Das Kochbuck des Meisters Eberhard--------1400

   
         

 

 

                                         Volker Bach氏によるDas Kochbuck des Meisters Eberhard の英語訳。

                            http://www.florilegium.org/files/FOOD-MANUSCRIPTS/Eberhard-art.htmlから閲覧できます。

                                                                   Copyright © 2010佐藤義範

 

 

Giano Balestriere氏によって翻訳された、15世紀のバイエルン-ランドシャット家由来の栄養学及び料理レシピ集である。

Meister Eberhard は南ドイツの流れを汲む、15世紀前半のバイエルン・ランドシャット( Bayern-Landshut )家と縁が深い。著者は推定の域をでないが、ランドシャット家の料理人であろう。料理のレシピと栄養に関するテキストをさまざまな文献から引用した内容が圧倒的に多く、セイント ヒルデガルディス ビンゲンシス( St. Hildegardis Bingensis )が書いたものも含まれている。(私は今も尚、ヒルデガルディスがどこから引用したのか、その出所を調べているが-----おそらくSalernitan Regimen SatitatisTacuinum と思われるが、確証は得ていない。) Copyright 2005 by Volker Bach, Gerichtstrasse 6, D-22765 Hamburg, Germany.

 

 

 

ランドシャット家のヘンリー伯に仕える料理人が著したMeister Eberhardの料理をこれより述べる。

 

 

R-1. サワーチェリーのソースを作る。

サワーチェリーのソースをたっぷり作ろうと思うならば、チェリーをポットに入れ、残り火の上に置いてボイルする。一度冷まして布で濾す。再びポットに入れて残り火の上に置いて煮詰まるまでボイルする。蜂蜜、挽いたパン、クローヴ、良質のスパイスパウダーを加えて、これを小さな貯蔵用の樽に入れる。3又は4年間は十分に保存できる。

 

R-2. レントの時のソースを作る。

ホースラディッシュを用意してモルタルの中で潰す。アーモンド又はナッツを用意してこれも潰す。これにワインを注ぐ。ホースラディッシュを貴方の食事といっしょに摂ると非常に良く石を砕く。

 

R-3. 別のソース。

セージ、パセリ、ミントとペッパーこれらをヴィネガーといっしょに潰すと食欲を増すソースができる。

 

R-4. ローストしたピーの料理。

ボイルしたピーを用意して布で濾す、又は篩を通す。同量の卵を入れてかき混ぜ、バターの中でフライする。串に刺して良くローストする。卵と緑色の野菜で覆いサーヴする。塩をしすぎないこと。

 

R-5. ニワトコの花のmus.

ニワトコの花を用意して牛の乳の中で挽く。粉を用意してこれでmus(ムース、プディング又はポリジの意味)を作る。これは頭の働きをよくし、判断力を良くする。

 

R-6. musをたっぷりと作る。

ナッツを用意して細かく潰し、新鮮なミルクといっしょに布で濾す。良くボイルしたsusser, semel(細かい白いパン)のクラムを加えて、たっぷりとラードを入れて卵黄の中でかき混ぜる。スパイスを効かせるが塩をたくさん入れないこと。

 

R-7. 魚のフライしたmusを作る。

Pey(小さい)魚を用意してヴィネガーの中でマリネする。これをアーモンドミルクの中に入れて米と混ぜる。少し溶けたラードを加える。塩をしすぎないこと。

 

R-8. 子牛のレバーで料理を作る。

子牛のレバーを用意し手細かくチョップする。新しいベーコンとレーズンを加える。貴方の前にネットを置いて卵黄を厚く塗る。レバーを用意してその上にネットを重ねていっしょによく縛る。鉄板の上に置いてローストする。半分を赤い卵黄で包み、その後パセリと緑色の卵黄で残り半分を包む。塩をしすぎないこと。

 

R-9. meyschen(五月)のケーキを作る。

卵を10個用意して良くかき混ぜる。そこにパセリを加えて混ぜる。モルタルを用意してそれを石炭の上に置き、スプーン一杯のラードを入れて熱する。卵を入れて緩やかな火で焼く。ボールの中に入れる。塩をしすぎないようこと。

 

R-10. 五月にgesp^tという料理を作る。

熟成したチーズを用意して薄くスライスする。卵を6個用意してチーズの上で割る。平鍋の中で5月のバターを溶かし、卵とチーズを入れて火にかけ、滑らかになるようにゆっくりとクックする。サーヴするが塩をしすぎないこと。

 

R-11. あらゆる種類の魚のフランを作る。

濃いアーモンドミルクを用意して、米の粉と混ぜ、ここにりんごを1個又は2個とスパイスを少し加える。オーヴンに入れて焼く。塩をしすぎないこと。

 

R-12. 12月頃にマシュルーム料理を作るには。

ホワイトブレッドと少量の粉でバターを作り、その中に卵を割って入れる。大きな結び目を2つ作ってバターの中に入れてその中で動かす。それを熱し過ぎないラードの中に入れて少し焼く。取り出して結び目の真ん中を切り開いてそこに固ゆでした卵を入れて、柔らかいバターの中に漬す。ラードの中に入れて焼く。そこにマシュルームを置いて焼く。

 

R-13. gestrocztesフリッターを作る。

たくさんの卵を入れてバターを作る。スパイスを効かせて黄色にしておく。1ダースのhelmm(マシュルームの頭?)をその中に入れて湿らせる。これを取り出してラードの中で焼く。塩をしすぎないこと。

 

R-14. 卵でたくさんのケーキを作る。

好きなだけの卵を用意して良く溶きほぐす。きれいなホワイトブレッドを5 lot(重さの単位)に切る。レーズンをバターの中に入れる。平鍋の中でラードを十分に熱してその中に卵を入れる。内側と外を焼く。ボードの上に置いてスパイスをその上でチョップする。スライスしてサーヴする。

 

R-15. ミルクケーキで作る料理。

それを小さく切ること。

(表題とレシピの間にギャップがあり、おそらくこの後が抜けているのであろう)

 

R-16. …….ポット、そしてその中に水を入れてカバーをしてボイルする。ガラスの入れ物の中でそれが伸びるので、貴方はその脚と羽根、体全体を見ることができる。この方法で上手に作ることができる。

(これは最後の部分で“入れ物に入れたニワトリ”の様である。Sabina Welserinを参照されたい)

 

R-17. 一皿から三皿の料理を作る。カワカマスを一匹用意して、真ん中を濡れた布で包み、厚い鉄板の上に置く。塩をしてローストする。正面は粉をして溶けたラードを上にかける。布の上から熱いワインを注ぐ。魚の後ろは鉄板の上でそのままローストする。

 

R-18. 肉を上手にクックするには。

Peciaワインを用意して生肉を入れたポットの中に入れてクックする。

 

R-19. 塩を入れすぎた料理から塩を取り除く方法。

麻の布から容器の中に小麦粉を入れ、その料理をbulie(ボイルしている間に?)の中に入れる。

 

R-20. 食欲をそそる目的で、ガーリックで作るソース。

ペッパーを30粒用意して潰す。これを3日間jeiunusjuniper; 杜松)といっしょに入れておく。又はセージの葉を3枚と塩を適量用意してガーリックとルリハコベの花を加えて(その)ジュースを作る。

(これは1つのレシピなのか2つなのかはっきりしない)

 

-21. 黒い魚を作る。

魚をクックするまでボイルする。挽いたクローヴを用意してそこに加え、再びボイルする。

 

R-22. カワカマスで透き通ったきれいなゼリーを作る。

 

R-23. 仔牛と同じくらいボイルしてからコトコトとボイルする。ブロスをこぼして魚を取り出す。しっかりと分ける。平鍋を用意してその中にラードを入れる。(平鍋を)暖め、バターの中にストックフィッシュを入れて、加熱する。ジンジャー、サフラン、魚のブロスを用意して色を付け、平鍋の中のストックフィッシュに注ぐ。1回又は3回ボイルする。これで十分にクックできた。

 

R-24. ガチョウの中にある悪いpredenが出るように2-3日絶食させる。そして穀物を食べさせる。殺して火でローストする。肉汁がしみ込むようにセージとその他の良質のスパイスを詰め、脂が垂れ落ちるようにワイン又はヴィネガーを振り掛ける。

ガチョウの脂は食べるべきではない。(ガチョウの)脂は悪湿で病気を引き起こすからだ。健康な人々はこの方法でガチョウをローストして食べるべきである。そうすると危害が少なくてすむ。病人はほんの少しにしておくべきである。水の中でボイルしてクックすると水に妨げられてpreden(悪い)がそこから抜けないので健康に良くない。

 

U-25. ここから後は穀物とその活用方法を述べる。

 

R-25. 米は寒でも熱でもなく、栄養が良い。ミルクの中で良くボイルすると血が増える。しかし、絶えず体が病む人達には有害で、便秘を引き起こし、十分に消化されない。

 

R-26. キビは寒で乾であり、便秘を引き起こし、栄養にはならない。オートとスペルト小麦も同様である。

 

R-27. 大麦は風と寒を引き起こし栄養が良くない。寒に原因がある、又は体に絶えず痛みがある病人には害がある。しかし、暑の性質、又はより小さく(体重減?)なりたいと思っている人達には良い。食べるか又はフェンネルシードといっしょに飲むと肺のあらゆる病に対し良である。Avicenaは、大麦の水は寒であるので胃を傷めるが、熱のある人には良であると述べている。

 

R-28. レンズ豆は穏やかな熱で乾なのでたくさんの血を作る。ヴィネガーといっしょにボイルすると血液による炎症を抑える。たくさん食べると体を大変乾燥させるので黒い目になる。Avicina,レンズ豆は胃に損傷を与えてガスを出し便秘になると述べている。

 

R-29. ヒヨコマメは体を熱くしてガスを出させ、たくさんの小便を出させる。婦人の4週に一度のあるべき周期を作る。Averroesは、ヒヨコマメは膀胱や腰の中にある石を砕き、ボイルしたヒヨコマメのブロスにも同じ働きがあると述べている。Glen,ヒヨコマメのブロスはそれがボイルしたものであれば、肝によい、ヒヨコマメのブロスは肝をきれいにして、腎臓の中で石を大きくする粘液と汚れた物をたくさん体から追い出すと述べている。

 

R-30. ピーブロスは同じ力を持っている。しかし強力ではない。ヒヨコマメのない時はピーをボイルしなさい。ヒヨコマメと緑色のピーは悪湿を引き起こすので食べるべきではない。

 

R-31. ビーンズは体にガスと痛みを引き起こす。それに眩暈を引き起こす。Rhazesは、ビーンズをたくさん食べる者は判断が付かなくなりついには気が狂ってしまう。深いため息をつき、何かに強要されているように思う、又はそれが間違っているのだと思うようになる。そして意識して他人を判断できなくなると述べている。世間の人々は何故ため息を付くのか理解できないのです。Galen,ビーンズは血を作り、強健な人間は進んで食べるべきであるが,よくボイルすべきである。ヴィネガーといっしょに摂り、良くボイルしておくこと。そうでないと生で食べると悪湿を胃と腸に起こしてガスが出る。そこから大きな病に至ると述べている。

 

R-32. 蕪は体を熱くし、湿を起こし、体の中にガスが出て、不純な思いを起こさせ目をきれいにするとAverroesは述べている。

 

R-33. タマネギは熱の4度、湿の3度であり、頭痛と不純な思いを起こさせる。生で食べると悪湿を起こし、非常に喉が渇く。

 

R-34. マスターRhazesによればガーリックは熱と乾の4度の真ん中であり、タマネギの性質を持っている。その性質に加えてガスを追い出し、体の中に圧力を加える。食べると大きな熱を出し悪湿をもたらし、その蒸気が頭の中に上ってくる。しかしガーリックは寒い国、夏又は暑い国よりも寒い季節には害が少ない。

 

R-35. あらゆる野菜はレタスとoxtongue(植物?)を除いては、血を悪くする。すなわち憂鬱と悲しみ、いやな思いと悪夢をもたらす。

 

R-36. レタスは寒である。食べる時にボイルすると他の野菜よりも血を良くして眠りを起こさせる。生でもボイルしても、胃炎又は太陽で頭を痛めた人々には良である。ヴィネガーといっしょに食べると空腹になり食欲が出る。レタスは又熱と乾であり、頭と目、胃を傷つけ悪夢を見る。ダメージを和らげるにはレタスを水の中で2回ボイルするべきであるとAvicennaは書いている。

 

-37. キャベツは熱であり体を乾かし、上手に歌を歌わせる。このジュースは病人には良い飲み物であり悪血を作る。Rhazesは、キャベツはたくさんの悪夢を引き起こすと述べている。キャベツは大腸の動かし、、胸と喉を柔らかくする。Orbasiusは、病(水腫?)が腰や足にある者にキャベツを食べるように命じている。

 

R-38. フダンソウとarroche(スペインホウレンソウ)は体を柔らかくして腸の動きを引き起こす性質がある。栄養が良く黄疸と肝炎に対して良である。特にスペインホウレンソウは冷で湿を引き起こす。フダンソウの方が体に良くたくさんの湿を引き起こす。フダンソウの葉を傷口に当てると膿を出させる。

 

R-39. Benet(栗?)は体に良であり、喉と肺、胃、肝の働きを助け、腸の動きを適度にもたらす。これは健康によい食べ物である。

 

R-40. アーモンドは甘く穏やかな熱であり体から湿の追い出す。Averroesは、アーモンドは脳の発達と穏やかな眠りをもたらすと述べている。従って良く勉強する人々、又はよく目が覚めてやせている人々には有用である。何もたべたくない人々はアーモンドの殻を取ってホワイトブレッドといっしょに食べるべきである。たくさんの血を作るので砂糖もいっしょに食べると更によい。

Rhazesは、心の痛みを和らげ喉を滑らかにし熱の(性質?)であるので水が通る時に痛みのある人々にとって良である。アーモンドは尿の出を良くするが、アーモンドミルクも同じであるが消化しにくい。

Averroesは、アーモンドは体から出る水が通る路とペニスを掃除してきれいにし、やせた人々にとって有用である。又、アーモンドから取れる油は痙攣に対して有用である。すり込むと年を取って腰が曲がるのを防いでくれると述べている。

 

-41. ザクロを空腹で食べると乾きを癒し胆汁を追い出し空腹を引き起こす。Rahzesは、ザクロは熱を追い出し、口に戻ってくる食べた物を押し下げて肝を冷す。Averroesは、食事中に食べると胃の中で食べ物が腐らない。食事の後で食べると別の食べ物によってひきおこされる憂鬱症が頭の中に生じないと述べている。

 

R-42. 木の実は体を熱く乾にして、消化しにくい。胃を痛め、食べ物を吐かせ腸の動きを促す。しかし、緑色の木の実は害が少ない。たくさん食べる者はparli(中風?)になる。又は舌に障害が生じ、heavy tongueになる。Avicennaは、木の実は寒い冬には害がないと述べている。Averroesは、熱のある病気あるいは時々熱のある人々には害がある。適度に食べればよい。イチジクといっしょに食べると毒のある空気()とあらゆる種類の毒に対して効果があると述べている。

 

R-43. ヘーゼルナッツは脳を成長させて頭を痛くする。ヒポクラテスとAvicenna,フライにすると咳に効果があり粘液の排出を促す。へーゼルナッツは体の中にガスを出し腸に風を送り、本当のナッツ(クルミ)よりも消化が良くない。しかし栄養は良い。

 

R-44. セイヨウカリンの実は胃を固くして余分な胆汁を追い出す。食事を余分に食べたくないときには食事の後で食べるべきである。

 

R-45. 栗もセイヨウカリンと同じ働きがある。栗は頭に上がる食物の蒸気を止める。なしとチーズも食事の後で食べると同じ働きがある。

 

R46. マルベリーはそのほとんどが、熟していないものは全て胃に大きな傷害を与える。マルベリーは腸の働きを促し体を冷すので別の食事の前に取るべきである。

 

R-47. プラムは2種類あって、白と黒、両方とも体を冷し湿をおこす。熟していれば(食べ残し?)を追い出し、腸の動きを促し過剰な熱、胆汁を出させ、悪熱を引き起こす。胃の位置を押し下げる。黒よりも白いプラムの方がよい。Avicenna,大きくて厚みのあるほうがよい。特に腸の動きのない(問題の)人は、プラムは他の食べ物の前に食べさせるべきであると述べている。

 

R-48. スイートチェリーは又はプラムの性質を持っており、最後に食すべきである。

 

-49. モモは体を冷し、湿を起こし、体に悪く害がある。しかし食欲を起こす。モモを他の食べ物の後で食べるとその食べ物は胃の中で腐る。従ってモモを食べたいのであれば、他の食べ物の前に食べるべきである。そうすれば、胃から上がる口の中の悪い味に対して良である。モモから出た蒸気は心臓を強くする。モモの葉を絞りその汁を耳の中に垂らせば中の虫を殺す。たくさんモモを食べる人は熱っぽいが炎症のある人々には良である。空腹で食べるべきである。しかし節度を持って食べるべきである。

 

R-50. カリンはナシよりもひどい便秘を起こす。胃を強くして食欲が増す。他の食べ物のあとにこれを食べると腸が動き、そこから蒸気が出て心臓を強くし、心臓のあらゆる病気に対して有効である。

Avicenna,フライすると食べ物を保つことはできないが口に(上に)出る性質の人と酔っ払いには有効である。カリンは悪湿である。胃を強くして人々を幸せにすると述べている。

Avicenna,カリンの汁のシロップを作って飲むと食欲が全くなくても食欲が戻ってくると述べている。

 

R-51. 生のナシは冷であり乾である。便秘になり渇きを取り除く。Rhazes,他の食べ物よりも前に食べると食べたものを押し下げて頭の中を悪臭で満たすことがない。ナシが粗であり甘くないときはこれをフライするか食べないことだと述べている。

 

R-52. 甘いリンゴは湿をもたらす。酸っぱいリンゴは寒で乾なのでたくさん食べると熱をもたらす。少し食べると心臓と脳を強くする。又体の中に風をもたらす。Averroes,リンゴジュースは胃を強くするがたくさん食べるとzieh adern(ある種の血管)を痛め、熱っぽくなると述べている。Avicenna,リンゴを食べる者はそのジュースをごくごく飲むべきではない。味の悪いリンゴは害があると述べている。

 

R-53. Rhazes,葡萄は甘くて白く薄い皮があり、甘いものはたやすく消化する。葡萄は人々を肥らせガスを出し、体を熱くして貞操をもたらす。葡萄は胆嚢を傷めるので3または4日前に摘み取ったものでなければ食べるべきではない。腸に病がある人々には一層葡萄がよい。葡萄は腎臓と膀胱をきれいにして良く維持すると述べている。Averroes,葡萄は熱と湿をもたらし肝に良いと述べている。

 

R-54. Averroes,イチジクは胃をきれいにして腸の動きを良くし熱と湿をもたらすので一番いい果物であると述べている。Avicenna,イチジクは悪血をもたらすのでたくさん食べる者は皮膚病になり虱が付く。しかし肝と脾臓に良い。イチジクは腎と膀胱をきれいにして食べ物が入る道を開く。(主食を)食べるかなり前にナッツまたはアーモンドといっしょに食べると胸に良く、喉の荒れに有効である。水の中でボイルしたもの、干したもの、そしてナッツといっしょに食べるとあらゆる毒物に対して有効である。

 

R-55. ニワトリの新しい卵は一番良い。卵黄は穏やかな熱であり、栄養が良い。しかし、卵白は寒であり、粘液と悪血をもたらし悪い食べ物(である)。水の中でボイルした柔らかいニワトリの卵は元気をなくした人々に有効であり、たくさんの血を失った人にとって有用である。フライした卵は頭の中に蒸気を上らせる。柔らかくボイルしたニワトリの卵は体重が減った人々又はハスキーな喉の荒れた息の十分にできない、又は口の中に血を吐く、人々にとって有効である。

 

R-56. チーズは古いものも若いものも、わずかに塩がしてあり、脂があるものがよい。しかし、出来てすぐのものや塩がしていないものは良くない。チーズは良い血を作る。Galen,腎臓と膀胱に石が出来るので少し、たまに食べるべきであると述べている。

Avicenna ,全てのチーズは、古いものも新しいものも、塩がしてあってもなくても胃に悪いと述べている。しかしRhazesは少しだけだとチーズは胃の入れ口を強くして食欲を増し他の食べ物の消化を促すと述べている。他の医学の権威者達も同様に述べている。

 

R-57. 乳は甘くて新しいものは寒で湿の性質を持ち、体重が減っている人達や又は乾いた咳又は尿をする時にscheydet das wasserr(痛みがこたえる?)人達にとって有効である。咳の出る人達は蜂蜜を加えると消化も良くなって良い。Avicenna は、乳は良い血を作り、乾の性質を持つ人達にとって有効であるが熱のある人々又はgru, mbling(ちくちくと)胃が痛い又は血管に疾患のある又は寒によって引き起こされたほかの病気を持つ人々には害がある。乳を飲んだ後では何人もワインを飲むべきではないし、飲むのを止めねばならないと述べている。

Avicenna,何人も乳が消化されるまでは他の食べ物は食べるべきではない。新鮮な乳を飲む者は、休むのは良いがその後眠るべきではない。そうでないと乳はヴィネガーに変化して胃と手足に有害である。何人も乳と魚を同時に食べるべきではないし、そうするとハンセン病になると述べている。Averroes,あらゆる乳の中で婦人のものに勝るものはない。ヤギの乳がこれに次ぐと述べている。しかし、Avicennaによれば、一番いいのは牛の乳であると述べている。Rhazesは、乳は若い人々には害がある。それは、乳は熱の性質を持ち、wirt zu hart in in gelbe(直ちに胆汁に変わる)からであるが、年を取った人々にとっては体に良い。乳を蜂蜜又は砂糖を混ぜて飲むと消化がよい。Avecinna は、乳は湿を起こし、体から皮膚の病を追い払うと述べている。

 

R-58. ミルクは肺に病のある人々にとって有効である。バターを取ったミルク、赤い鉄とともに熱せられたミルクを飲むと肝に炎症のある人々又は腸に痛みのある又は多すぎる熱によって良血が失われた人々に有効である。

 

-59. 又、あらゆる野菜、サワーミルクは消化が悪く食欲の減退を引き起こす。

 

R-60. 又、ホエイは熱と過剰の胆汁を追い出し皮膚病や腫れ物のある人々にとって有効である。

 

R61. 又、乳から作ったバターは胃を荒らし、たくさん食べれば食欲を減退させる。

 

U-62. これより魚の章である。

 

R-62. 石の多い、流れのある場所にいる魚はたくさんの鱗があり、大きくもなく、小さくもなく、肥ってもいない。ウナギやサーモンのような魚で、きれいで味も悪くない。こういう魚が一番である。新鮮なものであれば悪くはならない。しかし、緑色の魚は全て寒で湿であり消化が悪く、乾き、悪血、胃に悪く、胃の中にたくさんの粘液を引き起こし、寒の性質によって引き起こされた病気を持つ人々人々には害がある。しかし熱と乾の性質を持つ人々には有益である。

 

R-63. 又、汚れた又はよどんだ水の中にいる魚は全て害がある。塩漬けの魚は全て健康に悪いので少しも食べるべきではない。しかし、塩漬けにして間もない魚はその中で最も良い。

 

R-64. Avicenna,上に記した生の魚はソースの中にヴィネガーを入れてクックすると一番良い。

この方法は健康に良い。魚のブロスはすべて腸の動きを促進すると述べている。

 

R-65. 淡水の甲殻類は全て体重の減少している人々のとって有効であり、助けとなるものである。そして栄養もよい。

 

R-66. 又、全ての魚はボイルするよりもフライした方が体に良い。魚はフクロウのような眠りを人々にもたらす。

 

R-67. 又、Gardianus,全ての魚はワイン又はヴィネガー又はスパイスといっしょにボイルすべきであり、そうすると悪い湿を引き出すと述べている。

 

U-68. これよりブレッドの章である。

 

R-68. Rhazes,あらゆる穀物の中で小麦が最良であると述べている。なぜなら、貴方が食べるパンは小麦で作られており、きれいな十分に焼かれており、わずかにgede(十分に?)塩がしてあり、少なくとも1又は2日経ったものである。しかし、良いパンというものはほんの少しふすまが入っていて、それが腸の動きを促すことを知っておくべきである。Avicenna,貴方は決して暖かいパンを食べるべきではない。暖かいパンは胃の中で上の方に浮いて消化しないからであると述べている。どんなパンでも水の中でボイルしたものはtesem(?)肝と体の中で痛みと石を引き起こすことがない。又、ケーキのように平鍋の中で焼いたパンは体の中に傷みを引き起こし、十分に消化されない。古いパンは全て大きな病気を引き起こす。ライブレッドは白いパンに次いで体に良いし、腸の動きを促す。他のパンは旨くもないし健康に良くもない。又、栄養も良くない。

 

U-69. これより肉の章である。

 

U-69. 又、肉は人体を養い、肥らせ、強健にする、最も栄養がある食物である。しかし、熱のある又は血の多い人々には有益ではない。年取った動物、子供を産んだ動物又は年を取ったトリ、年を取ったニワトリとオンドリ、それに脂の多い肉は全て胃の中に泡が生じて食欲がなくなるので有益ではない。全てのロースト、フライした肉は栄養があって体に良い。消化が悪いが、多血によって下方を縛られた(便秘になった?)人々にとっては有益である。これを食べると他に何も食べるべきではない。Rhazes,ロースト、フライした肉は粗であり、飢えを満たして消化が悪く、痩せた体を肥らせる。ボイルした肉は調理の方法では一番健康に良い。少しヴィネガーを水の中に加えてボイルすると、熱い肝又は多すぎる赤い胆汁又は胆汁過多の人々のとって有益である。

 

R-70. 若いニワトリ。Avirroes,全てのトリの中で肥えた若いメンドリは一番健康に良いトリであり、良い性格を作る特性があると述べている。そのブロスにも同様の働きがあり、ハンセン病に有効である。全てのメンドリの中で卵を抱いたことのないものが良い。その他のものは有用ではない。若いメンドリの脳は人間の脳を発育させて感覚を鋭くする。脳の病に起因する鼻血を抑える。

 

R-71. ヤマウズラは家禽ほどではないが寒の性質を持つ。その肉は悪くはなく、柔らかい。食べても健康な人を害することはないが病人が食べると粘液を生ぜしめ、有益ではない。ヤマウズラの胆汁を取っておいて古いラードと混ぜて(in cuius cute perdicule exterius de sodore screscune illi se cum eo sepe perungant ?)皮膚を通る。貴方は有益なものを見出せない。ヤマウズラは非常に健康に良くRhazes,ボイルして食べると悪湿を追い出し、胃から腐った食べ物を追い出す。ヤマウズラは又、便秘を起こさせると述べている。

 

R-72. 灰色のメンドリも上で述べたものと同じ性質があるが、肉は前で述べたものよりも病人にとっても健康な人々にとってもより有益である。

 

R-73. ライチョウは熱であり、少し湿である。従って病人にとっても健康な人々にとっても有益である。蛆虫又は他の虫が人間についている時には膀胱を取って強く挽いて粉にする。その粉を用意してその場所に置くと、その虫が粉を食べると死ぬ。

 

R-74. キジバトは高貴な食べ物であり、感覚と記憶を研ぎ澄ますとAverresRhazes,述べている。他のハトは感情を高ぶらせ熱を引き起こす。Rhazes,若いハトは熱の性質を強めるが年取ったハトは悪病又はpalsy(中風?)を患った人々に有益であると述べている。ベーコン、杜松、セージと混ぜてローストすべきである。

 

R-75. 又、ホシムクドリとキジ、杜松を食べるトリは全て体に良い。熱であり、食欲の低下,悪液質を引きおこす。又全ての水禽鳥、サギやカモ、その他のトリも同様である。

 

U-76. ここよりあらゆる種類の動物の肉の章である。

 

R-76 .最初にヤギの肉と若いメンドリの肉が全ての肉の中で一番であると述べておこう。

AverroesRhazosは、肉は良い血を作り、害になるものはないが、激しい仕事をする人々にとっては害になる。その他の精なる食べ物も良くない。粗なる食べ物が怠け者や病人の体の中で腐るように、激しい仕事をする人達の体の中でそれが腐るのである。

 

R-77. 1年又は1年未満の仔牛の肉が、又は乳獣のものが一番であるようにラム肉も1年又は1年未満の物が一番良い。

 

R-78. 牛肉もまた栄養が良くたくさんの粗なる血を作り、激しい仕事をする者には栄養となるが、憂鬱症で悲しい夢や考えを抱く人々にとっては害がある。

 

R-79. ボア又は家畜の豚は消化が良く栄養が良いが粘液を作り粗なる食べ物である。一番いい部分は脚、口、耳それに尾である。

 

R-80. 骨髄それは、トリ又は他の動物であろうと、眩暈を起こし、記憶が悪くなる。従って昔読んだり聞いた事を忘れる。

 

R-81. 野生の動物の中にノロジカ、ノロジカのメスよりも健康に良い肉はない。Albertusは、ノロジカとそのメスの肉は熱から守り、体からregen wurmm (?)を追い出すと述べている。

 

R82. 年を取ったシカ又はノウサギの肉は憂鬱症、悪夢や悪い考えを引き起こす。しかし、ローストしたノウサギの肉はpalsy(?)中風を患った人々の栄養となる

 

R83. ハリネズミの肉はハンセン病に効果がある。ハリネズミの腸を干して、挽き、粉にして少し食べると小便といっしょに出る。そうならなくても別の形で外に出る。

 

R-84. リスの肉は体に良い。どんな肉でも若い肉ほど体に良いということを知っておくべきである。肉は脂が多くも少なくもないのが良い。

 

R-85. どんな動物の心臓も消化が悪く栄養が十分にない。脳は寒で食欲を減退させ胃を傷める。他の食べ物の前に食べるに食べるべきである。

 

R-86. 頭は粗なる食べ物である。栄養が良く体を大いに温め、胃がごろごろと鳴り、熱をもたらし、血に力を付ける。非常に寒い冬を除いては食べるべきではない。

 

R-87. あらゆる動物の肝、脾臓、腎臓は消化が悪くたくさんの病をもたらす。

 

R-88. 貴方はたくさんの食べ物を食べて、その食べ物がペッパー、タマネギ、ガーリックのような熱の性質を持つものであれば、それらが貴方の血を燃やすことをご存知であろう。甲殻類も同様の性質を持っている。貴方が食べるレタスや根菜類のように寒の性質を持つ点で同じであり貴方を寒にする。この食物は貴方の血を潰して血を固まらせる。貴方が食べた物、例えば、かぼちゃのように貴方の血液の中で血を腐らせるもの、例えばマシュルーム(きのこ)のように毒性があると、貴方自身を殺す。しかしそれらがタマネギやピーチのように腐った物がたまる(だけであれば)体の中で多湿を引き起こす。

 

R-89. ペッパー、パセリ、リンドウ,ヒソップのようにひどく体を乾かす物であっても、他の物と混ぜれば穏やかな湿をもたらし体に良いが、たくさん混ぜすぎると栄養とならずに病に陥る。

 

R-90. 魚や肉の脂をたくさん食べすぎると貴方の栄養とならないし、貴方の血を燃やし、胃を痛め、その中の食物を腐らせて、貴方の視力に傷害を与える。食べ物が甘すぎると貴方の体と手足を塞ぎ重大な危害が生じる。苦い物を食べると栄養とはならず(体の中の)体や筋肉にならず、貴方に危害を加える。

 

R-91. ヴィネガーの多すぎる食べ物、その食べ物の中にたくさんのヴィネガーを入れる、又は非常にたくさんの酸っぱい味がしたものは、貴方に年を取らせて死に至らしめる。

 

R-92. しかし、貴方の食べた食べ物でひどい便秘になったら、その食べ物はマルメロのように酸っぱいものではない、便秘にさせる食べ物は貴方に危害を及ぼす。権威ある者はこのように述べている。

 

R-93. 人々にとって良い食べ物はラムの肉であり、それも1年あるいは1年未満のもの、それに仔牛と乳のみの仔牛の肉、少し大きくなって(成長した?)ニワトリで1年以下のもの、しかも卵をまだ産んでいないもの、シャポン、ヤマウズラ、柔らかい卵、流水の中に入る鱗のある魚、日常食べている全ての小さい鳥、少し塩味のする2-3日経ったレーズンを入れた小麦のパン。

 

U-94. これより飲み物について述べる。

 

R-94. 貴方の飲み物は年を経た、澄んだワイン、新しいものではない、不透明なワインであり、水を少し入れて飲むのだが、冬にはワインは飲む前に少し暖める。その時期はセイント・キャセリンズ・ディ( St. Catherine’s Day, 11/25 )からセイント・ピーターズ( St.Peter’s, 2/21?)までであり、コウノトリが戻ってくる時期である。ラム肉のように体にいい、そして大いに栄養のある食べ物を食べるべきである。牛肉、野兎、シカ又は豚を食べたいのであれば、これらの肉は上で述べるほどに貴方を傷つけ、危害を与えることはない。

又、この時期に食べると他の時期よりもたくさん食べても、外の寒さが熱を体の中、心臓、肝の中に閉じ込めて消化力が増すからである。

 

R-95. 夏には、セイント・ウルバヌス・デイ( St.Urbanus ‘ Day, 3/25 )からアウア・レイディズ・デイ( Our Lady’s Day, 9/8 )の最初の日まで、ヤギの肉、若いラム肉、乳のみの仔牛又は1年未満のラム肉、若いラムの肉、ボイルした小さなpenetやレタスなど、栄養のない、腹の膨れないものを晩課の時に食べるのであれば、その時に生のレタスをヴィネガーといっしょに食べるようにしなさい。

 

R-96. 朝食を食べる時に胃がひどく寒でないならば、ホースラディッシュ、酸っぱい、あるいは甘いチェリーや他の食べ物を朝食の後に食べる事が出来る。なぜならば季節が貴方を熱で乾にしてくれる間は、それらの物が冷し,湿にしてくれるからです。この食物は貴方に汗をかかせ、チェリーは余分の胆汁を追い出す。しかし特に寒くて病気の時は貴方は胃を冷しすぎないようにするべきである。

 

R-97. 秋、アウア・レディス・ディ( 9/8 )からセイント・キャセリンズ・ディ ( 11/25 )まで、は小さなフルーツを食べる。そのフルーツはアーモンドよりも小さな熱をもたらし、緑色のナッツは適度に食べるべきである。

 

R-98. 春にはコウノトリが帰ってくる、セイント・ピーターズ・デイ ( 2/21)からセイント・ウルバネス・デイ ( 5/25 )までは、冬の間は食べすぎているので、良質の食べ物を量って食べることになる。それがその年の何時(その年のこの時期?)であるかを知っているべきである。脂の乗った肉又は魚を胃の中に入れるのは有害である。魚の後にナッツあるいはナシを。肉の後にチーズ又はナシを。つまり、ナシ又はチーズを食事の後に食べるべきである。貴方がたくさん歩いた日や胃の中に大いなる熱を感じた時を除いては緑色のフルーツは食べるべきではない。

夏には緑色のフルーツを少しも食べるべきではないし、その後は何も食べるべきでない。Avicenna は、プラム、リンボク、酸っぱい、甘いチェリーのような緑色のフルーツは胃を傷つけるたくさんの胆汁がある。激しい仕事をする人々には適しているが、人間の血を薄めて腐らせる。Avicennaは、多くの種類をたくさん食べると悪熱を起こすと書いている。私がここに記した緑色のフルーツほどではないが、どのフルーツも健康によくない。

 

R-99. 精で温なる食物は粗で寒なる食物よりも人々をより長く健康を保持することを知っておくべきである。消化が非常に悪いあらゆる牛肉、豚、キビは害がある。激しい仕事をして丈夫な胃をしている強健な男がヤギや仔牛、若いニワトリのような精なる食べ物をたくさん食べると胃の中で腐るので、彼らには不健康な食べ物である。

 

R-100. 貴方の体質に合っていない脂の多い肉を食べたのであれば、食べたあとでナシとチーズを食べなさい。塩の多すぎる食べ物を食べたあとには甘いリンゴを食べなさい。精そして粗なる食べ物を同じ食事の中で食べないときは、前もってシカや豚、牛、ラムの肉ではなく柔らかい卵、若いニワトリ、小さい小鳥のような精なる食べ物を食べなさい。

胃の中で精なる食べ物は粗なる食べ物の上に浮き上がって腐るので、ボイル又はローストした肉を食べるべきではない。Avicennaは激しい仕事の後又は遠くまで歩いた者は魚を食べるべきではないと述べている。又、魚、肉、えび、カニのようなたくさんの異なった食べ物を同じ食事中に長々と(テーブルの上で)だらだらとたくさん食べる事ほど害になることはないとも述べている。

 

U-101. ここよりオイルについて、その効用と作り方を述べる。

 

-101. ローズオイルは次のように作る。オリーヴオイルを3ポンド、薔薇の花びらを1ポンド用意してグラス又はガラスで出来たポットの中に入れて、しっかりとフタをして太陽に下で30日間吊るし、布で濾す。このオイルは顔面と顔に塗ると主に熱による病に効果がある。木のオイルが手に入らないときは良質の五月に作ったバターとワックスを1オンス用意して、溶かしてから混ぜる。前のものよりも後の方が良く効くといわれている。

 

R-102 .ゆりのオイルはローズオイルと同じ様に使用して、同様の効果がある。

 

R-103. Barrago gruntletlich(?)と呼ばれている。このオイルはローズオイルと同じ様に作る。このオイルの性質はヴァイオレットオイル又はローズオイルよりも更に寒であるので、熱によって引き起こされたあらゆる種類の病に効果がある。

 

-104. Scharlas花のオイルはbarragmatumと呼ばれているので、Barrago()Scharlay花とも呼ばれている。このオイルは上で述べた方法と同じ様に作る。他のオイルに比べて温の性質が 一部にあるので、4日熱や感覚が不確かではあるが、まだ気が狂っていない人間や心臓が疲労している人達に効果がある。

 

R-105. Oleum insquinaniは次のように作る。Iusquianumはマシュルームのことである。穴の開いたポットにその種とその先端と刻んだ葉を入れる。別のポットを用意して地面に埋め、穴の開いた別のポットを上に置いて、何も入らないようにしっかりと蓋をする。そして2つとも土で覆って1年間そのままにしておく。1年経って取り出し、ポットの底にきれいで澄んだオイルを見出すでありましょう。このオイルは強く冷すので、熱によって引き起こされたあらゆる病に対して有効である。

 

U-106. 寒の性質を持つオイルについて述べてきたが、ここからは熱の性質を持つオイルについて述べよう。

 

R-106. 月桂樹のオイルは次のように作る。月桂樹の葉と実を用意する。準備をしたらそれを挽いて水の中で強くボイルする。その(水に浮いているオイル)表面を取り出して保存する。このオイルは熱の3度であるので寒のgout(関節炎?リュウマチ?)と寒によって引き起こされる全ての病気に対して効果がある。

 

R-107. Oleum puleginem poley( menta puleagina, Ger:Poli/Fkohkraut. Fleawort ? )から作る。これは熱の4度である。前述したように花が咲いたときにpoleyを取って火の前で調整してオイルの中でボイルする。長くボイルすればするほどたくさんのオイルが得られる。オイルを搾り出して保存する。

 

-108. Oleum sambucum.Sambucusとは熱の3度のトネリコの花である。以前から聞いているようにオイルの中でボイルしてニワトコの花からオイルを作る。熱の性質を持つほかのオイルのように同じ病に対して効果がある。ニワトコの花の別のオイルがあり、それはニワトコの果実から作り、寒の性質を持つ。これらのオイルは海外からもたらされるのでこの地では見当たらない。

 

R-109. Oleum nardinumは人々がうわさをしているように、インドにある石から流れ出ているのではない。このオイルは次のように作る。以前に聞いたように、ホールの甘松を用意して水の中でオイルといっしょにボイルする。ここに新しく絞った(?)ワインを加えて20日間保存する。十分にオイルに力が伝わったら絞って保存する。このオイルは寒によって引き起こされる全ての病と消化に対して効果がある。

 

R-110. Oleum ruteleonはヘンルーダから作る。ヘンルーダの殻をその葉といっしょにマイルドなワインとオイルの中でいっしょにボイルする。20日間そのままにしておいて絞って保存する。これは熱の4度である。

 

-111. Oleum castereleon. Castroriumは次のように作る。

Castoreum をマイルドワインとオイルの中でボイルする。粉のcastoreumは完全に分かれるので絞る必要はない。粉のオイルはテンカンに効果がある。テンカンは人々の感覚を混乱させる脳の病気である。又、痛風に効果があり、強壮効果があり四肢を強健にする。

 

R-112. Oleum anetileon, Anetumはディルのことでその種のein teyl(一部?)をオイルといっしょに挽き、マイルドワインを(加えて?)絞る。このオイルは以前お話したように効果があり、ここで聞いたことがあるものだ。このオイルはディルの葉又は花の殻()又は根から作る。

又、Oleum muscatellinum又はNardinum又はruteleon又はどんな種類のオイルでも葉、花、又は幹を挽かずにオイルと同量のワインの中に3時間固形物と(いっしょに?)漬ける。こうして30日間浸けておく。長ければ長いほどたくさんのオイルを得る事が出来る。次いでこれを絞ってそのオイルを保存する。

 

R-113. 種からオイルを作るには、種を挽いて上で述べたようにボイルする。五月のバターは質が良くて体によいので、これを使うと良い。従ってオイルが手に入らない者は五月のバターを使うことが出来る。

 

 

 

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