドリを用意し、その肝をクックする。栗を用意して殻を取りいっしょに挽く。これを鳥をクックしたブロスで調えジンジャー、サフラン、ロングペッパーを加え、澄んだブロスに混ぜる。これをいっしょに提供する。

 

手の込んだイングリッシュスープ ( Soutil brouet d’Angleterre ) Le Viandier 24.

 

 

 

115-118.por grave’ de menus oiseaus:

小鳥のラグー; 小鳥のラグーを作るには鳥をポットに入れ、パリパリに焼いたベーコンで被い、そこにワインと水、コショウ、ジンジャーを入れ、よくおおいをして蒸気が逃げないようにクックする。

 

小さな鳥或いは好みの肉のラグーLe Viandier 18.

Menagier de Paris 75.ラグー(Grave’ ou seyme’)これは冬のスープである。タマネギの皮をスライスし、ボイルする。ポットの中でフライする。トリの背を横に切り裂いて石炭の火の上でグリルして茶色に焼く。又は仔牛で同様にする。仔牛は一口大に切って、トリは1/4に切る。ポットの中にタマネギといっしょに入れる。グリルで白いパンをトーストして他の肉のseweにつけて湿らせジンジャー、クローヴ、グレイン(オブパラダイス)、ロングペッパーを挽き、ヴェルジュとワインを混ぜて(シーヴせずに)横に取っておく。パンをすり潰しシーヴしてスープの中に加える。全てを濾してボイルする。そしてサーヴする。

Menagier de Paris 74.小さいトリ又は他の肉のラグー。乾いた状態で羽根をむしり、ベーコン脂をキューブに切って、平鍋に入れ、脂を出し、トリをフライする。そしてミートストックに入れてクックする。グリルで茶色にしたパンまたは、ミートストックと少量のワインで湿らせたパンクラムを用意し、ジンジャー、クローヴ、グレイン(オブパラダイス)パウダードシナモン、肝を挽く。パンとストックをシーヴしてスパイスは細かく挽いてシーヴしない。ヴェルジュを少量入れ小さいトリといっしょにボイルする。又、ブイヨンがない場合には、豆から出た汁を使う。又、このスープは濃すぎず、しかし澄んでいてレバー又はパンだけでとろみを付ける。

 

 

 

119-124.por blanc mengier:

ブラマンジェ; ブラマンジェを作るにはメンドリの手羽と脚を用意して水でボイルする。米を少量用意して澄んだ水に浸して小さな火の上でクックする。肉を髪の毛のように細く裂き、少量の砂糖といっしょにクックする。赤い色素(Lac)が入らなければ、そしてメンドリのブロス又はアーモンドミルクといっしょに米をクックするのであれば、この料理は赤くはならない。

 

Lac:Kerria Laccaのような昆虫由来の色素。この時代食品の着色に用いられた、今日も使われている食品色素である。

食材としてLe Viandierに米が出てくるのは66.182.の二箇所。 Le Viandier では病人のためのシャポンの白い料理として紹介している。シャポンのモモ肉と大量のアーモンドをブロスに浸しチーズクロスで濾す。その濾し汁をスライスできるまで煮詰める。

Menagier でも病人のためのブラマンジェとして紹介している。たくさんのアーモンドとシャポンの肝を挽いてブロスと混ぜシーヴを通してボイルする。

 

 

 

125-128.commence de poissons de mer e d’eve douche:

海と河の魚の料理について述べる。-チョウザメは王様の魚であり、いくつかのピースに切り分けそれを串に刺す。その他のものもそのようにする。ホットペッパーソース又はパセリソース、フェンネルソースとワインサワーソースで供するのであれば水でクックする。塩漬けのものはマスタードソースを添える。

 

チョウザメLe  Viandier 133.

 

 

 

129-130.(S)e vos volez fere comminee de pesson,…:

魚のクミン料理がお望みであればクミンとアーモンドを用意して挽いて澄んだ水で調え、濾して魚といっしょに提供する。

 

魚のクミン料理Le Viandier 73.

 

 

 

131-136.Se vos volez fere sarraginee,…:

saragineeがお望みであればウナギを用意してうろこを取り、ピースに切って塩をしていっしょにフライする。パンと砂糖を用意していっしょに挽き、ワインとヴェルジュで調える。それをウナギといっしょにボイルする。シナモン、ラヴェンダー、クローヴを用意していっしょに挽いて少量の酢で調える。それをウナギに添え、蓋をしっかりして火にかける。

 

Soringue(おそらくサラセン由来のウナギの料理)Le Viandier 77.

 

 

 

137-140.por let de Provence:

プロヴァンスのミルク; プロヴァンスのミルクを作るのがお望みであればアーモンドを用意して挽いてワインと水で調え、パセリとリング状に切ったタマネギ、ウナギをまぜ、全てをいっしょにフライする。そしてサフランと水とロングペッパーを用意する。

 

 

 

141-143.Se vos volez fere galentine a luis,..:

カワカマスのギャランティーン(ゼリー状の肉の冷たい料理)がお望みであればコショウ、シナモン、ジンジャーを用意しいっしょに挽き、強い酢を入れて味を調え魚をクックしてそこに入れる。

 

大きなカワカマスはLe Viandier 94.

 

 

 

144-153.Se vos volez fere galentine a la lampree,…:

ヤツメウナギのギャランティーンがお望みであれば、膨らませたパンを用意して挽き、ヤツメウナギの血と良質の白ワインいっしょにクックする。そこにコショウと塩を十分に入れる。それからヤツメウナギを用意してタオルの上で冷ます。パンを用意して挽き酢で調える。裏ごしをしてきれいな平鍋に入れ、焦げないように暫くボイルする。これを冷ませてよくかき混ぜます。ジンジャー、シナモン、クローヴを用意して挽きあなたのヤツメウナギの上にきれいにのせてクックする。そしてあなたのbariz(?)を加える。

 

Soringue(おそらくサラセン由来のウナギの料理)Le Viandier 70.

 

 

 

154-160.Se vos volez fere gelee de pesson,…:

魚のゼリーを作るには魚の背を砕きピースに切る。つまり、コイ、テンチ、ブリーム、大ヒラメを十分な量の強いワインでクックする。シナモン、ジンジャー、ロングペッパー、ガリンゲイル、ラヴェンダー、少量のサフランを挽きいっしょに入れる。火にかけたものを濾し、魚をボールに取りだし、そこにかける。濃すぎるようであれば濾して朝までに冷ましておくと、それまでにそれはゼリーのようになっている。

 

ぬるぬるした魚のゼリーとその肉の料理Le Viandier 70.

ゲラルドがラヴェンダー、クローヴ、シナモン、ナツメグをいっしょに粉にして水に入れて飲むと息切れ、動悸に効果があると述べていることから、上のような複雑な()スパイスの香りには日常から親しんでいたと思われる。

 

 

 

161-165.Se vos volez fere blanc mengier en Caresme,…:

クリーム状のブラマンジェを作るには米を用意し水でクックし、クックしたら裏ごしをしてポットに入れ、封をする。それをよく乾かし、挽いてアーモンドミルクで暫く調える。ボールに入れてスパイス、クローヴ又は焼いたアーモンドを振りかけて混ぜる。

 

ミートデイのための色を付けた米料理Le Viandier 66.

 

 

 

166-169.Se vos volez fere flaons en Caresme,…:

クリームフランを作るにはウナギを用意してクックしたら骨を取る。モルタルの中でよく潰し、少量のジンジャー、少量のサフランとワインを加える。その混ぜ物でフランを作ったりタルトを作る。

 

Le Menagier de Paris  247.レントに食べるフラン(Flanons en Karesme

ウナギを殺して皮を剥ぐ(又は蒸す)。熱い湯の中でクックして身だけを残らず取り、頭と尾を残す。モルタルの中でサフランを潰し、そこにウナギの身を入れて潰す。ホワイトワインに浸し、これでフランを作る。その上に砂糖を振りかける。

 

 

 

170-173.Por fere pastez norreis,…:

ノースパイはカワカマスを少量又はその他の魚を用意してボイルする。ダイスの大きさに切りジンジャー、シナモンを加え少量のワインで調える。パイの中に入れる。小さく作って油でフライする。

 

ノースパイはチョップした魚をディープフライしたパイ。

ノースパイLe Viandier 193.

Le Menagier de Paris 258.ノースパイ(Paste’s Norrois)はタラの肝で作り、時々刻んだ魚を入れる。まず、ゆっくりとボイルし、細かくチョップする。3ペニー貨の大きさの小さなパスティの中に入れる。その中にパウダードスパイスを上に振る。パイ職人がクックしていない(パイを)オーヴンのところへもって行き、フッシュデイには、丸ごと油の中でフライする。ミートデイには、牛の骨髄から作り、穴の開いたスプーンの中に入れミートポットのブロスの中に、羽根を取っていないニワトリを湯の中に入れておく位の時間入れておく。次いで冷水の中に入れ、骨髄を切って小さな弾丸又は、小さな丸いボールの大きさに切る。これをパイ職人の所に持って行く。職人はパスティの中に3-4コを入れて上にパウダードスパイスを振る。オーヴンの中でクックせずに油の中でクックする。

 

 

 

174-178.Se vos volez fere pastez qui aient savor de fromage,…:

チーズのよい香りのするパイ又はクリームフランを作るにはコイ、カワカマスの柔らかい魚の卵とパンをいっしょに挽きアーモンドミルクで練る。白すぎたらすこしサフランを加える。これでチーズの香りがするあなたのクリームフランができる。

 

Le Viandier 152. レント中にフラン、又はタルトを作る(Flans, tartes in Karesme

 

 

 

179-180.ici enseigne des pessens reaus e des autres vinades:

ここから魚の卵とその他の肉のレッスンがはじまる。

生のあなごはセージ、パセリ、コショウ、ジンジャーを酢かヴェルジュで調えたグリーンソースで供するのがよい。

 

Le Menagier de Paris 198.アナゴ

ウナギと同じように皮を剥き、鱗を取って鍋の中に入れ、赤ボラの様に塩をする。牛肉の様に長時間ボイルする。ほとんどできたところでパセリを入れてボイルする。(冷やしてから)再びその汁の中でクックし、サーヴしてグリーンソースでたべる。グリルの上でクックする者もいる

 

 

 

181.Saumon fres au poivre charut.:

生のサーモンはホットペッパーソースで、塩漬けはマスタードソースで冬と夏に供する。

 

生のサーモンLe Viandier 119.

 

 

 

182-185.Luz a lassausse verte….;

カワカマスはグリーンガーリックソースで、又ギャランティーンソースといっしょに供する。レッドフィッシュブロスで供するにはまず、魚をローストしてそれから発酵中のブドウ果汁又は洋梨のサイダーの入った平鍋の中に入れ、ボイルする。あらゆる種類のスパイスのパウダーとパンを用意し平鍋の中のブロスで調え、ボールに入れて、そこへ魚を入れる。

 

レッドフィッシュブロス(Luiz au bescuit)とは調理の過程で出た汁にギャランティーンの色が付いたもの。

 

 

 

186.Perches a lassausse de vin.

パーチはワインソースといっしょに供する。

 

パーチ Le Viandier 100.

 

 

 

187-189.Anguilles en pastez:

ウナギはパイにする。塩漬けのうなぎは水でクックしてマスタードソースといっしょに供する。

全ての淡水魚は水でクックしてグリーンガーリックソースを添え、塩漬けした魚はマスタードソースを添える。

 

Pastez:ペーストリィシェル、パイ。

ウナギLe Viandier 104.

 

 

 

190-192.Por bresnes cuites en eve,…:

ブリームは水でクックしてコショウ、シナモン、ジンジャーをヴェルジュで味を調えたサワーペッパーソースをそえておきます。魚の肉をピースにして平鍋に入れ火の上に置く。

 

ブリームLe Viandier102.

 

 

 

193.Loches e chavesoz a lassausse verte;

ドジョウとうぐいをグリーンガーリックソースでクックしてフライしたものはマスタードソースを添える。

 

ドジョウLe Viandier 107.ホタテLe Viandier 137.

 

 

 

194.Hanons au cyve’ ou cuiz en eve...;

ホタテ貝はcivetにするか水でクックしてペッパーソースとジンジャーソースを添える。

 

Le Menagier de Paris 221.ホタテ貝

註、バラバラになっているのではなく、一塊になっているものは新鮮で赤や生き生きした色をしていて新鮮である。塊りではなくバラバラになっているものは採ってから時間が経ったもので死んだ色をしている。ピックアップしてたくさんの熱い水で2-3回よく洗い更に冷水で洗う。タオルで水気を取り火で乾かす。クックしたタマネギと一緒に油の中でフライしスパイスを振ってほとんど傷のない葉、小麦の芽又は、ソレルの芽や葉又は、(チコリ)と一緒に食べる

 

 

 

195-196.Raie, chien de mer,…:

エイ、ドッグフィシュ(小型のサメ)、カワカマス, brotele(?) はホワイトガーリックソースを添える。塩漬けはマスタードソースを添える。

 

ドッグフィッシュ(Dog fish;小型のサメ)Le Viandier 123. エイLe Viandier 136. 大きなカワカマスLe Viandier 94. 大きなカワカマス。水でクックして、グリーンソースでたべる。キャメライン(ソース)のように作ってギャランティーンにする。

 

 

 

197.Esp(e)llens au poivre aigre,…:

ワカサギはジンジャーとシナモンで作ったサワーペッパーソースを添える。

 

ワカサギLe Viandier 132.

 

 

 

198-200.Bars d’eve douce rostiz sus le greil,…:

河のコルビナ(Bars)は小さな火のグリルの上でヴェルジュといっしょに焦げないようにローストする。水でクックしたものはグリーンソースといっしょに食べる。

 

バス Le Viandier 96.

 

 

 

201-205.Maquereaus fres sont bons en paste’,…:

生の鯖は少量のコショウと少量の挽いたスパイスと塩を振ってパイにするとよい。

また、ローストした生の鯖はガーリックを省いた、シナモン、ジンジャーをサワーワインで調えたキャメラインソースと供するのがよい。水でクックした時はコショウ、シナモンジンジャーで作ったソースといっしょに食べる。塩漬けはマスタード又はワインソースといっしょに供します。

 

サワーワインとはワインが酢に変化する過程のものと思われる。

 

 

 

206-208.Morue fresche doit estre...;

生の鱈は濃い塩水でクックしてガーリックのwhite aillie ( ホワイトガーリックソースの一種 )とアーモンドで食べるのがお望みであれば酢で味を調え油でフライする。塩漬けはマスタードソースといっしょに出す。

 

aillieソース:Le Viandier 5361で述べられている様にガーリック、シナモン、ジンジャーをアーモンド、羊乳などのミルクで調えたソース。ガーリックソースと似ているが調える液体部分が変化する。

キャメラインソースLe  Viandier 152.

Menagier de Paris 271.キャメライン.Tournais ではキャメラインを作るのにジンジャー、シナモン、サフラン、ナツメグを半分いっしょに挽いてワインの中に浸す。モルタルから取り出し、トーストしてない冷水で湿らせた白いパンクラムを用意しモルタルの中で挽く。ワインに浸して濾す。全てをボイルし、最後に赤い砂糖を加える。これが冬のキャメラインである。夏には同じ方法で作るがボイルはしない。実は、私の味覚では、冬の作り方は旨いが、次のものは(夏に)はるかに味がよい。ジンジャーを少量、たくさんのシナモンを挽き、取りだした後でトーストしたパン又はたくさんのパンクラムを酢の中に入れて挽いて濾す。

サバLe Viandier 120.

 

 

 

209-211.Plaiz, flondres, cuites en eve,a lassause de vin.:

カレイ、ヒラメは水でクックしてワインソースを添える。また、カレイ、ヒラメはセージとパセリ、シナモン、ジンジャーとその他のスパイスで調えたギャランティーンにして酢で味を調える。

 

カレイLe Viandier 139. ヒラメLe Viandier 140.

 

 

 

212-213.Mellens fres as aus de pain e desfaiz de verjus de grain.:

生の小鱈はパン、ガーリックに穀物のヴェルジュで味を調えたものといっしょに供し、塩漬けはマスタードソースを添える。

 

穀物のヴェルジュ(vert jus de grain)とは小麦の青い葉の汁。

小ダラとハドックLe Viandier 123.

 

 

 

214-215.Gornars cuiz en eve a la sausse cameline:

ホウボウは水で煮て酢で味を調えたキャメラインソースを添える。またホウボウにはホットペッパーソースを添える。

 

(赤い)ホウボウ、赤いボラ、(灰色)のホウボウLe Viandier 115.

 

 

 

216-217.Harens fres e poudre’s a l’ail.:

生のニシンは酢のガーリックソースを振る。Gernemusのニシンはヴェルジュ又はマスタードソースといっしょに供する。水でクックした生のニシンはホットペッパーソースを添える。

 

Le Viandier 156. 生のヘリングのためのガーリック(ソース)。(ガーリックを)マスト又はヴェルジュに浸す。

 

 

 

218-219.Seiches blaches a l’aillie de vin aigre.:

ホワイトコウイカは酢のガーリックソースといっしょに供する。

又、タマネギのcivetに入れる、又は油でフライしたものは、濾したアーモンドとコショウを添える。

 

Le Viandier134. コウイカ。皮を取り、一口大に切る。鉄鍋の中に入れ塩をして火にかける。かき混ぜてはらわたが抜けるまで数回ひっくり返す。布の中に入れ十分に水気がなくなるまで絞る。油でフライ(タマネギは茶色になりすぎないように後で入れる)する。粉をする者もいる。セッティングする時に上にスパイスパウダーを加える。酢に漬けたホワイトガーリック(ソース)といっしょに食べる。お望みであればシチュやポタージュに入れて食べることもできる

 

 

 

220-221.Oistres en cive’,…:

カキはcivetにする。まず水の中にタマネギ、コショウ、サフラン、アーモンドのaillieを入れてクックする。またカキは塩とよく膨らませたパンといっしょに供する。

 

オイスターのラグーLe Viandier 79.

Menagier de Paris 130.オイスターブロス.熱湯をかけてオイスターをよく水洗いし、ボイルするまでクックする。水分を切って、油の中でクックしたタマネギといっしょにフライする。トーストしたパン又はたくさんのパンのクラムを用意しそれを豆の水又はオイスターをボイルした水それにワインを加えて浸して濾す。シナモン、クローヴ、ロングペッパー、グレイン(オブパラダイス)、色づけのサフランを用意して挽き、ヴェルジュと酢で湿らせて挽く。これを横に取っておく。トーストしたパン又はパンのクラムを挽き、クックした豆から出た水又はオイスターからの水と、オイスターが十分にクックしていない時にはオイスターを加えていっしょに挽く。

カキにはラグー、シチュ、ブロスなど色々な名称の料理があるが、この時代、全てのカキの料理はこの範疇を出ない。

 

 

 

222.Metez esturjon e cen qui …:

チョウザメを用意する。あとはアナゴの調理に従う。これが正しい方法だ。

 

チョウザメLe Viandier 133.、アナゴ Le Viandier 116.

 

 

 

223-225.Quiconques veut servir en bon ostel,:

どんなバカものであっても心の中に又は以下に書かれた事柄を心得ているのであれば良家に仕えることが出来よう。しかしその心得が無ければご主人様にこころよく思われてお仕えすることが出来ないであろう。

 

 

 

226-228.Ci fenist le traitie’ de faire …:

これでワイン、クラレット、マルベリー(murrey)、その他たくさんの飲み物の名前とその作り方,そしていろいろな国の様々な方法で料理した肉料理のサーヴの仕方と名前などの約束事をのべることを終える。

 

クラレットワイン:フランス南西部のボルドー一帯は世界的に最も有名なワイン産地の一つであり、ここで産出される赤ワインは、クラレット ( Claret )とも呼ばれる。

 

 

 

 

                                                                                完
to the top